シルクホースクラブ2023注目馬血統診断(2022年度産)

シルクホースクラブ2023注目馬血統診断(2022年度産)

今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にしていきたいと、考えております。

※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。

では、今回はシルクホースクラブです。

 
・グラマラスライフの22 牡 父:ハービンジャー

主導は、その父Northern Dancerとの位置に問題を残すものの、Lyphard5×5の系列クロス。次いで、同様に5代目からクロスしたTurn-toを伴うHail to Reasonや、Buckpasserの系列クロスの影響が強い。従って、主導としてはかなり不明瞭な配合となっているが、有効世代数が10代目となった点も踏まえると、結合力が非常に良好で、ここが当馬の能力の源泉であると言える。本質は、芝向きの中距離~長距離タイプ。ダートは普通で、重馬場は比較的得意なタイプ。開花率は高いとは言い難く、晩成型の配合だが、開花した場合は息の長い末脚を武器とするタイプ。

 
・メジロツボネの22 牝 父:ドゥラメンテ

前面でクロスした、Mr.Prospectorは、ほぼ単一クロスの為、主導は、Northern Dancerを伴うノーザンテースト5×5。次いで、Big Gameを伴うBride Electや、 Charlottesville. Never Say Die.Khaledの系列クロスの影響が強い。これらクロスにより、多種のスピード・スタミナ要素が主導へと連動した点が最大の長所で、当馬の武器であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。また、Turn-toを生かしており、決め手ある競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。

 
・ユキチャンの22 牝 父:ドレフォン

主導は、いまだに珍しい、ヴァイスリーガル(=Vice Regent)-Northern Dancer-Nearcticと継続するDeputy Minister5×4の系列クロス(蛇足だが、この形態は、ドレフォンの母であるEltimaasがヴァイスリーガル(=Vice Regent)のクロスを持つ為に、Deputy Minsterをクロスさせると自動的に出来る形態である。その為、Deputy Minsterを持ち、Nearcticを主導としたクロフネとは比較的相性の良い組み合わせではある。ただし、父とクロフネまででは、主導勢力を血統の2ブロックにしか配せない為、ニックスとまでは言えない)。次いで、Round Table.Sir Gaylord.Bold Rulerの影響が強い。非常にシンプルな血統構成となったのが当馬の武器で、土台構造を形成するNearco18連からの血の流れも良好。加えてこれといった弱点も無く、安定感のある血統構成である。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は比較的得意なタイプ。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・マイハッピーフェイスの22 牡 父:キタサンブラック

主導は、Northern Dancerを伴う、Lyphardを主導とした父の傾向を引き継ぎ、その娘であるテイズリー4×5の系列クロス。この主導の充足率は、お世辞にも高いとは言い難いが、Wild Riskを内包し、父の能力の源泉であった、Gainsboroughの積み重ねを、その仔であるHyperionを13連クロスさせ、Mahamoudを16連クロスさせる等、うまくその流れを引き継いだのが最大の長所。また、土台構造をNearco23連で形成し、その流れを上手く主導勢力が受け止めているのが最大の長所。惜しまれるのは、父の父であるブラックタイドの隠れたキーホースであるPocahontasを系列クロスにし、Princequillo系を内包させながら主導と連動が図れなかった点や、Hail to Reasonの世代ズレで、米系の連動性がはかられていない点で、思った程の成長は見せない可能性は否定できない点か。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ラッドルチェンドの22 牝 父:キタサンブラック

主導は、母の傾向を引き継ぎ、Northern Dancer6・6・6×5・5・6の系列クロスで明確。次いで、Bold Ruler.Somethingroyalの系列クロスで血統を構成。この配合の最大の良さは、シンプルに作り上げた、Northern Dancer主導の配合に対し、有効性代数が10代目となった点もあるが、Somethingroyalの系列クロスがTraceryを介し主導と連動した点にある。反面、Hail to Reason等のクロスを持たない為に米系の取りまとめに失敗している点だが、全体的にきめ細かく血を生かしており、これと言った弱点も無く、安定感のある血統構成となっている。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、距離適性の幅は広いタイプ。重馬場はこなせる程度。比較的ゆっくりと成長するタイプ。無事な開花を望みたい一頭。

