阪神牝馬S(G2)は、阪神芝1600mで行われる牝馬限定4歳以上の別定G2。
2015年までは1400mで行われていたが、2016年からは現在の1600mとなっている。
では、過去10年の傾向データを見ていこう。
●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
2番人気 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0%
3番人気 0-2-2-6 0.0% 20.0% 40.0%
4番人気 3-1-2-4 30.0% 40.0% 60.0%
5番人気 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
6番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7番人気 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
8番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
10番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
12番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
13番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
17番人気 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
18番人気 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
●開催年 3着内人気
2020年 2-6-11
2019年 4-12-9
2018年 4-11-1
2017年 1-3-4
2016年 2-1-5
2015年 4-7-3
2014年 1-3-9
2013年 2-4-7
2012年 11-2-4
2011年 1-7-3
1番人気は、勝率30%、連対率40%、複勝率50%と、軸として機能しているとは言い難い。
勝ち馬は1、2、4番人気がそれぞれ3勝で90%が該当。
2桁人気は、4回馬券に絡んでおり、注意が必要。
特に11番人気は、1-1-1-7 で、5、6番人気よりも率が高く、理屈抜きに△以上を打っても良さそう。
●馬齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 6-8-4-51 8.7% 20.3% 26.1%
5歳 3-2-2-42 6.1% 10.2% 14.3%
6歳 1-0-4-21 3.8% 3.8% 19.2%
7歳～ 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
4歳＞5歳＞6歳＞7歳以上の順。
特に4、5歳が中心で、勝ち馬の90%、2着馬の100%、3着馬の60%が該当している。
7歳以上下の高齢馬は、馬券になっておらず、大きく割引き。
●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 2-2-0-24 7.1% 14.3% 14.3%
栗東 8-8-10-97 6.5% 13.0% 21.1%
その他 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
頭数では関西馬が圧倒。
ただし、関東馬も率は良く、大きく割り引く必要はない。
●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 2-0-0-14 12.5% 12.5% 12.5%
2枠 1-0-2-13 6.3% 6.3% 18.8%
3枠 1-0-1-15 5.9% 5.9% 11.8%
4枠 1-1-2-16 5.0% 10.0% 20.0%
5枠 2-3-1-14 10.0% 25.0% 30.0%
6枠 0-0-2-18 0.0% 0.0% 10.0%
7枠 1-1-2-17 4.8% 9.5% 19.0%
8枠 2-5-0-16 8.7% 30.4% 30.4%
1～4枠 5-1-5-58
5～8枠 5-9-5-65
勝ち馬、3着馬は、全くの互角だが、2着馬を見ると外枠が優勢。
●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
先行 3-4-3-28 7.9% 18.4% 26.3%
差し 3-1-6-46 5.4% 7.1% 17.9%
追込 1-5-0-43 2.0% 12.2% 12.2%
先行＞差し＞逃げ＞追込の順。
速い上りがある馬が上位を占める傾向で、それがあれば、あまり脚質は問わない。
●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
京都牝馬S 2-3-4-17 7.7% 19.2% 34.6%
うずしおS 1-1-2-8 8.3% 16.7% 33.3%
有馬記念 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
東京新聞杯 1-0-2-5 12.5% 12.5% 37.5%
中山牝馬S 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%
洛陽S 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
大阪城S 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
山城S 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
節分S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
阪神C 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
ジャパンC 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
洛陽S 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
飛鳥S 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
ユートピアS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
阪急杯 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
