キャロットクラブ2023注目馬血統診断(2022年度産)

キャロットクラブ2023注目馬血統診断(2022年度産)

今回の血統研究所は、各一口クラブの中で、血統的に見どころがある配合を何頭かピックして、簡易評価を行いたいと思います。
あくまでも簡易評価ですので、細かいところまでは出しませんが、配合的に優秀である。スピード・スタミナにかなりの良さがある。日本向きの配合である。このあたりを基準にしていきたいと、考えております。

※一口クラブはあくまでも金融ファンドであります。実際の競馬においての損害等は、あくまでも自己責任となります。当方は、一切の責任を負いません。また、考察の順番に配合の良し悪しは、関係ありません。更に、あくまでも血統表のみでの考察になりますので、馬体や気性面においての評価は行っておりません。それを踏まえてご閲覧頂ければ幸いであります。

では、今回はキャロットクラブです。

 
・アヴェンチュラの22 牡 父:ロードカナロア

主導は、Northern Dancerを伴うNureyev5×4及び、トライマイベスト(=El Gran Senor)5×4。両者はその父Northern Dancerで強固に結合するものの、できる事ならば、どちらかが5×5となった方が良かったと言える。とは言うものの、それぞれのクロスの充足率は高く、NureyevはNasrullah.Gold Bridgeを生かし、トライマイベスト(=El Gran Senor)はTom Fool.War Admiral-Man o’War.Blue Larkspur.Alibahaiを生かすなど、その能力形成にしっかりと役割を果たしている。また、Hyperion21連から来る血の流れは強靭で、Turn-toの中間断絶クロスも連動した点を踏まえると、決め手ある競馬を見せられるタイプ。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。開花は比較的早いと想定される。

 
・リリーバレロの22 牡 父:キタサンブラック

主導は、父の傾向を引き継ぎ、Northern Dancerを伴うLyphard5・5×5。次いで、Bold Rulerの系列クロスや、Turn-toを伴うSir Gaylordで血統を構成。また、土台構造をNearco21連で形成し、父の能力源であったGainsboroughの仔であるHyperionを15連と、その傾向をしっかりと引き継いだ点が最大の長所。また、孤立しがちなPrincequillo系をSir Gaylordで、Tourbillon-KsarをAmbiorixにより主導と連動させており、競走馬の血統の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。惜しむらくは、8代目以降に存在する米系の結合が弱い点と、弱点を派生した点か。それでも、ユアハイネスクロス等、古くから国内に根付いた血を上手く利用している点が見てとれ、手作り感のある血統構成である。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。晩成型の血統構成ではあるが、着実に成長するタイプである。

 
・ハープスターの22 牡 父:サートゥルナーリア

前面でクロスしたサンデーサイレンス4×3は、Hail to Reason-Turn-toがクロスするものの、ほぼ単一クロスの為、主導はNorthern Dancerを伴うSadler’s Wells(=Fairy King)4×4。主導の明確性にやや難があるものの、サンデーサイレンスや、Sir Gaylordクロスにより結合に良さがあるのが、当馬の血統構成の最大の武器であると言える。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。ゆっくりと成長するタイプである。

 
・パルクデラモールの22 牝 父:サートゥルナーリア

前面でクロスしたサンデーサイレンス4×3は、Hail to Reason-Turn-toがクロスするものの、ほぼ単一クロスの為、主導は、Syrian Sea(=Secretariat)6・7×5の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うNijinskyの影響が強い。主導は不明瞭な配合だが、Sir Gaylord等のアシストもあり結合の強固さが当馬の武器である。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。比較的距離適性の幅は広いタイプ。

 
・メリートの22 牡 父:ドゥラメンテ

主導は、Northern Dancer6・6・6・8×5・6の系列クロス。次いで、父の主導であったHornbeamやAlmahmoudの系列クロスで血統を構成。また、Native Dancerを伴うRaise a NativeやTurn-to.Nasrullahのスピードがアシストされている。良く父を再現した点が最大の長所で、血統全体でHyperionを21連持つ事が、雄弁にそれを物語っている。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。開花は普通といった所だが、国内向きのスピードにはかなりの良さがある配合である。