 
・ムーンライトナイトの22 牝 父:ルーラーシップ

主導は、Northern Dancerを伴うノーザンテースト4×5で明確。他に強い影響を持ったクロスも無く、Sanctusの単一クロスにより、Tourbillon等を主導と連動させた点には妙味があり、単一クロスの使い方のお手本となるようなクロスである。惜しむらくは、父がHail to Reason等の米系を取りまとめる血を持たないがゆえに、きめ細かく生かした米系が離反している点だが、反面、血統全体で17連存在するHyperionや、24連で土台構造を形成するNearcoからの血の流れに非常に良さがあり、同父産駒としては決め手ある血統構成となっている。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ジーナスイートの22 牝 父:ルーラーシップ

主導は、その父系であるNorthern Dancer-Nearcticと継続させた、ノーザンテースト4×5の系列クロスで明確。他に強い影響をもったクロスも無く、その父であるNorthern Dancerを血統の4ブロックに配し、血統全体を強力にリードしている。また、単一クロスとなったSanctusによりTourbillon等を主導と連動させ、これも珍しくあるが、ガーサントの中間断絶クロスにより、Tetratemaを主導と連動させる等、欧州系の血の連動性に非常に良さがある配合となった。惜しむらくは、Hail to Reason等のクロスを持たないがゆえに生じた米系の離反だが、扱いの難しいメジロマックイーン内の血を有効活用しており、その再現に成功した点は見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。生かされた血や、強調されたエアグルーヴ(3B)を全開にしており、決め手ある競馬を見せる可能性を秘める。是非とも無事な開花を望みたい一頭である。

 
・プロミストリープの22 牝 父:ナダル

主導は、非常に珍しくあるが、その父系であるNijinsky-Northern Dancerと継続させた、Number(=Bound)4×5の系列クロス。次いで、Mr.Prospector.Secretariatの系列クロスや、Turn-toを伴うHail to Reasonで血統を構成。主導内はGold Bridgeの落失こそ惜しまれるが、Nasrullah.Menow等をしっかりとクロスさせ、アシストされた血統のスピード・スタミナも良好。また、孤立しがちなPrince John-PrincequilloをCount Fleet.Blue Larkspurを介し、間接的ながら主導と連動させており、競走馬の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。更に、血の集合にもかなりの良さがあり、開花した場合には、決め手ある競馬を見せる可能性を秘める。無事な開花を望みたい一頭である。

 
・スナッチマインドの22 牡 父:ブリックスアンドモルタル

主導は、非常に血が濃く、また未だ珍しい、Storm Bird-Northern Dancerと継続させたStorm Cat3×4の系列クロス。次いで、Haloの系列クロスで血統を構成。血が濃いが血統全体をシンプルに作り上げており、母の父であるディープインパクトの隠れたキーホースであるPocahontasもクロスさせる等、なかなか見どころのある血統構成。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・アルジャンテの22 牝 父:ブリックスアンドモルタル

主導は、位置の関係からHalo6×4の系列クロス。次いで、Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。かなりシンプルな配合となっているが、前述のHaloとNorthern Dancerの影響力が拮抗した点が惜しまれる。とは言うものの、父と母の父であるディープインパクトの相性の良さを生かした内容で、特にディープインパクトの隠れたキーホースであるPocahontasをクロスさせ、孤立しがちなPrincequillo系を主導と連動させた点は見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで。重馬場もこなす全天候型。若干詰めの甘さを見せる可能性もあるが、早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ロッテンマイヤーの22 牝 父:アドマイヤマーズ

主導は、Haloを呼び水とした父の傾向を引き継ぎ、血が濃いがサンデーサイレンス3×4の系列クロスで明確。次いで、その父母であるNearctic/Natalma共にクロスを継続させたNorthern Dancerの系列クロスで血統を構成。惜しむらくは、Never Bendの世代ズレにより、特殊な仏系であるLalunが連動を果たせなかった点や、弱点を派生させた点であるが、全体的にシンプルに作り上げられており、ここが当馬の配合の武器であると言える。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダートはこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。開花はかなり早く、早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・トスアップの22 牝 父:サトノアラジン

前面でクロスした、サンデーサイレンス3×4は単一クロスの為、主導は、その父系であるNorthern Dancer-Nearcticと継続させたStorm Bird4×5の系列クロス。次いで、Mr.Prospector.Lyphardの系列クロスで血統を構成している。これらクロスの連動性は高く、それぞれの充足率も非常に高い。従って、成長力のある配合であり、長く活躍する下地をもった血統だと言えるだろうか。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。やや血の集合に難がある為、詰めの甘さを見せる可能性は否定できないが、仕上がった際には力強い競馬を見せる可能性も指摘しておきたい。

