今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。
※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。
では、今回はキャロットクラブです。
・ワイの20 牝 父：ロードカナロア
主導は、Mr.Prospectorを伴うKingmambo(=Monevassia)３×３。血が濃い事は確かだが、次いで影響の強いNorthern Dancerの系列クロスを傘下におさめ主導として機能している。また、His Masjesty.Buckpasserがスタミナの核を形成しながら欧米系の血を連動。ひとまず理にかなった配合となっている。本質は芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。個性派配合として無事な開花を望みたい配合である。
・インナーレルムの20 牝 父：ハーツクライ
主導は、Northern Dancerを呼び水とした、Almahmoudの系列クロス。Hail to Reasonの単一クロスを作成し、米系の取り込みに成功。かなりシンプルな配合で、土台構造をGainsborough17連で形成。安定感のある血統構成だと言える。本質は、芝向きのマイル～中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度
・ローガンサファイアの20 牡 父：エピファネイア
主導は、サンデーサイレンス４×３を呼び水とした、Hail to Reasonの系列クロスで明確。次いで、Alamhmoud.Lady Angelaのスピードをアシスト。Buckpasserがスタミナをアシストするシンプルな配合となった点が最大の長所。また、Crimson Satanが米・加系の結合をさらに強固にし、この結合力の強さはなかなか見る事が出来ないレベルであると言える。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプ。加系の影響からダートは得意。
・クルミナルの20 牡 父：エピファネイア
主導は、サンデーサイレンス４×３を呼び水にした、Hail to Reasonの系列クロスで明確。次いで、Nashuaの系列クロスでスピードをアシストし、Wild Riskがスタミナをアシスト。Northern Dancerの中間断絶クロスが結合をアシストするというシンプルな形態。惜しむらくは、父父内Princequilloの世代ズレだが、内部のキーホースはしっかりと抑えている為、さほどのマイナスとは言えない。本質は芝・ダート兼用の中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。
・ステファニーズキトゥンの20 牝 父：ドゥラメンテ
主導は、Northern Dancerの系列クロス。次いで、Hail to Reasonの系列クロスで血統を構成。従って主導としてはかなり不明瞭な配合であると言える。反面、Mr.Prospectorが結合をアシストし、Special-Thongのスピード・スタミナのアシストにもよさがある配合である。開花には時間がかかるタイプと予測されるが、開花した際には強い競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。
・リーチングの20 牝 ドゥラメンテ
主導は、Northern Dancerの系列クロス。次いで、Nashua-Nasrullah.Almahmoud.Alibhaiで血統を構成。スピード・スタミナのアシストを行っている。また、Hail to Reason.Nijinskyが結合をアシストし、隙の少ない血統構成。惜しむらくは母母であるMaryinskyが圧倒的に強調され、バランスがやや悪い点だが、血の集合も完全では無いものの母母にある為、マイナス面は少ない。本質は芝・ダート兼用の中距離タイプ。距離適性の幅は広い。重馬場はこなせる程度。
・ブリガアルタの20 牡 父：モーリス
前面でクロスしたサンデーサイレンス４×３は、ほぼ単一クロスの為、主導はNorthern Dancerを伴うSadler’s Wells４×４。次いで、Riverman５×６.Raise a Native７×６で血統を構成。質の高い血でクロスを形成したのが最大の長所で、主導の不明瞭さはあるものの、上記のクロス馬が結合をアシスト。７代目までのクロスは全て主導と連動。ここが当馬の配合の最大の長所である。本質は、ゆっくりと成長する芝向きの中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・バイラオーラの20 牝 父：ドレフォン
主導は、Mr.Prospectorの系列クロス。次いで、What a Pleasure.Almhmoudで血統を構成。Turn-toの中間断絶もあり、スピードに良さがある血統構成だと言える。また、Tom Rolfe-Ribotがスタミナの核を形成。更に、Northern Dancerが結合をアシスト。やや煩雑ではあるが理にかなった血統構成だと言える。惜しむらくは欠陥を一か所抱えた点で安定感には欠ける血統構成だと考えられる点か。それでもフォーティナイナー(3B)を全開とした点は魅力的である。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝は不得手だが、重馬場はこなす。
