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ケンタッキーダービー2023出走馬 全頭血統診断

今回の血統研究所は、目前に迫ったケンタッキーダービーに出走する各馬の考察を血統面から行ってみたい。並びは馬番順にしてあるので、ご閲覧頂いた皆様の参考になれば幸いである。

Hit Show【ヒットショー】(Candy Ride×Actress by Tapit)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:2 弱:1 影:1 集:4 質:3 再:4 SP:4 ST:3 特:0
合計:(35/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I △ C × L ×
ダ:S □ M 〇 I □ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、Raise a Nativeが欠落するものの、Mr.Prospectorを伴うFappiano4×5。次いで、その父であるNearcticから継続するNorthern Dancer6×6・7・8の系列クロスで血統を構成。かなり明瞭な主導に見えるが、Mr.Prospectorが血統の2ブロックにしか配されておらず、極めて明確にとはいかなかった点は惜しまれる部分である。また、母の世代の新しさに比して、父の世代が旧くAlablue.Vanille.Alanesian-Alablueと世代ズレをおこしているだけでなく、弱点を派生させ、影響度バランスも(8-4-6-1)と崩れており、安定感には程遠い血統構成である。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は比較的得意なタイプ。主導内の充足率は悪くは無いため、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Verifying【ヴェリファイング】(Justify×Div Delite by Pepent)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:6 土:3 弱:2 影:2 集:5 質:3 再:4 SP:3 ST:3 特:0
合計:(36/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I △ C × L ×
ダ:S × M □ I 〇 C × L ×
芝適性:△ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

主導は、非常に位置の関係が惜しまれるが、Nijinsky-Northern Dancerと継続するBaldski5×5。この惜しまれる部分というのが、父Nijinsky、父の父Northern Dancerが同様に5代目でクロスした事を指し、更に、Bold Princess(=What a Pleasuer)も、7×5と系列クロスを形成し(父内8代目What a Pleasuerは世代ズレと判定)、Secretariatも7・7×5の系列クロスの影響も強く、主導の明確性に非常に劣る配合となった点にある。仮にBaldskiが4×4であるならと思わせる血統構成である。また、Court Martial.Alycidonも見られる。とは言うものの、結合が難しいPrincequillo系をSecretariatの系列クロスが上手く取り込んだ点や、前面の結合状態自体は悪くはない。本質は、ダート向きの中距離タイプであり、芝は不得手だが、重馬場は得意なタイプである。ゆっくりと成長するタイプで、古馬になってから良さがでる血統構成である。

 

Two Phil’s【トゥーフィールズ】(Hard Spun×Mia Torri by General Quarters)牡・20生
有効世代数:代目

Ⅰ 主:6 結:3 土:2 弱:1 影:1 集:3 質:3 再:2 SP:3 ST:2 特:0
合計:(26/60)点 クラス:1B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:×
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M × I × C × L ×
ダ:S 〇 M × I × C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早熟

〇 短評

最前面でクロスしたDanzig-Northern Dancerはそれぞれ、2×5、3×6・6と世代ズレをおこした為、主導はNearctic4×6の系列クロス(母内7代目、8代目はそれぞれ世代ズレと判定)。加えて、Mahmoud.Crafty Admiral.Hail to Reason.My Babu.Banquet Bellも世代ズレをおこし、この母に、この父を配した意味は極めて薄い。また、強調された父の父内に欠陥を派生させており、母方にも弱点を派生させた点は見逃せない部分である。従って、安定感には程遠い血統構成であると言える。更に、Raise a Native.Round Tableの孤立も加えると、結合面においても大いに不満が残る血統構成であると言える。救いはNearcticを主導に27という少ないクロス馬で全体を構成した点だが、これは単純に父母の相性の悪さを物語っていると言える。本質は、ダート向きのスプリントタイプ。芝や重馬場はこなせる程度。早熟のスピードタイプであると言え、成長力には期待できないと考えられる。母自身は悪い血統構成の牝馬では無く、良い配合を作れる配置をしているだけに勿体ない配合であると言える。

 

