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凱旋門賞2022出走馬全頭血統診断

2022凱旋門賞各馬評価

今回の血統研究所は、目前に迫った凱旋門賞の出走馬の血統評価をおこなってみたい。皆様の参考になれば幸いである。では早速だが、各馬評価を以下に掲載する。※並びはゲート順にしてある。

Mendocino(Adlerflug×Mill Marin by Pivotal)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結 7 土:4 弱:1 影:3 集:5 質:4 再:5 SP:3 ST:5 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C 〇 L 〇
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Northern Dancer4・5×5・5・7及びMemory Lane(=Mill Reef)5・5×4は中間断絶の為、主導は両者を呼び水としたNasrullah-Nearcoの系列クロス。次いで、Prince Roseを伴うPrince Chevalier6×7の影響も強い。従って、主導としては不明瞭な配合であり、ここが当馬の配合の限界点。また、強調された父父内シーホークや、父母内Agioに軽微ではあるものの弱点を派生させた点も見逃せない事実である。とは言うものの、前面でクロスしたNorthern Dancer. Memory Lane(=Mill Reef)が血統全体で17連あるNearcoを介し強固に連動しつつ、きめ細かく生かした重厚な欧州系をしっかりと連動させており、ここが当馬の能力の源泉であると言える。また、3/4同血のSadler’s WellsとNureyevの連動によりRough Shodを生かしたSpecialをクロスさせ、主導と連動。細かい所ではTom Fool.Blue Peterのスピードを隠し味的に、前面のクロスと連動させており、スピード・スタミナ兼備の配合となった。本質は芝向きの中~長距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。主導の不明瞭さや、弱点の派生から詰めの甘さを感じさせる血統ではあるものの、影響度バランスを(9-5-4-9)とし、開花した際には安定感のある配合であると言える。無事な開花を望みたい一頭。

 

Vadeni(Churchill×Vadeerana by Monsun)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:4 結:7 土:2 弱:1 影:2 集:5 質:3 再:5 SP:3 ST:3 特:0
合計:(35/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C □ L ×
ダ:S × M △ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Northern Dancer.Mr.Prospector.Secretariatは中間断絶の為、主導は、その仔Nasrullahがクロスするものの、Northern Dancerを呼び水とし、6代目から影響を行使したNearco12連。また、Birkhahn7×6の影響も強い。従って、主導としては不明瞭な配合であり、ここが当馬の配合の限界点である。とは言うものの、前面のNorthern Dancer.Mr.Prospector.Secretariatが全体の結合を上手くアシストしており、前述のBirkhahnも9代目Phararisで主導と連動するなど、特殊な独系統の血を生かした点はこの配合の長所。明確な主導を作れなかった為に、一息もどかしい配合で、詰めの甘さをみせやすいタイプだが、Gold Bridge.Mieuxce.Prince Chevalier.Acroporis(=Alycidon)等、欧州系の血をきめ細かく生かしており、底力には期待できる配合である。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートは不得手だが、重馬場はこなせる。長く脚を使えるタイプ。

 

ドウデュース(ハーツクライ×ダストアンドダイヤモンズ by Vindication)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:6 土:2 弱:2 影:3 集:4 質:3 再:5 SP:3 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S × M △ I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、Northern Dancerを伴うLyphard4×4。この主導は、単一クロスであるHail to Reasonの結合アシストを受け、比較的明瞭に機能している。また、主導内はHurry Onを伴うCourt Martialが生きている為、主導であるLyphardは、本来のマイル向きのスピードタイプでは無く、中距離スピードタイプへとシフトしていると考えて良い。惜しむらくは、Pharamondの世代ズレにより、父父サンデーサイレンスのスピード再現が中途半端になった点で、上位レベルにおいてはスピード不足を見せる可能性は否定できない。とは言うものの、明確な主導と、前面の結合力の強さはなかなかのレベルであり、好調期には強い競馬を見せる可能性は否定できない。本質は芝向きのマイル~中距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。配合としての方向性はあっているものの、主導内の充足率の低さから、思ったほどの成長を見せない可能性を指摘しておきたい。

 