 
・シャンハイロックの22 牡 父:シルバーステート

主導は、同父産駒としては珍しい、Northern Dancer-Natalmaと継続させたNijinsky5×5の系列クロス。この主導は、非常に充足率が高く、当馬の能力の源泉になっている。惜しまれるのが、Nijinskyの父であるNorthern Dancerも同様に5代目からクロスした為、血の集合がやや散漫になった点。とは言うものの、非常にシンプルに血統を作り上げており、孤立しがちなPrincequillo系を、有効世代数が10代目となった点もあるが、5代目Native Dancer内Polymelusを介し主導と連動させた点は妙味がある。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプで、重馬場はこなせる程度。また、本来スタミナ型のNijinskyであるが、Menowを生かした点や、Turn-toの切れ味が連動した点を踏まえると、器用な競馬を見せる可能性を秘める。本格派配合であり、決して日本向きであるとは言い難いが、無事な開花を望みたい一頭。

 
・イストワールファムの22 牡 父:サートゥルナーリア

主導は、その父系であるHalo-Hail to Reason-Turn-toと継続させたサンデーサイレンス4×4の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うSadler’s Wells(=Fairy King)で血統を構成。従って主導としてはやや不明瞭になった点が惜しまれるが、両者は、Nearco.Hyperion.Hail to Reasonで強固に連動しており、その意味では幸運な配合である。また、Mill Reefの中間断絶クロスが、スタミナの核として機能しており、難しい同父産駒としては比較的良くできた配合となっている。本質は、芝向きの中~クラシックタイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。開花率は高いとは言い難いが、動向には注意したくなる血統構成である。

 
・バラダセールの22 牝 父:レイデオロ

主導は、同父産駒としては非常に珍しい、Northern Dancerを伴うLyphard6×5の系列クロス。次いで、Buckpasser.Court Martial.Sir Gaylordの系列クロスで血統を構成している。また、7代目以降ではあるものの、Djbelの系列クロスを、Bayardoを介し主導と連動させ、孤立しがちなPrincequillo系を前述の、Sir Gaylordを介し主導と連動させており、明確な主導を持ち、結合力もなかなかに強固である。惜しまれるのは、世代の新しい父に対し、やや世代が古い母との組み合わせであり、多数の世代ズレを抱えた点だが、そこまで致命的なものでは無く、むしろ母が抱える強靭なスタミナ要素をよく引き出した内容となっている。本質は、芝向きの中~長距離タイプで、ダートや重馬場はこなせる程度。非常にスタミナ優位の配合であり、開花するには相当の鍛錬が必要だが、無事な開花を望みたい一頭。

 
・タイタンクイーンの22 牝 父:ロードカナロア

主導は、最前面でクロスしたMr.Prospector4×4で明確。次いで、Buckpasser.Bold Rulerの系列クロスの影響が強い。また、同様に前面でクロスした、Northern Dancerの中間断絶や、In Realtyの単一クロスが、欧米系の血を上手く纏めながら、しっかりと主導と連動しており、競走馬の血統の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。若干スピード優位な配合ではあるが、Buckpasserの強靭なスタミナは魅力的で、ある程度の距離延長をこなせる下地がある配合となっている。同父産駒としては米系の連動性に良さがあり、成長力も秘めた好配合である。また、早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・エスメラルディーナの22 牡 父:オルフェーヴル

主導は、同父産駒としては珍しい、Hail to Reasonを伴うHalo4×5。次いで、Princely Gift.Lady Angelaの系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、Northern Dancerの中間断絶が結合のアシストをおこなっており、比較的理にかなった血統構成であると言える。惜しむらくは、これといったスタミナの核を持たない点で、父のイメージ程距離が持たないと考えられる点か。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。早期有利なスピード配合である。

 
・ガルデルスリールの22 牡 父:ハービンジャー

主導は、Danzig4×5の系列クロス。その父Northern Dancerを血統の4ブロックに配し、非常に明確に血統をリードしている。次いで、Hail to Reason.Crepello.Sir Gaylord.Lady Angelaの系列クロスで血統を構成。前面のクロスの充足率が非常に高い配合であり、Danzig内はPetitionが、Crepello内はMiuxce.Solarioを、Sir Gaylord内はSometihingroyalを、それぞれクロスさせ、それぞれのクロスが有機的に連動し、しっかりと能力参加しているのが見て取れる血統構成である。惜しむらくは、弱点を派生させた点だが、それ以外は非常にしっかりとした配合であり、同父産駒としてはスピードに良さがある血統構成となっている。本質は、芝向きの中距離~クラシックタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。総合的には優秀な配合であり、無事な開花を望みたい一頭。

