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私的名馬選 Vol.6 ヒシアマゾン

閲覧者の皆様こんにちは。今回の血統研究所は、私的名馬選と銘打って、個人的に面白い配合だと思える名馬達を、成績にとらわれず、皆様に紹介をしていきたいと思います。

 

では、今回は、阪神三歳牝馬ステークス(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)を制したものの、当時のルールにより外国産馬であるが為、クラシックレースへの出走がかなわず、春から秋にかけて重賞を5連勝し、6連勝目にオークス馬であったチョウカイキャロル(2A)を退け、エリザベス女王杯を制し、次走の有馬記念で同世代のナリタブライアン(2A)の2着となった、青き瞳の女王ヒシアマゾンです。

 

ヒシアマゾン(Theatrical×Katies by ノノアルコ)牝・91生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:8 結:7 土:3 弱:2 影:2 集:5 質:4 再:5 SP:5 ST:3 特:0

合計:(44/60)点 クラス:1A

Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□

Ⅲ 距離適性

芝:S 〇 M ◎ I 〇 C △ L ×

ダ:S 〇 M 〇 I × C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

 

〇 短評

 

主導は、Nearctic4×3の系列クロス。主導傘下のNearco-Pharos(=Fairway).Hyperion-Gainsborough。次いで、Fighting Fox-Sir Gallhad(=Bull Dog).Man o’War.Papyrusの系列クロス。で血統を構成。これらクロスは全て主導と結合を果たし、能力参加に成功している。従って、血の濃さはあるものの、競走馬の血統の背骨と言える主導・結合は、しっかりした配合であると言える。また、スピード要素は主導たるNearcticをはじめとして、その影響下にあるNearco-Pharos(=Fairway)を中核とし、Fighting Foxがアシスト。また、Sundridgeが隠し味的に切れ味をアシスト。前者は種類こそ少なく、後者は結合が果たされていない為、器用なタイプとは言い難いものの、相当のスピードを秘めた配合だと言える。反面スタミナ要素はあまり強靭とは言えず、HyperionもLady Angelaの影響下にある血が多く明確なスタミナ勢力と言えず、Sir Gallhadも前述のFighting Foxの影響によりスタミナが、減少していると考えられる。それでもPapyrus.Man’o Warのスタミナが直接主導と連動したのは幸運で、10F前後までなら安定感のある強さを見せる可能性はある。本質は芝・ダート兼用のスプリント~中距離タイプで、距離適性の幅は広いタイプ。重馬場はこなせる程度。

 

こうした血統背景を持つヒシアマゾンですが、繁殖牝馬になった際に複数のネックを複数抱えた繁殖になりやすいと、言えるでしょう。まず、世代が一代進む事によりスピードの引き出しが難しくなる点。自身の血が濃いうえに、メジャーなNorthern Dancerを抱えながら、Nearcticを主導とした点に妙味があったが、アトランダムな配合ではNorthern Dancerがクロスとなりやすく、簡単に系列クロスを作れる利点はあるものの、更に血の濃さを増す上に、その父Nearcticとの位置の悪さを解決が難しい点。また、自身では結合を果たした米系の血が、世代が進む為に離反しやすい血統構成である点。これらは当代配合の産駒の代で解決する事は難しく、繁殖入り後にヒシマサルとの配合を行い、米国に渡り種付けを行いましたが、前述の条件をクリアする配合は非常に難しく、当代での優駿の輩出が叶いませんでした。ただ、蛇足ですがこうした血の濃い繁殖牝馬は、2代3代と代を重ねる事によって、世代を後退させ、その輝きを増す可能性があり、更にNorthern Dancerを自動的に系列クロスにできる点は、やはり大きなメリットだと言え、いつかヒシアマゾン系と言われる様な子孫の輩出を願ってやみません。しかしながら、当代配合に全く可能性が無いかと言えば可能性はゼロでは無く、実質的にあり得ない配合ではありますが以下の配合を、考察してみました。

 

(ウィナーズサークル×ヒシアマゾン by Theatrical)-・-生

有効世代数:10代目

 

Ⅰ 主:8 結:7 土:4 弱:3 影:2 集:5 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)

合計:(45+1/60)点 クラス:1A+

Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇

Ⅲ 距離適性

芝:S □ M ◎ I 〇 C □ L ×

ダ:S □ M □ I △ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:低め 成長型:晩成

 

〇 短評

 

主導は、Nearco5・8×5・6・7・8・8の系列クロス。主導傘下のPharos(=Fiarway)。次いで、Mahamod-Blenheim-Blandford.Seleneで血統を構成。また、Turn-toの中間断絶の影響も強い。これらクロスはしっかりと連動し、血の集合も父母であるクリノアイバーにあり、父の再現度はやや劣るが、母の再現度はなかなかに良好で、この母にしてこの父ありというような配合となっている。また、母のスタミナを支えたHyperionこそ落失するものの、その父母であるGainsborough.Seleneをクロスさせ、Man’o Warは有効世代数10代目ギリギリであるが、Sainfoinを通じて連動。アウトブリード配合でこそ無いものの、これといった弱点も無く、全体的に隙の少ない優等生的な配合であると言える。母と比較してスタミナにはやや良さがあるものの、本質は芝向きのマイル~中距離タイプで、ハイペースの12F克服には展開の助けがいるタイプ。また、ダートや重馬場はこなす程度。現実には母は引退後米国に渡り、国内種牡馬との種付け機会は、ほぼなかったのだが(前述のように、初年度はヒシマサルとの種付けをおこなっている)、仮に国内に留まって繁殖生活を行ったとしても、父の血統のマイナーさから、おそらく実現する事の無い配合であったろう事は予想に難くありません。

 

今回は、クラシック街道の裏で煌めくような輝きをはなち、ついには同期牝馬のトップに立ち、同世代のシャドーロールの怪物に真っ向勝負を挑んだ、青い目の女王ヒシアマゾンとその仮想配合をとりあげてみました。閲覧者の皆様が楽しく読んで頂ければこれに勝る喜びはありません。今回の私的名馬選はこのあたりで筆を置きたいと思います。今後とも血統研究所と、競馬総合サイトG-ZEROをよろしくお願い申し上げます。

 

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