重賞勝ち馬評価 チューリップ賞 オーシャンステークス 弥生賞

重賞勝ち馬評価 チューリップ賞 オーシャンステークス 弥生賞

チューリップ賞

マルターズディオサ(キズナ×トップオブドーラ by Grand Slam)牝・17生

有効世代数:10代目

 

Ⅰ 主:6 結:7 土:4 弱:2 影:2 集:4 質:3 再:5 SP:3 ST:3 特:0

合計:(37/60)点 クラス:3B

Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇

Ⅲ 距離適性

芝:S × M □ I 〇 C □ L ×

ダ:S △ M 〇 I □ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇

Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

 

〇 短評

主導はSecretariat5×5の系列クロス。全体で6連あるNorthern Dancerの中間断絶や、Sir Ivorの中間断絶のアシストもあり、明確な主導と見えるが、その父Bold Rulerが母父と父母にのみ存在し、他のブロックや、様々な欧米系がクロスした全体の血統を強力に引っ張る存在ではない為、そこまで明確な主導とは言えない(母母方、9代目に存在するが、世代ズレの為カウントせず)。ただし、その母Somethingroyalもクロスし、4ブロック全てに存在したのは幸運で、前述のアシストの関係もあり、ひとまず主導としての仕事は果たしている。また、土台構造はなかなかに強靭で、Nearco19連から来る血の流れは魅力。惜しむらくは、米系の影響がつよい配合でありながら、Hail to Reasonが落失した点で、欧米系の血の生かし方が良い物の、結合完了が10代目となる部分がおおいのが惜しまれる。それでも、Secretariat主導型の配合としては見るべき点(特に結合のアシスト)があり、Bold Rulerを主導としたシンプルな配合であった、母父Grand Slamの良さを再現し、全体として強調したのは魅力的な部分。本質は芝・ダート兼用の中距離タイプで、キレのあるタイプでは無い。

 

オーシャンステークス

ダノンスマッシュ(ロードカナロア×スピニングワイルドキャット by Hard Spun)牡・15生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:7 結:5 土:3 弱:2 影:2 集:5 質:3 再:4 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)

合計:(38+1/60)点 クラス:3B

Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□

Ⅲ 距離適性

芝:S □ M 〇 I □ C × L ×

ダ:S 〇 M □ I △ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□-

Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

 

〇 短評

 

主導は、母の傾向を引き継ぎMr.Prospector4×4の系列クロス。次いで、Prince Roseを伴うPrincequillo。この主導は、Northern Dancerの結合のアシストもあり、Mr.Prospecteor主導型の配合としては良くできていると言える。また、主導内はMr.Prospector-Rais a Native-Native Dancer-Polynesian-*-Sickleと系列クロスを形成するだけでなく、母方のNashua-Nasurullah-Nearco-Pharosと、こちらも系列クロスを形成。米系が強い配合ながらも、Nearco-Pharos系が強い父母の血を良く生かしていると言える。また、Princequilloクロス内は、Papyrus-Traceryとクロスし、そのスタミナを強力に再現したもので、当馬の血統構成上ステイヤーでは無いものの、マイルを中心とした距離適性範囲の幅は広いタイプだと言える。また、Turn-toの切れ味や、結合こそ果たさないもののGold Bridgeのスピードや、Djbelのスタミナ等、隠し味的なクロスをしっかり作成したのは魅力的な部分ではある。惜しむらくは、これらの結合が弱い点で、やや詰めの甘い競馬を繰り返す可能性は否定できない。本質は芝向きのマイルタイプだが、前述の通り距離適性の幅は広いタイプだと言える。また、ダートをこなす可能性を秘める点は指摘しておきたい。

 

弥生賞

サトノフラッグ(ディープインパクト×バラダセール by Not for Sale)牡・17生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:6 結:6 土:4 弱:2 影:2 集:5 質:3 再:5 SP:4 ST:4 特:0

合計:(41/60)点 クラス:3B

Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇

Ⅲ 距離適性

芝:S × M □ I 〇 C 〇 L □

ダ:S × M □ I □ C × L ×

芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

 

〇 短評

 

主導は、Lyphard4×5を呼び水にした、Court Martial6・7×6・7の系列クロス。次いで、Khared7×6・7・8、Mahmoud6・7×8・9・9。位置のバランスや、主導勢力が父母及び母母にしか存在しない為、見た目ほど強力な主導とはなり得なかった。しかしながら、前述のクロスは呼び水となったLypardへの集合は良好で、このLypardクロスが実質的な主導だと言える。また、Court Martial内の生かし方は非常に良く、Hurry On.Ksarと生かした点は好感が持てる。また、本来結合しにくいPrincequilloの系統もSir Gaylord内Nearcoを通じ、Lyphardと連動。Crepelloこそクロスしないものの、Donatelloも同様にスタミナを補給。そのCrepello内では母方であるMassineをしっかりとおさえ、ウインドインハーヘアのスタミナを再現。惜しむらくは、父のスピード源となったAlmahmoudの落失で、父のイメージのように切れるタイプでは無く、むしろ長く脚を使う可能性を秘めるタイプ。蛇足だが、父ディープインパクトはNasurullahを持たず、その3/4同血であるRoyal Chargerや、内部にThe Tetrachを持ち、Nasurullahとの連動性が高いKhared.Almahmoud等の血を持つ為、そのスピード源を、父産駒として血を纏める事の多いNorthern Dancerへと連動しやすい構造を持っている(したがって、父ディープインパクトのNorthern Dancerクロスは重さをさほど強調しない)。当馬の配合においては、Royal Chargerこそクロスしないものの、その仔Turn-toがその役目を果たし、Khaledが6代目でクロスする形態は、近年では珍しいと言える。本質的には芝向きの中~長距離タイプで、芝12までは十分に守備範囲。また、この母と父の相性自体は悪くは無く、むしろ良いほうだが、父と母母ならば1Aの中距離配合となり得るレベルの相性のよさで、当馬の能力源泉は父と、母母に頼る部分が大きいとも言える。ただし、全体的には優秀な配合で、無事な開花を望む。

 

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