今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。
※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。
では、今回はインゼルサラブレッドクラブです。
・チカリータの20 牝 父：マインドユアビスケッツ
前面でクロスしたDeputy Minster４・５×４は中間断絶の為、主導はRahy(=Morn of Song)４×４。次いで、前述のDeputy Minster内Northern Dancer.Robertoの系列クロスで血統を構成。これらクロスが強固に結合した点が、最大の長所。更に７代目以降になるものの、Prince Johnも結合をはたしており、ここが当馬の能力の源泉と考えられる。惜しむらくは、母父クロフネ内Pago Pagoにおいて弱点を派生させた点か。本質は、芝・ダート兼用のマイル～中距離タイプ。重馬場もこなせる全天候型。生かされたスピード・スタミナは良好。
・Bewitchedの20 牝 父：Saxon Warrior
主導はデインヒル３×４を呼び水にしたNorthern Dancer５・６・６・７×５・６・７の系列クロス。次いで、主導傘下のAlmahmoud。Turn-toを伴うHail to Reasonの影響が強い。これらクロスの連動性は高い。更にGrustark(=His Majesty)がスタミナの核を形成。距離的融通性がそなわった配合だと言える。惜しむらくは、Grey Sovereignの世代ズレに見られるように、ややバランスが悪い点と、弱点を派生させた点か。本質は、芝向きのマイル～中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。
・チリエージェの20 牡 父：ハーツクライ
主導は、Northern Dancerを伴うLyphard４×５。次いで、主導傘下のAlmahmoud.Lady Angela-Hyperionの影響が強く、血統全体でBay Ronaldo系の血の流れが強い点が最大の長所。反面、全体の結合力は弱く、開花までの時間がかかると予測される。それでも仕上がった際には、主導内充足率の高さを踏まえると強い競馬を見せる事も可能。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートは不得手。重馬場はこなせる程度。生きた血を踏まえると距離適性の幅は広いタイプ。
・ルーシーブライドの20 牡 父：イスラボニータ
主導は、Turn-toを伴う、Hail to Reason５×４。次いで、Northern Dancer６×５の系列クロスの影響が強い。この両者の影響が拮抗したのはマイナスで、詰めの甘さは否定できない配合だと言える。それでも、全体の結合力は強く、粘り強いスピードを見せる可能性がある点は指摘しておきたい事実である。また、これといった弱点は存在せず、同父産駒としては安定感のある配合である。本質は芝向きの中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる。距離適性の幅は広いタイプ。
・ユイフィーユの20 牝 父：ルーラーシップ
主導は、Northern Dancerの系列クロス。この主導は、Mill Reefの中間断絶のアシストを受け明確な主導として機能している。また、これといった弱点は無く、安定感のある血統構成。更に、９代目までにHyperion19連、Nearco20連と土台構造も堅牢。惜しむらくは、きめ細かく血を生かした配合でありながら、特に米系の結合の弱さがある点か。本質は芝向きの中距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。父父の最高傑作の一頭である、ローズキングダム(1A)と共通点のある配合であり、是非無事な開花を望みたい一頭である。
・フリーティングスピリットの20 牡 父：キタサンブラック
主導は、同父産駒としては珍しいSir Ivorの系列クロス。Northern Dancerの中間断絶が結合をアシスト。前述のように珍しい配合でありながら、明確性のある主導を形成し、しっかりとした配合となっている。全体の血の生かし方はやや弱く、父の再現性は低いものの、欧米系の血の生かし方が良く、Crepelloの系列クロスがMieuxce.Solarioのアシストを受け明確なスタミナの核として機能。本質は、芝向きのクラシック～長距離タイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。課題はスピードの引き出し。
・コンシダレイトの20 牡 父：Nathaniel
主導は、Sadler’s Wells３×３の系列クロス。次いで、Roberto４×６で血統を構成。非常に血が濃い配合ではあるものの、主導の明確性が高い配合であり、主導内もLulun.Djbel-Tourbillon.Asterus.La Troienne.Blue Larkspur.Sir Gallahad.Hail to Reason等を生かし充足率が非常に高い。また、Roberto.Buckpasserが結合をアシストしつつスタミナを補給。Almahmoudの落失や、血の集合にやや甘い部分があり、ジリ脚の可能性は否定できないものの血の濃さを加味しても、配合自体はなかなか面白い配合と言える。惜しむらくは、Princequillo系の結合が果たされていない点で、総合的な結合力は高いとは言い難い点か。本質は、芝向きの中距離～クラシックタイプ。ダートは不得手。課題はスピードの引き出し。
今回は、インゼルサラブレッドクラブの１歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。
今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
1日1クリック！皆さん、応援よろしくお願いしますm(__)m