Al Hakeem(Siyouni×Jadhba by Galileo)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:9 結:6 土:4 弱:3 影:2 集:7 質:3 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M ◎ I 〇 C △ L ×
ダ:S □ M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導はその父母であるNearctic/Natalma共に系列クロスを形成したNorthern Dancer5・5×4・6で非常に明確。次いで、Mr.Prospector5×5・5の中間断絶や、Buckpasser6×6・7の系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな血統構成であり、父Siyouniと母父Galileoの相性の良さを生かした配合となっている。更に、母母内Rahyが抱えるHaloの位置が良く、欧州馬としては珍しくAlmahmoudをクロスさせる事が出来たのは見るべき部分である。また、これといった弱点も無く、土台構造をNearco20連で形成。非常に安定感のある血統構成であると言える。更に、圧倒的に強調した母父Galileoに血を集合し、仕上がった際には迫力ある競馬を見せるタイプ。惜しむらくは、7代目以降であるものの、Djbel-Tourbillon.Prince Chevalie-Prince Roseときめ細かく生かした血の連動がはかられていない点や、Buckpaseerがスタミナの核を形成しているものの、欧州馬としては、スピード勢力に比して、スタミナ勢力が弱く、距離延長は本質的には不向きな血統だと考えられる点か。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。仮に、種牡馬となっても非常に有用な血の配置をしており、是非とも大きな勲章をとってほしい一頭。

 

ディープボンド(キズナ×ゼフィランサス by キングヘイロー)牡・17生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:6 土:2 弱:2 影:1 集:6 質:4 再:3 SP:4 ST:3 特:0
合計:(33/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M 〇 I □ C × L ×
ダ:S 〇 M □ I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

〇 短評

主導は、Northern Dancerを伴うLyphard5×4。かなり明確な主導に見えるが、より前面でクロスした、Halo4×4の中間断絶クロスや、Sir Ivor6×4の系列クロスの影響もかなり強いうえに、血統全体で多数派を占めるのがTeddy系である為、明確な主導足り得なかった。また、主導内において、Clarissimus.Ksar等をおさえ、その生かし方は悪くは無いが、やはりHurry Onの欠落は惜しまれる点であり、その意味においても、スピードに良さはあるものの、ややバランスを欠いた主導だと言える。また、父母の傾向をかなり無視した配合であり、血の濃さがあるものの、開花率は高いとは言い難い。反面、Halo.Sir Ivorの結合アシストは良好で、血の集合も強調した母父であるキングヘイローを圧倒的に強調し、この部分が当馬にとって大きな武器である事は間違い無く、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性は否定できない。本質は、芝・ダート兼用のマイル前後に向くタイプだが、生かされた血の内容から、重馬場への適性をある程度秘めている。また、血の濃さや、影響度バランスの不安定さから、安定性に欠けるタイプである事は指摘しておきたい。

 

Alpinista(Frankel×Alwilda by Hernando)牝・17生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:7 土:3 弱:1 影:2 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S △ M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

〇 短評

前面でクロスしたMiswaki4×4は中間断絶の為、主導は、Natalmaを伴うNorthern Dancer4・5×5・5。Miswakiクロスの影響も強い為、やや主導の明確性に影を落としているが、血統の4ブロックにNorthern Dancerを配し、主導として有効に機能している。また、前述のMiswakiクロスがBuckpasser.Raise a Native.Princequilloをクロスさせ、主導と強固に連動。この部分がこの配合の能力の源泉であると言える。父が抱える独系統の生かし方に弱さがある為、やや成長力に欠ける可能性は否定できないが、Turn-toの中間断絶や、Gold Bridgeを生かしたThong(=Ridan)由来のスピード・切れ味は魅力的で、小気味よい差し足に良さがあるタイプ。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで距離適性の幅は比較的広い。ダート・重馬場もこなせる全天候型。血の集合にも良さがある為に、仕上がった際には力強い競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Westover(Frankel×Mirabilis by Lear Fan)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:6 土:3 弱:2 影:2 集:3 質:3 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(36/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M 〇 I □ C × L ×
ダ:S 〇 M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

