いやあ恐れ入りました。
スタート決めて覚悟の単騎先頭。
誰もついていけなかったね。
ついてけなかったか、ついていかなかったか…
やはり、ついていけなかったんだろうね。
有力馬それぞれに不安があった。
その明暗がはっきり出たということかな?
王者の走りって感じだったレモンポップ。
強かったねぇ。
坂井瑠星が馬と自分を信じ切ってる。
「ん?誰も行かないの?」
「俺行っちゃうよ?」
「ん?こないの?勝っちゃうよ?」
「ほらね。こうなったら負けようがないよ。」
「ありがとう。皆さんご苦労様でした。」
俺は大外枠もそうだけど、距離がこなせないと見ていた。
フェブラリーもギリギリに見えたし、1,400がベストなんだろうと思っていた。
スプリントではスピードがそこまで抜けてなさそうだし…
逆に2,000メートルでスピードを活かすのが良いのでは?なんて思ってた。
1,800だと他の馬とスピードに差がないし捕まると思ったんだけどなあ…
レース後の坂井瑠星のコメントをpirocks的要約。
「リズムが大事だと思ってた。」
「ゲートが速かったから逃げた。」
「距離ロスをなくしたかったからラチ沿いを選択した。」
「なんとか我慢してくれた。」
「最後はこの馬としては止まった感じ。」
「距離はギリギリ、能力の高さでこなしてくれた。」
「距離、枠、明らかに不利だったが、この馬には関係なかった。」
「素晴らしい能力を持った馬。馬が強かったの一言に尽きる。」
坂井瑠星のコメントはわかりやすいね。
頭の良い騎手なんやろね。
師匠は世界の矢作やし、川田からリーディング奪うのは坂井瑠星かもね?
問題は2着、3着だ。
これはわからんやろ?
ヒントは原くんが週中に結婚してたくらい?
ウィルソンテソーロは差し切るか?くらいの脚使ったもんね。
コース適性なのかな?
とにかく驚いた。
3着にもびっくりドゥラエレーデとムルザバエフ。
ダートで勝ち上がり、UAEダービー2着があるとはいえ近走は芝で…
ホープフルステークス勝ちがあるとはいえ…
ムルザバエフが乗ると走っちゃうのかな?
ほんと意味がわからん。
まあ意味がわからないから配当はあんなことになる。
3連複46万、3連単190万。
何をどう考えても俺には取れん。
これを取れるようになると、少し人生がおかしくなる気がする。
もちろん的中者はいるし、おめでとうなのだけどね。
なんらかの根拠があるんだろうけど俺には思いつかない。
降参です。
今週の土曜日、編集長がWINSな東京競馬場の指定席取ってくれてた。
この秋、最大の兵力で挑んだが…惨敗。
1つも当たらなかった。
買い間違えたりもあったが、とにかく2頭目が来ない。
久々の3場開催フル参戦。
目の回る忙しさに眼鏡も曇ったか?
何もかもが少しずれていた。
「それじゃ楽しくなかったでしょ?」
それがそうでもない。
1つも当たらなくても楽しい。
楽しめる方法はある。
楽しいことをしてると思い込むのだ。
まあ実際楽しいんだけどね。
ただ身体が疲れてると当たらない気がする。
頭がぼんやりするからかな?
この秋は金を持ってないほうが成績が良いね。
昼前にこれが外れたら帰ろうなんて思ってると当たる。
昼飯を食うてまた外れだす。
メインが少しだけ当たって最終でドカン!
そんな感じが何回かあった。
そしてその夜は飲み過ぎた。
久々に痛飲てかんじ。
リミッターオフってたし…
昼から日本酒飲んでたし…
日曜は遅起き。
そこまで酒が残ってる感じはしなかったが、まったくなにもやる気がない。
なんとか昼飯を食いに出かけ、最低限の買い物を済まし読書。
3時になったらテレビをつけ、ぼんやりした頭でチャンピオンズカップのパドックを見る。
レースが終わればまた読書。
軽過ぎず、重過ぎず、ちょうどよい物語。
ぼんやりとなんとなくいい感じの物語。
ゆっくり雲が流れ、風に吹かれながらぼんやり。
そんな物語の世界で酔いを誤魔化し覚ます。
土曜の朝、散髪して競馬場に行こうとした。
開店直後に行ったけど並んでて諦めた。
そこからもうズレてる…
馬頭観音に手を合わせスタンドへ。
やっぱ良い席だなあ、天気良いなあ…
編集長が来る前に日本酒用に紙コップを段取ろうて…
水飲み場は…ん?どこや?
