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シルクホースクラブ2021注目馬血統診断(2020年度産)

今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。

※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。

では、今回はシルクホースクラブです。

 

・プチノワールの20 牝 父:キタサンブラック

主導は、父の傾向を外すもののHalo4×4・5の系列クロス。次いで、Northern Dancerの系列クロスで血統をリード。両者はNearco.Almahmoudで連動し相性は自体は良好である。また、Pocahontas.Bustedの中間断絶クロス及び単一クロスでスピード・スタミナを補給。惜しむらくはきめ細かく生かした、Clarion-Djbel-Tourbilllonを孤立させてしまった点や、父の主導となったLyphard内Hurry On.Ksarを落失させ、その再現度に不満が残る点である。それでも、明確な主導と、良好な結合力を持ち、早期有利のスピードを再現したのは大きなセールスポイントだと言える。本質は芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。

 

・シーズインクルーデッドの20 牝 父:サトノダイヤモンド

主導は、Haloを主導とした父の傾向を後退しながらも引き継ぎ、Turu-toを伴うHail to Reason。次いで、Northern Dancer.Pochontas.Buckpasser.Raise a Nativeで血統をリード。煩雑な血統ではあるが、Northern Dancer.Buckpasser.Hoist the Flagの結合アシストにより、結合力に良さがある配合となった。反面、血の集合がやや散漫な配合であり、詰めの甘さを見せる可能性は指摘しておきたい点である。それでも、生かされたスピード・スタミナは強力で、開花率の低さを感じさせるものの、理にかなっている血統構成であるとは言える。本質は、芝向きの中距離タイプ。距離適性の幅は広いタイプだと言える。ダートや重馬場は無難にこなせる。

 

・ウェイクミーアップの20 牡 父:ダイワメジャー

主導は、その父母Nearctic.Natlmaと継続するNorthern Dancer4×5・5。かなり明確な主導に見えるが、Northern Dancer自身は血統の2ブロックにしか存在しない為、極めて明確にといかなかった点は惜しまれる。次いで、Royal Chargerの系列クロスで血統を構成し、父父サンデーサイレンスのスピードを再現。惜しむらくは、きめ細かく生かした米系のBanish Fear-Blue Larkspur.Bull Lea-Bull Dog.Teddy等の結合がはかられていない点か。また、影響度バランスも安定身に欠ける配合である点も指摘しておきたい。反面、これといった弱点も無く、土台構造もGainsborogh17連で構成し、クロス種も47と日本適性の高い配合だと言える。本質は、芝・ダート兼用のスプリント~マイルタイプ。重馬場もこなせる全天候型。是非無事な開花を望みたい配合だと言える。

 

・テルアケリーの20 牡 父:ドゥラメンテ

主導は、父母の傾向を外すもののRaise a Native5×5の系列クロス。次いで、Almahmoud.Grey Sovereign-Nasrullahで血統を構成。Northern Dancerが結合をアシストと、同父産駒としては比較的シンプルな配合となった点と隠し味的に生かされたTetratemaがBig Gameを通じて連動。この部分をしっかり目覚めさせる事ができれば、切れ味のある競馬を見せる事ができる可能性は指摘しておきたい。反面、全体の結合力は決して強力であるとは言えず、有効世代が10代目である点も踏まえると、開花には時間のかかるタイプだと言える。本質は芝向きのマイルタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。同父産駒としては変わり種の配合として走りには注目してみたい。

 

・サトノオニキスの20 牝 父:ドレフォン

主導は、Northern Dancerを伴うNijinsky7×5。次いでAlmahmoud.Tulyarで血統を構成。比較的珍しい血統構成だと言える。また、Sir Gaylord.Pocahontasを通じ、Round Tableを連動させるなど、同父産駒としてはスタミナのアシストが厚い配合だと言えるだろう。スピードはAlmahmoud.Turn-toからで、母父ディープインパクトのスピードを再現。結合が果たされていないものの、Mieuxce.Massine等きめ細かく血をいかし、
血統全体を良く再現している。牝馬としては重厚だが本格的な配合だと言えるだろうか。本質は、芝向きの中距離~クラシックタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。

 