 
・サロミナの22 牝 父:ドゥラメンテ

最前面でクロスした、Nijinskyは7×4と世代ズレをおこした為、主導は、その母系であるNatalma-Almahmoudと継続するNorthern Dancer6・6・6・8×5・6の系列クロス。他に強い影響を持ったクロスも無く、非常にシンプルに血統を構成したのが当馬の最大の良さだと言える。また、Ribotを伴うGraustark(=His Majesty)がスタミナの核を形成し、Gold Bridgeを生かした、Ridan(=Thong)7×6がスピードの核を形成するだけでなく、Buckpasserのアシストにより、欧米系の結合が弱くなりがちな、父ドゥラメンテ産駒としては、血統全体の連動性も良好。更にHyperion20連から来る血の流れに良さがあり、決め手を秘める血統個性である。惜しむらくは母の母であるSaldentigerinが豊富に抱える独系が生かされていない点で、やや成長力に疑問が残る部分か。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。開花にはやや時間がかかると想定されるが、無事な開花を望みたい一頭である。

 
・シャクンタラーの22 牝 父:ドレフォン

主導は、血統の4ブロックに配されたMr.Prosopector5・7×4・5の系列クロスで明確。次いで、その父であるNearcticから継続するNorthern DancerやBold Ruler.Turn-toの系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、秘めたスピードにはかなりの良さがある血統構成である。反面、Forliの世代ズレにより、これといったスタミナの核の形成には失敗しており、距離延長の適性は高いとは言い難い点が惜しまれる点である。とは言うものの、血統構成は秀逸であり、開花した際には豊かなスピードを見せる事ができると想定される。本質は、芝・ダート兼用のスプリント~マイルタイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。開花率は高く、早期のスピード対応可能なタイプで、無事な開花を望みたい一頭。

 
・ルナステラの22 牝 父:ルーラーシップ

主導は、同父産駒としてはかなり珍しい、Mr.Prospector4×6の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うNijinskyや、Never Bend.Lady Angelaの系列クロスで血統を構成。惜しむらくは、母の父であるディープインパクトの抱える欧州系のスタミナ要素の生かし方が弱く、距離延長への適性や成長力にはやや不満が残る点か。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場はこなせる程度。早期有利なスピードタイプだが、7代目以降の血の生かし方を見るに、長く脚を使える可能性を秘める点は指摘しておきたい。

 
・メリーウィドウの22 牝 父:ナダル

主導は、Mr.Prospector5・5×4の系列クロスで明確。次いで、Never Bendの系列クロスや、Northern Dancerを伴うNijinsky、Princequilloを伴うPrince Johnで血統を構成。当馬の最大の武器はこの部分で、明確な主導を作り上げながら、スピード・スタミナのアシストが厚い配合となった点にあり、これらクロスの位置関係も良好である為に、安定感のある血統構成であると言える。また、Turn-toの世代ズレは惜しまれるが、Hail to Reasonの単一クロスが結合のアシストを行っており、競走馬の血統の背骨を形成する主導・結合の評価は高い配合となっている。本質は、ダート向きの中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。Mr.Prospector主導の配合としてはスタミナに良さがあり、ある程度の距離延長適性を秘める血統構成であると言える。

 
・ジュベルアリの22 牝 父:ナダル

主導は、前面でクロスしたPulpit3×4を呼び水としたMr.Prospector5・5×6の系列クロス。次いで、Turn-toを伴うHail to Reasonで血統を構成。主導としてはやや不明瞭な配合となった点は惜しまれるが、Pulpitの呼び水の効果は上々で、Princequillo.Bold Ruler.Hail to Reasonを内包しており、その役割をしっかりと果たしている。この結合力が当馬の最大の武器であると言える。本質は、ダート向きの中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度。重馬場は得意なタイプ。新世代を生かした配合として注目したい一頭である。

 

