重賞勝ち馬評価 阪神牝馬ステークス ニュージーランドトロフィー 桜花賞

重賞勝ち馬評価 阪神牝馬ステークス ニュージーランドトロフィー 桜花賞

阪神牝馬ステークス

サウンドキアラ(ディープインパクト×サウンドバリアー by アグネスデジタル)牝・15生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:5 結:5 土:3 弱:2 影:2 集:3 質:3 再:3 SP:3 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)

合計:(32+1/60)点 クラス:2B

Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□

Ⅲ 距離適性

芝:S △ M □ I □ C △ L ×

ダ:S × M □ I △ C × L ×

芝適性:□ ダート適性:□ 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

 

〇 短評

 

主導は、Royal Chargerが断絶するものの、Trun-toを伴うHail to Reason4×6。しかしながら、その父Nearcticから系列クロスを形成したNorthern Dancer5×6の影響もかなり強く、両者が全体で12連あるNearcoで結合するものの、主導としては非常に不明瞭な配合だと言える。また、母父に配されたアグネスデジタルは世代の問題が難しくなりがちな種牡馬であり、当馬もそのマイナスを引きずりPocahontasや、父の主導であったAlmahmoudが世代ズレを起こしている。また、母は当時としては非常に珍しいSecretariat5×3を系列クロスにした配合だが、当馬の配合では父がSecretariat-Bold Ruler-Nasrullahを持たない為、父母共に再現の良さは少なく、この母にディープインパクトを配した意味は薄い(蛇足だが、この母にサンデーサイレンスの血を入れるのならば、ディープスカイは選択肢に入るだろう)。救いは、Somethingroyal.Wild Riskのスタミナを辛うじて主導と連動させた点で、母内に少ない欧州系の再現の良さ。この部分から距離適性の幅は広いタイプになり得ると考えられるが、本質は芝・ダートとも適性は高いとは言えないマイル~中距離タイプ。

 

ニュージーランドトロフィー

ルフトシュトローム(キンシャサノキセキ×ハワイアンウインド by キングカメハメハ)牡・17生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:7 結:6 土:4 弱:2 影:3 集:5 質:3 再:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)

合計:(42+1/60)点 クラス:3B+(1A)

Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇

Ⅲ 距離適性

芝:S △ M 〇 I 〇 C □ L ×

ダ:S × M □ I △ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

 

〇 短評

 

主導は、その内部の生かし方が完璧とは言えないものの、しっかりとキーホースをおさえた、Lyphard5×4の系列クロス。次いで、Natalma-Almahmoud.Milan Millの系列クロス。この主導は6代目までのクロスを全て連動させ、血統全体を明確にリードしている。惜しむらくは、父母間の世代がやや離れている為、Wild Risk.Alibhai.Tourmentが世代ズレを起こした点で、この部分から考えるに、やや不安定な競馬をする可能性を秘めている配合であるとも言える。ただし、Wild Risk.Alibhaiの世代ズレによるクロスの落失は、内部の血がしっかり生きており、特に後者はHis Majestyのクロス内のものであり、さほどのマイナスであるとは言えない。反面、Tourmentの世代ズレにより、Teddy系のクロスの結合が非常に間接的になった点や、米系であるMan o’War.Blue Larkspur.Whisk Broomが、完全に離反した点は無視できない部分であり、この部分がしっかり連動していれば、もうワンランク上の評価もあり得た。反面、父母のスピード・スタミナの再現は良好で、Turn-to.Natalma-Almahmoudのスピード。Hurry Onを生かしたCourt MartialやHis Majestyのスタミナ。Count Freet.RedRay(=Kahled)のスピードとPrincequillo-Prince Rose-*-Papyrus.Hyperionのスピード・スタミナを生かした、Milan Mill。これらをしっかりと主導勢力と連動させた点は、非常に評価に値する。また、7代目以降であるものの、特殊な仏系であるDjbel-Tourbillon-Ksarを系列クロスにさせ、隠し味的に主導勢力へと直接スタミナを補給したのは、見るべき点であると言える。また、これといった弱点も無く、影響度バランスも良好。血の集合にやや難があるものの、それでも平均点以上にはあると言える。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプだが、距離適性の幅は広いタイプだと言える。一部の血の連動性の弱さから、完全開花には時間がかかるタイプと想定されるものの、是非無事な開花を望む。

 

桜花賞

デアリングタクト(エピファネイア×デアリングバード by キングカメハメハ)牝・17生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:6 結:5 土:4 弱:1 影:2 集:5 質:3 再:5 SP:4 ST:3 特:0

合計:(38/60)点 クラス:3B

Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□

Ⅲ 距離適性

芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×

ダ:S × M 〇 I □ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

 

〇 短評

 

主導は、サンデーサイレンス4×3を呼び水にした、Hail to Reason5・6・7×5の系列クロス(父父内8代目Hail to Reasonは、やや世代がずれた為、クロスとしてカウントはしていない)。次いで、Northern Dancer5・7×5・6・6・8の系列クロス。この両者は母母デアリングダンジグ内に存在し、Nearcoで強固に連動している為、主導勢力とみなしてよいが、サンデーサイレンスを呼び水にしている点を考慮すると、連合勢力とみなすにはやや不満が残る。できる事ならば、Northern Dancerを中間断絶クロスにした方が良かったと言える。また、Nijinsky-Northern Dancerの位置の問題も抱え、その意味においてシンプルな配合であるとは言い難い。反面、血統全体の連動性はなかなかに強固で、7代目Buckpasser.Olympiaなど結合をアシスト。ただし、父の血統内で強い主張を持った、Princequillo-Prince Roseが、前面でクロスを多用した配合であるにも関わらず、完全に離反したのは見逃せない点で、これらを踏まえると器用な競馬をこなせるタイプに育つ可能性は、低いと考えられる。しかしながら、Sadler’s Wells.Nureyevの呼応によりSpecialをクロス。父父内シンボリクリスエス内に存在するGold Bridgeを連動させ、Nasrullah.Hyperionにより、そのスピードを主導勢力へと結合させた点は、当馬にとって武器になる可能性がある点は指摘しておきたい(蛇足だが、Sadler’s Wells.Nureyevの相性の良さは血統が3/4ずれる事によりSpecialのクロスを作成できる点にある。ただしこれをより良く生かす為には、Gold Bridgeのクロスはほぼ必須)。以上を踏まえると、詰めの甘さを見せる点は否定できないものの、父産駒としてはスピードに良さがある配合だと言えるだろうか。本質は芝向きの中距離タイプ。距離延長に対してはさほど適性が高いとは言えないが、前述のスピード再現が上手くいけば、距離短縮はマイルまでは適応可能。

(taku.O)

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