3日開催の最終日、フリーパスの日とも知らず東京競馬場にいた。
朝から満々だった。
いやらしい意味はないが、もう一度だけ言わせてもらう…
朝から満々だった。
3連休、変則な2場ずつの3日開催。
土曜の東京競馬場はパークウインズで、開催は日曜と月曜。
多摩川競艇開催中だったので、すぐに切り替えられた。
多摩川競艇場のやれた感じ。
指定席からの眺めとフリードリンク。
こんなに居心地の良い場所があるだろうか?
競馬場と違い、パドックと指定席を往復することもない。
展示航走は目の前だし、そこから舟券購入まで悩む時間もたくさんある。
なにもかもが君のせいさモニカ!
競馬がないなら競艇をやればいいじゃないと、昔の国の女王が言ったとか言わないとか…
ファンタスティックである。
今週末は、なんともいえない気分だった。
藤田菜七子騎手、騎乗停止からの引退。
根本康広調教師は、「娘のように接してきた、引退届は俺の万年筆で泣きながら書いた。」
父親は、「競馬関係のことは素人にはわからない。預けて、お任せした以上は…」と語ったという。
昔気質の師弟、親子…そんなふうに感じた。
時代遅れかもしれないが、人を作るのに必要不可欠なもの、人と人は縁と情と俺は思う。
公の場で馬上から恫喝、弟子へのパワハラ、給付金不正受給。
我々が生きる一般社会なら、即クビで免許があれば失効となっても不思議じゃないことが許される世界。
馬に罪はないといえばすむのか?
臭いものに蓋をして、見えない場所に置いとけば終わりか?
どの口で子供達に、「馬の素晴らしさ、競馬の素晴らしさを知って、馬の世界を目指して欲しい。」などと言うのか?
髪がピンクになって、「恥を知れ、俗物。」と言ってしまいそうになる人も多いのではないか?
もちろん、我々は馬券禁止、黙許の時代、国策としての競馬なんて知らない。
日本独自の発展と文化があり、今の日本競馬があるのは間違いないだろう。
馬券の売上なくして、どうやって守る?
F-1のように、高額な放映料や入場料を取れるのか?
コロナ禍で売上が戻りおかしくなっているのか?
それ以前からの体質なのか?
我々、一般ファンには知り得ないことがあり、清濁合わせ呑むことも必要だろう。
そんなことは一般社会にもある。
パンドラの箱を開け、100年先の日本競馬を考えるものはいないのか?
何があるかは知らないし、無責任かも知れないが、いくつかの人生がぐちゃぐちゃにされているのだと感じるし、なにかしらの納得できる説明が必要に思う。
だから俺は、今週馬券を買う気はなかった。
だけど俺は、結果的には買ったし楽しんだ。
月曜の新馬戦にディアドラの仔が出るので、takuさんに聞くとなかなかの配合とのことで参戦決定。
編集長も行くというので久々に2人競馬。
分相応の金を賭け、勝っても負けても乾杯で締めた。
競馬が終わった後の府中の街は、同じような人がたくさんいる。
今日や過去のレースを見返して熱く語ったり、喫煙所に貼られたグラビアを見ながら、あれはシルクだ、あれはサンデーで募集されそうな馬体だとアホなことを言い合ったり、来週の競馬に向けて同じ哺乳類の牝の身体や性質について実地調査したり…
胸前の発達具合、尻、トモ…多く見れば見るほど積み重なっていくだろう。
まさかパートナーにバレて罪重なっていくてことは…
目は口ほどに物を言い、馬体は語りかけてくる。
そんな境地を目指しているのだ。
土曜の夜、多摩川で全敗し、1人しゃぶしゃぶをしてた。
何気なくテレビをつけると、凱旋門賞のドキュメンタリーをやっていた。
シンエンペラーと陣営に密着的なやつ。
ナビゲーターは現在フランスに住む杏。
杏に撫でられてシンエンペラーは気持ち良さそうな顔をしてた。
そりゃ杏にあがんにされたらわしも蕩けるで…なんて軽い気持ちで見始めたのだが…
山下達郎レイニーウォーク風に言うと…「音もなく雨。」
画面と俺の間に静かに水膜が…
ワインを飲み、しゃぶしゃぶを食べながら涙が止まらなかった。
担当助手の、オーナーの、矢作、坂井瑠師弟の思いと姿…
堪える間もなく涙は溢れた。
そして、レース後の矢作調教師の姿で崩壊し嗚咽。
歌詞の女たちの部分をサラブレッドに変えれば哀戦士だ。
何かを賭け、何かを残そうとする戦士たちに感じ動かされるのだ。
近代馬術、馬産の発展に騎兵の存在は欠かせないだろう。
哀しいかな、いまだにいろんなものが軍需産業からもたらされる。
国がかかるから、金がかかるし、かけられる。
競馬やモータースポーツが、技術発展の実験場だった時代もある。
なんでもそうだが、先端は軍需、後に民間へだ。
陸海空、すべての操縦者は戦士なのではないか?