〇 短評

主導は、その母Natlmaを伴うNorthern Dancer4・5×5・6。次いで、Mr.Prospector5×4、Nashua7×5・6の系列クロスの影響が強い。従って、主導としてはかなり不明瞭な配合であり、ここが当馬の配合の限界点であると言える。また、母の父であるLear Fanの世代が古く、致命的では無いものの、War Admiralが世代ズレをおこすなど、世代の問題も大きく、結合力には一定の良さがあるものの、安定感には欠ける血統構成。とは言うものの、その世代の古いLear Fan内において、Gold Bridge.The Bossを生かした、Lt.Stevens(=Thong)やBull Lea(Plucky Liegeの落失によりスピードが強調されている)のスピードを前面で生かし、4代目に配されたHail to Reasonの単一クロスが欧米系の血を取りまとめており、結果的にうまく連動したのは幸運。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場もこなせる全天候。前述のように安定感には欠け、血の集合も散漫である為に、一息もどかしい配合ではあるが、欧州馬としてはスピードに良さがあるタイプ。

 

Luxenbourg(Camelot×Attire by Danehill Dancer)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:7 土:3 弱:1 影:2 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C □ L ×
ダ:S × M △ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、前面でクロスしたデインヒル4×3を呼び水とした、Natalmaを伴うNorthern Dancer4・6・6×5で明確。呼び水となったデインヒル傘下において、Buckpasser.His Majesty(=Grustark)がクロスし、呼び水としての効果は良好。また、次いで影響の強いLalun-Be FaithfulもBlue Larkspurを通じ、デインヒル傘下に収まり、欧米系が入り混じった配合ながら、その結合力も比較的強固である。従って、サラブレッドの血統の背骨を形成する主導・結合の評価は高い。惜しむらくは、Wild Riskの世代ズレや、弱点の派生。7代目以降ではあるもののPrince Rose系の結合が果たされていない点。とは言うものの、強調された母父Danehill Dancerへの血の集合力の高さや、欧米系の血をきめ細かく生かし、底力ある配合。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートはこなせる程度だが、重馬場は対応可能。長く脚を使える可能性を指摘しておきたい。

 

Grand Glory(Olympic Glory×Madonna Lily by Daylami)牝・16生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:7 土:2 弱:3 影:2 集:5 質:4 再:6 SP:4 ST:4 特:0
合計:(44/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C 〇 L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め

〇 短評

主導は、Alzao(=Light of Hope)3×3を呼び水にしたNorthern Dancer6・5×5の系列クロス。次いで、Buckpasser7×6、Court Martial8・6×6の系列クロスで血統を構成。また、Mill Reef5×4の中間断絶の影響も強い。前述のクロスはCourt Martialは主導傘下のクロスであり、Buckpasser.Mill Reefが結合をアシストしながら、Nearco.Phararisを通じ主導と連動。こまかく見ていくと、米系のWar Admiral-Man o’WarがBuckpassserを介して、Princequillo.DjbelはMill Reefを介して、それぞれ主導と連動している。これほど見事な呼び水の効果はなかなか見られない点を指摘しておきたい。この、呼び水の有効性から来る結合力が、この配合の最大の武器である事は言うまでも無いが、8代目以降においてもMieuxce.Crarissimusを生かし、母の父Daylamiのスタミナを再現するなど、きめ細かく血を生かし、妙味ある配合だと言える。本質は芝向きの中距離タイプだが、距離適性の幅は広いタイプ。ダート、重馬場はこなせる程度だが、底力ある良配合だと言えるだろうか。

 

タイトルホルダー(ドゥラメンテ×メーヴェ by Motivator)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:8 土:4 弱:2 影:2 集:4 質:4 再:6 SP:4 ST:4 特:0
合計:(43/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I ◎ C 〇 L □
ダ:S × M □ I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Mr.Prospector.Mill Reef.Hail to Reason.Northern Dancerは全て中間断絶クロスであり、一見すると煩雑な血統構成である為、確かに当馬の配合の限界点はここにあると言える。しかしながら、6代目において、母の主導であったNasrullah、父のスピード源であったAlmahmoudをしっかりとクロス。世代が一代進んでいる為、影響は弱くなったものの、父母の血の良さをしっかりと再現している点が最大の長所。この配合形態は、2代父キングカメハメハの最高傑作である、ローズキングダム(1A)と比較して、シンプルさには劣るものの相似性があり、当馬の配合も、かなりのハイレベルな配合だと言えるだろう。前面でクロスした各系統も強固な土台構造を形成した、Nearco19連、Hyperion18連を頼りにし、連動性が極めて高い。惜しむらくは日本適性には欠け、キレる脚はやや望みがたいものの、スタミナに裏打ちされたスピードにはかなりの良さがある配合である。本質は、芝向きの中~長距離タイプ。ダートはやや不得手だが、重馬場はこなせる可能性を秘める。

