大阪杯(G1)は、阪神芝2000mで行われる4歳以上の別定G1。
かつては、天皇賞春を展望する別定G2として行われていたが、2017年にG1に昇格。
歴代の連対馬には、サクラユタカオー、ヤエノムテキ、スーパークリーク、ホワイトストーン、ダイユウサク、トウカイテイオー、メジロマックイーン、ナイスネイチャ、タイキブリザード、マーベラスサンデー、エアグルーヴ、メジロドーベル、マチカネフクキタル、エアシャカール、カンパニー、ダイワスカーレット、ドリームジャーニー、ディープスカイ、オルフェーヴル、キズナ、ラキシス、キタサンブラック、スワーヴリチャード、ペルシアンナイト、アルアイン、キセキ、ラッキーライラック等がいる。（何だ？ちょっと泣けちゃうぜ）
では、過去10年の傾向データを見ていこう。
●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 4-2-2-2 40.0% 60.0% 80.0%
2番人気 3-2-2-3 30.0% 50.0% 70.0%
3番人気 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
4番人気 1-1-3-5 10.0% 20.0% 50.0%
5番人気 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
6番人気 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
7番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
8番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
9番人気 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
10番人気 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
17番人気 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
18番人気 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
●開催年 3着内人気
2020年 2-4-1
2019年 9-2-4
2018年 1-6-2
2017年 1-7-4
2016年 2-5-4
2015年 4-1-6
2014年 2-6-1
2013年 1-2-5
2012年 6-1-2
2011年 1-8-3
1番人気は、勝率40%、連対率60%、複勝率80%と、軸としては、機能している。
連対で見ると、1、2番人気のいずれかは、必ず連対しており、どちらかが連軸。
ただし、1、2番人気での決着は1回のみで、「どちらか」と考えるべき。
2011年の2着に8番人気、2017年の2着に7番人気、2019年の1着に9番人気が来ているが、それ以外は、6番人気以内で、実質、6頭立てと考えて良さそう。
●馬齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 5-4-5-24 13.2% 23.7% 36.8%
5歳 5-4-2-28 12.8% 23.1% 28.2%
6歳 0-1-3-24 0.0% 3.6% 14.3%
7歳～ 0-1-0-24 0.0% 4.0% 4.0%
4歳＞5歳＞6歳＞7歳以上の順。
勝ち馬の100%、2着馬の80%、3着馬の70%が4、5歳で、ここが中心。
●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 0-2-1-29 0.0% 6.3% 9.4%
栗東 10-8-9-71 10.2% 18.4% 27.6%
勝ち馬の全てが関西馬で、圧倒的に関西馬優勢。
関東馬は、割引きと見るべき。
●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%
2枠 0-0-2-10 0.0% 0.0% 16.7%
3枠 2-4-1-9 12.5% 37.5% 43.8%
4枠 2-1-2-11 12.5% 18.8% 31.3%
5枠 2-2-1-13 11.1% 22.2% 27.8%
6枠 0-1-1-17 0.0% 5.3% 10.5%
7枠 2-1-1-15 10.5% 15.8% 21.1%
8枠 2-1-2-14 10.5% 15.8% 26.3%
1～4枠 4-5-5-41
5～8枠 6-5-5-59
内外の差はそれ程無いが、1、2枠は未連対で割引きか。
●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
先行 3-5-3-23 8.8% 23.5% 32.4%
差し 3-2-5-41 5.9% 9.8% 19.6%
追込 3-2-0-27 9.4% 15.6% 15.6%