 
・レオパルディナの22 牝 父:ドゥラメンテ

主導は、同父産駒としては珍しいMr.Prospector4×4の系列クロス。かなり明確な主導に見えるが、血統の2ブロックにのみ影響を及ぼしている為、そこまで明確な主導足り得なかったのが惜しまれる部分である。とは言うものの、Nijinsky-Northern Dancer.Buckpasser.Hornbeamの系列クロスを形成し、良く母の特徴を捉えた配合となっている。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・フォトコールの22 牝 父:ドゥラメンテ

前面でクロスしたMr.Prospector4×5・6は中間断絶の為、影響はやや弱く、主導はNorthern Dancer6・6・6・8×4・6・6・6の系列クロス。次いで、Buckpaseerや、Hail to Reasonクロスで血統を構成。この配合の良さは、その血の集合力にあり、圧倒的に強調した母の父Galileoに、前述のクロスを全て配しており、仕上がった際には、迫力ある競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。開花の早さは普通といった所。

 
・マラコスタムブラダの22 牝 父:ドゥラメンテ

主導は、Northern Dancer-Natalmaと継続させたNijinsky7×5の系列クロス。一見明確な主導に見えるが、その父であるNorthern Dancerも5代目から影響を行使した点や、Hail to Reasonも5代目から系列クロスを形成しており、血の集合力にやや弱さがあり、ここが当馬の配合の限界点である。とは言うものの、各クロスの連動性は非常に高く、安定感のある血統構成となった。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。開花は遅めだが、着実に成長するタイプ。

 
・リラヴァティの22 牝 父:レイデオロ

主導は、同父産駒としては比較的珍しいMr.Prospector4・5×5の系列クロス。次いで、Hail to Reason.Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、Mill Reefの結合アシストもあり、血統全体の連動性も高い。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。開花は比較的早いと想定される。

 
・ローガンサファイアの22 牝 父:レイデオロ

主導は、母の傾向を引き継ぎ、Hail to Reason6×5の系列クロス(父内9代目Hail to Reasonは世代ズレと判定)。次いで、Tom Foolを伴うBuckpasserや、Northern Dancerの中間断絶で血統を構成。同父産駒としては、珍しくシンプルな配合になっており、ここが当馬の配合の最大の長所。特に米系の連動性に良さがあり、ここは見るべき部分である。本質は、ダート向きのマイル~中距離タイプで、芝は慣れればこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。開花は遅く、晩成型の血統構成である点は注意が必要。

 
・アロマドゥルセの22 牝 父:レイデオロ

主導は、Hail to Reason6・9×5・7の系列クロス。次いで、Northern Dancerの中間断絶で血統を構成。この配合の面白い所は、主導勢力が、米系をしっかりと取りまとめ、ウインドインハーヘア. Blakeney. Never Bendのクロスにより欧州系の特殊な血をしっかりと主導と連動させた点にあり、ここが当馬の能力の源泉。本質は、芝向きの中~クラシックタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。開花は遅く、晩成型の血統構成である点は注意が必要。

 
・ベルディーヴァの22 牝 父:レイデオロ

主導は、同父産駒としては珍しい、Northern Dancerを伴うNureyev5×3。主導内はGold Bridgeの落失こそ惜しまれるものの、その父であるNorthern Dancerを血統の4ブロックに配し明確に主導をリードしている。次いで、Hail to Reasonの系列クロスで血統を構成し、米系の連動性に良さがある配合となった。本質は、芝向きのマイルタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。早期有利なスピード配合である。

