今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にピックしていきたいと、考えております。
※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。
では、今回は京都サラブレッドクラブです。
・ストームトウショウの20 牡 父:エスポワールシチー
主導は、前面でクロスしたTurn-toが中間断絶となった為に、Nasrullah6・7・8・8×6・7・7の系列クロス。現代の配合でありながらNasrullahを主導とした点でもわかるが、非常に外交的な配合である。それでありながら、土台構造を形成するPharos(=Fairway)21連、影響度バランス(1-2-3-4)。これといった弱点も無く安定感のある血統構成。惜しむらくは、主導が各系統をまとめきれなかった点にあり、結合力は弱いと考えられる部分である。本質は、芝・ダート兼用のスプリント~マイルタイプ。重馬場はこなせる程度。ゆっくりと成長する晩成タイプ。
・ホウショウバレンの20 牡 父:ダンカーク
主導は、その父Raise a Nativeとの位置の悪さはあるものの、Mr.Prospector5×5の系列クロス。次いで、Hail to Reason7×5の系列クロスの影響が強い。両者は、全体で13連あるNearcoで連動こそするものの、配置の関係から連合勢力とは言えず、その血の集合も甘くなった点が惜しまれる点である。更に、Northern Dancerクロスを持たない為に、Hyperion系の離反が目に付く配合だと言えるだろうか。とは言うものの、Buckpasser.Bold Rulerのスピード・スタミナを隠し味的に補給し、米系の血の連動具合にはかなりの良さがある。また、Wild Riskクロスを通じ、10代目になるもののKsarを連動させた点は見るべき点である。本質は、ダート向きのマイルタイプ。芝はこなせる程度だが、重馬場は米系の影響から得意なタイプ。ゆっくりと成長する血統構成で、7代目以降のスタミナの引き出しに成功すれば、長く脚を使える可能性は指摘しておきたい。
・シーヴァージアの20 牡 父:ビッグアーサー
主導は、ノーザンテースト4×4の系列クロス。その父、Northern Dancerを血統の4ブロックに配し、Hail to Reasonの中間断絶の結合アシストもあり、明確に血統をリードしている。次いで、非常に珍しくあるがBold Bidder(=ディープデイーン)6×5が系列クロスを形成し、Princequillo系の結合をはかった点は見るべき部分であり、AmbiorixによりTourbillonをも主導と連動。血統の背骨と言える主導・結合は非常に明確な配合だと言えるだろう。土台構造はNearco17連で形成。影響度バランスの悪さや、弱点の派生等、惜しまれる部分も持つが、全体的には優秀な配合だと言える。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプだが、距離適性の幅は広いタイプ。また、重馬場もこなせる全天候型。是非とも無事な開花を望みたい好配合である。
・トーセンジュエルの20 牡 父:カレンブラックヒル
主導は、Haloを伴うサンデーサイレンス3×4。次いで、Northern Dancerの系列クロスの影響が強い。サンデーサイレンスクロスは、血の濃さがあるものの、全体を強力にリードしており、クロスとしては有効。また、Sir Gaylordを父母共に系列クロスにし、スタミナの核とした点にも好感が持てる。とは言うものの、やはり前述の血の濃さはマイナスで、弱点の派生も鑑みると、戦績は安定しない可能性を指摘しておきたい。本質は芝向きのマイルタイプ。生かされたスピード・スタミナの血から、距離適性の幅は広い。ダートは、芝ほどでは無いがこなせる。重馬場は普通といった所。早期のスピード勝負対応が可能なタイプ。
・バブルウィズジョイの20 牡 父:アジアエクスプレス
主導は、Deputy Minister5×5を呼び水とした、Northern Dancer6・7×5・7・7の系列クロス。次いで、Raise a Native.Prince John.Bold Ruler.Tom Foolの影響が強い。この配合の良い部分はここのところで、多種のスピードを生かし、器用な競馬ができるタイプだと推測される点にある。惜しむらくは、血統全体の結合力がさほどに強固では無く、成長に時間がかかると予測される点か。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプ。芝は不得手だが、重馬場はこなせる。
・コテキタイの20 牝 父:スズカコーズウェイ
主導は、Northern Dancer5・6×5・6・6の系列クロス。次いで、Bold Rulerで血統を構成。非常に世代のバランスのとれた配合であり、影響度バランス(4-2-2-5)、土台構造Nearco23連がそれを物語っている。また、Turn-to.Golden Cloud-Gold Bridgeのスピードを隠し味的に補給。マイナーな父母だが見るべき部分の多い配合となっている。更に外交的な配合でありながらこれと言った弱点も無く、安定感のある血統構成。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプ。芝は慣れればこなせる程度で、重馬場もこなせる程度。ゆっくりと成長するタイプで、比較的器用な脚を使えるタイプに育つ可能性を秘める。
・ミティークの20 牝 父:リヤンドファミユ
主導はその父系であるHail to Reason-Turn-toと継続したHalo4×5の系列クロス。Northern Dancerの中間断絶が結合をアシストする、比較的良く見る配合となっている。とは言うものの、Nearco16連、Hyperion16連から来る血の流れを前面のHalo.Northern Dancerが上手く受け止めた配合となっており、血の流れに良さがある配合だと言える。惜しむらくはPrincequillo系の結合をはじめとして、やや結合力が弱い点にあるが、全体的には比較的良くできた配合だと言えるだろうか。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプ。重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応が可能なタイプ。
今回は、京都サラブレッドクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。
今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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