捲り 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
先行＞差し＞追込＞捲り＞逃げの順。
スタート直後の上り坂のためペースは落ち着きやすく、内回りのため極端な上り勝負にはなり難いコースなのだが、このレースは、上り上位馬が着順も上位になる傾向が強い。
先行～追込で、上り時計重視。
●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
有馬記念 2-2-3-8 13.3% 26.7% 46.7%
中山記念 2-2-1-15 10.0% 20.0% 25.0%
金鯱賞 2-1-1-13 11.8% 17.6% 23.5%
京都記念 1-3-1-11 6.3% 25.0% 31.3%
ジャパンC 1-0-1-3 20.0% 20.0% 40.0%
大阪城S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
凱旋門賞 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
中日新聞杯 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
調布特別 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
AJCC 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
神戸新聞杯 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
菊花賞 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
その他 0-0-0-36 0.0% 0.0% 0.0%
有馬記念、中山記念、金鯱賞、京都記念、ジャパンC、大阪城S、凱旋門賞から勝ち馬が出ている。
大阪城S以外は、古馬一線級が集うレースで、前走の格は重視。
●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 3-3-3-11 15.0% 30.0% 45.0%
前走2人気 3-3-2-16 12.5% 25.0% 33.3%
前走3人気 1-2-3-17 4.3% 13.0% 26.1%
前走4人気 1-1-1-9 8.3% 16.7% 25.0%
前走5人気 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
前走6～9人 0-0-0-23 0.0% 0.0% 0.0%
前走10人～ 1-1-0-15 5.9% 11.8% 11.8%
前走1～4番人気が中心。
勝ち馬の90%、2着馬の90%、3着馬の90%が該当している。
●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 1-3-5-15 4.2% 16.7% 37.5%
前走2着 5-0-1-15 23.8% 23.8% 28.6%
前走3着 1-3-1-14 5.3% 21.1% 26.3%
前走4着 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
前走5着 1-3-1-6 9.1% 36.4% 45.5%
前走6～9着 1-1-1-20 4.3% 8.7% 13.0%
前走10着～ 0-0-0-22 0.0% 0.0% 0.0%
前走1～5着馬が中心。
こちらも、勝ち馬、2着馬、3着馬の90%が該当している。
負けた馬の巻き返しは、0.9秒差がボーダーラインで、1.0秒以上負けからは馬券になっていない。
●注目馬
コントレイル
予想オッズ1番人気◎ 4歳◎ 栗東◎ 差し○ 上り時計◎ 前走・ジャパンC△ 2番人気○ 2着◎
総合点27／32
2019年・最優秀2歳牡馬、2020年・最優秀3歳牡馬、7戦7勝でクラシック三冠を制した史上3頭目の無敗三冠馬。
初の黒星となった前走のジャパンC(G1)も、アーモンドアイ、デアリングタクトと比較すると、最も、厳しいローテーションの中、上り1番時計34.4秒を繰り出し、最後は交わす勢いでの0.2秒差2着だった。
奥行きのある血統配合ではないので、この先となると分からないが、現時点では、十分に勝負になる。
極端な重馬場にならない限りは、連軸としての役目は果たすだろう。
血統評価：https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1079.html
グランアレグリア
予想オッズ2番人気○ 5歳○ 美浦△ 差し○ 上り時計◎ 前走・マイルCS× 1番人気◎ 1着○
総合点21／32
2019年・最優秀3歳牝馬、2020年・最優秀短距離馬に輝く他、G1勝ち鞍では、2019年・桜花賞(G1)、2020年・安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)と4勝している。