Confidence Game【コンフィデンスゲーム】(Candy Ride×Eblouissante by Bernardini)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:3 結:8 土:2 弱:2 影:1 集:2 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(34+1/60)点 クラス:2B+
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C △ L ×
ダ:S × M × I 〇 C □ L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

最前面でクロスしたFappiano4×5は単一に近い中間断絶クロスであり、またHoist the Flag5×5は、中間断絶の為、主導は不明瞭ながら、その父系であるNearctic-Nearcoと継続させたNorthern Dancer6×6の系列クロス。ただし、Alablue6×8(父内5代目Alablueは世代ズレと判定)や、Nashua6・7×6・8の影響もかなり強く、父母の相似を利用した配合ではあるものの、本質的な相性は良好とは言い難い。とは言うものの、前述のFappiano.Hoist The Flagが欧米系の結合をはかる核として機能しており、全体的な結合力は悪くはない。ここが当馬の能力の源泉であると言える。本質は、ダート向きの中距離タイプで、芝はなれればこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。前面のクロスの煩雑さや、血の集合の弱さから、やや詰めの甘さを感じさせる配合である点は指摘しておきたい。

 

Tapit Trice【タピットトライス】(Tapit×Danzatrice by ダンカーク)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:2 弱:2 影:1 集:5 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(39/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I △ C × L ×
ダ:S × M □ I 〇 C × L ×
芝適性:△ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、前面でクロスしたUnbridled3×4を呼び水とした、Mr.Prospector4・5×6の系列クロス。ただし、同様に前面でクロスしたA.P.Indy3×4は単一クロスであるものの、Bold Ruler.Somethingroyal.Buckpasserを内包し、影響が強く、主導としては不明瞭な配合となっており、できる事ならA.P.Indyクロスは、無い方がシンプルで良かったと考えられる。また、影響度バランスも(14-11-8-0)と大きくバランスを崩しており、この父母の相性は良好とは言い難い。とは言うものの、血が濃い為に決して高評価できるものでは無いものの、血統全体の結合力は高く、ここが当馬の能力の源泉であると言える。本質は、ダート向きの中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場はこなせる。開花は比較的早く、早期有利の血統構成。

 

Kingsbarns【キングズバーンズ】(Uncle Mo×Lady Tapit by Tapit)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:8 結:5 土:2 弱:3 影:2 集:3 質:3 再:4 SP:4 ST:2 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(36+1/60)点 クラス:2B+(3B)
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M × I × C × L ×
ダ:S 〇 M □ I × C × L ×
芝適性:△ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Northern Dancerは中間断絶の為、主導は、Raise a Native6・7×5・6・7の系列クロス。次いで、Nashua.Bold Princess(=What a Pleasure).Turn-toを伴うHail to Reasonで血統を構成。これらクロスの位置関係はしっかりしており、Northern Dancerの結合アシストもあり、そのスピードを主導へとしっかりと連動させたのが最大の長所。反面、Princeqillo系の離反をはじめとした、結合の弱さが見られ、ここが当馬の配合の限界点を端的に示している。本質は、ダート向きのスプリント~マイルタイプで、芝は不得手。重馬場は比較的得意なタイプ。スピード型の配合ではあるものの、開花には時間がかかるタイプ。スタミナの核の欠如が惜しまれる配合ではある。

 

Reincarnate【リインカーネイト】(Good Magic×Allanah by Scat Daddy)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:6 土:2 弱:1 影:2 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(41+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S 〇 M 〇 I △ C × L ×
ダ:S 〇 M 〇 I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は、血統の3ブロックに存在する、Mr.Prospector4・5×4・6の系列クロスで明確。次いで、Northern Dancerの中間断絶で血統を構成。非常にシンプルな配合であり、ここが当馬の配合の最大の長所。惜しむらくは、母の母である、Star In The Cornerに主導勢力が無く、この部分の能力アシストが弱い点や、軽微ではあるものの弱点を派生させた点。これといったスタミナの核の形成に失敗した点である。それでも、強調された母の父であるScat Daddyへ、血の集合が見られ、主導内の充足率も高い。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなせる全天候型。また、前述の血の集合の良さから、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性は指摘してきておきたい。加えて早期のスピード対応可能なタイプ。