 
・クァンタムミスの22 牡 父:ナダル

主導は、父の傾向を引き継ぎ、Mr.Prospector5・5×4の系列クロス。次いで、Hail to Reason.Buckpasserの系列クロスや、Missy Baba.Northern Dancerのクロスにより血統を構成。また、前述のBuckpasserと並んで、Graustark(=His Majesty)の中間断絶クロスが、スタミナの核を形成。一介のスピードタイプでは無い配合となった点は見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。開花は比較的早く、早期の中距離対応が可能なタイプ。

 
・ボールドアテンプトの22 牡 父:ナダル

主導は、いまだ珍しいRoberto5×4の系列クロス。次いで、Northern Dancerを伴うNijinskyで血統を構成。非常にスタミナ優位の配合形態であり、孤立しがちなPrincequillo系もMisty Mornクロスを介し主導と連動させる等、父のイメージよりも明らかにスタミナ優位の配合となった。本質は、芝・ダート兼用の中~長距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。やや世代のバランスに難があるのが惜しまれ、安定感に欠ける可能性は否定できないものの、仕上がった際には迫力ある競馬を見せる可能性を秘める。開花は普通といった所だが、相当の鍛錬が必要なタイプ。

 
・カイカヨソウの22 牝 父:ナダル

主導は、父母の傾向を引き継ぎ、Mr.Prospector5・5×4・5の系列クロス。次いで、Hail to Reasonの系列クロスで血統を構成。また、Northern Dacner.Seattle Slew.Prince Johnクロスにより、結合をアシストしており、競走馬の血統の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。またクロスした血の質は、全体的に高く底力勝負が可能な血統構成。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。開花は比較的早いと想定される。無事な開花を望みたい一頭である。

 
・マイミスリリーの22 牝 父:サトノダイヤモンド

主導は、Haloを呼び水とした、父の傾向を引き継ぎ、Halo4・5・6×6の系列クロス。次いで、Northern Dancer. Buckpasserの系列クロスで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、主導・結合といった血統の背骨を形成する評価は高い配合となっている。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。早期有利なスピード型配合である。

 
・シンハリーズの22 牝 父:サトノダイヤモンド

主導は、Haloを呼び水とした、父の傾向を引き継ぎ、Glorious Song(=Devil’s Bag)5×3の系列クロス。次いで、Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。やや血が濃いものの、理にかなった配合であり、主導内の充足率はやや低いものの、素軽いスピードを期待できる血統構成となっている。本質は、芝向きのマイルタイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ディアデラマドレの22 牝 父:ドレフォン

主導は、Mr.Prospector5×4の系列クロス。その父であるRaise a Nativeを血統の4ブロックに配し、ドレフォン産駒としては主導が明瞭になった点が最大の長所。次いで、Hyperion直系である、Forliの系列クロスで血統を構成。従って本質的な父母の相性は良好とは言い難いが、この両者が、Northern Dancerの中間断絶で連動したのは幸い。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場はこなせる程度。開花は比較的早く、粘りある末脚を使えるタイプ。

 
・ティンバレスの22 牝 父:オルフェーヴル

主導は、その父系であるNearctit-Nearcoと継続させた、Northern Dancer5・5×6の系列クロス。他に強い影響を持ったクロスは無く、この主導は明確である。また、Hail to Reasonの中間断絶クロスにより米系を、Sanctusの単一クロスにより欧州系をとりまとめ、それぞれ主導と連動する様は、なかなかに見事であり、ここが当馬の能力の源泉であると言える。更に、扱いが難しいメジロマックイーン内においても、必要なクロスを形成しており、特にPanをクロスさせ主導と連動させた点は妙味がある配合であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。開花は比較的遅めだが、ゆっくりと着実に成長するタイプであり、長く脚を使える可能性を指摘しておきたい。

