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新馬・未勝利戦勝ち馬より =グロバーテソーロ=

グロバーテソーロ(24/04/20、2回東京1日3R、ダ2100m未勝利)3番人気1着

オルフェーヴル×ツクシヒメbyカコイーシーズ.

 

先週の3歳未勝利戦では牝系祖先にコランディアを持つ2頭、グロバーテソーロ(5代母コランディア)とニシノアヤカゼ(6代母コランディア)が勝ち上がりました。

 

1958年に生まれ、1966年に日本に輸入されたコランディアは、その血統内にPharos 3×3,Tourbillon 3×3,Durban≒Frizelle 4・4×4 など、昨今のアンチインブリード論者達が目を覆いたくなるような強いクロスを持つ種牝馬ですが、代表産駒であるベルワイド(父インディアナ)は1972年春の天皇賞を制し、ヒカルカマタ(父アイアンリージ)、ヤヨイカマダ(父チャイナロック)と2頭の後継牝馬は、現在においてもその牝系を繋げ続けています。

 

天皇賞馬ベルワイドの父インディアナは、父Sayajirao(Pharosの孫)×母父Solario(Gainboroughの仔)という血統構成で、ベルワイド自身が持つクロスは、Pharos 4×4*4,Gainsborough 4×5。

ベルワイドの2年後に春の天皇賞を制する事となるタケホープは父が同じインディアナで、母ハヤフブキはHarina=プリメロ 4×3,Nearco 4*4×4 と、こちらも母が強いインブリード持ち。そしてタケホープ自身のクロスは、Nearco3×5・5*5,Solario 3×6・6。まさにやってることはベルワイドと一緒。

 

上記の事例を見ただけでも、「父母の組み合わせと、そこに生じるクロスの重要性」がいかに大事かがよく分かるかと思いますが、ここで一度話を戻してグロバーテソーロの血統を見てみると、4代母ヒカルカマタは「父アイアンリージ×母コランディア」という組み合わせになっています。

 

アイアンリージはBold RulerやRound Tableらがいる米国黄金世代のケンタッキーダービー馬で、父Bull Lea×母父War Admiralという組み合わせにBull Dog=Sir Gallahad 2×3 という強いクロス持ち。Teddyに望みをつないだマルセル・ブサック帝国を崩壊させた要因の一つに数えられたりもする、PharosもTourbillonも持たないこのアイアンリージとコランディアの組み合わせは、Teddy 4*5×6 という一片のクロスを刻んではみたものの、その父母が共に持つ強いクロスによる爆発力を外に出すきっかけを与えられないまま、ただ悶々と牝系を繋ぐことになってしまったのではないかと思ってみたりもするのです。

 

 

「牝系を育てる」ことについての種牡馬の選定がいかに大切かを考えると、血統表の見方がまた一つ、味わい深くなるのではないでしょうか。

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