 

Mage【メイジ】(Good Magic×Puca by Big Brown)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:2 弱:2 影:3 集:4 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(40/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S 〇 M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、Mr.Prospector4×4の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うDanzig4×4で血統を構成。この主導勢力は血統の2ブロックにのみ影響を及ぼしており、Danzig4×4の影響もかなり強く、主導としては不明瞭な配合となっており、ここが当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、Roberto6×6がスタミナの核を形成し、加えて、Misty Flight(=Misty Morn)7×6がBlenheimを介しPrincequillo系を、主導となったMr.Prospectorと連動させている点は大いに見るべき部分で、この連動性の良さが当馬の血統の能力の源泉であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで。重馬場もこなせる全天候型。開花は比較的早いタイプだが、ただの早熟スピードタイプでは無く、成長力を秘めた血統構成であると言える。ただし、血の集合の甘さから、やや詰めの甘さを見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Disarm【ディスアーム】(Gun Runner×Easy Tap by Tapit)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:2 弱:3 影:2 集:3 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性: ダート適性: 重馬場適性:
Ⅳ 開花率: 成長型:

〇 短評

主導は、その父Mr.Prospectorと位置の問題を抱え、Raise a Nativeを落失するものの、Fappiano5・5×5。次いで、その父Nearcticから継続するNorthern Dancer6・6・7×6・6・8、Secretariat6×6・6の系列クロス。FappianoとMr.Prospectorの位置関係さえ除けば、Alanesianが世代ズレをおこしているものの、位置関係が非常にしっかりとした配合であり、またこれと言った弱点の派生も無く、安定感のある血統構成。7代目以降の結合力にやや弱さがある点は惜しまれる部分だが、血統全体で16連存在するNearco系の血の流れにかなりの良さがあり、結合力などと共に当馬の能力の源泉となっている。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場はこなせる程度。開花にはやや時間がかかると想定され、血の集合の甘さから詰めの甘さを見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Jace’s Road【ジェイシズロード】(Quality Road×Out Post by Silver Deputy)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:9 結:7 土:2 弱:3 影:2 集:5 質:4 再:5 SP:5 ST:3 特:1
合計:(45+1/60)点 クラス:1A+
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M □ I × C × L ×
ダ:S 〇 M ◎ I △ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:◎ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は最前面でクロスしたMr.Prospector4×4の系列クロス。その父であるRaise a Nativeを5・5×5・6と血統の4ブロックに配し、Secretariat5×6の系列クロスや、Northern Dancer5・6×5・6の中間断絶のアシストを受け、非常に明確な主導として機能している。また、主導内は、Nashua.Count Fleetこそ落失するものの、充足率は非常に高く、他のMr.Prospector主導の配合馬とは一線を画す血統構成となっている。加えて、Princequillo系は、Secretariatを介し、特殊な仏系であるMy BabuがPharosを介し主導と連動。Ribotも同様にPharosで連動するなど、血統全体の連動性も高い配合であり、これといった弱点の派生も無く、血の集合も父の父であるElusive Qualityに集め、Nearco17連や、Sir Gallhad(=Bull Dog)16連から来る、血の流れも良好である為、反応の良さを期待できる血統構成である。惜しむらくは、スピード勢力に比して、ややスタミナ勢力が弱い点だが、マイルまでなら一流の血統構成であると言える。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は比較的得意なタイプ。また、開花は比較的早く早期のスピード対応可能な血統構成。

 

Sun Thunder【サンサンダー】(Into Mischief×Greenfield d’Oro by Medaglia d’Oro)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:8 土:3 弱:3 影:2 集:3 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(41/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C 〇 L ×
ダ:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