・スペシャルグルーヴの20 牝 父:ドレフォン

主導は、いまだ珍しいDeputy Minister5×4の系列クロス。このクロスは血統の2ブロックにしか影響を及ぼしていない為、見た目程強力な主導とは言えないが、Victorianaをクロスさせる等、有効なクロスだと言える(先日、新馬勝ちをしたハイアムズビーチと共通性のある配合であると言える)。次いで、Nijinsky-Northern Dancer.Bold Ruler.Almahmoudで血統を構成し、Turn-toの中間断絶の影響も強く、サンデーサイレンスのスピードを再現。日本適性の高い配合だと言えるだろう。惜しむらくはこれといったスタミナの核の作成に失敗している為、距離延長は基本的に不利なタイプ。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝はなれればこなせる。重馬場は得意だと考えて良い。新世代の配合として動向には注目したい配合である。

 

・シャクンタラーの20 牝 父:ハービンジャー

主導は同父産駒としては珍しく、Roberto6×4の系列クロス。次いで、Northern Dancer-Nearctic/Natlma-Almahmoud.Bukpasser.Nashuaの系列クロス。これらクロスは、Nearcoを通じ強固に連動しあい、明確な主導としてのRobertoをアシストしている。つまり配合の屋台骨と言える主導・結合は非常にしっかりした配合だと言え、やや日本適性に欠けるものの、7代目以降の連動性も高く、優秀な配合となっている。ハービンジャー産駒の主導として結果が出ていないRoberto主導だが、これはスピードに欠ける嫌いがある為だが、当馬の場合は全体で6連あるNearcticがこれをアシストしているのはプラスに働いていると考えて良い。本質は、芝向きの中~長距離タイプ。ダートもこなせる。重馬場はこなせる程度。ハイペース対応が高い配合だと言え、牝馬ではあるものの、是非無事な開花を望みたい配合だと言える。

 

・ゼマティスの20 牝 父:ハービンジャー

主導は、Danzig4×5の系列クロス。次いで、Natlma-Almahmoud.Buckpasser.Hail to Reasonの系列クロスで血統をリード。この配合の最大の長所は、主導内においてPetition-Fair Traial.Olymipia-Heliopolis.Fighting Fox-Sir Gallahad等をクロスさせ、その充足率が非常に高い配合となり、Danzigが明確な主導となった点にある。また、前述のクロスが米系をしっかりと取り込み、連動性も高い配合となった点もまた、評価に値する部分であり、父産駒としては模範的な配合だと言える。更に、Sir IvorがPrincquillo系を結合。その生かし方は弱いもののCrepelloをスタミナの核とした点も好感がもてる。牝馬としては重厚だが、是非とも無事な開花を望みたい配合である。本質は、芝向きの中~クラシックタイプ。ダートは不得手。重馬場はこなせる程度。

 

・ツルマルワンピースの20 父:ハービンジャー 牡

ブラストワンピース全弟。主導は、Northern Dancerの系列クロス。次いで、Le Fabuleux.Buckpasserの系列クロス、及びTurn-toを伴うHail to Reason。兄と同様に、前述のクロスが欧米系をある程度取りまとめ、結合面においては比較的良好な配合となっている。血の集合はひとまず2代母ツルマルグラマーへとはかられている点も、当馬の配合のアピールポイントだと言え、仕上がった際にはしっかりとした強さを見せる可能性を秘める。また、 Graustark(=His Majesty)が、そのスタミナを補給した点もプラス。惜しまれる点は、主導の不明瞭な配合となった点と、Le Fabuleux. Graustark(=His Majesty)のスタミナの生かし方がやや弱く、一定の距離延長適性を秘めるものの、本当の意味でのステイヤーでは無く、ハイペースで流れた際の長距離戦での対応力は高いとは言い難い点か。本質は、ややスタミナ優位の芝向き中距離タイプで、ペース次第で長距離戦も対応可能なイメージが正しいか。また、開花率は高いとは言えない配合で、開花には相当の鍛錬が必要なタイプ。ダートはこなせる程度。

 

