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ノルマンディーオーナーズクラブ2022注目馬血統診断(2021年度産)

今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にしていきたいと、考えております。

※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。

では、今回はノルマンディーオーナーズクラブです。

 
・カネショウメロンの21 牡 父:ドゥラメンテ

主導は、同父産駒としては珍しく、Hail to Reason-Turn-toを継続するHalo4×4の系列クロス。次いで、Native Dancerを伴うRaise a Native5×6、Northern Dancerを伴うNijinsky7×5、Nashua6×7の系列クロスの影響が強い。これらクロスの連動性は悪くなく、サラブレッドの背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。また、7代目以降ではあるものの、Hurry Onを伴うCourt Martialをしっかりと連動させた点は見るべき部分である。惜しむらくは、弱点の派生だが、影響度バランスを(6-8-8-6)と、祖父母4頭からバランスよく能力を引き出したのが最大の長所。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場もこなせる全天候型。開花は比較的早いと考えられる。

 
・ジュエリーストームの21 牡 父:エスポワールシチー

主導は、Halo4×5・5の系列クロスで明確。次いで、Nijinsky6×5、Nashua6×6・7、フイダルゴ(=Etoile de France)6×8の系列クロスで血統を構成。また、Gold Bridgeの落失は惜しまれるものの、Special5×7のスピードは魅力的だと言える。更に、これと言った弱点も無く、土台構造をNearco21連で形成し、その血の流れにはかなりの良さがある配合であり、反応の良さを期待できる血統構成だと言える。惜しむらくは、全体的に母方の世代後退が目に付く配合であり、Roman.Never Bendの世代ズレから来る、安定感の欠落には注意が必要なタイプ。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。圧倒的に強調された父父ゴールドアリュールへの血の集合の良さから、開花した際には力強い競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。開花の早さは普通と言った所か。

 
・ピッツネイルの21 牡 父:スワーヴリチャード

主導は、その父Nearcticから継続するNorthern Dancer6・8×4・6の系列クロス。次いで、Never Bend6×6、Bold Ruler8×6・8の系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、他に前面でクロスしたSeattle Slew5×5の単一クロスが弱いながらも、結合のアシストを行った点は当馬の武器であると言える。主導たるNorthern Dancerの位置を見てもわかるが、父母共に世代の悪さを抱えた配合だが、当馬の場合、そのバランスの悪さを引き継ぎながら、クロスを作成したのは面白い点である。その為、安定感には欠ける配合であると考えられるが、配合の難しい同父産駒としては良くできた配合だと言えるだろう。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場はこなせる程度。能力発揮は比較的早いタイプだと想定されるが、その確率はやや低いと考えられる。

 
・フジインザスカイの21 牡 父:ヘニーヒューズ

主導は、その父母である、Bold Ruler/Somethingroyalともに系列クロスとしたSecretariat5×6の系列クロス。次いで、Northern Dancer5×6の中間断絶や、Native Dancer6・7×5・8の中間断絶で血統を構成。また、Almahmoudの系列クロスの影響も強い配合である。従って、主導としては不明瞭な配合であるが、有効世代数が10代目となった点や、Nothirdchance6×6・7の結合アシストが上手く機能し、結合完了が10代目となるものの、クロス全体の連動性は比較的高い。ここが当馬の能力の源泉である。本質は、ダート向きの中距離タイプ。芝は不得手だが、重馬場は得意なタイプ。ややスピードの引き出しに苦労する血統構成であり、その開花率も高いとは言い難いが、基本的には良くできた配合であると言える。開花率は低く、晩成型。

 
・ブレイズガールの21 牡 父:キズナ

主導は、同父産駒としては珍しい、サンデーサイレンス3×4の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うLyphard5×5、Sir Ivor6×6・6の系列クロスで血統を構成。従って、血の濃さはあるものの比較的シンプルにまとまった配合であり、父父ディープインパクトに血を集合させた点も良さがある。惜しむらくは、父キズナの最大の武器であった欧州系の重厚なスタミナを生かせなかった点で、父のイメージ程には距離延長の適性は高く無いと言える。また、血の濃さから来る好調期の短さも考慮が必要な血統だと言える。本質は、芝向きのマイルタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。国内向きのスピードの生かし方にはかなりの良さがある為に、早期のスピード対応は可能だが、思ったほどの成長を見せない可能性は指摘しておきたい。