 

Onesto(Frankel×Onshore by Sea The Stars)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:4 結:7 土:4 弱:1 影:1 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S × M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

〇 短評

前面でクロスしたUrban Sea3×3は単一クロスの為、主導はDanzig4×5の系列クロス。一見、明瞭な主導に見えるが、Urban Seaの影響の強さや、Danzigの父Northern Dancerも4代目でクロスしている為、さほど明確な主導となり得なかった点は惜しまれる部分である。とは言うものの、前述のUrban SeaがHail to Reasonと共に欧米系の血を纏め、主導へと連動させた点はこの配合の最大の長所。また、Blushing Groom5×5のスピードは妙味がある配合だと言える。加えて、特殊な仏系であるDjbel-TourbillonもLalun内Blue Larkspurを介し、間接的にではあるが主導と連動させたのは見るべき部分である。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプ。ダートはこなせる程度だが、重馬場は比較的得意なタイプ。また、多種のスピード・スタミナを生かした配合で、血統全体での再現性が高く、器用な競馬をみせられるタイプ。

 

Alenquer(Adlerflug×Wild Blossom by Areion)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:4 土:3 弱:1 影:1 集:4 質:3 再:4 SP:3 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(35+1/60)点 クラス:2B+
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C 〇 L △
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、その父Northern Dancerを伴うSadler’s Wells(=Fairy King)3×4。この主導は血が濃いものの他に影響の強いクロスは同世代にに存在しない点や、その父Northern Dancerが血統の4ブロックに存在する為に、有効に機能している。また、Prince Chevalier.Acropolisがスタミナの核を形成。主導と連動し、そのスタミナをしっかりと補給しているのが最大の長所。惜しむらくは、やや世代のバランスが悪い部分が見うけられる点や、独系統を生かせず、弱点の派生を招いた点か。従って安定感には欠ける血統構成である。本質は、芝向きの中~クラシックタイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。開花自体は早いと考えられるものの、血統全体の結合の弱さから、思ったほどの成長を見せない可能性は指摘しておきたい。

 

Bubble Gift(Nataniel×Bubble Back by Grand Lodge)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:4 土:4 弱:1 影:2 集:5 質:3 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(37/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M 〇 I △ C × L ×
ダ:S □ M △ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は、父であるNatanielのNearctic継続の流れを継続し、その父Nearcticから継続するNorthern Dancer4×5・5・6の系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason5・6×7で血統を構成。かなりシンプルな配合である。また、Nasrullah.Gold Bridgを生かしたSpecial5×5の単一クロスからスピードを補給し、父同様スピードに恵まれた配合となったと言える。惜しむらくは、全体的に世代の新しい配合でありながら、前面でそれらを纏めるクロスを持たなかった為に、きめ細かく生かした欧米系の血の連動がはかられていない点である。とは言うものの、47というクロス馬や土台構造を形成するPharos(=Fairway)22連から来る血の流れの良さには見るべき点があり、反応の良さを見込める血統構成。本質は、芝向きのマイルタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。圧倒的に強調された父父Galileo内の生かし方や、前述のように父の傾向を引き継いだ為、早期のスピード対応が可能なタイプ。

 

Broome(Australia×Sweepstake by Acclamation)牡・16生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:3 結:7 土:3 弱:3 影:3 集:4 質:5 再:5 SP:3 ST:4 特:0
合計:(40/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C 〇 L □
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

主導は不明瞭な配合で、前面でクロスしたNorthern Dancerは中間断絶であり、Ahonooraは単一クロスの為、6代目においてクロスしたBuckpasser-Tom Fool.Court Martial.Nasrullah-Nearcoが主導と考えられる。この部分が当馬の血統構成上の限界点を端的に示している。とは言うものの、Ahonoora.Northern Dancer.Tudor Minstrel.Buckpasserを軸に、それぞれのクロスがしっかりと連動したのは長所であり、血統全体の再現性はかなり高く、特にスタミナ系の血をきめ細かく生かした配合である。土台構造は平均的だが、影響度バランスが(6-6-5-2)と安定感のある血統構成。開花率は高いとは言い難いが、質の高い血を生かした、これぞ欧州馬と言える配合である。本質は芝向きの中~長距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。