素晴らしいマシンの全てを発揮させるために、最高のドライバーが必要だ。
大和魂を持つ戦士なら侍か?
武豊は侍の子孫だ。
坂井瑠星の出自はわからないが、矢作先生は世界で戦える侍を作ろうとしてるのではないか?
自分が与えられる経験をすべて与える。
それは千尋の谷に落とすことなのかもしれない。
這い上がれなければ死。
這い上がってきても戦いの末に待つのは死。
エリア88で風間真がキムを鍛え上げたように、やがて戦場に立つ身を思えばこそ、戦いに耐え得る身体を作る。
死を、師を超える力をと願って。
藤田菜七子と根本康広、坂井瑠星と矢作芳人。
子も弟子も持つことのなかった俺には、言えることなどないのだろうけど…
上手くは言えないが、競馬界に素晴らしいものがあるんじゃないかと思う。
己のストレスを発散するためだけに、下のものを恫喝するなど、下衆の極みだなと改めて思う。
競馬界はそんなのだけじゃないんだな。
馬も人も鍛えてこそ強くなるのだろうが、何かあった時に腹を切ったり、泣いて馬謖を切る覚悟があってこそなのだろう。
なんか知り得ることもない世界の話を、偉そうに真面目に書いてしまって疲れたが…
今週は強いと思った馬が2頭いた。
どちらもルメール。
秋華賞のチェルヴィニアと、府中牝馬のブレイディヴェーグ。
どちらもすでにG1馬なのだが、改めてというか…あれほど強いのかと思った。
強い馬に上手い騎手が乗ると、すごい簡単に完勝しているように見える。
他の騎手が乗ると負けることはないけど、あれほどに見えるかなと。
あともう1頭目の前で見たのがいた。
月曜の新馬戦デンクマール。
ディアドラの仔シオーグは残念な結果に終わったが、デンクマールは逃げて上がり33.7秒、3 1/2差の完勝。
パドックでは、シオーグ綺麗な馬だなあと写真を撮りまくっていたのでアレだが、デンクマールは544キロで迫力ありすぎで距離持つのか?と思っていた。
レース後のルメールは「1,600の馬。」とのことだが、どうなるか?
馬体重的には短距離向きの気がするが…
血統評価が気になるところだ。
あとでこっそりtakuさんに聞いとこう。
珍しいかどうかはわかんないけど、ルメールが新馬戦で逃げるなんて…
香港で殴り合いができる、ゴリゴリのスプリンターになったりしてね。
最後に…
なんていうかルメールと川田すごいな。
もう競艇で言うとこの、1枠の逃げかどうか?
そっから予想がスタートする感じ。
ルメールか川田を軸にするか切るか?
考え方としてはその方が良い気がする。
3着内率は6割に近く、連対率は5割に近い。
2人だけ突出してるといってかまわないだろう。
的中率を上げたい人の味方で、回収率を上げたい人の敵かな?
再来週にはこの2人と遜色ない数字の男が戻ってくる。
雷神モレイラ!
楽しくなりそうだが、見るのは競馬、賭けるのは競艇となりつつある俺。
「競艇は競馬と違って八百長あるじゃん!」
よく知らんし、処分されとるやろし、そんな面では競馬より健全やろ?
競艇全般ではなく、多摩川のサイズ感にフィットしとるだけかも知れんしね。
まあなんにせよレースは面白いよ。
金賭けとると尚更よね。
とはいえ、新馬戦は気になるし…
身体が2ついるな。