・モアナの22 牡 父:ミッキーアイル

主導は、非常に血が濃いものの、サンデーサイレンス3×4の系列クロス。次いで、Lyphard.Be My Guestの系列クロスで血統を構成。また、Wild Riskの中間断絶や、His Majsestyの単一クロスがスタミナの核を形成し、一介の早熟タイプでは無い血統構成となった点は幸運。加えて、Gold Bridgeを生かしたSpecial(=Thatch)がスピードの核を形成し、ややスタミナ優位の配合となっているものの、スピードにも良さがある血統構成となっている。近親度の強さから来る突然の不調や怪我には注意が必要なタイプだと考えらえるものの、理にはかなっており、好調期には強い競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・プチノワールの22 牡 父:サトノダイヤモンド

主導は、父の傾向を引き継ぎ、いまだ珍しく血が濃いが、Glorious Song(=Devil’s Bag)5×3の系列クロス。次いで、Raise the Standard.Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。この三者の連動性は非常に高く、Raise a Nativeのスピードアシストや、Bustedのスタミナがアシストされ、父の再現性は比較的高い。惜しむらくは、やはり血が濃い点と、主導内において弱点を派生させた点で、父のイメージ程距離が持たないと考えられ、また安定性にも欠ける血統構成だと考えられる点か。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。同父産駒としては珍しく早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ジャポニカ―ラの22 牝 父:サトノダイヤモンド

主導は、Haloを伴うサンデーサイレンス3×4。次いで、Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。Haloの単一クロスを軸にAlmahmoudを主導とした父の傾向を引き継いでおり、全体的にシンプルな血統構成となった点も踏まえると、開花率は高く、早期の活躍が見込める血統構成である。惜しむらくは、これといったスタミナの核の作成に失敗した点だが、Hyperionのアシストや、Raise a Nativeのスピードは魅力的で、牝馬としては、悪くないスピード・スタミナ比率だと言えないことも無い。本質は、芝向きのマイルタイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ギエムの22 牡 父:アドマイヤマーズ

主導は、Northern Dancer-Natalmaと継続させたSadler’s Wells6×4の系列クロス。次いで、Hail to Reaosn.Mr.Prospectorの系列クロスで血統を構成。本来スタミナ型のSadler’s Wellsクロスだが、当馬の場合スピードのアシストが非常に厚い配合となっており、血統全体の連動性も踏まえると、距離延長の適性は高いとは言い難い。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。同父産駒としては異色の血統構成であり、動向に注意したい一頭である。

 
・モルジアナの22 牡 父:サートゥルナーリア

主導は、Northern Dancerを伴うSadler’s Wells4×5。次いで、Mr.Prospector.Haloの系列クロスで血統を構成。配合の難しい同父産駒としては、非常にシンプルな血統構成となっており、Sir Gaylord.Mill Reefにより孤立しがちなPrincequillo系を主導と連動させており、合わせて系列クロスを形成したBuckpasserを加えスタミナの核を形成。血統全体でこれと言った弱点も無く、安定感のある血統構成。生かされたクロスの質は非常に高く、底力勝負可能。本質は、芝向きのマイル~クラシックタイプで、距離適性の幅は広いタイプ。ダート・重馬場はこなせる程度。開花率は高いとは言い難いが、血統構成は秀逸であり、無事な開花を望みたい一頭である。

 
・マルーンエンブレムの22 牡 父:スワーヴリチャード

主導は、前面でクロスしたサンデーサイレンス3×4の中間断絶を呼び水としたHail to Reason5・8×6の系列クロス。次いで、Mr.Prospectorの系列クロスで血統を構成。配合の難しい同父産駒としては比較的良くできており、Northern Dancer.Rivermanの中間断絶が結合のアシストを行っており、結合面も悪くはない。惜しむらくは、母の父オルフェーヴルが抱えるメジロマックイーン内の生かし方が弱い点で、成長力にはやや欠けると想定される点か。早期有利なスピードタイプ。

 
・ジーナアイリスの22 牝 父:ニューイヤーズデイ

主導は、Halo6×4の系列クロス。次いで、その父母であるNearctic/Natalma共に系列クロスを形成したNorthern Dancerで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、ここが当馬の最大の武器であると言える。また、扱いが難しいメジロマックイーン内においてBlue Eyed Momo.Alycidonを系列クロスにし、しっかりと能力参加させた点は評価できる。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。比較的長く脚を使える可能性を秘める点は指摘しておきたい事実である。

 

今回は、シルクホースクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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