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私的名馬選 Vol.3 ファインモーション

閲覧者の皆様こんにちは。今回の血統研究所は、私的名馬選と銘打って、個人的に面白い配合だと思える名馬達を、成績にとらわれず、皆様に紹介をしていきたいと思います。

では、今回は、デビューから無傷の6連勝を果たし、5勝目で無敗の秋華賞馬に、6戦目でエリザベス女王杯馬となった、幻の三冠牝馬の呼び声も高いファインモーションです。

ファインモーション(デインヒル×Cocotte by Troy)牝・99生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:8 土:2 弱:3 影:3 集:5 質:4 再:5 SP:3 ST:4 特:0
合計:(44/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I ◎ C 〇 L □
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

ピルサドスキー(2A)半妹。主導は、やや位置の問題を残すものの、Alibahai-Hyperionの系列クロス。次いで、Nearcoの系列クロス。この両者はChaucerによってしっかりと連動している。また、最前面でクロスしているPetitionは中間断絶の為影響が弱いが、Gainsborough.Fairwayを含み、結合のアシストを十分に行いながら、そのスピード・スタミナを主導勢力へと補給しているのが見て取れる。また、血統全体で非常にきめ細かくクロスを作成し、上質な血を代々重ねられた祖先の血をしっかりと再現しているのが見て取れる。惜しむらくは米系の結合に弱さがある点だが、ここまで欧州系をしっかり生かした配合は稀で、国内ではかなり不利な血統構成とも言え、本当の良さが出る古馬になって伸び悩んだのも、この優秀な血統構成こそが足かせになった可能性は否定できない。本質は芝向きの中~長距離タイプであり、一瞬の末脚で勝負するタイプでは無く、長く脚をつかうタイプだと言える。ダートは不得手であり、重馬場はこなせる程度。

このような血統構成を持つファインモーションですが、期待されて繁殖入りをしたものの、染色体の異常により受胎が上手くいかなかったとの事で、残念ながらその優秀な血を後世に残す事はかないませんでした。事実当時の繁殖牝馬群と比べて、欧州系が強すぎる嫌いはあるものの、優秀な配合をだせた可能性がある血統構成をしており、初年度に種付けをおこなったキングカメハメハとの配合は、比較的良好だったと考えられます(3B中距離タイプ)。そこで、僭越ながら私が考えていた配合を以下に記載して、ファインモーションの血の優秀性を再確認してみたいと思います。

(スペシャルウィーク×ファインモーション by デインヒル)-・-生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:8 土:3 弱:3 影:3 集:5 質:4 再:6 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:◎
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C ◎ L 〇
ダ:S × M □ I 〇 C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、Northern Dancer5×4の系列クロス。それに続くのが、主導傘下のNatalma-Almahmoud。次いでTurn-to.Pharamond(=Sickle)の系列クロスの影響が強い。この配合の見どころは多いが、この部分だけで、まずは父父サンデーサイレンスのスピード再現に成功している。また、Buckpasser.Hyperion.Princequilloのクロスにより結合をアシストしつつ、そのスタミナを主導勢力へと補給する事に成功し、母の弱点でもあった米系の連動もしっかりと果たされている。更にスタミナに関して言えば、Hyperion.Nearco.Bois Rousell.Blandfordによりレディーシラオキを全開。国内に代々根付いてきた、プリメロ.ヒンドスタン.セントクレスピンと言った日本競馬黎明期を支えた血を、しっかりと生かした配合となっている。それだけに国内向きとは言い難い配合であり、やや晩成型のきらいはあるが、非常に魅力的な血統構成をしていると言えるだろう。本質は芝向きの中~長距離馬であり、ダートも無難にこなすタイプ。また、重馬場も得意なタイプだと言えるだろうか。

競馬というブラッドスポーツは、代々国内に根付いた血の再現や継続も醍醐味のひとつであると、私自身は確信しております。この配合自体は絶対に見られないものが無念ではありますが競馬はこれからも続き、優秀な配合がこれからも現れる事でしょう。このような駄文でも、皆様が競馬・血統の興味を持って頂ければこれに勝る喜びはありません。ファインモーションという名馬は、非常に優秀な血の配置を持ち、繁殖としてもファイモーション系、などと呼ばれる様になり得る可能性を秘めており、他の種牡馬、キングカメハメハやウイニングチケット。そしてキズナとの配合でも優秀な配合となる事を、蛇足ではありますが付け加えて、今回の私的名馬選ファインモーションを終えたいと思います。皆様ご閲覧ありがとうございました。

(taku.O)
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