チューリップ賞(G2)は、阪神芝1600mで行われる3歳牝馬限定の別定G2。
後の桜花賞(G1)のトライアルレースで、1着～3着には、優先出走権が与えらる。
ここをステップに桜花賞(G1)に進んだ組は、5-7-6-26 と、本番との関連性も最も高い。
では、過去10年の傾向データを見ていこう。
●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5-1-2-2 50% 60% 80%
2番人気 1-2-3-4 10% 30% 60%
3番人気 1-2-0-7 10% 30% 30%
4番人気 2-2-0-6 20% 40% 40%
5番人気 1-0-1-8 10% 10% 20%
6番人気 0-0-2-8 0% 0% 20%
7番人気 0-3-1-6 0% 30% 40%
8番人気 0-0-0-10 0% 0% 0%
9番人気 0-0-0-10 0% 0% 0%
10番人気 0-0-1-9 0% 0% 10%
11番人気 0-0-0-9 0% 0% 0%
12番人気 0-0-0-9 0% 0% 0%
13番人気 0-0-0-7 0% 0% 0%
14番人気 0-0-0-5 0% 0% 0%
15番人気 0-0-0-3 0% 0% 0%
16番人気 0-0-0-2 0% 0% 0%
17番人気 0-0-0-1 0% 0% 0%
18番人気 0-0-0-0 0% 0% 0%
●開催年 3着内人気
2020年 4-2-1
2019年 1-4-7
2018年 1-3-2
2017年 1-7-2
2016年 2-1-10
2015年 5-7-2
2014年 1-4-6
2013年 3-7-5
2012年 4-3-1
2011年 1-2-6
1番人気は、勝率50%、連対率60%、複勝率80%と、軸としての機能を果たしていると言える。
その他の勝ち馬は、5番人気以内。
連対も7番人気以内で決着しており、3着も1頭10番人気がいるのみで、7番人気以内。
実質7頭立てと見て良い。
●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 4-3-1-10 22% 39% 44%
栗東 6-7-9-94 5% 11% 19%
その他 0-0-0-2 0% 0% 0%
頭数は関西が目立つが、率は関東馬が優勢。
●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 1-2-0-9 8% 25% 25%
2枠 0-0-0-13 0% 0% 0%
3枠 1-0-2-12 7% 7% 20%
4枠 1-1-3-12 6% 12% 29%
5枠 1-1-2-15 5% 11% 21%
6枠 2-1-0-16 11% 16% 16%
7枠 3-2-0-15 15% 25% 25%
8枠 1-3-3-14 5% 19% 33%
2枠が鬼門となっており、馬券になっていないが、それ以外は、バラけている。
1～4枠 3-3-5-46
5～8枠 7-7-5-60
内よりは、外の方が良い。
●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-0-3-6 10% 10% 40%
先行 3-4-4-26 8% 19% 30%
差し 3-2-2-40 6% 11% 15%
追込 3-4-1-34 7% 17% 19%
捲り 0-0-0-0 0% 0% 0%
先行＞追込＞差し＞逃げの順。
何より重要なのは「速い上りの脚」で、それさえあれば、あまり位置は問わないコース。
馬券になる上位3頭は、必ず、上り上位馬でこれが無いと勝負にならない。
●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
阪神JF 8-3-6-10 30% 41% 63%
紅梅S 1-0-0-8 11% 11% 11%
500万下 1-0-0-7 13% 13% 13%
クイーンC 0-2-0-4 0% 33% 33%
エルフィンS 0-1-2-20 0% 4% 13%
新馬 0-1-0-4 0% 20% 20%
シンザン記念 0-1-0-2 0% 33% 33%