 
・ホクセーメジャーの21 牡 父:モーニン

主導は、父の傾向を引き継ぎ、Mr.Prospector5・6×4の系列クロス。次いで、Hail to Reason7×5の系列クロスで血統を構成。また、Northern Dancer6×6・5の中間断絶クロスが結合をアシスト。更に面白い部分だがDr. Fager7×5の単一クロスが、前述のHail to Reasonと並んで米系の連動をより強固にした点は見るべき部分である。ただし、前面でこれだけクロスを多用した為、詰めの甘さを感じさせる血統構成である点は指摘しておきたい。それでも、明確な主導に、各系統がしっかりと連動しており、ここが当馬の能力の源泉である。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝は不得手だが、重馬場は得意なタイプ。スピード勢力の強い配合だが、開花にはやや時間がかかるタイプと想定される。

 
・オートクレールの21 牝 父:ブリックスアンドモルタル

主導は、やや位置のバランスが悪いものの、Halo6×4の系列クロス。次いで、Nashua6×6の系列クロス、Northern Dancer5・5×5・6の中間断絶や、Olympia6×6の系列クロスで血統を構成。父は、Northern Dancerを伴うStorm Birdを主導とした配合である為、産駒である同馬はその傾向をやや外すものの、母方にあるノーザンテーストとStorm Birdが連動する事により、結合こそはかられていないもののChop Chop等の加系をクロスし、ノーザンテーストの弱点の派生を防いだのは妙味があり、更にPocahontas7×6によりPrincequilloの連動が図られたのが最大の長所。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝は慣れればこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。土台構造をPharos(=Fairway)20連で形成し、Hyperionも17連と、その血の流れに良さがある配合であり、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せるタイプ。開花は比較的早いと想定される。

 
・タニノハイクレアの21 牝 父:キズナ

主導は、その父Nearcticから継続するNorthern Dancer5・6×4・6の系列クロスで明確。この主導は血統の4ブロックに配され、当馬の血統を強力にリードしている。次いで、Hail to Reason5×7、Bold Ruler6×6の系列クロスで血統を構成。また、最前面でクロスしたBurghclere4×3の単一クロスが、欧州系の連動を強固にし、前述のHail to Reasonが米系をとりまとおり、競走馬の血統構成を構成する主導・結合の評価は高い。また、父キズナが抱える、欧州系のスタミナ要素である、Donatello. Auroraを系列クロスにし、スタミナの核を形成。良く父の特徴を捉えた配合となった。惜しむらくは、母父クロフネ内Pago Pagoに派生した弱点だが、土台構造を形成するFairwayを配し、比較的軽微な弱点となったのは幸運。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプ。重馬場もこなす全天候型。開花には相当の鍛錬が必要なタイプで、牝馬としては非常に重厚な配合だが、是非とも無事な開花を見たい一頭。

 
・フクシアの21 牝 父:ヘニーヒューズ

主導は不明瞭な配合で、前面でクロスしたNorthern Dancer5×5・5・7は中間断絶であり、Nasrullah6・7×6・8・8、Tom Fool6×6、Almahmoud7×6・7・7・9の系列クロスで血統を構成。ここが当馬の配合の限界点であると言える。とは言うものの、これらクロスの連動性自体は悪くなく、スピードに良さがある血統構成となった。こうした多種のスピードを生かした血統構成は、器用な競馬を見せるタイプが多く、当馬もその可能性を指摘しておきたい。本質は、芝・ダート兼用のスプリント~マイルタイプ。重馬場はこなせる程度。スピードタイプの配合だが、外交的な配合である点と、主導が不明瞭な配合である点を踏まえると、開花には時間がかかるタイプと想定される。

 
・ヘレナモルフォの21 牝 父:マインドユアビスケッツ

主導は、位置の不安定さはあるもののHalo6×4の系列クロス。次いで、Northern Dancer6・7×5・5の系列クロスで血統を構成。この配合の良さは、Northern Dancerの結合アシストを受けた、主導の明確性にある。また、7代目以降において隠し味的に生きたNasrullah(=Rivaz)15連、Menow4連のスピードアシストは魅力的で、引き出しには時間がかかると想定されるものの、このスピードは当馬にとって大きな武器であると言える。惜しむらくは、比較的影響の強いPrincequillo系が完全に離反した点で、ここが当馬の配合の限界点であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場もこなせる全天候型。土台構造を形成するNearco19連から来る血の流れは魅力的で、開花した際には安定した競馬を見せるタイプ。