高級なエリアやけん、ダーターのズーミーやらないんか?
んなわきゃないやろ?
天下のJRAぞ?
あっちを登ったり、こっちを降りたり…
下の階にあるのは知っとるのに…
あそこまで降りないけんのか…
編集長が上がってくる時に持ってきてもらうか…
ん?あった!やっとや…
ここもズレてる…
「昼飯なんにする?寒いけんラーメンか蕎麦?」
「そだな。こっちに来ることあんまないから地下のラーメンにするか?」
「いいねぇ。普通の醤油ラーメン。」
「んぢゃ行くか!」
ここは…ズレてない…
大丈夫そう。
「この麺がええよね。」
「昔ながらのやつな。」
ん?新馬戦のパドックや…
3場開催は忙しいのう…
ズルズルっ…
熱っ!
んー、モレイラかな?
あとは…人気どこが良く見えるな…
その中でもモレイラのかな…
よし、モレイラ頭の3連単も行こうて。
えっとつかんやろうけど、この辺で一撃決めたい。
頼むぞモレイラ!
急いで馬券を買いに行く。
新馬戦2レース分のスマッピー投票で作ってある。
焦ることはないのだが、負け込んでいるし、3場開催は早くしなきゃと思ってしまう。
落ち着け俺、金を入れてスマホをかざすだけや!
ん?「ピッ」てゆわんの…
おかしいのう…金は入っとるのう…
「ピッ」おっ!
もっいっちょ「ピッ」
ん?同じレース?
やばっ!同じの2回読ませてもうた…
えっと銭がないのに…
しゃあない追加入金して「ピッ」
これが調子が良い時なら…
間違えて買い足して正解だったね!
テヘペロ!となるのだが…
少しずつズレてるこんな日は…
席に戻ると編集長はもう座っていた。
レースも中盤に差し掛かってる。
モレイラは…
え?すげぇ後ろにいる…
「なんなん?モレイラどうしたん?」
「出遅れた。」
「まぢ?具合良さそうに見えたのに…」
「だいぶ出遅れたからな…」
「一頭軸、てか3連単頭固定もあるのに…まぢかモレイラ…」
この時、トイレに行ったばかりだったが、俺の何かがモレイラしそうだった。
そして俺の頭の中に良寛和尚の名言が浮かんだ。
「災難にあう時節には、災難にあうがよく候。死ぬる時節には、死ぬがよく候。是はこれ、災難を逃るる妙法にて候。」
そうか今日はこんな日なのか…
先週の勝ち分を持ってきて負ける。
環流てやつか…
流れに逆らっては勝てん…
今日は流れのままに負けるのか…
と言いつつも諦めの悪いpirocks。
最終まで足掻きに足掻いたが…
「飯何食う?肉?魚?」
「どっちでもいいぞ。」
「串カツ?」
「あそこは並んでるだろ…」
「そう?まあ、あの辺歩いてみるかね?」
串カツ屋をのぞく…
「やっぱ並んどるな。」
「この前の魚屋はどう?」
「あそこ出てくるの遅いんだもん。瓶ビール持ってくんのに10分はねぇだろ?」
「んぢゃ焼鳥?」
「あそこは?行ったことない魚屋。」
「わし日本酒飲みたいし行ってみよか?」
小一時間後…
「なんかイマイチやったねぇ。」
「ボヤッとした魚だったな。」
「どっかいく?」
「どっかいこか?」
ボヤッとした魚、そんな表現の編集長はイカしてる。
魚よりボヤッとしてたのは…
「俺の頭と馬券だよ!」