日曜の朝、前日のお祭り騒ぎ、軽い二日酔いの靄の中、Twitterをダラダラと見ていると…
ん?まぢ?
ブリーダーズカップフィリー&メアターフ、ラヴズオンリーユー制覇!
ん?まぢ?
速報に続いて、レース動画も流れてきた。
これは強い。
オークスから惜しいレースが続いていたが、香港、ブリーダーズカップと連勝。
しかも、鞍上は川田将雅!
日本調教馬が日本人騎手でブリーダーズカップ制覇。
あ行じゃない、偉業だ。
とうとうアメリカでも日本馬は通用する時代になったのか…
これからは日本馬の秋のレース選択肢が増えるな。
それにしても、川田将雅は嬉しそうだ。
そりゃそうだよな、子供の頃から夢見た舞台だもんな。
アクションより、その笑顔に全てが表れてるな。
そして、世界的な良血馬を開花させた関係者は素晴らしい。
日本で収まるような血じゃない!
それを証明して見せた。
さて、ぼちぼち歯を磨いて昨日の負けを取り戻しにいくか…
厳しそうだなあ…
でも、賭けなければ戻りはない。
重い腰を上げようした時、また新たなニュースが流れてきた。
マルシュロレーヌ、アメリカダートG 1制覇!
うおおっ!まぢ?
とうとう海外ダートG 1まで?
なんて日だ!
失礼だけれど、まったくノーマークだった。
マルシュロレーヌの戦績と血統を調べる。
前走は門別のブリーダーズゴールドカップ?
ちょっと調べてみたら…
「日高のブリーダーが集まって、競馬の発展があっての我々である。アメリカのブリーダーズカップのようなレースを作れば、競馬に貢献できるのではないか」
まさかそんな想いがあったとはいえ、そこから本場アメリカのブリーダーズカップを勝つ馬が出るとは、誰も想像できまい。
そして、ブリーダーズカップは創設当初はブリーダーの資本から優勝賞金出てたんや。
また一つ賢くなったな。
父オルフェーヴル、母母はキョウエイマーチか…
オルフェーヴル、日本の3冠馬。
凱旋門賞制覇に1番近かった日本馬。
キョウエイマーチは桜花賞馬…ん?メジロドーベルと同世代なんや。
よく残っていたな…
そして、それがまた花を咲かせるなんて。
しかも、アメリカのダートで。
言葉は悪いかもしれないが、マルシュロレーヌは古馬牝馬ダート路線で絶対の存在ではなく、トップグループのうちの1頭。
ということは、マルシュロレーヌと勝ち負けできるレベルの馬なら、アメリカのダートでもワンチャンあるってことだ。
いつのまにか、日本のダート馬のレベルが上がっていたということか?
オルフェーヴルから出た。
キョウエイマーチの牝系から出た。
いろんな見方はあるだろうが、関係者の挑戦する心、先人を乗り越えようとする意思に感動しかない。
生産、育成、馬主、もちろんファンも、おおいに勇気づけられたのではないかな。
俺たちはやれる。
日本馬は負けてない。
どんな少差であれ、勝馬以外はすべて負けの世界。
勝てる実力があっても負ける、フロックだとしても勝ちきった馬が歴史に名を刻む。
いろんな喜びの声に沸くTwitterを見ながら、ふと一頭の馬を思い出した。
その馬の名は…ホクトベガ。
私が競馬を見始めた頃は、まだまだ世界は遠かった。
今ほど情報もなく、どのジャンルのスポーツも、生中継を見逃せば、海外の結果は翌日の新聞にのるかのらないかだった。
小さい頃で、もうずいぶん昔のことなので、じつはあまり覚えてない。
ダート路線に転向して圧勝していたのは覚えてる。
そして、ドバイワールドカップに挑戦したのも。
今の時代だから、皆さんが調べられることくらいしか知らない。
だから、こまかくは書かない。
ただ、先人の挑戦の果てに今があると感じたから、ホクトベガを思い出したのだろう。
正直、覚えてないのもあるが、覚えておきたくないという気持ちもあったんだろう。
今ならレースを見返すことなんてネットで簡単だろうけど、その時のショックを思い出したくない。
そんなふうに身体がホクトベガを覚えている。
ひょっとしたら、血統面、育成面でも、世界と遜色のないレベルに、ここ10年くらいはあったのかもしれない。
だけど、先人がノックし続けたドアを最初に開けたのは彼女たちだ。
世界から日本にきたものを、日本から世界へ。
競馬とは、サラブレッドとは、なんと壮大な物語なのだろう。
なにが人をそこまで駆り立てるのか?
日本はPart 1国だ。
それを証明した、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌ。
2頭の関係者だけではない、切磋琢磨する日本競馬界の勲章ではないかと思う。
2頭が走り、競い合い、強くなるには、日本のレースレベルが高くなければならない。
我々が見ている競馬は、海の向こうへ繋がっているのだ。
そして、この快挙が、またさらに大きな目標への挑戦に繋がるのだろう。
留まるのは停滞。挑戦をし続けた結果がこの日なのだろうから。
まあなんでもいいな。
個人的には、関係者の爆発してる喜びが最高だった。
俺もあんな顔してみたい!