 
・バウンスシャッセの22 牝 父:ブリックスアンドモルタル

主導は、位置の関係から、Hail to Reasonを伴うHalo6×4。次いで、その父系であるNearcticから継続するNorthern Dancerの系列クロスで血統を構成。主導勢力としてはやや弱いが、Haloを主導とした点もあり、米系の連動性が高く、6代目からクロスしたRed Godのスピードアシストが非常に強力で、同父産駒としてはスピードにかなりの良さがある配合となった。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。国内のスピード競馬に向いた血統構成であり、早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ヴィータアレグリアの22 牡 父:ゴールドドリーム

主導は、サンデーサイレンス3×3の中間断絶を呼び水とした、Turn-toを伴うHail to Reason5×5・6。次いで、Mr.Prospector.Nijinsky-Northern Dancerクロスで血統を構成。比較的、父母の世代がそろった配合であり、安定感のある血統構成。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・スプリングゲイルの22 牡 父:スワーヴリチャード

主導は、かなり血が濃いものの、Halo-Hail to Reasonと継続させたサンデーサイレンス3×4の系列クロスで明確。次いで、Northern Dancerを伴うLyphardや、Hornbeamの影響が強い。従って、父の父であるハーツクライの特徴を良くとらえており、ここが最大の長所である。また、質の高いスタミナ源であるLe Fabuleuxをクロスさせ、主導と直接結合させた点は見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。血の集合にかなりの良さがあり、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性を秘める点を指摘しておきたい。

 
・ダイワオンディーヌの22 牝 父:スワーヴリチャード

最前面でクロスした、トニービン4×3は中間断絶の為、主導はNorthern Dacner6・8×5・6の系列クロス。やや主導の明確性が損なわれた点は惜しまれるが、トニービン内の充足率は非常に高く、欧州系の取りまとめ役として十全に機能している点が見て取れ、ここが当馬の能力の源泉であると言える。また、土台構造をNearco17連で形成し、その血の流れに良さがある点も見るべき部分である。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートはこなせる程度で、重馬場はやや苦手とするタイプ。開花は比較的遅く、ゆっくりと着実に成長するタイプである。

 
・ギーニョの22 牡 父:ニューイヤーズデイ

主導は、Hail to Reasonから継続するHalo6×4の系列クロスで明確。次いで、Natalmaから継続するNorthern Dancerで血統を構成。非常にシンプルな配合であり、Swaps-Khaledのスピードアシスト等、強調されたサンデーサイレンスのスピードを良く再現している。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・リチュアルローズの22 牡 父:マインドユアビスケッツ

主導は、その父系であるHail to Reason-Turn-toと継続させたHalo6×4の系列クロス。次いで、その父であるNearcticから継続させたNorthern Dancerの系列クロスで血統を構成。また、Tom Foolの系列クロスがスピードをアシストしており、かなりスピードに恵まれた配合となった。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場もこなす全天候型。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・ブルーメンクローネの22 牝 父:ミッキーアイル

前面でクロスした、サンデーサイレンス3×4は単一クロスの為、影響は弱く、主導は、Northern Dancer-Natalmaと継続させた、Nureyev4×5の系列クロス。サンデーサイレンスクロスにより主導の明確性や、血の集合が散漫になった点は惜しまれるが、Turn-toを伴うSir Gaylordが、孤立しがちなPrincequillo系の結合をアシストし、主導内は、Hyperion,Nasurullah. Rough Shod- Gold Bridgeを生かすなど、血統全体の再現性が高く、ここが当馬の能力の源泉であると言える。本質は、芝向きのマイルタイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。スピード優位の配合であるが、開花には比較的時間がかかると想定される。

 
・アンフィトリテの22 牝 父:ミッキーアイル

前面でクロスした、サンデーサイレンス3×4は単一クロスの為、影響は弱く、主導は、Northern Dancerを伴うNureyev4×6。次いで、Native Dancerを伴うRaise a Nativeがスピードをアシスト、同父産駒らしいスピードに恵まれた配合となった。本質は、芝向きのスプリント~マイルタイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。早期のスピード対応可能な血統構成。