 

Sealiway(Galiway×Kensea by Kendargent)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:6 土:4 弱:1 影:1 集:4 質:3 再:3 SP:4 ST:3 特:0
合計:(36/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M 〇 I △ C × L ×
ダ:S × M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

前面でクロスしたBluching Away3×4は単一クロスの為、主導はその父であるNearcticから継続するNorthern Dancer4・5×6の系列クロス(母内8代目に2連存在するNorthern Dancerは世代ズレと判定)。また、Nasrullah.Gold BridgeをクロスさせたSpecial5×6の影響も強い。全体的に世代の新しい父に対し、母の世代がやや古く、Wild Risk.Bold Rulerの世代ズレを見てわかるように、安定感には欠ける血統構成。とは言うものの、前述のBluching AwayがPrincequillo.Djbel.Menow等の欧州系のクロスを主導と連動させた点は見るべき部分である。本質は、芝向きのマイルタイプ。ダートや重馬場はこなせる程度。また、前述の世代の悪さからくる弱点の派生もあり、信頼はおけない血統構成だと言えるだろうか。

 

Mostahdaf(Frankel×Handassa by Dubawi)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:6 土:3 弱:1 影:2 集:6 質:5 再:4 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(42+1/60)点 クラス:3B+(1A)
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M ◎ I 〇 C △ L ×
ダ:S □ M 〇 I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、Northern Dancer-Natalmaと継続するSadler’s Wells3×5の系列クロス。次いで、Mr.Prospector5×5、Buckpasser6×6・6、Where You Leed6×6・6の系列クロスで血統を構成。血は濃くあるものの、前述の各系統を主導と連動させたうえ、その父Northern Dancerを4・5×6・6・6・7と血統の4ブロックに配し明確に血統をリードしていると言えるだろう。また、Lalun.Djbel等のスタミナに繋がるクロスや、Gold Bridge.Nasrullah.Fair Trial等のスピードに繋がるクロスを傘下に収めた点から、主導内の充足率は良好で、仕上がった際には力強い競馬を見せるタイプ。惜しむらくは、軽微ではあるものの、父母内Rock Gardenや、母母内ディクタットに派生した弱点。6代目Herbagerの離反。7代目以降ではあるものの、Princequillo7・7×8・9が完全に離反した点だが、これに関しては影響度バランス(17-7-6-5)と圧倒的に強調した父父Galileo内にPrincequilloを配した為、さほどのマイナスとは言えず、むしろ7代目以降ではあるもののBallymoss.Tudor Minstrel等、質の高い血をクロスさせ、血統全体の連動性もかなり高いレベルにあると考えて良い。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプ。米系の連動性の良さから重馬場もこなせる全天候型。血の濃さや、母方の世代後退から安定性は高いとは言い難いが、血の集合力にはかなりの良さがあり、仕上がった際には力強い競馬を見せるタイプ。また、距離適性の幅は広いタイプ。

 

Mishriff(Make Believe×Contradict by Raven’s Pass)牡・17生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:4 弱:1 影:3 集:5 質:3 再:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(42+1/60)点 クラス:3B+(1A)
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M 〇 I 〇 C □ L ×
ダ:S 〇 M 〇 I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、Riverman6×4の系列クロス。次いで、Mr.Prospector6×5の系列クロス、Northern Dancerを伴うNijinsky5×5で血統を構成。また、Sir Ivor6・8×6の系列クロスの影響も強い。これらクロスは、18連で土台構造を形成するNearcoを介し連動しており、主導としてはやや不明瞭な配合ではあるものの、血統全体の連動性は比較的高く、主導内においてはPrince John.Romanを系列クロスにするなど、その充足率は高く、ここが当馬の能力の源泉であると言える。また、影響度バランスも(4-5-5-11)と母母Acts of Graceを強調し、そこにある程度の血の集合がある点も見るべき部分である。惜しまれるのは弱点の派生だが、比較的軽微であり、生かされたスピード・スタミナは良好な配合である。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプ。重馬場もこなせる全天候型。多種のスピード・スタミナを生かした点を踏まえると、距離適性の幅は広いタイプになり得る可能性は指摘しておきたい。

