閲覧者の皆様、こんにちは。競馬総合サイトG-ZEROへようこそ。また、血統研究所へもようこそおいで下さいました。今後ひとまずの、血統研究所のコンテンツとして、主要11項目のそれぞれについて、優秀な配合をそれぞれピックアップしていきたいと思います。今回は結合力の項目についてです。
前回と同じく結合と一口に言われても、それはなにか?となるかと思いますので、今回も結合力の項目に対して優秀な配合を例に上げて、説明を行いたいと思います。では、今回は世代ナンバーワンの呼び声が高かったものの、不運もありクラシックは菊花賞の一冠のみに終わり、その後屈腱炎を発症、その先にあるはずであった輝かしい未来を見る事無く、引退となったダンスインザダークを例にとって説明を行いたいと思いますので何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、ダンスインザダークの血統構成の説明に入る前に、非常に簡単ではありますが、結合項目について高い評価を得るためのポイントをいくつかあげてみたいと思います。
・ある程度明確な主導勢力を確保した上で、6代目までに存在するクロスと主導勢力が共通の祖先を持ち連動性を持っている事
・結合を果たす世代はなるべくシンプルに、主導勢力が抱える祖先と結合しシンプルな形を作り上げている事(これを直接結合と考えます)
・結合を果たす血は、単一の血では無くなるべく複数の血で連動を果たしている事
・直接結合を果たせなくとも、特定の血を介して間接的に結合を果たしている場合は評価をするものの、なるべくシンプルに結合しているほうが望ましい事(これを間接結合と考えます)
・7代目以降においても、存在するクロスが同一の祖先を持ち主導勢力と連動している事
・シンプルに結合を果たす為に、主導勢力となるべく近い世代で結合を果たしている事(現代的な血統構成においては、上記の項目と比較してそこまで重要視はしません。過分にマイナスには取らないという意味でプラスとしてはとります)
簡単ではありますが、この6項目がしっかりと守られていれば、それだけ結合としての評価が上昇すると、考えて頂いてかまいません。
ダンスインザダーク(サンデーサイレンス×ダンシングキイ by Nijinsky)牡・93生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:6 結:8 土:2 弱:2 影:2 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:2(主導牝馬クロス・母産駒複数活躍馬)
合計:(43+2/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C 〇 L 〇
ダ:S × M △ I 〇 C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め
〇 短評
主導は、Almahmoud4×5の系列クロス。この主導は位置の関係や、母母に主導勢力が存在しない事、父母に強い米系の主張もかなり強い点もあり、極めて明確とはいかないものの、ダンスインザダーク内の主要なクロスである、Nearco・Blue Swords・Bull Lea-Bull Dog(Sir Gallahad)・Pharamond・Hyperionと相互に連動し、それらの能力参加が比較的スムーズに行われている点から見て、主導と考えて良い。また、強調された父父Haloへの血の集合がかなり良好で、結合力の強固さを鑑みて、仕上がった際にはかなり強い競馬を見せる可能性があるタイプだと言える。父サンデーサイレンスに不足したNijinsky・Graustark-Ribot等の質の高い血を、直接クロスこそしないものの、そのキーホースを抑え再現に成功した点も評価できる。惜しむらくは、土台構造の貧弱さや、非常に軽微ながら弱点を派生させた点だが、影響が弱い部分でもありさほどのマイナスでは無いだろう。ゆっくりと成長するものの、底力ある自力勝負可能な中~長距離タイプ。
これが、ダンスインザダークの血統構成に対する短評になりますが、かなり優秀な配合である事がわかっていただけたかと思います。ここで結合にしぼって再度ダンスインザダークの血統を振り返ってみたいと思います。主導のAlmahmoudとNearcoはSpearmint・Rabelaisで、Blue SwordsはFair Playで、PharamondはCanterbury Pilgrimで、Hyperionはその父Gainsboroughで直接結合を果たしています。ややPharamondの結合が弱いものの、Pharamondはその母Seleneを通じHyperionと強固に結合し、各系統が縦横に血の連動をはかっているのがわかっていただけると思います。また、7代目以降に存在するMan o’WarはFair Playで、EquipoiseはBloomstick で、Over ThereはSearmintで直接結合を果たし、Beau Pere(=Belle Mere)はPolymelusを介しNearco経由で間接的に結合を果たす等、7代目のクロスまでも主導と連動しているのは、この世代の競走馬の血統としてはかなり優秀なレベルだと言えるでしょうか。それだけ鍛えがいのある血統構成であり、古馬になってからの本当の開花を見たかったサラブレッドの一頭でありました。では、これを前記の項目にあてはめて考えてみましょう。
・Almahmoudが極めて明確な主導とは言い難いものの、6代目までのに存在するクロスであるNearco・Blue Swords・Bull Lea-Bull Dog(Sir Gallahad)・Pharamond・Hyperionと直接結合を果たしている。
・6代目までに存在するクロスと、主導との結合完了が前述の通り直接結合を果たし、こと結合面においてはシンプルな形態だと言える。
・6代目までに存在するクロスと、主導勢力は複数の血で連動を果たしているとは言い難いが、各クロスのそれぞれの連動性から見ても強固に連動していると考えて良い。
・6代目までに存在するクロスは、全て主導であるAlmahmoudと直接結合を果たしている。
・7代目以降に存在するクロスもその全てでは無いものの、前述のとおりに、かなりの連動性の高さを見せている。特に孤立しがちな米系の連動性が、ここでもしっかりとはかられているのはかなり優秀。
・主導勢力内において結合完了が9代目とやや遠いのはマイナスだが、現代的な血統からみれば十分優秀。
こうして見ると、ダンスインザダークの血統における結合力の強さは、古今の名馬と比較しても決して劣るものではなくトップレベルの配合であったと言え、結果的に菊花賞のみのタイトルに終わったものの、3歳秋に予定されていた海外での走りを見たかった一頭であったと言えます。
簡単ではございますが、主要11項目における結合力についての説明を終わりたいと思います。まだまだ分かりにくい部分も多々あると思います(血統表を併記しない点等)。ですので、ご質問等あれば気軽にご連絡頂ければと思います。
今後とも競馬総合サイトG-ZERO共々、血統研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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