今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。
※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。
では、今回は社台サラブレッドクラブです。
・セウアズールの19 父：ハービンジャー 牝
主導はやや不明瞭だが、Lyphard-Northern Dancerの系列クロス（父ハービンジャー、母父ディープインパクトは相性が良いが、Lyphard-Northern Dancerの位置が同位置になるのが最大の問題点）。次いで、Hail to Reason-Turn to。この配合の最大の見どころは、Mieuxceを生かしたCrepolloやSir Ivorの系列クロスがスタミナの核を形成し、７代目以降の血の生かし方も良好な点。従って牝馬としてはかなり重厚で、開花率は低いと想定される。本質は芝向きの中～長距離タイプ。無事な開花を望みたい配合ではある。
・ダノンフローラの19 父：ローエングリン 牡
主導はHaloの系列クロス。この主導はかなり明確で、血統全体を強力にリードしている。次いで、Bold Ruler-Nasrullahの系列クロス。父産駒としてはスピードに恵まれた血統構成で、早期のスピード対応が可能なタイプであると考えられる。また、影響度バランスも良好で、強調された父父Singspielへの血の集合も良好。惜しまれるのはその部分に軽微ながら弱点を抱えた点と、Princequillo系の結合がはかられていない点か。本質は、早期有利のスピードタイプで、芝のマイル向きタイプ。
・アーバンレジェンドの19 父：ヘニーヒューズ 牡
主導は、Northern Dancerを伴うStorm Bird。次いで、Raise a Native.Tom Fool.Bold Ruler-Nasrullah.Nothirdchance。これらクロスや、Olden Timesという珍しいクロスにより、やや間接的な部分は残るものの、血統全体の連動性が高い配合だと言え、結果的に明確な主導を得るにいたった配合だとも言える。血の集合にやや甘い部分があるものの、総合的には優秀な配合だと言え、父に対するモデルケースと言えるような配合。本質的には、芝・ダート兼用のマイラーで、重馬場への適性をある程度秘める。無事な開花を望みたい血統構成。
・ワイルドウインドの19 父：ディープインパクト 牡
主導は、Northern Dancerの系列クロス。次いで、Trun-toを伴うHail to Reason。従って、主導としてはやや不明瞭な配合ではあるものの、前者クロスが４代目からクロスを形成している為、血統全体の結合は比較的強固であると言える。また、直接クロスこそしていないものの、ウインドインハーヘア―内の生かし方は良く、ある程度の距離延長や、長く脚を使う可能性を秘めるタイプだと言える。本質は芝向きのマイル～中距離タイプ。開花は早め。
・コンテッサトゥーレの19 父：キングカメハメハ 牝
主導は、Hornbeamの系列クロス。前面でクロスしたNorthern Dancer.Native Dancerは中間断絶クロスであり、血統全体が煩雑になりやすい同父産駒としては、非常にシンプルな配合。また、Nearco18連、Hyperion18連が、土台構造を形成し、直接主導内の存在し、これといった弱点も無く、影響度バランスも良好であり安定感のある配合だと言える。牝馬としてはやや重厚で、開花にはやや時間がかかるタイプ。本質は芝向きの中距離タイプ。
・コートシャルマンの19 父：ハービンジャー 牝
主導はNijinsky６×４。次いで、Lypahrd５×５の系列クロス。この両者は当然だが、その父Northern Dancerで強固に連動を果たしている。しかし、配置から両者が共同勢力とは言い難い点が惜しまれる。ただし、それぞれの血の生かし方は良好で、７代目以降の血もよく生かされている。それらをHail to Reasonが結合をアシストしており、総合的な血統こうせいはかなり良くできている。牝馬としてはかなり重厚で、開花には相当の鍛錬が必要なタイプだが、開花した際には強い競馬を見せる事ができるタイプ。本質は芝向きの中～長距離タイプ。是非無事な開花を望む。
・モスコーバーニングの19 父：ダイワメジャー 牡
主導は、Northern Dancerを呼び水にした、Almahmoud.Lady Angela、Hail to Reasonを呼び水にしたRoyal Chargerの系列クロス。この三者の連動はGainsborughを核にしてはかられており、しっかりと連動しているが、連合勢力と呼べるほどの配置の良さが無かった点は惜しまれる部分ではある。この配合の最大の良さは、前面でクロスしたNothren Dancer.Hail to Reasonを呼び水にした血が血統の全体をリードしている点であり、Bull Lea等のスタミナ勢力もしっかりと連動した点にある。早期のスピード対応は可能なタイプだが、ただの早熟タイプでは無く、成長力もそれなりに秘めた配合だと言えるだろうか。本質は芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。父産駒としてはやや異端だが無事な開花を望む。
