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キャロットクラブ2020注目馬血統診断(2019年度産)

今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。

※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。

では、今回はキャロットクラブです。

・アビラの19 父:モーリス 牝

主導は、Danzig5×4の系列クロス。次いで、River Lady-Prince Johnの系列クロス。両者の連動が、Sir Gallahadでひとまず連動したのは幸運。また、Hail to Reasonをクロスできなかった当馬にとって、River Lady-Prince Johnが、米系の連動をアシストしたのは幸い。反面、Tourbillon-Ksarといった、仏系の結合が果たされていない点や、2代母内、War Adimiralの世代ズレ等、細かい不満が残るものの、His Majesty-Ribotがスタミナの核を形成し、4連あるTurn-toクロスが父のスピードの一部を再現、なかなか面白い血統構成となっている。本質は芝向きのマイル~中距離タイプ。ダートはこなせる程度。

・ヴェルジョワーズの19 父:ルーラーシップ 牡

外交的な配合で、主導は不明瞭な配合だが、Almahmoud.Lady Angela-Hyperionの系列クロス。配置の悪さから連合勢力とは言い難いものの、両者の連動性自体は良好であり、次いで、Hyperion.Nasrullah.Gold Bridgeを生かした、Special-Forli/Thongの連動性も高い。また、前面でクロスしたNorthern Dancerが結合をアシスト。更に、質の高いスタミナであるCourt Martial内Hurry Onや、有効世代10代目ギリギリになるが、Prince Chevalier-Prince RoseがAbbots Traceを通じて連動させた点や、Tetratemaを生かしたPalestine等、前面の簡素さと裏腹に、7代目以降の血の生かし方が良い点が最大の長所。本質は晩成型で、開花率も高いとは言い難いが、芝向きの中距離タイプ。

・スペルオンミーの19  父:ルーラーシップ 牝

主導は、Northern Dancerを伴うノーザンテースト4×4。次いで、Rockefella(=Rock Goddess)-Hyperionで血統をリード。他に前面でクロスした、Buckpasserの中間断絶が、Menow.Bull Dog.War Admiral.Blue Larkspurを生かし、米系の血をしっかりと取りまとめ、主導へと連動させている。惜しむらくは、母父ダイワメジャー内、Spy Songが世代ズレをおこし、弱点を生じた点か。ただし結果的にエアグルーヴを強調する形になった事自体は、悪くは無いとも言える。それでも安定感や成長力にはやや疑問が残る点は指摘しておきたい。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場もこなせる全天候型。

・ジュモーの19 父:ハービンジャー 牡

プロフェット全弟。主導は、同父産駒としては珍しいRoberto6×4の系列クロス。次いで、Northern Dancer.Hasty Road.Sicambreの系列クロス。これらクロスは、前面でクロスしたSea BirdやNorthern Dancerのアシストを受けながら、主導たるRobertoとしっかりと連動している。また、Almahmoud.Hasty Roadがスピードを、前述のSicambreを生かしたSea Birdや、Graustarkがスタミナをアシストし、Robertoの重厚なスタミナへ、更に質の高いスピード・スタミナをアシストしている。本質的には芝向きの中~長距離タイプ。決して、現代競馬が求めるような配合であるとは言えないが、父母の抱えた質の高い血を惜しみなく使った、底力あふれる配合だと言える。それだけに、開花率は低く、晩成型の嫌いはある。是非無事な開花を望みたい配合である。

・クルミナルの19 父:ハービンジャー 牡

主導は、Lyphard-Northern Dancerの系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason。これらクロスが5代目に並列してしまったのが惜しまれる配合であるが、それぞれの内部の血の生かし方は良く、クロスとしては有効。また、前面でクロスしたBlushing GroomやSir Ivorの中間断絶クロス。また、前述のHail to Reasonクロスによって父母が抱えた質の高い欧米系の血を、しっかりと主導と連動したのが最大の長所。更に、Crepello6×6の系列クロスが、Massine.Solariloを伴い質の高いスタミナを補給。加えて、影響度バランスも(5-9-9-9)と良好。土台構造も連合勢力であるものの、Hyperion16連、Pharos(=Fairway)16連、Mahmod13連と、しっかりした内容となっている。総合的には、前述の位置の悪さやスタミナ優位の血統構成であり、血の集合もやや散漫な事から、開花には時間がかかるタイプであり、開花率も低いと想定されるものの、配合自体は優秀。本質的には芝向きの中~長距離タイプ。是非無事な開花を望みたい配合である。

・エールデュレーヴの19 父:ハービンジャー 牡

主導は、Lyphard-Northern Dancerの系列クロス。次いで、Nijinsky.Turn-toを伴うHail to Reason。これらクロスが5代目に並列してしまったのが惜しまれるものの、それら内部の生かし方は良好。また、6代目Sir Ivor.Crepelloの系列クロスがスタミナの核として機能。更に、Blushing Groomや前述のクロスによる結合のアシストが行われ、有効世代数が10代目となる配合でありながら、それら結合を9代目で完結させ、血統全体の連動性はかなり高い配合だと言える。全体的に質の高い血を重ねて来た配合であり、それらをしっかりと連動させている為、配合としての方向性はあっていると言えるだろう。また、影響度バランスも(6-9-9-5)と良好。土台構造はNearcoが19連で構成するものの、他のアシストがやや弱い為、この部分はやや惜しまれる点である。また、同父産駒が抱えやすい血の集合の散漫さが、当馬も解消できておらず、主導の不明瞭さも踏まえると、一息もどかしい部分を見せる可能性を指摘しておきたい。それでも、全体で10連抱えるNasrullahのスピードは魅力的であり、同父産駒としてはある程度の日本適性を秘めているとも言える。本質は芝向きの中距離タイプであり、距離適性の幅は広いタイプ。ただし、開花率は低く、晩成型である点は指摘しておきたい。