 
・コンダクトレスの22 牝 父:ルーラーシップ

前面でクロスした、トニービン3×4は単一クロスの為、主導は、その父系であるNorthern Dancer-Nearcticと継続させたNureyev5×5の系列クロス。惜しまれるのは、その父であるNorthern DancerやHornbeamも5代目からクロスしており、血の集合がやや散漫になった点か。とは言うものの、トニービン内は、前述のHornbeamをはじめとして、Prince Chevalier-Prince Rose. Chanteur. Gold Bridge.Nasrullah-Nearco. Court Martial-Fair Trial. Bois Roussel. Rockfoil-Felsteadとクロスさせ、エアグルーヴを強調し、La Farinaをクロスさせる等、質の高い血を存分に生かした血統構成となっている。また、血統全体でHyperion21連、Nearco21連とクロスさせ、その血の流れにかなりの良さがある血統構成となっている。本質は、芝向きの中距離~クラシックタイプで、ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。血の流れに良さがある為、決め手を秘めた血統構成。

 
・ヴィートマルシェの22 牝 父:サトノアラジン

主導は、父の傾向を引き継ぎ、Northern Dancerを伴うLyphard5×4で明確。次いで、Bold Ruler.Roman.Never Bendの系列クロスで血統を構成。また、Turn-toを伴うSir Gaylordが、孤立しがちなPrincequillo系を主導と連動している点や、Djbel-Tourbillon-Ksarと系列クロスを形成し、Ksarを介し主導と直接結合した点は見るべき部分であり、この結合力が当馬の最大の武器であると言える。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。決め手ある末脚を見せるタイプ。

 
・アドマイヤセプターの22 牡 父:シスキン

前面でクロスした、Mr.Prospector6・6×4は中間断絶クロスの為、主導は、Northern Dancerを伴う、トライマイベスト(=El Gran Senor)5×5。主導としては、前述のMr.Prospectorクロスや、Hail to Reasonの系列クロスにより、やや不明瞭になった点が惜しまれるものの、Buckpasser.Best In Showをクロスさせる等、主導内の充足率は非常に高く、仕上がった際には力強い競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプで、重馬場もこなす全天候型。開花には時間がかかる晩税型。

 
・ヴィアンローズの22 牡 父:シルバーステート

主導は、Northern Dacnerを伴うNijinsky5×4。その父であるNorthern Dancerを血統の4ブロックに配し非常に明確。次いで、同様にNorthern Dancerの仔であるLyphard5×6や、父の主導であったTurn-toを伴うHail to Reasonで血統を構成。非常に隙の少ない血統構成であり、これといった弱点も無く、Le Haarがスタミナの核を形成。また、Bold Rulerの系列クロスがスピードを補給している。7代目以降においてもDjbelの系列クロスを、Lyphard内Ksarを介し能力参加に成功させており、サラブレッドの血統の背骨を形成する、主導・結合の評価は高い。やや血の集合が散漫になった点は惜しまれるものの、土台構造をPharos(=Fairway)23連で形成し、その血の流れにかなりの良さがある。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプで、重馬場もこなす全天候型。開花の兆しは、父のような先行押切の競馬を見せるようになった時か。是非とも無事な開花を望みたい一頭。

 
・マイティースルーの22 牝 父:リアルインパクト

主導は、その父系であるNative Dancer-Polynesianと継続させた、Raise a Native5×5の系列クロス。次いで、Hail to Reason.Northern Dancerの系列クロスで血統を構成。従って、主導としてはやや不明瞭になった点が惜しまれる。とは言うものの、これらクロスの連動性は比較的高く、単一クロスとなったHold Your Peaceが結合をアシストし、欧米系の連動性が高い配合となった。本質は、ダート向きのマイルタイプで、芝は慣れればこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。開花はやや遅め。