・ミッドナイトフラッシュの19 父：ドゥラメンテ 牝
主導は同父産駒としては珍しいNever Bendの系列クロス。次いで、Northern Dancerの中間断絶を呼び水にしたAlhamomoud。母内独系の生かし方に弱さはあるが、Nasurllahにより主導と直接結合を果たすNever Say Dieにより米系を連動。これだけのシンプルな配合にしては全体の連動性にかなりの良さがある配合だと言えるだろう。本質的には芝向きの中距離タイプで、開花率は高いとは言い難いものの、開花した際には強い競馬を見せる事が可能なタイプだと言えるだろう。
・フレジェールの19 父：エピファネイア 牝
主導はサンデーサイレンスを呼び水にした、Hail to Reasonの系列クロス。次いで、Bold Ruler。Northern Dancerの中間断絶が結合のアシストを行う、父産駒の平均的な配合だと言える。当馬の場合、６代目以降の血の生かし方が良く、Rarelea.Flaring Top.Alibhai等のスピード・スタミナをしっかりとサンデーサイレンスの傘下におさめた点が魅力的な部分だと言える。本質的には芝向きのマイル～中距離タイプで、早期のスピード対応は比較的可能なタイプ。ただし完全開花にはやや時間がかかる可能性があり、ゆっくり成長する配合形態だとも言える。
・リリーアメリカの19 父：ジャスタウェイ 牡
主導は、Lyphardの系列クロス。Ksarの落失が惜しまれるが、父の抱えた位置の悪さを補正できた点は大きく、これは主導だけでなく、全体的にうまく補正されている点が最大の長所。また、Princequillo系の結合が果たされていない点は不満が残るものの、Hail to Reasonの系列クロスが、その結合をアシスト。特に父母シビル内のKhared.Danteの生かし方は非常に良好で、これは他のジャスタウェイ産駒と大きく異なる部分である。本質は芝向きのマイル～中距離タイプ。成長力も秘める配合である。
・Stacelitaの19 父：Frankel 牝
ソウルスターリング全妹。主導は、Natalmaを伴うNorthern Dancer。Almahmoudの欠落により、決してキレ味のあるスピードを発揮するタイプでは無いが、自身で生かされた欧州系の重厚なスタミナを存分に生かした、力強い末脚を見せる可能性を秘める、国内においては異端とも言える血統構成。また、父内に配された名牝Urban Sea-Alleglettaの抱えた質の高いスピード・スタミナを存分に生かし全開。非常に迫力のある配合となっている。それだけに国内において不利だとも言える配合だが、開花した際には世界で通用する程の奥の深さを秘める配合である。本質は、芝向きの中～長距離タイプ。ダートは不適。是非とも無事な開花を望む。
・ラクレソニエールの19 父：Golden Horn 牡
主導は父母の傾向をはずすが、Mr.Prospectorの系列クロス。次いで、Never Bend。また、Gold Bridge.Nasrullahを生かした、Special等のアシストも強い。従って、重厚な配合であった父母、特に母のイメージと異なりスピード優位の配合となった。それでも仏系のDjbel系をしっかりと生かし、主導と連動させたのは面白い点で、ただのスピード配合という訳でもない。本質は、芝向きのマイラーだが、ダートもこなす可能性を秘める。
・Dance With Kittenの19 父：Carpe Diem 牡
前面で、Northern Dancer.Blushing Groom.Mr.Prospectorとクロスさせるが、三者とも中間断絶の為、主導は系列クロスを形成したRoberto５×５。この主導はやや世代が奥まっている上、血統の２ブロックにしか影響を及ぼしていないものの、６代目以降のBold ruler.Buckasser.-Tom Fool.Prince John.Somethingroyal直接・間接的に取り込み、更に前述の三者のアシストから、Cosmahの取り込みも成功。明確に血統全体をリードしていると考えて良い。従って、本来スタミナ型のクロスであるRobertoだが、よりスピードを強化され、スタミナのアシストも良好だと言えるだろう。一見すると、煩雑ではあるが、よく見ていくと理にかなった配合だと言える。本質は芝向きの中～長距離タイプだが、ダートもこなせる。開花率はかなり低いと想定されるものの、秘めた資質にはなかなかのものがある。是非無事な開花を望みたい配合である。
今回は、社台サラブレッドクラブの１歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。
今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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