主導は不明瞭な配合で、Northern Dancer6・6・7×5・6の系列クロスがひとまず主導と考えられるが、Hail to Reason5・6×7・8の系列クロスや、Exclusive Native5×6の系列クロス。Ribotを伴うHis Majesty(=Graustark)5×7・7の影響もかなり強く、当馬の血統構成上の限界点はここにあると言える。とはいうものの、Secretariat6×6の系列クロスによりPrincequillo系の結合をはかるなど、血統全体の結合力は強固であり、米国産としては珍しくはあるが、Almahmoudもクロスしており、生かされたスピード・スタミナは優秀で、これらがしっかりと主導勢力であるNorthern Dancerへと連動している様はなかなかに見事であると言える。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。開花には時間がかかり、その確率も高いとは言い難いものの、これといった弱点の無い血統構成や、土台構造を形成するNearco17連から来る血の流れに良さがあり、開花した際には安定した能力発揮を見せられるタイプ。また、多種のスピード・スタミナを生かした為、距離適性の幅は広いタイプ。ただし血の集合に難があり、詰めの甘さを見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Angel of Empire【エンジェルオブエンパイア】(Classic Empire×ArmonAngel by To Honor And Serve)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:8 土:2 弱:2 影:2 集:5 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I □ C △ L ×
ダ:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、Miswaki4×5の系列クロス。次いで、Fappiano5×6の系列クロスで血統を構成。この両者はその父であるMr.Prospectorで強固に連動しており、一見かなり明確な主導と見えるが、その父であるMr.Prospectorが4代目でクロスした事により、その明確性に影を落としており、ここが当馬の配合の限界点。とは言うものの、Northern Dancer.Secretariatの系列クロスや、Buckpasserの中間断絶が結合をアシストしつつ、これらクロスがスピード・スタミナを補給しており、一介の短距離タイプでは無い。本質は、ダート向きの中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は比較的得意なタイプ。スタミナに良さがある配合ではあるが、ある程度の早期スピード対応が可能な血統構成である。開花率は高いとは言い難いものの、ゆっくりと成長するタイプで、長い目で見たい血統構成。加えて各クロスの充足率は非常に高く、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。

 

Forte【フォルテ】(Violence×Queen Caroline by Blame)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:3 弱:2 影:1 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C □ L ×
ダ:S × M □ I 〇 C □ L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

最前面でクロスしたStorm Cat4×4は中間断絶の為、主導はMr.Prospector4・7×5・6の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うNijinsky6×5や、Secretariat5・6×6、Hail to Reason7・9×6・7の系列クロスの影響が強い。この場合、Storm Cat4×4は主導の明確性を乱しており、できる事ならば作成しない方が良かったと考えられる。この配合の全体に言える事だが、かろうじてクロスしているものが多く、やや世代のバランスが悪い配合であり、安定感には欠ける可能性は指摘しておきたい。とは言うものの、これらクロスはしっかりと連動しており、Nearco21連、Sir Gallhad(=Bull Dog)17連から来る血の流れに良さがあり、ここが当馬の能力の源泉であると言える。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。距離適性の幅は広いタイプに育つ可能性は指摘しておきたい。加えて、血の集合にはかなりの良さがあり、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性を合わせて指摘しておきたい。

 

Raise Cain【レイズケイン】(Violence×Lemon Belle by Lemon Drop Kid)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:3 結:7 土:3 弱:2 影:3 集:7 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(41/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I × C × L ×
ダ:S □ M 〇 I □ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、最前面でクロスしたMr.Prospector4×4は中間断絶の為、主導はBold Ruler6・7×7・7の系列クロス。ただし、その父であるNasrullahも6代目からクロスしている点や、Tom Fool6・7×6の系列クロスや、Sir Gaylord6×6の系列クロスの影響も強く、主導としては非常に不明瞭な配合となった。仮に父母のどちらかにRais a Nativeがあればと思わざるを得ない血統構成であると言える。とは言うものの、前述のSir GaylordがPrincequillo系の結合をはかり、Northern DancerがHyperion等の連動をアシスト。前面の結合力は比較的良好な配合となったのは救いであると言える。惜しむらくは、きめ細かく生かした欧州系、特にMy Babuをはじめとする仏系の連動性がはかられておらず、主導・結合共に今一つ迫力に欠ける部分がある血統構成である。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝は不得手だが、重馬場は得意なタイプ。ただし、強調された母の父であるLemon Drop Kidへの血の集合力は素晴らしく、ツボにはまった時は力強い競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。

 

