運良く?チケツが取れたので、土、日ともに競馬場へ。
コロナ禍、なんのために競馬場の近くで、生活してるかわからない感じだった。
入場制限が緩和され、少しずつ日常が戻ってきた。
結果から言えば、土曜はやっつけた。
日曜は全滅させられた。
だけど気分は悪くない。
目の前のパドック、レースだけ、自分と向き合う。
無傷では味わえない。
肉を切らせて骨を断たれ、何も残らないことだけが残る。
日曜の帰りなんて、雨まで降ってきそうだ。
それなら、雨に打たれてりゃいい。
ずぶ濡れがどうした?
風邪ひくだけだろう?
今週末は最低人気がテーマだったのだろう。
ケンタッキーダービーは、繰り上がり出走のリッチストライクの勝利。
NHKマイルカップは、カワキタレブリーが突っ込んできた。
だからどうした?
俺が当たらない好配当など、何の意味もない。
当たりにいって、当たる。
俺らしい配当で。
それがいい。
たまたま引っかかっての、当たりはつまんない。
金儲けがしたいなら、真面目に働けばいい。
仕掛け、食わせ、釣り上げる。
長年の経験による勘。
そんなものに憧れる。
パドックとコースを往復する。
どんどん純化していく。
競馬なんて楽しんでない。
競馬を使って、自分自身と戦う。
自分がどこまで飛べるのか、イカロスの翼で繰り返す。
故郷の詩人はいった。
「はじめたら、はじまりさ。」
「通報されるくらいに、ぶっ飛ばすぜ。」
俺はそんなものが欲しいんだ。
何も持ってないから、掴みに行ける。
たとえ何も掴めなくてもいい。
最初から、何も持ってないのだから。
何かを掴んで、動けなくなる方が怖い。
故郷の作家は、こんな話をしてた。
「博打というのは、最初から最後まで、自分だけが良ければいい世界だ。」
そりゃそうだろう。
人が当たっても、自分の懐は増えない。
人の駒を取るのが博打だろう。
一体何をやってるのだろう?
競馬でもなく、博打ですらない気がする。
財布から我慢して得た金を出し、明日のことなど忘れる。
負ければ、明日から我慢がひとつ増えるのに。
入場料まで払ってるのだ。
100円玉握りしめて、黙って見てりゃいいものを。
けやき並木通りで、石垣に腰掛け、今これを書いている。
降られては困る雨を待っているのかもしれない。
望んでもないのに。
ただ人々の生活が行き交うのを見てる。