・ブリトマルティスの19 父:アジアエクスプレス 牡

主導は、Turn-to8×6・6・6の系列クロス。次いで、Olden Times6×6、Nothirdchance7×6・6、Almahomoud8・9×6・8・8の系列クロス。従って、主導としてはかなり不明瞭な配合であると言える。しかしながら、5代目以前に一切クロスが生じない完全異系交配であり、有効世代数11代以内である10代目において、各系統の連動がしっかりとはかられているのは魅力的だと言える。惜しむらくはHail to Reasonを主導に、Aureole等のHyperion系のスタミナ勢力のアシストを得た、しっかりした配合であった、母の再現が不十分な点か。それでも、米系のスピード・スタミナの再現は良好で、その開花率はかなり低いと考えられるものの、開花した場合は、詰めの甘さも想定できるものの、強い競馬を見せる事も可能な個性派配合。本質的には、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプ。

・リュシオルの19 父:キズナ 牡

主導は、Nearcticから継続させた、Northern Dancer5・6×4・6の系列クロス。次いで、Hail to Reason5×7の系列クロス。この両者で、血統をリードした配合。また、Bold Rulerがスピードをアシストしながら、前述のHail to Reasonと共に結合をアシスト。重厚な配合であった同父産駒としては、かなりスピード優位の配合で、父よりも母を強くだした配合だと言える。また、7代目以降の質の高い血をきめ細かく生かした配合であり、一介の単距離タイプではない。惜しむらくは、それら7代目以降の血の結合がやや弱い点と、クロフネ内Pago Pago内の弱点を解消できていない点だが、Pharos(=Fairway)23連の土台構造から来る血の流れは魅力的であり、仕上がった際には強い競馬を見せる事も。本質は、芝向きのマイルタイプ。7代目以降の血の生かし方から、ある程度の長い脚を使える可能性は秘める。

・ラフォルジュルネの19 父:エイシンフラッシュ 牡

主導は、Almahomoud8・9×6・8の系列クロス。次いで、Aureole8×6の系列クロス。同様に6代目でクロスした、Native Dancer.Northern Dancerが結合をアシスト。父の種牡馬としての弱点である独系のSurumu.Majortatも、3代母My Great Hopeが抱える、Ticino.Athanaius.Magnetが連動し、有効世代数11代目ギリギリであるものの、Bay Ronaldを介し連動。苦戦の続く同父産駒としてはしっかりした配合となっている。本質は、母の父スペシャルウィークを全開させた点も鑑みると、ゆっくりと成長する、芝向きの中~長距離タイプで晩成型。スタミナ優位の血統構成と合わせ、開花には相当の鍛錬が必要なタイプ。

・オーラレガーレの19 父:クリエイターⅡ 牡

主導は、いまだ珍しくあるが、Mr.Prospectorを伴うFappiano5×4の系列クロス。影響を及ぼしたブロックは2ブロックである為、さほど明瞭な主導とは言い難いものの、特殊な米系をしっかりと内包し、その生かし方は良好。従って、この主導は有効だと言える。また、6代目までクロスした各系統は、9代目となるものの主導としっかりと連動し、Tudor Minstrel.NearcticがHyperion系を連動させる点も妙味がある。また、2代母オーラを圧倒的に強調し、Turn-to.Nearcticや、Mahmoud系のスピード要素である、Almahomoud.The Axeも、しっかりと連動。これらから考えて、スピード・スタミナがより強化された主導へと、能力強化がおこなわれていると考えて良い。特に、スピードに関してはかなりのものを秘めた血統構成。惜しむらくは、母父であるマンハッタンカフェが抱える独系が生かされていない点や、Hail to Reasonの世代ズレであるが、血統全体で米系が強い配合である為、さほどのマイナスとは言えない。バランスの悪さがある為に、安定した強さを見せるタイプでは無いものの、早期のスピード対応自体は可能なタイプ。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプ。慣れれば芝対応の可能性も秘める。

・ユールフェストの19 父:シルバーステート 牡

主導は、Royal Chargerが落失するものの、Halo4×4の系列クロス。父は、Hail to Reasonを主導にした配合である為、この主導は父の傾向を引き継ぐ意味で有効だと言える。次いで、Nashua.Bold Rulerの系列クロス。また、Northern Dancerが結合をアシスト。非常にシンプルな配合となっている点が最大の長所。惜しむらくは米系の連動の強さと比較して、欧州系のMy Babu-Djbel-Tourbillon.Mieuxce.Princequillo等の特殊な血をきめ細かく生かしたものの、これらの連動がはかられていない点で、将来的な成長力にはやや疑問が残る。それでも、父の傾向を引き継ぐという意味においては、模範的な配合だと言え、父の種牡馬としての血統的なポテンシャルの一端を示した配合だと言えるだろう。本質的には、芝向きのマイル~中距離タイプ。ダートも無難にこなす。

今回は、キャロットクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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