・ディープストーリーの20 牝 父:ハービンジャー

主導は、位置の悪さがあるものの、Lyphard/Nijinsky-Northern Dancerの系列クロス。次いで、その傘下のNatlma-AlmahmoudやTurn-toを伴うHail to Reason.Crepelloで血統を構成。前述のHail to Reason及び、Sir Ivorが結合をアシストし、父と母父であるディープインパクトの相性の良さをしっかりと生かした配合であると言える。それだけに、Nijinsky.Lyphard.Hail to Reasonの位置関係から見るに明確な主導を作成できなかった点が惜しまれる。ただし、それぞれの充足率は高く、開花した際には強い競馬を見せる事が可能な点は指摘しておきたい。開花率はそれだけに高いとは言い難いものの魅力な部分を持つ配合である。本質は芝向きの、芝向きの中~クラシックタイプ。ダートはこなせる程度。重馬場は比較的得意なタイプ。

 

・ロザリンドの20 牡 父:リアルスティール

主導は、父の傾向を外すものの、サンデーサイレンス3×4の中間断絶を呼び水にした、Hail to Reason5×5・6・7の系列クロス。次いで、Bold Ruler.Nashua.Sir Gaylordの系列クロスで血統をリード。これらクロスと主導とは、15連で土台構造を形成するNearcoを通じ強固に連動し、Princequillo系の結合もはかっている(ここまでで、疑似的なエピファネイア産駒と言えるような、配合となっている点にお気づき頂ければ幸いであり、サンデーサイレンスの3×4を奇跡の血量とありがたがるのは、その内容を見てからにした方が良い事を明記しておきたい)。比較的スピードのアシストが厚い配合であり、早期のスピード対応も可能。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。サンデーサイレンスクロスの意味を考えて欲しい配合であり、その意味で勝ち上がりを期待したい配合である。

 

・カルディーンの20 牝 父:レッドファルクス

前面でクロスした、Halo.Dumascusは中間断絶クロスの為、影響がやや弱く、主導はMr.Prospector5×4の系列クロス。また、Northern Dancerの中間断絶も含め、前述のHalo.Dumascusが全体の結合をアシスト。配合として結合を見るに非常に良好な配合だと言える。この部分がこの配合の最大の長所であり、粘り強い競馬を見せる可能性を秘める点を指摘しておきたい。また、スピードのアシストが厚い配合であり、主導がMr.Prospectorである点も踏まえると、スピードには良さがある配合である。反面、これといったスタミナの核の作成には失敗しており、明確に距離の壁がある血統構成。本質は、芝・ダート兼用のスプリント~マイルタイプ。重馬場も比較的得意なタイプだと言えるだろうか。

 

・サンドクイーンの20 牡 父:ロードカナロア

主導は、Northern Dancerを伴うNureyev5×4・4。次いで、同様にNorthern Dancerを伴うNijinsky7×6、Nashua6×7で血統を構成。また、Graustarkがスタミナの核を形成。決して長距離タイプでは無いものの距離適性の幅に良い影響を与えていると言える。惜しむらくは全体的に結合力の弱い配合で、7代目以降の連動性が低い点は見逃せない事実であると言える。それでも前面のクロスはしっかりと連動しているのは幸運。加えて主導たるNureyev内においてGold Bridgeが落失し、充足率が低い点も留意が必要な部分であり、詰めの甘さを見せる可能性は否定できない。それでも全体的にはマイラーとして良くまとまった配合であるとは言える。好調期には父を彷彿とさせる競馬を見せる可能性もあるだろう。本質は、芝向きのスプリント~中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。

 

・ダストアンドダイヤモンズの20 牝 父:ロードカナロア

主導は、前面でクロスしたMr.Prospector.Northern Dancerは中間断絶となった為、同父産駒としては珍しい、Secreraiat(=Syrian Sea)5・6×5の系列クロス。一応Nijinskyもクロスしているが位置が深く、影響力が弱くなった点は幸いか。血統全体を通して結合力が高い配合であり、間接的な配合に頼る部分はあるものの、7代目までのクロスが全て主導と連動。これはなかなか驚異的な状態で、主導がSecretariatという事もあり、開花には時間がかかるだろうが、なかなか味のある配合となった。また、重くなりがちな配合であるが、Turn-toの切れ味あるスピードアシストは魅力的である。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝はやや不得手だが、重馬場はこなせる。なかなか開花しないSecretariat主導だが、当馬には是非開花を果たしてもらいたいものである。

 

今回は、シルクホースクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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