競馬総合サイトG-ZERO

府中、4コーナーから空。

「明日競馬行くけど?」

なんてメール。

「お!んぢゃ、用事終わったら合流するわ。」

なんて返信。

そして、夜の街を歩き出す。

「明日競馬行くんだ。」

バーテンは酒を作りながら

「いいすっね?あの人も一緒すか?」

俺は酒を受け取りながら

「んー、用事あるって言ってたからねぇ…合流したとしても遅い時間じゃない?」

「飲み過ぎんなよとは言われた。」

夜の街は俺にも優しい。

そんな時に限って、差せそうでさせない牝馬が逃げてたりしてさ。

気がつきゃ文なし…にはならないが、漫画喫茶で眠ることになる。

目を覚ますと、軽い二日酔い。

やっちまったなあと思いながら、男は黙って立ち食いそば!

朝から、肉そばなんか食ってみたり。

陽の光にフラフラしながら駅への坂道を登る。

昼前には競馬場に入れるかな…

二日酔いだけど飲めるかな…

ま、着いてからのことか…

京王線にゲートイン、特急かなんか速いのを捕まえる。

車内にはちらほらと競馬新聞を持った人が。

行き先は同じか…

皆の面構えは、戦地に赴く兵のよう。

静かに座り、新聞に目を。

東府中で乗り換えの度に、昔の軍港の駅、行き止まりの駅、門司とかみたいだなと思う。

武蔵野線からより、真っ直ぐ競馬場に入っていける京王線が好き。

さあこれから!

自然と気分が高まる。

といいつつも、軽い二日酔い。

昨日、だいぶ金も落としたしなあ…

仲間が来るまで昼寝かな?

ビールを片手に4コーナーのスタンドの切れ目へ。

迎え酒の酔い、立ち食いそばの満腹感、気持ちの良い秋晴れ。

荷物を枕に寝転がる。

視界は青い空だけ。

たまに白い雲が流れる。

吸い込まれそう…

柔らかな陽と風の毛布に包まれる。

大きく息を吸い込むと、音のないない世界へ。

歓声に目を覚まし、半身を起こし振り返る。

ビール両手に悪友が歩いてくる。

「お疲れ様。昨日、飲みすぎたわ。」

「だから言っただろ?」

差し出されたビールを受け取る。

「乾杯!」

「次、何レース?」

ないような約束、ふらっと入る競馬場。

秋の空と風。

そんなものが俺は好き。

そして、不確定な未来が、確定される瞬間を待ってる。

欠落を見つめ、馬に何かを投影しながら。

俺が賭け、馬は駆ける。

馬は駆け、俺は欠ける。

からっぽになるために

そこにいるのかもしれない

pirocks

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