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私的名馬選 Vol.5 ヤマニンゼファー

閲覧者の皆様こんにちは。今回の血統研究所は、私的名馬選と銘打って、個人的に面白い配合だと思える名馬達を、成績にとらわれず、皆様に紹介をしていきたいと思います。

では、今回は最速の西風の異名をとり、安田記念・天皇賞(秋)の二階級制覇をはたした、ヤマニンゼファーを取り上げたいと思います。

ヤマニンゼファー(ニホンピロウイナー×ヤマニンポリシー by Blushing Groom)牡・88生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:7 結:9 土:4 弱:3 影:2 集:5 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S 〇 M ◎ I 〇 C × L ×
ダ:S □ M 〇 I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め

〇 短評

主導はOwen Tudor5×4の系列クロス。その父、Hyperionも5代目でクロスしたのはややマイナスだが、血統全体で強い、Hyperion.Swinford.Pharos系の流れを、土台構造を形成するSt.Simonの力を借りながら、主導へと直接結合させ、この血の流れの良さが最大の長所。次いで影響の強いBull Dog.Mumtaz Mahal.Son-in-Law.Friar Marcusといった系列クロスを形成した血も、有効世代数10代目を待たずに、主導と直接結合をはたしている。この結合力は、確かにSt.Simon-Gallopinの土台構造を有効活用しているとは言えるが、逆に言えば幸運な配合だとも言えるか。それでもこれといった弱点も無く、父がNasrullahを持たず3/4同血の質の高いRoyal Chargerを持つ為に、異なる血の流れを生じさせずスピードの抽出に成功したのは幸運で(蛇足だが、サンデーサイレンス産駒もこのスピードの引き出し方を基本とする配合が多い事を、付け加えておきたい)、まさに、この父にしてこの母ありといった配合である。惜しむらくは父のスピード源となったOrbyの落失だが、前述の血の流れの良さを踏まえると、さほど大きなマイナスとは言えず、逆にBull Dog.Son-in-Law.Friar Marcus のスタミナアシストもあり、10F克服の要因となった可能性を指摘しておきたい。全体的に見ると、距離に壁があるタイプではあるが、まぎれもなく名馬の血統構成だと言える。

こうした特徴をもった、競走馬ヤマニンゼファーだが、種牡馬になりアトランダムな配合を行うと、母父Blushing Groom内のNasrullahが主導をとる可能性が極めて高い種牡馬だと言える。国内における適性を考えると、それ自体は悪くはないのだが、自身が持つ血の流れに齟齬をきたすために、やや成長力に欠ける可能性が多くなりがちだとは言えるだろう。産駒において唯一のGⅠ勝ちを収めたサンフォードシチー(2B)も、Narullah.Hyperionの影響力が同等となったのが、能力の限界点で、芝対応力を出すのがなかなかに難しい種牡馬だと言える。また、ダートに目を向けたとしても、当馬はMan’o Warを持たない種牡馬であり、限界があると言えるだろうか(これは、当時の純国産種牡馬において良く見られた現象であり、その直系としての血を淘汰された理由の一つとして個人的に考えている。また、オグリキャップやメジロマックイーンのようにその血がしっかりと生きていたとしても、産駒においてその血を取りまとめるのが難しく、国内独自発展の血の大きな課題であると言える。ただし、こうした事例は日本国内に限った話では無いが)。
そこで、芝のマイル近辺で祖父ニホンピロウイナー、父ヤマニンゼファーを彷彿とさせる配合とはどういったものか、以前と同様の配合だが再掲載してみたいと思う。この配合は私が考えたのではなく、友人でありサイトのコラムニストであるpirocks氏が、考えたものである事をここに明記しておきたい。更に、個人的な感想を言えば、仮想配合の中でさえこれほどの美しさをもったものは、なかなかお目に掛かれないことを、付け加えておきたいと思う。

(ヤマニンゼファー×タイシンリリィ by ラディガ)-・-生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:7 土:3 弱:3 影:2 集:5 質:5 再:6 SP:5 ST:3 特:0
合計:(47/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:◎
Ⅲ 距離適性
芝:S 〇 M ◎ I 〇 C × L ×
ダ:S 〇 M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

ナリタタイシン(3A 芝中~長距離タイプ)の母を用いた仮想配合。主導は、Abernant5×4の系列クロス。主導傘下のHyperion.Rustom Pasha.Mumtaz Mahal。次いで、Sir Gallahad(=Bull Dog).Nearcoの系列クロス。また、Princequillo.Éclairの影響も強い。これらクロスはPrincequilloを除き、主導と直接結合を果たし、Princequilloも非常に間接的ではあるがPapyrus内Rock Sandを経由し、Saifon(=Siera)を通じて、かろうじて結合している。惜しむらくはきめ細かく生かした血の全てを結合できなかった点だが、これは7代目以降のクロスであり、血統全体がBay Ronaldoの流れが強くそこまでのマイナスであるとは言えない。またこれといった弱点も無く、やや血の集合とバランスに難があるが、父の中では眠っていた、Orby(5連)を再度クロスさせ、更にSundridge(9連)もクロス、これらスピードアシストは非常に魅力的で、主導内の生かし方(=充足率)も非常に高い。この溢れんばかりのスピードをHyperion.Rustom Pasha.Sir Gallahad(=Bull Dog). Princequilloのスタミナが支えるという、まさに理想的な血統構成だと言えるだろう。9代血統表を載せられないのが惜しまれるが(いずれ準備が整えば全ての評価に乗せる予定でおります。閲覧者の皆様にはご不便をおかけしておりますがご容赦ください)、お手元で見られる方には是非確認頂きたい。繰り返しになるがそれほどの美しさである。本質は、芝向きのスプリント~中距離タイプで、ダートや重馬場はこなせる程度。
※以前のものと評価基準が異なる為、点数などが異なりますが、評価の本質はかわりません。

今回は、マイル・中距離の2階級制覇をしたヤマニンゼファーの紹介と、その仮想配合をあげてみました。閲覧者の皆様が楽しく読んで頂ければこれにまさる喜びはありません。今回の私的名馬選はこの辺りで筆を置きたいと思います。

(taku.O)
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