 

Torquator Tasso(Adlerflug×Tjuana by Toylsome)牡・17生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:7 土:2 弱:1 影:2 集:4 質:5 再:6 SP:2 ST:5 特:1(主導牡牝と通じたクロス)
合計:(39+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:× 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C 〇 L 〇
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:晩成

〇 短評

前面でクロスしたAlya(=Allegretta)は単一クロスであるものの、主導たるBirkhaln6×6・7を含み、Tantieme等の特殊な欧州系を生かし全開させた為、有効なクロスでありスタミナの核として機能している。惜しむらくは、Never Bendの影響も強く、Birkhalnが明確な主導として機能しなかった点か。反面、Northern Dancer.Native Dancer.Buckpasserが結合のアシストを行い、影響の強いクロスが辛うじて連動したのは幸運だと言えるか。本質は芝向きの長距離タイプ。ダートは不得手だが、重馬場はこなせる。これぞドイツ馬と言える質実剛健な配合である。仮に、国内でデビューした場合スピード不足のレッテルを貼られる可能性が高く、このような配合を構築し、無事に開花させるかの国の馬産に畏敬の念をいだくものである。

 

Mare Australis(Australia×Miramare by Rainbow Quest)牡・17生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:3 結:6 土:2 弱:1 影:3 集:2 質:4 再:5 SP:3 ST:3 特:0
合計:(32/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C □ L ×
ダ:S × M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:晩成

〇 短評

主導は、前面でクロスしたNorthern Dancer4・6×5・7を呼び水としたNearco16連の系列クロス。次いでNative Dancerを伴うRaise a Native6×5、Tom Fool6×7・7の系列クロス、Alchimistを伴うBirkhahn7×6の影響が強い。更に、母父Rainbow Quest内5代目Narullahが世代ズレをおこしている。従って主導としては非常に不明瞭な配合であり、ここが当馬の能力の限界点である。とは言うものの、7代目以降においても質の高い血をきめ細かく生かしており、Sir Ivorを通じてPrincequilloをNorthern Dancerと連動させた点は見るべき部分である。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。質の高い血を生かしながら、これを生かしきれなかった点が、非常に惜しまれる配合であり、(4-6-4-6)といった影響度バランスの良さから安定感はあるものの、詰めの甘さを感じさせる血統構成。

 

ステイフーリッシュ(ステイゴールド×カウアイレーン by キングカメハメハ)牡・15生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:6 土:2 弱:3 影:2 集:5 質:3 再:3 SP:3 ST:3 特:0
合計:(36/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C △ L ×
ダ:S × M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスしたHail to Reason4×5は単一クロスであり、Northern Dancer5×6・6(母内8代目Northern Dancerは世代ズレと判断)は中間断絶であり、父の主導となったAlmahmoudは世代ズレをおこした為に、主導は、その父Mahmoud6・7・7・8×5・9・9の系列クロス。次いで、Lady Angela6・7×8・8、Nasrullah6×6・7・7・8(母内9代目Nasrullahは世代ズレと判断)の系列クロスで血統を構成。Almahmoudが世代ズレをおこした為に、結果的にはかなりシンプルな配合となっており、幸運な配合であると言える。しかしながら、Sanctus4×7の世代ズレも生じており、前述のMahmoud.Nasrullahの位置から見てもわかるように、世代の問題が非常に大きい配合だと言える。従って、安定性には欠ける配合だと言わざるを得ない。とは言うものの、これといった弱点は無く、Gainsborough系の血の流れにはかなりの良さがある。更に、強調された母母シルバーレーンに血を集合。仕上がった際には力強い競馬を見せる可能性は否定できない。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートはこなせる程度だが、ノーザンテーストの影響の強さや、米系の連動性の高さから、重馬場は得意なタイプ。また、結合こそ弱いものの7代目以降の欧州系の血の生かし方には良さがあり、長く脚を使えるタイプ。

 

以上が、2022年凱旋門賞の出走馬の血統評価である。全体的に、出走馬の血統レベルは高く、一部で言われるような、手薄なメンバー構成では無く、むしろ近年の中では高いレベルで安定した出走メンバーであると思う。また、蛇足ではあるが、回避した馬や、出走が叶わなかった馬の中にも優秀な配合馬がおり、3頭ほど紹介しておきたい。