・リアリサトリスの20 牡 父：リアルスティール
前面でクロスしたMr.Prospectorは、ほぼ単一クロスの為、主導はNorthern Dancerを伴うNureyev５×４。次いで、Lyphard.Secretariat.Bull Pageで血統を構成。確かに煩雑な血統構成ではあるが、各系統の連動性は良好で、前述のLyphard.Secretariat.Bull Pageがスピード・スタミナの核を形成。かなりスピードに恵まれた配合となった。血の集合にもある程度の良さがある点も、記憶しておきたい事実である。本質は芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場はこなせる程度。
・プンタステラの20 牡 父：リアルスティール
前面でクロスしたMr.Prospectorは、ほぼ単一クロスの為、主導はNorthern Dancerの系列クロス。次いで、Sir Ivor.Secretaritatで血統を構成。前面のクロスがやや煩雑な為、主導としては不明瞭だが、前述のクロスが結合をしっかりとアシストしたのが見て取れる。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプ。重馬場もこなせる全天候型。
・エクストラペトルの20 牝 父：リアルスティール
前面でクロスした、Kingmambo(=Monevassia)は単一クロスの為、主導はTurn-toを伴うHail to Reason。次いで、Bold Ruler.Nashuaの系列クロスで血統を構成。この配合の最大の長所は、前述のKingmambo(=Monevassia)が結合をアシストしながら、シンプルな血統を作り上げた点にある。やや血が濃いものの、各系統の連動性は高い。本質は、芝向きのマイル～中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・マイティースルーの20 牝 父：リアルスティール
前面でクロスした、Mr.Prospectorは単一クロスの為、主導はNorthern Dancerの系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason.Nashua.Bold Rulerで血統を構成。非常にスピードのアシストに厚い配合である。惜しむらくはこれと言ったスタミナの核の形成に失敗している点で、距離延長への適性はやや低い配合だと言える点か。本質は芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場もこなせる全天候型。
・ライジングクロスの20 牝 父：リアルスティール
主導は、Northern Dancerを呼び水とした、Alamhmoudの系列クロス。非常にシンプルな配合で、前面でクロスしたBusted.Sil Ivorの中間断絶がスタミナをアシストしながら結合のアシストを行っている点が最大の長所。潜在的なスピードにはかなり良さがある配合であるが、その引き出しにはかなりの鍛錬が必要なタイプである点がネックではあるか。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場はこなせる程度。個性派配合として開花を望みたい。
・アドマイヤアロマの20 牡 父：ハービンジャー
主導は、Nijinky６×４の系列クロス。次いで、Turu-toを伴うHail to Reasonで血統を構成。惜しむらくは、Round Table-Princequilloの世代ズレだが、結合が果たされていないPrince Roseの影響が弱くなった点は幸運だと言える。反面、Hail to Reasonの影響により米系の結合が強固におこなわれ、Nijinskyを主導とした点もあり、連動性自体は悪くない。更に、主導内充足率が高く、日本適性や開花率が高い配合とは言い難いものの、開花した際には迫力ある競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝向きの中～クラシックタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。是非無事な開花を望みたい好配合である。
・エレガントマナーの20 牡 父：ハービンジャー
主導は、Roberto６×４の系列クロス。次いで、Northern Dncerの系列クロスで血統を構成。惜しむらくは、Princequillo-Prince Roseの世代ズレだが、同クロスのキーホースであるPapyrus-Trecery.Bayardはしっかりとクロスしたのは幸運。日本適性には欠ける配合だが、スタミナ値にかなりの良さがある配合であり、底力勝負可能な血統構成。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプ。重馬場はこなせる程度。
・アウェイクの20 牝 父：ハービンジャー
