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東京競馬場、競馬博物館。

給料前で競馬をやる金がない。
まあ、あったらある分だけ打つようなやつは、基本的に金に困ってる。

土曜日、老舗洋食ランチ。
挑戦したいメニューもあるが、最近は日替り定食。
いつものクオリティで780円。
払い終わり外に出ると、隣の中華屋のオムライスが860円。
そろそろ冒険しても良い年頃かも?
中華屋のオムライスはやばい。
中華鍋に煽られたチキンライスは。

近所に100円出すとお茶飲み放題のとこがある。
煙草に火をつけ、自転車を漕ぎ出す。
近づくにつれエンジン音が大きくなる。
やはり現場で見るレースは良い。

見るのは良いが、触ったら金がかかるのが世の道理。
まあこれも納税、地域の暮らしに一役買えたかなと、明日の競馬資金が増えなかったことなど忘れて、自転車を漕ぎ出す。

その夜はレタスと豚しゃぶ。
故郷の味シマヤの鰹出汁に、どこかの無添加合わせ出汁。
肉の脂の甘みがレタスをまた甘くさせる。
安ワインが一本空く頃には、睡魔に優しく襲われる。

翌朝、起き出しパンを齧る。
昼飯は昨晩の残り汁で雑炊だ。
後は、どう過ごすか…
本を読む気力もない、競馬を朝から打つ金もない。
休みの本来の目的、身体を休ませることにする。
テレビはつけない。
打てないレースを見るのは、できない女を見るくらいつまらないから。

昼飯後、さすがに1日身体を動かさないのは毒かと思い、散歩に出ることに。
必要なものはたくさんあるが、店を見て歩くと金も使う。
今は耐える時だ。
最小限のダメージでやり過ごすために、少しだけリッチな夕食にするために自転車を漕ぎ出す。
目指すは東京競馬場だ。

レースもパドックも流さない競馬場で、メインだけ買う。
馬頭観音に全馬無事を願い、先週の歴史的なシーンを思い浮かべながら歩く。

ゴール版前まで行けるようになっていた。
あのゴール版をコントレイルと福永祐一は先頭で駆け抜けた。
目にした人は何を思うのだろう…

券売機に勝馬投票券を通すと、買っていたのは負馬投票券だったみたいだ。
力なく東門の方へ歩き出す。
やれやれ、今日も負けか…

競馬博物館の展示が変わっていたので寄ってみる。
ポスター展か…
まあたいしたことはないだろうが…

一階でまず目に飛び込んできたのは…
トウカイテイオーとナリタブライアン。
俺とtakuさんの対決みたいだな。
そんなことを思いながら、展示を見て回る。

今はなんでもネットだが、やはり大きなポスターを目にすると迫力がある。

「そよ風、というには強烈すぎた」

ヤマニンゼファーだ…
このコピーはたまらない。

ゼファーと聞くとタイシンリリィと条件反射的に思い浮かべてしまうのは…takuさんが悪いな。
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騎手の列伝もある。
だが、ダービー優勝時着用の騎手服に目を奪われる。
ウオッカ、スペシャルウィーク、ナリタブライアン。
ロベルトとシラオキ、サンデーとシラオキ、ロベルトの塊。

馬券が当たった外れた、それだけではないものが、そこには展示されていた。

競馬は博打ではない。
競馬を使って博打をする人がいるだけで。

当たった外れたは、賭けている人の間の問題。
そこにお金がかかっている人の。
もちろん、保護された競馬、補助金で施行される競馬など…
少なくないお金が動くから、それだけ人の力が集まるから、素晴らしいレースが見れると思う。

だけど、モータースポーツと違って、ホースレースは馬が走る。
技術、化学の力で走るわけではない。
命の力で走るのだ。

と、綺麗事、絵空事を書いてきましたが、馬券が当たってたら見向きもしないで、居酒屋で少しリッチな晩酌だったと思います。

誰かが俺に書けと言ってるのかな?

駆けっこに賭けるのではなくね。

pirocks

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