テン乗り、鞭制裁リーチでハナから買う気のなかったレーン。
走るのは馬だな。
前受けできる強みが出た。
ゴール前は、前走タスティエーラに騎乗していた松山、2冠のかかる横山武史と手に汗握る叩き合い。
2人ともそれぞれに勝ちたい理由、負けたくない理由があっただろう…
4着横山和生までタイム差なし、クビ、ハナ、ハナの大接戦。
馬券を買ってる人はさぞかし興奮しただろう。
勝ちタイムは2:25.2。
先週のオークスは2:23.1。
これをどう考えるか?
Cコース代わりにも関わらずスローで、レースレベルが低いと見るか?
やはり内側が良かったのだろう、人気薄で上位に来た馬はみな内を捌いてきた。
外は直線入口のルメールのとこ、5着の北村宏司のとこまでだったか?
武豊はレース後のコメントでも出してたが、少し勇気が足りなかった。
もう一つ前のポジションに居れば、直線もあんなに外を回らさずにすんだろう。
ペースのわかる名手らしくないレースだった。
パトロール、レース映像を見直していると、ルメールが素晴らしい。
スタートは後手に回ったが、三角で勝馬のすぐ後ろまできてる。
3着のハーツコンチェルトは、青葉賞で下している。
もし…
永遠の「もし…」になってしまった。
青葉賞勝馬は2着までの歴史を変えたかもしれない。
ただ冥福を祈るだけ。
指定席抽選に外れ、入場券での観戦。
朝から行くとメインの頃には歩き疲れるだろうし、ダービー観戦が目的であまり博打を打つ気もなく、用事を済ませて昼過ぎに東京競馬場に。
外の馬頭観音に手を合わせ全馬の無事を祈り、入場して中の馬頭観音にも。
ダービーデイ、いつもより長く全馬の無事を祈った。
その祈りは届かなかった。
ダービーのパドックはかなり良い位置で見られた。
どの馬も良く見え、前年のドウデュースのように飛び抜けて良く見える馬は見つけられなかった。
さすがダービー、みんな目一で仕上げてきてる。
そんな話を編集長と話しながら、迷いに迷ったが、青葉賞の時もピンと来なかったが走ったスキルヴィング、共同通信杯で見た時から今年のクラシックはこれと決めていたファントムシーフ、青葉賞に続いて良く見えたハーツコンチェルト、形が好きだと思った血統高評価馬サトノグランツにした。
馬券を買って4コーナーの方に歩いて行く。
スタンドを過ぎて芝生の方へ。
秋天もここで見たね、すごかったねなんて話しながら。
ここで吹かれる風が好き。
なんか洗われる気がするから。
そんな俺みたいなやつも詩人にするような場所。
勝負を決める4コーナー、直線入口。
レースが終わり、サトノクラウンがダービー馬を出したのか…
サトノクラウンてどんなだっけ?
話しながらパドックへ向かう。
ダービーが終わってもまだ目黒記念が残ってる。
京都の最終を買って、目黒記念のパドックまで少し時間があった。
競走を中止したスキルヴィングが気になり、Twitterを見ると…
ダメだったか…
よりによってダービーで…
夢の舞台で、夢の世界へ旅立ってしまった。
去年は馬券が外れたのに武豊に大興奮して冷めず。
今年は…
こんな気持ちをどう表現したらいいのだろう?
これも競馬と言えばそれで終わりだが…
馬券が当たっていたらどうだったか?
俺のようなやつは喜んでいただろう。
だけど誰かに、「馬券どうだった?当たったの?良かったじゃん!でもなんか一頭死んだみたいね。」
そんなふうに言われたら我慢できないだろう。
競馬ってなんだ?
博打か?
ダービーてなんだ?
なんで特別?
ダービーウィークはずっと考えてた。
もちろん、俺のようなものに答えはわかるはずもなく。
当たったら楽しいから、外れても儲からなくても、生活に支障がないお金を持ってく。
1人でも楽しいし、仲間と遊ぶのも楽しい。
家でも楽しいし、競馬場も楽しい。
博打てだけなら、船でも自転車でもいいんだろうけど、やっぱり俺は馬がいい。
誰かが儲けた金は、誰かが損した金。
自分が笑うには、人を泣かせなきゃいけない。
俺は博打に向いてない。
縁日で籤を引く子供のようなもの。
誰も賭けなければ競馬は成り立たない。
成り立つのかもしれないが、競馬場の入場料は高くしなきゃいけないだろう。
それで人が集まるか?
そう考えると、「オイオイ」ゆーてもらって興奮してどんどん銭を賭けてもらえばええのだろう。
その先に待つのは、かつてのような馬券禁止かもしれんが。
スポーツじゃ、歴史じゃ、文化じゃ、ゆーてもそれだけじゃ銭も人も集まらんやろ。
そんなことは多くの人は知らん。
知らんでも博打は打てる。
儲かりゃええが博打。
駒がどうなろうと知ったこっちゃない。
ただ、他人はどうか知らんがわしはそうじゃない。
なんでかは知らん。
わからんけん、気になったことを調べよったらこうなった。
車にしろ馬にしろ飛行機にしろ、なんかわからんが速さに憧れる。
車って、馬って、飛行機って…なに?て気になっとるだけ。
ええもん見せてもろうたと思う時もある。
哀しい気持ちになることもある。
なるべく腹を立てんように、笑って楽しくおられるように、そこに居る自分を嫌いにならんように。
飯を食わせてもらって、芸を見せてもらってタダで帰るやつは盗人。
気持ちだけ置いて帰る。
競馬でもそうありたい。
馬券が当たらんけんて、度が過ぎた言葉を吐かんように。
芸人がつまらんけんて、「金返せ!」くらいはええと思う。
じゃが、「死ね!」とかはなしや。
つまらん芸人を見に行ったのも自分。
つまらんかったら2度と見に行かなええだけの話。
誰にでも親はおる。
哀しむもんも、喜ぶもんもおるやろ。
それはお互い様や。
上手く言えんし、まとまらんけん長々となる。
そのくせ、何かを表したい。
どもならんが明日も仕事で大酒も飲めん。
光が当たれば影ができる。
それを思い出したダービーやった。
悔しくて寝れん。
最後まで走りきってのことよな。
全馬無事がどれだけ難しく、どれだけ尊いことか…
1日1クリック!皆さん、応援よろしくお願いしますm(__)m