主導は、Lyphard-Northern Dancerの系列クロス。次いで、Roberto６×５で血統を構成。従って主導や、血の集合は不明瞭だが、質の高い血で血統を構成。牝馬としては重厚だが底力ある配合となった。また、Bucckpasser等の影響もあり結合力は強力であり、その確率は高いとは言い難いが、開花した際には強い競馬を見せられるタイプ。本質は、芝向きの中～クラシックタイプ。ダートはこなせる程度だが、重馬場はこなせるタイプ。無事な開花を望みたい配合である。
・ココファンタジアの20 牡 父：ルーラーシップ
前面でクロスした、Mr.ProspectorはNashuaが世代ズレを起こした点もあり、中間断絶の為影響は弱く、主導はノーザンテースト４×５の系列クロス。この主導は、非常に充足率が高く、好感が持てる主導である。また、前述のMr.Prospectore及びBuckpasser.Sanctus欧米系の血を主導と連動。理にかなった血統構成だと言える。更に、Hyperion16連のアシストや、土台構造をNearco23連で形成、安定感のある血統構成であると言える。惜しむらくはこれと言ったスタミナの核の形成に失敗している点だが、マイラーとして良くできた配合であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプ。重馬場もこなせる全天候型。
・ジュモーの20 牡 父：ルーラーシップ
主導は、Northern Dancerを伴うNureyev５×４。次いで、主導傘下のAlmahmoud.Lady Angela-Hyperion。Nashuaの系列クロスで血統を構成。Graustarkがスタミナの核を形成し主導と連動させ、シンプルな血統構成を作り上げた点が最大の長所。惜しむらくは、米系の結合の弱さで、成長力には不安が残る点か。ただし、生かされた血の質は高く底力勝負可能な血統構成。本質は、芝向きのマイル～中距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。
・ネオフレグランスの20 牝 父：ルーラーシップ
前面でクロスしたMr.Prospectorは単一に近い中間断絶クロスの為、主導はNorthern Dancerを伴うノーザンテースト４×４。次いで、Hyperionの系列クロスで血統を構成。主導内充足率がやや弱いものの、Hyperion系のスピードにはかなりの良さがある配合であり、全体で16連あるHyperionが底力を補給。Mr.Prospectorが米系の結合とスピードをアシスト。理にかなった血統構成だと言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプ。重馬場もこなせる全天候型。
・パルティトゥーラの20 牡 父：サトノクラウン
前面でクロスした、Halo-Hail to Reasonが世代ズレを起こした為、主導はNorthern Dancerの系列クロス。世代ズレの影響もあるがシンプルな配合であり、PrincequilloがTreceryを通じ主導と連動。中距離のスタミナに良さがある配合となった点や、Buckpasserが米系を取りまとめる等、優等生的な配合であると言える。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートや重馬場はこなせる程度。
・ココシュニックの20 牝 父：ジャスタウェイ
主導は、非常に珍しいが、Icecapadeの系列クロス。次いで、Hail to Reason.Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合でありながら、Hail to Reasonが米系の連動性をしっかりとはかった点が最大の長所。血統全体でHypeionが12連と影響が強く、力強さがある血統構成。世代の難しい父のバランスをしっかりと補正した配合で、土台構造をNearco18連で構成、安定感のある血統構成だと言える。本質はダート向きのマイルタイプで、芝は慣れればこなせる。重馬場は得意なタイプ。
・ラテアートの20 牝 父：シルバーステート
主導は、Northern Dancerを呼び水とした、Almahmoud.Lady Angela-Hypeionの系列クロス。両者は連合勢力と言える結合力がある。ただしNasrullah.Court Martialの系列クロスの影響も強い為、主導としてはやや不明瞭な配合となった点が惜しまれる。反面非常にきめ細かく質の高い血を生かした配合で、結合の弱さがあるものの、父母の良さを良く生かした配合であると言え、その引き出しには相当の鍛錬が必要なものの、潜在的なスピード・スタミナにはかなりのよさがある配合であると言える。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・シャンドランジュの20 牡 父：ヘニーヒューズ
主導は不明瞭な配合だが、Northern Dancerを呼び水としたAlmahmoudの系列クロス。次いで、Bold Rulerで血統を構成。この主導の不明瞭さがこの配合の限界点と言える。反面、Prince JohnのスピードやNorthirdchanceの結合アシストが良く効いている配合で、米系の取り込みに良さがある配合だと言える。惜しむらくは前述の主導の明瞭さと、血の集合に散漫さがある点か。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝はこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。
