マイラーズC(G2)は、例年は京都芝1600mで行われる4歳以上の別定G2。
後の安田記念(G1)のステップレースで、1着馬には優先出走権が与えられる。
ここをステップに本番へ進んだ馬の成績は、1-1-6-36 と3着馬多く、連対馬との関連性は薄い。
では、過去10年の傾向データを見ていこう。(2011年のみ阪神開催データの為、馬場関連のデータは9年分としている)
●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 2-2-3-3 20.0% 40.0% 70.0%
2番人気 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
3番人気 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
5番人気 1-3-0-6 10.0% 40.0% 40.0%
6番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7番人気 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
8番人気 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
9番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0-0-1-8 0.0% 0.0% 11.1%
12番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0-1-0-6 0.0% 14.3% 14.3%
15番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
17番人気 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
18番人気 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
●開催年 3着内人気
2020年 1-7-2
2019年 1-5-4
2018年 4-2-1
2017年 2-1-7
2016年 3-5-11
2015年 8-5-1
2014年 3-1-2
2013年 5-8-3
2012年 3-6-7
2011年 7-14-1
1番人気は、勝率20%、連対率40%、複勝率70%と、3連軸としては機能しているが、それ以外はイマイチ。
1~3番人気が揃って馬券圏外となったことは無く、これらを中心に3連系を組み立てるのが吉か。
2桁人気は、2016年3着(11番人気)、2011年2着(14番人気)の2頭のみで割引き。
全体的には、8番人気以内での決着が80%だが、順番が難しいレース。
●馬齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 3-4-2-36 6.7% 15.6% 20.0%
5歳 4-2-6-23 11.4% 17.1% 34.3%
6歳 2-1-1-29 6.1% 9.1% 12.1%
7歳~ 1-3-1-31 2.8% 11.1% 13.9%
5歳>4歳>6歳>7歳以上の順。
勝ち馬で見ると、4~6歳が中心で90%が該当。
ただし、7歳以上でも4頭が連対しており、大きく割り引く必要はない。
●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 1-0-1-26 3.6% 3.6% 7.1%
栗東 9-10-9-91 7.6% 16.0% 23.5%
その他 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
頭数、率、共に関西馬が圧倒。
関東馬は、割引きと見て良い。
●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 1-1-0-11 7.7% 15.4% 15.4%
2枠 2-2-1-9 14.3% 28.6% 35.7%
3枠 0-1-3-11 0.0% 6.7% 26.7%
4枠 1-1-1-12 6.7% 13.3% 20.0%
5枠 0-1-0-15 0.0% 6.3% 6.3%
6枠 1-1-4-11 5.9% 11.8% 35.3%
7枠 1-2-0-18 4.8% 14.3% 14.3%
8枠 3-0-0-17 15.0% 15.0% 15.0%
連対馬が出ていない枠はなく、内外の差は無いと見える。
●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-2-0-6 11.1% 33.3% 33.3%
先行 5-2-4-19 16.7% 23.3% 36.7%
差し 2-5-4-42 3.8% 13.2% 20.8%
追込 1-0-1-37 2.6% 2.6% 5.1%
先行>差し>逃げ>追込の順。
上り勝負になる事が多く、速い上りの脚があれば、脚質はあまり問われない。
●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
中山記念 2-0-0-5 28.6% 28.6% 28.6%
阪神C 2-0-0-2 50.0% 50.0% 50.0%
香港マイル 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
中日新聞杯 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
金鯱賞 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
洛陽S 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
白富士S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
大阪城S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
六甲S 0-3-0-12 0.0% 20.0% 20.0%
東京新聞杯 0-2-5-11 0.0% 11.1% 38.9%
阪急杯 0-2-0-4 0.0% 33.3% 33.3%
洛陽S 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
