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2020桜花賞レース回顧

桜花賞が重又は不良で行われたのは、1997年キョウエイマーチとメジロドーベルの年以来、実に23年ぶり。(その前は、1990年アグネスフローラの年)
能力を発揮できなかった馬、逆に状況を活かした馬もいて、混戦となった。

走破タイム1:36.1は、当然だが、過去10年では最も遅い。
23年遡っても2番目に遅いタイムで、走破タイム自体は、何の参考にもならない。

ラップ 12.4 – 11.2 – 11.3 – 11.6 – 11.5 – 11.7 – 12.6 – 13.8
ペース 12.4 – 23.6 – 34.9 – 46.5 – 58.0 – 69.7 – 82.3 – 96.1

前半34.9というペースは、2012年ジェンティルドンナ、2009年ブエナビスタの年と同じページ。
平均11.6なら、早めのペース。
前半、早めに進み、4F辺りから徐々にペースダウン。
ラスト2Fは、泥沼のズブズブというレースだった。

勝ったデアリングタクトは、終始、後方待機。
12番手辺りを進み、最後の直線で、上り1番時計36.6秒を繰り出し、2着に0.2秒差を付けて差し切った。
レースの上りが、38.1秒だから、1.5秒も上回ったことになる。
前走のエルフィンS(L)を1.33:6で勝ったことから、ウオッカ以来となる1分33秒台制覇が話題となったが、その末脚がフロックではないことを証明した。
デビュー3戦目での制覇は、1980年ハギノトップレディ以来40年ぶり。無敗では2004年ダンスインザムード以来16年ぶり7頭目の快挙。
2005年の2、3着馬である、父母シーザリオ、母母デアリングハートの仇を討ったこともロマンがあるが、その時のデアリングハートが5枠9番。これだから、競馬は面白い。
血統の詳細は、当サイト血統研究所・所長taku.Oによる重賞勝ち馬評価 阪神牝馬ステークス ニュージーランドトロフィー 桜花賞をご覧頂くとして、折り合いに難があるタイプではないようなので、次走は、オークスを目指すことになるだろう。

しかし、ここまで書いて気が付いたが、当馬が様々な偶然によって対象として、前文に登場している馬名が凄い。
古い順に並べると、ハギノトップレディ、アグネスフローラ、キョウエイマーチ、メジロドーベル、ダンスインザムード、シーザリオ、デアリングハート、ウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ。
これが、この馬の運命なら、もしかしたら、そういう何かを持っている馬なのかもしれない。
だとすれば、是非、オークスではなく、日本ダービーへ挑戦してもらいたい。

2着に敗れたレシステンシアは、8枠17番からのスタート。
内枠の先行馬達に先手を取られるも、出たなりで、特に無理することなく、ポジションをキープ。
あの悪天候の中、この辺りで慌てないところが、さすがレジェンド・武豊と言える。
それなりに理想の展開に持ち込み、直線では、馬場の良いところを選択するなど、100点の騎乗だった。
が、やはりスピードを活かす、良馬場でこそのマイラータイプ。
ここまでが限界だったのだろう。
それでも0.2秒差2着は、立派。
この春は、引き続き、マイル路線で活躍するだろう。

9番人気ながら3着に粘ったスマイルカナは、完全にこの天候、馬場を味方に付けたと思わせる内容だが、実は、そうでもない。
416kgという小さな馬体のディープインパクト産駒が、ここまでの結果を出せたのも稀な例で、2走前に逃げ切ったフェアリーSの内容は、ここでも通用するレベルだった。
戦績を見ると、叩き良化型のようで、鉄砲には注意したいが、次走はパフォーマンスを上げてくるタイプ。
極端に使い減りするタイプでもなく、次走も注意が必要。

その他の各馬は、完全に馬場に沈んだ形。
特に、パドックで素晴らしい出来に見えたリアアメリアなどは、実績のある東京の良馬場でもう一度見てみたい。

無観客の中、様々な記録が生まれた桜花賞であったが、レース内容からすると、後のレースに繋がる何かはなく、完全に参考外のレース。
勝った馬を称賛できても、負けた馬達は、一つも悲観するものはない。

(編集長・katsu)

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