・ビットレートの20 牝 父：ヘニーヒューズ
前面でクロスしたHold Your Peaceは中間断絶クロスの為、主導はRaise a Nativeの系列クロス。次いで、Bold Ruler.Tom Fool.Eight Thirty.Almahmoudの系列クロスで血統を構成。非常に個性的な配合だが、前述のHold Your Peace.Nothirdchanceが結合をアシスト。血の集合も父母であるMeadow Flyerにあり、理にかなった配合だと言える。従って、ダート向きではあるものの、スピードにはかなりの良さがある配合だと言える。本質は、ダート向きのスプリント～マイルタイプ。芝は不得手だが、重馬場は得意なタイプ。個性派配合として是非無事な開花を望みたい配合である。
・グリューヴァインの20 牝 父：キズナ
主導は、サンデーサイレンス３×３を呼び水としたHail to Reason５×５・６（９代目Hail to Reasonは世代ズレと判定）の系列クロス。次いで、Almahomoudで血統を構成。非常にシンプルな配合でここが、この血統の最大の長所。惜しむらくは、再現性こそ良好なものの、ウインドインハーヘア・パシフィカスのスタミナ再現が後退した為、長く脚を使えるタイプに育つ可能性を秘めるものの、これといったスタミナの核の形成に失敗した点か。本質は芝向きのマイル～中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・ライクザウインドの20 牝 父：トゥザワールド
主導は、Northern Dancerの系列クロスで、母父デインヒルを強調。次いで、主導傘下のNatlma-Almahmoudで血統を構成。惜しむらくは、His Majesty.Alibhaiの世代ズレだが、内部の血を生かした為、そこまでのマイナスであるとは言えない。また、Buckpasserの中間断絶がスタミナの核を形成し、結合のアシストを行い米系の取り込みに成功している。シンプルな配合でありながら理にかなった配合だと言える。更に、Hyperion17連や、Turn-toから来るスピード・スタミナは魅力的。本質は、芝向きのスプリント～中距離タイプであり、ダート・重馬場はこなせる程度。マイナーな父だが良くできた配合であり、是非無事な開花を望みたい配合である。
・アドヴェントスの20 牝 父：ミッキーアイル
前面でクロスしたサンデーサイレンス３×３は単一クロスの為、Nureyev４×４の系列クロス。この主導はGold Bridgeを生かす等スピードに良さがある主導となっている。次いで、主導傘下のNatalma-Almahomoud.Hyperion。Buckpasser-Tom Foolで血統を構成。血の濃さがある為、そこまでの評価はできないが、結合を良さがある配合となった。安定感のある血統構成と言える。惜しむらくは、血の集合が散漫な点で、詰めの甘さを見せる可能性を秘める点か。本質は、芝向きのマイルタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・シンハリーズの20 牝 父：リアルインパクト
主導は、Halo４×４の系列クロス。血統の２ブロックにのみ影響を及ぼしている為、非常に明確にとはいかなかったものの、この主導は有効。主導内充足率もかなり高い。次いで、Raise a Nativeで血統を構成。スピードにかなりの良さがある配合となった。また、Nothern Dancerが結合をアシスト。非常にシンプルな配合となった点が最大の長所。クロス馬が64と多くなった点はマイナスだが、７代目以降の質の高い血を生かし、底力のある配合。本質は芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場はこなせる程度。
・ウィープノーモアの20 牝 父：Quality Road
主導は、Mr.Prospector４×４の系列クロス。次いで、Secretariat５×５・５で血統を構成。Nothern Dancer.Sir Gaylord.My Babuで結合をアシスト。これといった弱点も無く、土台構造をNearco20連で形成。影響度バランスも（13－６－10－６）と比較的安定し、血の集合が父父Elusive Qualityにある事を踏まえると良好だと言える。牝馬としては重厚だが、非常に隙の少ない血統構成。本質は、ダート向きのマイル～クラシックタイプ。芝は不得手だが、重馬場はこなす。前述の通り隙の少ない血統構成で、是非無事な開花を望みたい名配合であると言える。
今回は、キャロットクラブの１歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。
今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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