 

Adayar(Frankel×Anna Salai by Dubawi)牡・18生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:8 土:3 弱:2 影:3 集:6 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C ◎ L □
ダ:S × M × I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め

〇 短評

主導は、Northern Dancer4・5×5・6・7の系列クロスで明確。次いで、Mr.Prospector.Buckpasser.Where You Leadで血統を構成。更に、Turn-toを伴うHail to Reason.Princequilloも主導と連動し、全体の結合力は非常に強固であり、7代目までに存在するクロスはほぼ、主導と連動を果たしているのは、驚異的であると言える。この主導・結合を高いレベルで維持した配合は近年稀であり、当馬の能力の一端を示していると言える。加えて、血の集合も父父Galileoに存在し、破壊力のある血統構成。惜しむらくはAllegrettaの再現がやや弱い点であるが、これは致し方ない部分であるとも言える。本質は、スピード・スタミナ兼備の芝向きの中~長距離タイプ。ダートは不得手だが、重馬場は得意なタイプ。是非とも無事な開花を望みたい一頭である。

 

La Parisienne(Zarak×Skysweeper by Hurrycane Run)牝・19生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:7 土:4 弱:2 影:3 集:5 質:4 再:5 SP:3 ST:5 特:0
合計:(43/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:× 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C ◎ L 〇
ダ:S × M × I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:晩成

〇 短評

主導は、その父Mill Reefを伴うShirley Heigths5×5。次いで、その父母であるNorthern Dancer/Flaming Pageを伴うNijinsky6×5、Raise a Native6・7×6・7の系列クロスで血統を構成。また珍しくはあるが、Sheshoon7×6の影響も強い。従って主導としては不明瞭な配合であり、母が抱える独系統を生かせなかった点も踏まえると、当馬の配合の限界点はここにあると言える。とは言うものの、血統全体におけるスタミナの血の生かし方にはかなりの良さがあり、有効世代数が10代目となった点も踏まえると、全体の結合力は強固な配合だと言える。細かい血の生かし方にもかなりの良さがあり、Vilmorin-Gold Bridgeのスピードを隠し味的に生かし、Pharos(=Fairway)を通じて主導と連動させる等、見るべき点も多い配合である。スタミナ勢力は前述のように、非常に強靭で、スピード勢力はそれに劣るものの最低限のレベルにはあると言える。本質は、芝向きのクラシック~長距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。そのスタミナを生かし、自ら競馬を作る流れがあっている配合馬である。仮に国内でデビューした場合、スピード不足のレッテルを貼られやすいタイプだが、質実剛健な血統であり、無事な開花を望みたい一頭。

 

Lassaut(Almanzor×Lady Family by Sinnder)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:8 土:5 弱:1 影:2 集:7 質:3 再:6 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(48+1/60)点 クラス:1A+(2A)
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:◎
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I ◎ C 〇 L △
ダ:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:晩成

〇 短評

主導は、その父系であるDanzig-Northern Dancer-Nearctic-Nearcoと継続するChief’s Crown5×4の系列クロスで明確。次いで、Mill Reef6×5で血統を構成。主導内は母系に存在するSecretariatを系列クロスにし、その充足率は非常に高く、スタミナに良さがあるChief’s Crownへと能力変換を起こしていると考えて良い。また、前述のMill Reefがスタミナの核を形成し、Tuder MelodyがDanteを主導と連動させる等、血統全体の連動性も非常に高い。質の高い欧州系の血を非常にきめ細かく生かした配合であり、それらのクロスの連動性も非常に高く、血統の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。惜しむらくは、軽微な弱点を2ヶ所派生させた点だが、血の集合を圧倒的に強調した母父Sindarへと集合させ、開花した際には破壊力ある血統構成である。更に土台構造を形成するNearco24連からの血の流れが良好で、反応の良さを見込める血統構成。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。開花には時間がかかるタイプだが、非常に優秀な血統構成であり、距離適性の幅も広い。是非とも無事な開花を望みたい一頭。

 

最後になりますが、今回のG-ZEROは、2022年凱旋門賞出走馬の血統評価を行いました。このような記事でも皆さんの楽しみになれば幸いです。全馬の無事と、日本馬の活躍を期待しつつ、今回はこのあたりで筆を置きたいと思います。

(taku.O)
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