京都金杯 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
その他 0-0-0-65 0.0% 0.0% 0.0%
京都牝馬S、うずしおS、有馬記念、東京新聞杯、中山牝馬S、洛陽S、大阪城S、山城S、節分Sと、実に9つのレースから勝ち馬が出ており、このファクターは軽視で良い。
●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 5-1-2-9 29.4% 35.3% 47.1%
前走2人気 1-2-0-11 7.1% 21.4% 21.4%
前走3人気 1-3-2-8 7.1% 28.6% 42.9%
前走4人気 0-2-0-13 0.0% 13.3% 13.3%
前走5人気 1-0-0-11 8.3% 8.3% 8.3%
前走6～9人 2-0-4-30 5.6% 5.6% 16.7%
前走10人～ 0-2-2-38 0.0% 4.8% 9.5%
前走1～5番人気以内が中心。
勝ち馬の80%、2着馬の80%、3着馬の40%がこれに該当。
3着馬は、6番人気以下の方が良績。
●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 7-3-3-21 20.6% 29.4% 38.2%
前走2着 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
前走3着 1-2-2-4 11.1% 33.3% 55.6%
前走4着 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2%
前走5着 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
前走6～9着 0-1-2-31 0.0% 2.9% 8.8%
前走10着～ 1-2-1-46 2.0% 6.0% 8.0%
前走1～5着以内が中心。
特に1着馬は、7勝と好成績。
勝ち馬の90%、2着馬の70%、3着馬の70%がこれに該当。
負けた馬の巻き返しは、1.9秒差以内がボーダーライン。
2.0秒以上からは、2着が1頭いるのみで、割引き。
●注目馬
デゼル
予想オッズ1番人気○ 4歳◎ 栗東◎ 差し○ 上り時計◎ 前走・初音S× 1番人気◎ 1着◎
総合点26／32
新馬勝ちの後、スイトピーS(L)では、上り1番時計32.5秒という驚異的な数値を叩き出し、0.3秒差の差し切り勝ち。
それを評価されて、オークス(G1)では、2番人気に支持されるも0.7秒差11着と大敗。
秋初戦のローズS(G2)では、出遅れが響いて0.5秒差4着。
2021年から自己条件に戻り、迎春S(3勝クラス)0.1秒差3着の後、前走の初音S(3勝クラス)では、上り1番時計34.4秒を繰り出し、2着に0.2秒差を付ける快勝。
S指数も高く、順当なオープン入り。
ポテンシャルの高さは、メンバーNo.1で、1800m好走歴から見ると、初の1600mも問題なさそう。
絶好調の川田騎手を配し、万全の体制と見え、勝ち負け十分。
マジックキャッスル
予想オッズ2番人気▲ 4歳◎ 美浦○ 差し○ 上り時計▲ 前走・愛知杯× 2番人気▲ 1着◎
総合点20／32
新馬戦で0.7秒差を付ける圧勝劇を演じた後、サフラン賞(1勝クラス)、ファンタジーS(G3)、クイーンC(G3)で連続2着。
桜花賞(G1)は、重馬場、出遅れが影響し、1.5秒差12着と大敗したが、オークス(G1)では、0.4秒差5着と好走。
秋も、紫苑S(G3)0.2秒差4着とした後、秋華賞(G1)で0.2秒差2着と大健闘。
前走の愛知杯(G3)では、上り2番時計35.4秒を繰り出し、タイム差無しの差し切り勝ち。2勝目で初重賞制覇とした。
秋華賞(G1)では、デアリングタクトと同じ上り2番時計35.8秒を記録しているように、上りの脚は安定している。
問題は、1600m戦への対応だが、基本的には後方からの競馬が主なので、2000mよりも更に置かれる事を考えると、厳しいという見方が正解か。
リアアメリア
予想オッズ3番人気◎ 4歳◎ 栗東◎ 先行◎ 上り時計× 前走・中山牝馬S△ 3番人気○ 7着△
総合点21／32
2019年のアルテミスS(G3)で初重賞制覇。
その後、阪神JF(G1)1.5秒差6着、桜花賞(G1)1.2秒差10着、オークス(G1)0.3秒差4着とし、秋のローズS(G2)を2着に0.3秒差を付けて快勝。重賞2勝目。
秋華賞(G1)1.8秒差13着、エリザベス女王杯(G1)0.6秒差7着と、G1では苦しい競馬が続いた。
前走の中山牝馬S(G3)では、0.8秒差7着だったが、不良馬場という事もあり、参考外で良いだろう。
鞍上も福永騎手に乗り替わって2戦目。
ここで、真価が問われる。
気性に難があり、中々能力が発揮できない競馬が続いているが、重賞で十分通用する力はある。
桜花賞(G1)以来の1600m戦だが、折り合いに課題がある分、中距離よりは向く可能性もある。
ギルデッドミラー
予想オッズ4番人気○ 4歳◎ 栗東◎ 差し○ 上り時計△ 前走・京都牝馬S◎ 5番人気△ 2着×
総合点20／32
新馬勝ちの後、4戦目の1勝クラスを勝ち、アーリントンC(G3)0.3秒差2着、NHKマイルC(G1)0.3秒差3着と好走。
その後、中京記念(G3)0.3秒差6着、信越S(L)0.8秒差12着、リゲルS(L)0.9秒差14着と大敗馬続いたが、前走の京都牝馬S(G3)では、上り3番時計33.9秒を繰り出し、0.3秒差2着と好走。復活の兆しを見せた。
一時、大敗が続いたが、前走の内容からは、立て直ってきているように見える。
1600mはベストの距離だと思うが、突き抜けるほどの上りの脚は無く、詰める程度。
ポジションと脚の使いどころが難しく、鞍上の手腕に掛かる部分が大きい。
イベリス
予想オッズ5番人気△ 5歳○ 栗東◎ 逃げ▲ 上り時計× 前走・京都牝馬S◎ 3番人気○ 1着◎
総合点21／32
2019年のアーリントンC(G3)を勝って、重賞初制覇。
そこから、約1年10か月未連対という状態だったが、前走の京都牝馬S(G3)を逃げ切って、通算4勝目、重賞2勝目を挙げた。
ハナに立ってこその逃げ馬なので、同型がいると難しいが、行き切れた時は渋とい。
今回も、楽にハナに立てるメンバー構成で、超スローに持ち込めれば残り目もある。
●まとめ
今年は、12頭立てと、やや少なめの頭数で、その中の8頭が重賞未勝利という力関係。
1番人気が予想されるデゼルは、速い上りが安定しており、ここでも十分に勝負になると見る。
傾向からも該当点が多く、軸はこの馬で良さそうだ。
相手も、上記の馬達からで良さそうだが、問題の11番人気。
現在のところ、ロフティフレーズがそれに該当するのだが、1600m 3-1-2-5 で、メンバー中2位のS指数も記録している。
この辺りが運命なのだろうか・・・。
2番手以下の評価が横並びなだけに、重たい印まで回りそうだ。
(編集長・katsu)