重賞勝ち馬評価 プロキオンステークス【ヤマニンウルス】 七夕賞【レッドラディエンス】

重賞勝ち馬評価 プロキオンステークス【ヤマニンウルス】 七夕賞【レッドラディエンス】

プロキオンステークス
ヤマニンウルス(ジャスタウェイ×ヤマニンハピオネ by スウェプトオーヴァーボード)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:4 弱:2 影:2 集:3 質:3 再:4 SP:4 ST:3 特:0
合計:(39/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I □ C × L ×
ダ:S △ M 〇 I □ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、その父系であるNearctic-Nearcoと継続させたNorthern Dancer6×5・6・6の系列クロス。一見かなり明瞭に見えるものの、その父であるNearcticも5代目からクロスしており、その明瞭さに影を落とした点は惜しまれる部分である(これはヤマニンウルスの問題と言うよりも、種牡馬ジャスタウェイが抱える、根源的な問題である)。また、Hyperion系のスピード要素として重要な働きをする、Khaledが5・8×8と世代ズレをおこした点も見逃せない部分である。とは言うものの、Turn-to6×8の中間断絶が切れ味や、主導たるNorthern Dancer傘下のAlmahmoud6・8×7・8・8のスピードは魅力的であり、土台構造をPharos(=Fairway)15連で形成し、Hyperion17連がそれをアシストするという、Hyperion系の血の流れにも良さがあり、Northern Dancer主導の配合として考えた際には、この血の流れは良好だと考えられる。更に、9代目まで46という少ないクロス馬で血統を構成しており、反応の良さが見込める血統構成。加えて、有効世代数が10代目となっている為、AlmahmoudがFair Playを介しWar Admiral-Man o’Warを、Spearmintを介しFighting Fox-Sir Gallhad(=Bull Dog)を、Native DancerがWhisk Broomを介し、Double Jayを連動させており、それぞれ間接的ながらも、血統の奥にある米系の連動性をはかれた点は幸運。この連動性が、当馬の能力の源泉であると言える。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝や重馬場は慣れればこなせる程度。影響度バランスを(3-5-1-5)とし、外交的な配合としては、バランスよく祖父母4頭から能力を受け継いでおり、血の集合の甘さから詰めの甘さを見せる可能性は否定できないものの、比較的安定して能力発揮を行えるタイプ。開花の早さは普通といったところだが、完全開花には時間がかかるタイプで、かなりの鍛錬が必要な点は、付け加えておきたい事実である。また、蛇足になるが、6代目となった為、加点こそ行わないものの、母であるヤマニンハピオネがRough Shodを6×6の強度で、ハートライン上においてクロスさせており、当馬の能力の一端を担っている可能性を示唆しておきたい。

 
七夕賞
レッドラディエンス(ディープインパクト×ペルフォルマーダ by Jump Start)牡・19生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:4 結:4 土:2 弱:1 影:1 集:5 質:4 再:3 SP:2 ST:4 特:0
合計:(30/60)点 クラス:1B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C □ L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスしたHalo内Hail to Reaosn-Turn-toは世代ズレをおこしており、同様に、Almahmoud-Mahmoudも世代ズレをおこした為、主導は、Turn-toを伴い、Somethingroyal-Princequilloと継続させた、Sir Gaylord6×7及び、Donatello6×7の系列クロス。従って主導としては不明瞭な配合となった点や、母方の世代後退により、クロス効果が読み取りづらく、母の母内Broadcastに弱点を派生させた点もマイナス。ここが当馬の血統構成の限界点を端的に示している。更に言えば、この母に、この父の血と相性自体は悪く無いものの、世代の問題から、試すべき配合では無いと言える。とは言うものの、有効世代数が10代目となった為、Northern Dancer5×6の中間断絶のアシストがある程度有効に機能した点は幸運。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートや重馬場はこなせる程度。Donatello内において、Clarissimusを生かした点や、それらを主導にした点から、長く脚を使える可能性は指摘しておきたい。また、強調された、父の母ウインドインハーヘア内にある程度の血の集合が見られる事から、ムラな面は否定できないが、意外性のある血統構成であるとも言えるだろうか。

 

(taku.O)
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