未勝利・牝 0-1-0-7 13% 13% 13%
こうやまき賞 0-1-0-0 0% 100% 100%
赤松賞 0-0-1-1 0% 0% 50%
フェアリーS 0-0-1-6 0% 0% 14%
その他 0-0-0-37 0% 0% 0%
阪神JF組が8勝と圧倒的。
ついて、紅梅S、500万下となっており、2着以下は、新馬・未勝利からも出ており、特に格は問われない。
●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 5-2-0-19 19% 27% 27%
前走2人気 1-4-4-15 4% 21% 38%
前走3人気 0-2-1-11 0% 14% 21%
前走4人気 1-0-4-14 5% 5% 26%
前走5人気 1-0-0-8 11% 11% 11%
前走6～9人 1-1-1-24 4% 7% 11%
前走10人～ 1-1-0-14 6% 13% 13%
1番人気中心で、5番人気までを圏内と考えたい。
この時点で、勝ち馬の80%、2着馬の80%、3着馬の90%が該当する。
●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 6-3-2-33 13.6% 20.5% 25.0% 60.0% 36.7%
前走2着 3-2-3-7 20.0% 33.3% 53.3% 30.0% 26.7%
前走3着 1-2-2-14 5.3% 15.8% 26.3% 10.0% 16.7%
前走4着 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3% 0.0% 3.3%
前走5着 0-1-2-8 0.0% 9.1% 27.3% 0.0% 10.0%
前走6～9着 0-1-1-21 0.0% 4.3% 8.7% 0.0% 6.7%
前走10着～ 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
3着以内が中心。
全ての勝ち馬がこれに該当し、最重要ファクターと言える。
2、3着も5着以内の馬が90%該当。
6着以下は、割引きと考える。
●注目馬
メイケイメール
予想オッズ1番人気◎ 栗東○ 差し▲ 上り時計○ 前走・阪神JF◎ 3番人気△ 4着△
総合点18／28
小倉芝1200mでデビューし、2着に0.8秒差を付ける圧勝劇を演じると、続く、小倉2歳S(G3)も上り1番時計35.1秒0.2秒差で快勝。
更に、3戦目のファンタジーS(G3)では、4番手から抜け出し、上り3番時計34.5秒、2着に0.1秒差を付け3連勝。走破タイム1:20.1は、レコードタイムだった。
前走の阪神JF(G1)では、0.2秒差4着と負けたが、出遅れ、大外枠を考えると、やはり能力は高い。
とにかく課題は、気性難。
ここをコントロールできれば、能力最上位は明白で、当たり前のように勝つ。
テンハッピーローズ
予想オッズ2番人気▲ 栗東○ 差し▲ 上り時計× 前走・フェアリーS△ 1番人気◎ 4着△
総合点13／28
小倉芝1200mでデビューし、上り3番時計34.1秒を繰り出し、2着に0.2秒差の快勝。
続く、サフラン賞(1勝クラス)では、上り2番時計34.5秒を繰り出すも、0.2秒差2着と惜敗。
初重賞挑戦となった3戦目のアルテミスS(G3)でも、0.4秒差3着と好走。
前走のフェアリーS(G3)では、1番人気に支持されるも、伸びを欠いて0.7秒差4着と大敗している。
速い上りも無く、全体時計も遅いので、当然だがS指数も低い。
ローテーションからも、既に勝ち馬の権利も無く、軽視の方向。
エリザベスタワー
予想オッズ3番人気△ 栗東○ 差し▲ 上り時計○ 前走・エルフィンS△ 1番人気◎ 9着×
総合点14／28
阪神芝1600mでデビュー。
出遅れ気味のスタートだったが、盛り返し、最後の直線では、上り1番時計33.6秒を繰り出し、2着に0.2秒差で快勝した。
前走のエルフィンS(L)でも、出遅れが響いた上、直線で進路を失うロスがあり、1番人気に支持されるも、0.5秒差9着に負けている。
高評価の血統配合で、期待も高いが、出遅れと判断されるほど、出足が無く、ズルっと出る。