 
・ボナマティーナの21 牝 父:キズナ

前面でクロスしたDamasucus4×4は単一クロスであり、Northern Dancer5・6×6・6は中間断絶の為、主導は珍しくあるが、父母共に系列クロスを形成したAcropolis5×6の系列クロス。前述のDumasucusクロスにより、欧州系の血統をとりまとめ、Gay Crusaderを通じてPrincequillo-Prince Roseも主導と連動するなど、近年では非常に珍しくなった、スタミナ優位の配合である。スピードはそれには劣るものの、Almahmoud.Menow等が主導と連動しており、最低限にはあるが、近年の日本競馬においてはスピードの引き出しに非常に苦労するタイプだと言える。本質は、芝向きのクラシック~長距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。牡牝の枠を超えて、非常に重厚な配合であり、開花率は極めて低いと想定される。血統構成自体は優秀な部類に入る為、無事な開花を望みたい。

 
・マイスクエアワンの21 牝 父:ミッキーグローリー

主導は、父の傾向を外すものの、Halo4×6の系列クロス。次いで、Khaled8×6、Bold Ruler7×6・7の系列クロスで血統を構成。前面でクロスしたNorthern Dancer6・6・6×4・5の中間断絶の影響が強い点は惜しまれるものの、各系統の連動性自体は悪くなく、孤立しがちなPrincequillo系を、父父ディープインパクトの隠れたキーホースであるPocahontas6×7・7で主導と連動。全体的な結合力に良さがある配合となった。また、全体で19連あるHyperionの血の流れには良さがあり、この流れは主導勢力と合致しているとは言い難い為、安定性には欠けると想定されるが、はまった際には決め手ある末脚を見せられるタイプ。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝は慣れればこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。開花率は悪くは無いが、比較的ゆっくりと成長するタイプ。

 
・ローゼンタール 牝 父:イスラボニータ

主導は、Halo4×5の系列クロス。次いで、Princequilloを伴うPrince John5×5・7、Native Dancerを伴うRaise a Native6×6・7、Almahmoud6・8×7、Nashua7×6・7・8の系列クロスで血統を構成。当馬はNorthern Dancerクロスを持たない為に、Hyperionの結合に弱さがあり、ここが当馬の配合の限界点である。とは言うものの、主導勢力は比較的明瞭で、アシストするクロスのスピードにはかなりの良さがあり、ここは見るべき部分である。本質は、ダート向きのスプリント~マイルタイプ。芝はこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。早期スピード対応可能な血統構成で、開花は比較的早いと想定される。難しい父の配合としては良くできている点を付け加えておきたい。

 
・アンドモアアゲインの21 牡 父:サトノアレス

主導は、Danzig4×4の系列クロスで明確。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason5×6の影響が強い。この配合の良さはこの部分で、明確な主導を作成し、Hail to Reasonが米系の結合をしっかりとアシストした点にある。また、Buckpasser6×6がスタミナの核を形成しつつ、米系の連動をより強固にし、父の父であるディープインパクトの隠れたキーホースであるPocahontasクロスによりPrincequillo系を主導と連動。サラブレッドの背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。Danzig主導の配合であるが、クロス種が60と多くやや晩成傾向を示す可能性があるが、血統構成は秀逸。無事な開花を望みたい一頭である。

 
・スノースタイルの21 牝 父:エイシンヒカリ

主導は、Northern Dancerを伴うLyphard5×4・5で明確。主導内の充足率はかなり高く、Hurry Onを伴うCourt Martialの系列クロスや、Ksar.Clarissimusといった特殊な血をおさえ、仕上がった際には迫力ある競馬を見せられるタイプ(この形態はリスグラシュー(3B)に近い)。また、孤立しがちなPrincequillo系をSir Gaylord7×6により、主導と連動。惜しむらくは欧米系の入り混じった血統でありながら、それを纏める血を持たなかった点で、一息もどかしいタイプになる可能性はあるが、血統構成はなかなかに優秀。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。牝馬としては重厚な配合で、長い目で見たい血統構成である。

 

今回は、ノルマンディーオーナーズクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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