デビュー当初から高いポテンシャルを見せていたが、朝日FS(G1)に挑戦するなど、アグレッシブなスタンスで臨んできた。
高いスピード能力と瞬発力があるが、折り合いが課題だったことからも、秋からは短距離路線へ。
初戦となった阪神C(G2)で、いきなり0.8秒差の圧勝劇を演じると、重馬場だった高松宮記念(G1)でも上り1番時計33.1秒を繰り出し、タイム差無しの2着と大健闘。
更に、安田記念(G1)では、アーモンドアイを0.4秒差退け、G1・2勝目を勝ち取った。
単純なスピード比べ、瞬発力勝負なら、この馬が一番で重も走る。
しかし、関東馬、初の2000m戦、スローペース、傾向外ローテーションなど、課題は目白押しだが、だからこそ、ここへ挑むというのがこの馬のスタイルなのだろう。
血統評価：https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1140.html
サリオス
予想オッズ3番人気△ 4歳◎ 美浦△ 差し○ 上り時計◎ 前走・マイルCS× 2番人気○ 5着▲
総合点18／32
2019年の朝日FS(G1)の勝ち馬。
その後、皐月賞(G1)0.1秒差2着、日本ダービー(G1)0.5秒差2着の後、秋は、マイル～中距離路線へ。
その初戦となった毎日王冠(G2)では、上り1番時計34.1秒を繰り出し、0.5秒差を付ける楽勝とするも、前走のマイルCS(G1)では、出遅れが響き、0.4秒差5着としている。
これまでの内容や血統配合からも、1800mまでが好走守備範囲で、2000mはやや長いかもしれない。
また、どちらかと言うと早熟で、成長力にも疑問は残る。
血統評価：https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1046.html
レイパパレ
予想オッズ4番人気△ 4歳◎ 栗東◎ 先行◎ 上り時計○ 前走・チャレンジC× 1番人気◎ 1着○
総合点23／32
1月の3歳新馬戦でデビューしてから、未だ5戦5勝の無敗を保っている。
前走のチャレンジC(G3)では、2番手追走から直線で抜け出し、上り3番時計34.4秒、2着に0.2秒差を付けての快勝だった。
クラブ馬らしい優等生。420kg程度の小さな馬体に初の55kgが初G1なのに加え、血統的には重は向かない配合で、ここでは厳しい。
血統評価：https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1172.html
アドマイヤビルゴ
予想オッズ5番人気△ 4歳◎ 栗東◎ 先行◎ 上り時計○ 前走・日経新春杯× 1番人気◎ 10着×
総合点20／32
2017年のセレクトセールで、6億2,640万円という史上2位の価格で故・近藤氏によって落札された高額馬。
日本ダービー(G1)を目標に調整されてきたが、京都新聞杯(G2)で0.4秒差4着と負け、出走の夢は叶わなかった。
自己条件に戻り、ムーンライトH(3勝クラス)、アンドロメダS(L)を連勝するも、前走の日経新春杯(G2)では、1.4秒差10着と大敗している。
今回のレースと同コースの若葉S(L)では、上り1番時計33.6秒という強烈な末脚を見せ、走破タイム1:58.6の好時計を記録しており、立て直っていれば怖い一頭。
高額馬だが、血統評価は、2Bクラス。
ワグネリアン
予想オッズ6番人気▲ 6歳△ 栗東◎ 差し○ 上り時計△ 前走・京都記念△ 2番人気○ 5着▲
総合点17／32
2018年の日本ダービー馬。
その後、秋初戦となった神戸新聞杯(G2)を勝ったのを最後に、約2年6か月未連対となっている。
大阪杯(G1)は、一昨年が0.1秒差3着、昨年が0.4秒差5着。
上り2又は3番時計で、詰められるが差し切れない競馬が続いており、馬券を買う側からすると、常に買わないとならない難しい馬になっている。
力のいる馬場は苦にしないタイプだが、6歳という年齢を考えると、重い印までは回し辛い。
また、血統評価も2Bクラス。
●まとめ
堅い決着になる事が多いレースなので、傾向は重視した方が良いだろう。
総合点順に並べると以下の通り。
コントレイル（27点）
レイパパレ（23点）
グランアレグリア（21点）
アドマイヤビルゴ（20点）
サリオス（18点）
ワグネリアン（17点）
傾向からは、無敗の三冠馬コントレイル一強という図式。
問題は相手で、2着はレイパパレ、グランアレグリア、アドマイヤビルゴ。
3着にサリオス、ワグネリアンか。
雨がどの程度降るのか？降らないのか？
それよっても、大分、予想は変わってくる。
そして、鬼門となっている1、2枠に上記の馬達が入るようだと、更に難易度は増すだろう。
個人的には、グランアレグリアに注目している。
2歳には朝日FS(G1)、3歳秋からは短距離路線、4歳春はアーモンドアイと、常に「挑戦」を繰り返す姿勢に好感が持てる。
偉人の言葉を借りれば、人も馬も、挑戦をあきらめた時に年老いていくのだと思う。
(編集長・katsu)