デルマソトガケ(マインドユアビスケッツ×アムールエポジー by ネオユニヴァース)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:5 土:3 弱:1 影:2 集:5 質:3 再:4 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(37+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M □ I △ C × L ×
ダ:S □ M 〇 I △ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、Royal Chargerこそ落失するものの、Hail to Reason-Turn-toと継続するHalo6×4の系列クロス。次いで、Tom Fool6×7の系列クロスの影響が強い。非常に珍しくあるが、母はこの時代にはいってもNorthern Dancerを持たず、父に強いNorthern Dancerの影響が無くなり、シンプルな配合となった点が最大の長所。Northern Dancerがクロスにならないことにより、Hyperion系の結合は母内4代目Halo傘下のGainsborough頼りとなっているが、辛うじてでも結合を果たしたのは幸運。ただし、Princequillo系やNative Dancerの結合がはかられていない点は見逃せない事実であり、更に、複数の弱点を派生させている点もマイナス。ここが当馬の配合の限界点であると言える。とは言うものの、前述のTom Foolや主導傘下のAlmahmoudや、全体で15連あるNasrullah(=Rivaz)のスピードアシストは魅力的で、Gray Sovereign.Fair Trial等、トニービンのスピード再現にも良さがある上に、7代目以降であるもののWild RiskがAlmahmoudを介し能力参加に成功。また、土台構造をNearco18連、Pharos(=Fairway)18連で形成し、その血の流れに良さがある点が最大の長所。更に、Sir Gallahad(=Bull Dog)15連と、ダート適性にはかなりの良さがある配合であると言える。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝はこなせる程度だが、米系の連動性の良さから重馬場は得意なタイプ。多種のスピードを生かした為、器用な競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。また、7代目以降であるものの、前述のSir Gallahad(=Bull Dog)15連のスタミナを引き出せれば、長く脚を使える可能性も秘める点も重ねて指摘しておきたい。

 

Rocket Can【ロケットキャン】(Into Mischief×Tension by Tapit)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:7 土:3 弱:2 影:1 集:3 質:3 再:4 SP:3 ST:3 特:0
合計:(34/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C □ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

主導は、かなり不明瞭な配合で、その父系であるNorthern Dancer-Nearcticと継続させたNjijnsky6×5・7の系列クロス及び、Hail to Reason6×5・8(母の母内9代目Hail to Reasonは世代ズレと判定)の系列クロスの影響がほぼ同等に強い。この両者は、17連で土台構造を形成するNearcoで連動しているものの、連合勢力とは言い難く、ここが当馬の配合の限界点を端的に示している。とは言うもののSecretariat6×6の系列クロスによりPrincequillo系を連動させており、Nijinskyでは限界がある米系の取り込みをHail to Reasonが行い、6代目においてRaise a Native.Tom Foolといったスピード勢力をしっかりと生かしており、Honest Plesure5×6の中間断絶がスピードをアシストしながら、結合のアシストも行っている点は見るべき部分である。この結合力が当馬の能力の源泉であると言える。また、前述のスピードアシストにより、Nijinsky主導でありながら、かなりスピードに良さがある血統となった点も見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。ただし影響度バランス(8-7-6-0)が示す様に、バランスが崩れており、安定感には欠ける配合であると言える(ただし、母の母内においてNorthern Dancerを7代目に2連配している為、そこまで致命的でもない)。また、開花にはかなり時間がかかるタイプであり、長い目で見たい配合であると言える。

 

Cyclone Mischief【サイクロンミスチーフ】(Into Mischief×Areyoucominghere by Bernardini)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:8 土:3 弱:3 影:2 集:2 質:4 再:6 SP:4 ST:3 特:0
合計:(40/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I □ C × L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