ディセンバーS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
スワンS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
京都金杯 0-0-2-4 0.0% 0.0% 33.3%
ダービー卿CT 0-0-1-26 0.0% 0.0% 3.7%
マイルCS 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
その他 0-0-0-44 0.0% 0.0% 0.0%
中山記念、阪神C、香港マイル、中日新聞杯、金鯱賞、洛陽S、白富士S、大阪城Sと、8つのレースから勝ち馬が出ている。
オープン以上であればレースの格も問われず、前走レース自体、軽視ファクタ―と見て良い。
●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 2-5-3-15 8.0% 28.0% 40.0%
前走2人気 3-2-3-17 12.0% 20.0% 32.0%
前走3人気 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
前走4人気 1-1-1-4 14.3% 28.6% 42.9%
前走5人気 0-1-0-10 0.0% 9.1% 9.1%
前走6~9人 1-1-0-28 3.3% 6.7% 6.7%
前走10人~ 0-0-1-35 0.0% 0.0% 2.8%
前走4番人気以内が中心。
勝ち馬、2着馬、3着馬の88.8%%が該当。
●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 2-2-2-22 7.1% 14.3% 21.4%
前走2着 2-4-3-8 11.8% 35.3% 52.9%
前走3着 1-1-0-12 7.1% 14.3% 14.3%
前走4着 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
前走5着 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0%
前走6~9着 2-1-4-29 5.6% 8.3% 19.4%
前走10着~ 1-1-1-39 2.4% 4.8% 7.1%
前走着順は、綺麗にバラけており、これといった指針が立てられないが、それでも3着以内が中心か。
負けた馬の巻き返しは、1.9秒差以内がボーダーラインで、2.0秒差以上負けた馬は馬券になっていない。
●注目馬
ケイデンスコール
予想オッズ1番人気○ 5歳◎ 栗東◎ 差し○ 上り時計○ 前走・中山記念△ 5番人気△ 2着◎
総合点23/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1243.html
前々走の京都金杯(G3)で、2年5か月振りの1着。長いトンネルを脱した。
その内容を評価され、5番人気で挑んだ前走の中山記念(G2)でも、上り1番時計34.2秒を繰り出し、タイム差無しの2着と大健闘。
元々、ステークスウィナーでもあり、NHKマイルC(G1)0.1秒差2着がある実力馬。
血統も遅咲きの3Bと高評価であり、スランプを脱した今なら、極端な凡走は考え辛い。
ここも好走可能と見る。
エアロロノア
予想オッズ2番人気△ 4歳○ 栗東◎ 差し○ 上り時計◎ 前走・武庫川S× 1番人気○ 1着○
総合点21/32
母母は、2005年のローズS(G2)、秋華賞(G1)を勝ったエアメサイアという血統。
目下3連勝中と勢いに乗る上り馬で、その3戦全てで上り1番時計を記録している典型的な瞬発力型の差し馬。
前走の武庫川S(3勝クラス)では、7番手追走から、上り1番時計33.1秒を繰り出し、2着に0.1秒差の差し切り勝ち。
走破タイムは、1:32.1と非常に優秀な内容。勿論、S指数も重賞級。
上り勝負だけなら、こちらの方が上。
アルジャンナ
予想オッズ3番人気◎ 4歳○ 栗東◎ 差し○ 上り時計▲ 前走・洛陽S△ 2番人気◎ 5着△
総合点22/32
2017年のセレクトセールで、1億8,360万円で落札された高額馬。
新馬勝ちの後、東京スポーツ杯2歳S(G3)0.8秒差2着、きさらぎ賞(G3)0.1秒差3着、毎日杯(G3)0.1秒差2着とし、日本ダービー(G1)では、2.2秒差18着と大敗した。
明け初戦となった前走の洛陽S(L)では、出遅れが響き、0.2秒差5着と負けたが、9か月振りの実戦、+18kgという馬体を考えれば上場。
上りも2番時計で、32.8秒を記録している。
金で優勝が買えるわけでは無いが、一叩きした上積みも見込め、中間の動きに注目したい。
エアスピネル
予想オッズ5番人気▲ 8歳△ 栗東◎ 差し○ 上り時計○ 前走・フェブラリーS× 9番人気△ 2着◎
総合点18/32
母がエアメサイアなので、エアロロノアは甥という事になる。
クラシックでも活躍し、重賞3勝している実績馬だが、5走前、7歳にしてダートへ路線変更。
いきなり、プロキオンS(G3)で0.3秒差2着と好走し、改めてポテンシャルの高さを確認させた。
その後も、武蔵野S(G3)で0.3秒差3着し、8歳となって参戦した前走のフェブラリーS(G1)では、上り1番時計35.2秒を繰り出し、0.1秒差2着と大健闘。
歴代のレースに勝るとも劣らない高S指数を記録しており、底知れぬ成長を見せている。
元々、芝で走っていたので、その点は心配無いだろうが、8歳馬が2か月振りの競馬で、スローの上り勝負に対応できるだけの瞬発力となると、少々疑問が残る。
ただ、当然、ノーマークにはできず、こちらも、中間の動きを要チェックとなる。
●まとめ
傾向通り、スローの上り勝負となるなら、ケイデンスコールとエアロロノアの一騎打ちだろう。
これに、アルジャンナがどの程度仕上がって来るか?
3頭とも、該当点も多く、これらに逆らう必要は無さそうだ。
問題は、古豪エアスピネル。
函館記念(G3)の大敗が嘘のようにダート路線で復活。
勝っているわけではないから復活というよりは、逆襲か。
これが気分転換になるようなら、更に上もあるのか?と勘ぐってしまいたくなる。
「今計算してみたが、馬齢は8歳になる。貴様らの頑張りすぎだ」
「ふざけるな、たかが重賞ひとつ、エアスピネルで押し出してやる!」
「能力の低下は始まっているんだぞ」
「3冠レース4着、4着、3着、マイルCS(G1)タイム差無し2着、重賞3勝の実績は伊達じゃない」
お互いに、オーバーロードしない程度に応援したい。
(編集長・katsu)