この辺りがピリッとしてくると、相当やれると思われる。
外枠を引ければ、2着があっても良い。
ストゥーティ
予想オッズ4番人気○ 栗東○ 差し▲ 上り時計▲ 前走・菜の花賞× 2番人気○ 3着▲
総合点15／28
新潟芝1600mでデビュー。
稍重ながら、先行し、上り3番時計34.9秒を繰り出し、タイム差無しの1着。ちなみに、この時の2着はレッドベルオーブ。
続く、アルテミスS(G3)では、11番人気の低評価ながら0.4秒差4着と健闘。
3戦目のこうやまき賞(1勝クラス)では0.2秒差3着、前走の菜の花賞(1勝クラス)も0.1秒差3着と勝ち切れない競馬が続いている。
速い上りが無いので、詰めるが差し切れない。
全体的な時計も平凡で、台頭するには展開の助けがいる。
タガノディアーナ
予想オッズ5番人気△ 栗東○ 差し▲ 上り時計◎ 前走・つばき賞× 1番人気◎ 2着○
総合点17／28
京都芝1600mでデビュー。
上り1番時計35.6秒を繰り出すも、0.1秒差2着と惜敗。出遅れが響いた。
次走の未勝利戦でも、上り1番時計34.3秒を繰り出すも、0.1秒差2着と惜敗。出遅れが響いた。
3戦目でも、上り1番時計34.2秒を繰り出すも、0.2秒差3着と惜敗。出遅れが響いた。
4戦目となる阪神芝1800mでは、上り1番時計34.9秒を繰り出し、2着に0.2秒差を付ける快勝。出遅れなかった。
しかし、前走のつばき賞(1勝クラス)では、上り2番時計33.6秒を繰り出すも、0.1秒差2着と惜敗。また出遅れが響いた。
上りの脚は抜群だが、とにかくテンで置かれる。
前々走くらい、何となくでも良いからそれなりに出られれば、好勝負可能。
S指数からは、十分に2着候補に届いている。
シャーレイポピー
予想オッズ6番人気△ 栗東○ 差し▲ 上り時計▲ 前走・紅梅S○ 2番人気○ 6着×
総合点14／28
京都芝1400mでデビュー。
上り1番時計35.6秒を繰り出すも、タイム差無しの2着。
続く、阪神芝1600mの未勝利戦では、先行策を取り、そのまま逃げ切り勝ち。上り1番時計34.2秒、2着に0.6秒差を付ける圧勝だった。
前走の紅梅S(L)では、出遅れが響いて流れに乗れず、1.3秒差6着の大敗となっている。
前走は、出遅れと敗因が明らかで、参考外で良いだろう。
1400mよりは1600mの方がレースはし易そうで、改めて見直す手もある。
逃げ 1-0-3-6 だが、思い切って行くなら、面白い。
マリーナ
予想オッズ7番人気△ 栗東○ 先行◎ 上り時計△ 前走・未勝利△ 1番人気◎ 1着◎
総合点18／28
7月の阪神芝1200m新馬戦でデビューして以来、前走の未勝利戦を勝つまでに9戦を要した。
9月に3戦、11～12月に3戦、1月に2戦と、かなり使い詰めで叩き上げてきているが、前々走辺りからS指数も重賞通用レベルで安定してきている。
勝ち切るには程遠いが、前走の不良馬場の勝ち方を見ると、一雨あるなら面白そう。
恐らくだが、個人的には、将来は、ダートへ転向するのではないかと思っている。
●まとめ
例年では、最も関連性の深い阪神JF(G1)から上位馬が参戦してくるのだが、今年は、1着ソダシ、2着サトノレイナスが揃って、桜花賞(G1)へ直行。
3着ユーバーレーベンもフラワーC(G3)を目標にしているため、4着のメイケイエールのみが参戦という、近年稀に見る形になった。
18番枠と出遅れが重なったメイケイエールだが、着差が着差なだけに、この不運は悔やまれる。
ただ、課題が気性難という点は明白。
鞍上もレジェンド・武豊、馬具等も含め、陣営も調整してくるだろう。
傾向からは、勝ち馬の権利があるのはこの馬とシャーレイポピーのみ。
能力値からは、圧倒的に前者で頭固定か。
後は、とにかく上りが重要なレースなので、タガノディアーナ、エリザベスタワーが有力と見える。
2頭ともゲートを出るタイミングによる出遅れというよりは、行き脚が付かずテンで置かれる形。
ハイペースになり難いレース傾向はプラスと言える。
また、土曜には雨の予報も出ており、状況次第では、マリーナの出番もありそうだ。
いずれにしても、今年のレベルは低く、クラシックホースがいるようには見えない。
(編集長・katsu)