距離適性は、ミオスタチン遺伝子をC/T型と想定して算出しております。当該のサラブレッドのミオスタチン遺伝子が、C/C型であれば一項目左へ、T/T型であれば一項目右へずらして、ご閲覧頂ければ幸いに思います。
フィリーズレビュー
ショウナンザナドゥ（キズナ×ミスエーニョ by PulPit）牝・22生
有効世代数：９代目
Ⅰ 主：４ 結：６ 土：４ 弱：２ 影：３ 集：３ 質：４ 再：３ SP：４ ST：３ 特：１（産駒複数活躍繁殖牝馬）
合計：（36+1/60）点 クラス：2B+(3B)
Ⅱ 日本適性：□ 成長力：□
Ⅲ 距離適性
芝：S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ：S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性：〇 ダート適性：〇 重馬場適性：〇
Ⅳ 開花率：低め 成長型：普通
〇 短評
ミスエルテ(2B+)、ミアネーロ(3B+)半妹。主導は、前面でクロスしたStorm Cat３×４の中間断絶を呼び水とした、Secretariat５×５・６の系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason５×７や、Northern Dancer５・６×６・７・７の中間断絶で血統を構成。従って主導としては不明瞭な血統構成であり、更に、父母の世代がズレ気味で、父であるキズナのスタミナ源である、Alycidon(=Acropolis).Aurora.Donatelloが世代ズレを起こしており、これらの部分が当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、孤立しがちなPrincequillo系を、主導のSecreetariatがしっかりと傘下に収めている点や、６代目以降にクロスしたSir Gaylord.My Babu.Khaledが隠し味的にスピード・スタミナを補給しており、当馬の能力の源泉はここにある。本質は、芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。これと言った弱点は存在しないものの、主導の不明瞭さや、血の集合にやや甘さがある点や、世代ズレ気味な点を踏まえると、ムラな面を見せる可能性を否定できない点を指摘しておきたい。
中山牝馬ステークス
シランケド（デクラレーションオブウォー×フェアブルーム by ディープインパクト）牝・20生
有効世代数：代目
Ⅰ 主：１ 結：６ 土：２ 弱：１ 影：３ 集：５ 質：４ 再：５ SP：４ ST：３ 特：０
合計：（34/60）点 クラス：2B
Ⅱ 日本適性：□ 成長力：□
Ⅲ 距離適性
芝：S □ M 〇 I △ C × L ×
ダ：S 〇 M □ I × C × L ×
芝適性：〇 ダート適性：〇 重馬場適性：□
Ⅳ 開花率：低め 成長型：遅め
〇 短評
前面でクロスした、Northern Dancer４・６・７×６、Mr.Prospector５・６×４、Halo５×４は、全て中間断絶の為に、主導勢力が非常に不明瞭な配合となっており、実質的に血統をリードしているのは、Almahmoud６・７・８・９×６・８、Nasrullah６・８・８・９×７・８、Petition６×８、Cohoes７×６の系列クロスや、Rialtoを伴うWild Risk６×８。この血統の煩雑さが当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、Halo内Turn-to７×６・７・８の切れ味や、血統全体のスピードの引き出しには見るべき部分があり、これが当馬の能力の源泉。また、影響度バランスを（８－７－６－６）とし、祖父母４頭からバランスよく能力を引き出している点は好感が持てる。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。７代目以降でそれなりの影響力を発揮したPrincequillo系の離反や、母の母内Pavane内において欠陥に近い弱点を派生させた為、安定感に欠ける可能性や、将来的な成長力に疑問が残る点はしておきたい。
弥生賞
ファウストラーゼン（モズアスコット×ペイシャフェリス by スペシャルウィーク）牡・22生
有効世代数：９代目
Ⅰ 主：９ 結：６ 土：３ 弱：１ 影：３ 集：５ 質：５ 再：６ SP：３ ST：５ 特：１（主導牡牝を通じたクロス）
合計：（46+1/60）点 クラス：1A+
Ⅱ 日本適性：△ 成長力：◎
Ⅲ 距離適性
芝：S × M △ I ◎ C 〇 L □
ダ：S × M × I □ C △ L ×
芝適性：〇 ダート適性：□ 重馬場適性：〇
Ⅳ 開花率：普通 成長型：遅め
〇 短評
主導は、Northern Dancer-Natalma-Almahmoudと継続させた、Sadler’s Wells４×５の系列クロス。その父であるNorthern Dancer５・６・６・６×６・６・６と、血統の４ブロック全てに配したうえで、Turn-toを内包したHail to Reason７×５・８を内包し、更にLalun.Djbelを生かし、明確に血統をリードしている。次いで、同様にNorthern Dancerの仔であるDanzig５×５、Nijinsky５×５の系列クロスや、Buckpasser６・７・７×６、Nashua７・８×６の系列クロスで血統を構成。これら系統は、Northern Dancer.Sir Gallhad(=Bull Dog).Nearcoで強固に連動しており、当馬の能力の源泉となっている。更に、父の父であるFrankelの種牡馬としてのアキレス腱となりやすい、Urban Seaが抱える独系統だが、当馬の血統内においては、主導勢力と連動こそしないものの、Tantieme-Deux Pour Cent.Birkhahn-Alchimist.Prince Chevalier-Prince Roseとクロスさせ、Urban Seaの抱えるスタミナ勢力を全開にしており、当馬の大きな武器となっている。また、隠し味的に生きたRed God７×８のスピードアシスト等、生かされた血の質は非常に高い。惜しむらくは、７代目以降のクロスの連動性がやや弱い点や、母の父スペシャルウィークが抱えるプリメロ-Blandfordがクロスせず、そのスタミナ再現に失敗し、軽微ながらも弱点を派生させた点か。本質は、芝向きの中～クラシックタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。総合的には非常に良くできた血統構成であり、質実剛健な配合である。課題は内在するスピードの引き出しだが、開花した際には力強く、長く脚を使えるタイプに育つ可能性を指摘しておきたい。無事な開花を望みたい一頭。
(taku.O)
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