主導は、父母共に系列クロスを形成したSecretariat6×5の系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason5・6×7の影響が強い。せっかくSecretariatの父であるBold Rulerを7・7・8×6・6・7・7と血統の4ブロックに配しながら、Hail to Reasonが5代目からクロスした為に、そこまで明瞭な主導となり得なかった点は惜しまれる部分である。とは言うものの、前述のHail to Reasonが5代目からクロスした為に、米系の連動性が強固にはかられているのは、痛し痒しといったところか。また、Northern Dancerの系列クロスが欧州系の結合をアシストしており、加えてRaise a Native.Tom Foolの系列クロスが、間接的にではあるものの、主導と連動し、Secretariat主導の配合としてはスピードに良さがある血統構成となっており、前述の結合力の強固さと合わせて、当馬の能力の源泉となっている。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。開花にはかなりの時間がかかるタイプだと推測されるうえ、血の集合が散漫な為に詰めの甘さを見せる可能性は指摘しておきたい。それでも土台構造を形成するNearco18連の血の流れには良さがあり、Nasrullah.Princequilloの塊であった母の父Bernardiniの良さは再現されており、意外性を秘めた血統構成とも言えるだろうか。

 

マンダリンヒーロー(シャンハイボビー×ナムラナデシコ by フジキセキ)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:7 土:2 弱:2 影:1 集:4 質:3 再:6 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(37+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S 〇 M 〇 I △ C × L ×
ダ:S 〇 M 〇 I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は、Nearctic7×5の系列クロス(父内9代目Nearcticは世代ズレと判定)。次いで、最前面でクロスしたHalo5×4の中間断絶を呼び水とした、Almahmoud7・8×6の系列クロスの影響が強い。この配合の良さは、正にこの部分であり、Hyperion-Gainsborughを核とした血の流れに良さがある点である。また、Turn-toをクロスさせ、秘めたスピードにはかなりの良さがある血統構成。また、In Reality7×5・5の単一クロスが、Haloと共に米系の連動性をより強固にし、PrincequilloはTreceryで直接Nearcticと連動しつつ、Noholme7×5の単一クロスが、Papyrusを介しPrincequilloと主導との連動をより強固にさせた点は見逃せない事実である。また、Wild Riskの中間断絶が弱いながらもスタミナの核を形成。比較的マイナーな父母の配合としては、良くできた内容となっている。惜しむらくは、やはりスピード勢力に比して、スタミナ勢力が弱い点や、7代目以降であり、少数派である為そこまで気にするレベルでは無いものの、Requested-Questionnaireが完全に離反した点。影響度バランスが(3-0-9-9)と崩れている点か。とは言うものの、強調された母の父フジキセキと、母の母タイキミステリーの良さはしっかりと再現されており、父母の相性は比較的良好な配合であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなせる全天候型。開花は比較的早く、早期のスピード対応可能な血統構成。

 

King Russell【キングラッセル】(Creative Cause×Believe You Will by Proud Citizen)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:8 土:3 弱:3 影:3 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M 〇 I □ C × L ×
ダ:S 〇 M ◎ I 〇 C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:◎ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、Royal Chargerこそ落失するものの、Hail to Reason-Turn-toと継続させたHalo6×4の系列クロス。この主導は、その父Hail to Reasonが血統の2ブロックにのみ存在する為、そこまで明確にとはいかないものの、主導としてしっかりと機能している。次いで、その父系であるNearcticから継続するNorthern Dancer(=Arctic Dancer)5×5・5の系列クロス及び、父であるBold Ruler、母であるSomthingroyalを系列クロスにしたSecretariat6×6・7の系列クロスや、Nashua7×6、Tom Fool8×6・6・7・7の系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、自身の土台構造を形成するNearco20連や、Pharamondを介し、前述のクロスはしっかりと連動しており、他にThe Axe7×6は、Mahmoudを介して直接結合を果たし、この連動性はかなりのレベルにあると言って良い。惜しむらくはSwaps(=Track Medal)の世代ズレだが、Secretariatが5連存在するPrincequilloのアシストを受けスタミナの核として機能しており、血統の奥にあるものの、土台構造を形成したNearcoと共にBull Dog(=Sir Gallhad)20連の血の流れにもかなりの良さがある血統構成である。また、これといった弱点も存在せず、影響度バランスも(9-1-11-11)と悪くなく、強調された母の母であるEl Fastoに血の集合が見られ、決め手のある血統構成であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。ともすればややマイナーな父であるCreative Couseであるが、当馬の配合はかなりのレベルであり、是非とも無事な開花を望みたい一頭である。

 

(taku.O)
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