 
・ヒカルアモーレの22 牡 父:ワールドエース

主導は、その父系であるNearctic-Nearcoと継続させたNorthern Dacner5・6×6の系列クロス。かなり明確な主導に見えるが、同様に系列クロスを形成したHail to Reasonも5代目から影響を行使しており、主導の明瞭性に影を落とした点が、非常に惜しまれる。とは言うものの、独系統を含んだ為、種牡馬としては難しい部分を持つワールドエースだが、当馬の場合はTicinoが系列クロスを形成し、かろうじて弱点の派生を防いだ点は見るべき部分であり、有効世代数が10代目となった点もあるが、Princequillo系も主導と連動しており、この連動性が当馬の能力の源泉であると言える。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。開花には相当の鍛錬が必要なタイプであり、晩成型の傾向を示す血統構成をしており、長い目で見たい配合馬である。

 
・Eutheniaの22 牡 父:Blue Point

主導は、現在でもかなり珍しいRiverman6×5の系列クロス。その父Never Bendを血統の3ブロックに配し、かなり明確な主導となった。次いで、Northern Dancer-Natalma.Whinstler.Bold Rulerの系列クロスや、Hail to Reasonを伴うRobertoで血統を構成。これらクロスは自身の土台構造を24連で形成したNearcoで強固に連動しており、その仔Nasrullahが19連と、非常にスピードに恵まれた配合となっている。また、Buisson Ardent(=Venture)が、War Relic-Man o’War-Fair Playを主導と連動させ、Native Dancerを伴うRaise a Nativeや、前述のWhinstler.Bold Rulerが強烈なスピードをアシストしており、非常にスピードに良さがある血統構成となっている。本質は、芝向きのスプリント~中距離タイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。影響度バランスも(4-2-5-3)と、外交的な配合ながらしっかりと母の父であるWinker Watsonを強調し、その部分に血の集合も存在する為、決め手ある競馬を見せられるタイプ。繰り返しになるが、非常にスピードに恵まれた配合であり、やや晩成型のきらいはあるものの、開花した際には、上位クラスにおいても十分に通用するスピードを秘めた好配合である。是非とも無事な開花を望みたい一頭。
 
・キャンプロックの22 牡 父:キズナ

主導は、母の傾向を引き継ぎ、Northern Dancer5・6×4・6・6・7の系列クロスで明確。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason5×6・7・7や、父の父ディープインパクトの隠れたキーホースであるPocahontas6×7、Bold Ruler6×8の系列クロスで血統を構成。惜しむらくは、父キズナの種牡馬としてのアキレス腱であり、重要な要素でもあるPacific Princessの世代が古い為、重厚なスタミナ源となり得るAlycidon(=Acropolis)- Donatello/Auroraが世代ズレをおこし、そのスタミナ勢力が半減した点。ここがしっかりとクロスできていれば、もうワンランク上の評価もできるだけに、残念であるとしか言いようがない。とは言うものの、明確な主導と、Hail to Reason.Pocahontasの結合アシストを受け、米系の血や、孤立しがちなPrincequillo系をしっかりと主導と連動させ、結合こそ果たされていないものの、7代目以降でDjbelを系列クロスにするなど、配合の方向性自体は合っている。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。また、血の集合を、圧倒的に強調した、母の母Camporeseへと集合させた為、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性を秘める点は指摘しておきたい事実である。開花は比較的早いと想定される。

 
・ダイワプロパーの22 牡 父:サートゥルナーリア

主導は、かなり血が濃いものの、サンデーサイレンス4×3の系列クロス。次いで、Bold Ruler7・8×6の系列クロスや、若干位置関係が悪いものの、Northern Dancerを伴うNijinsky6・8×6で血統を構成。惜しむらくは、Crimson Satan内に欠陥を派生させた点で、前述の血の濃さを踏まえると、安定感には欠ける可能性は否定できない。とは言うものの、配合の難しい同父産駒としては、シンプルな血統構成となっており、土台構造を形成するNearco20連からの血の流れの良さが当馬の最大の長所。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなせる全天候型。開花はかなり早く、早期有利のスピード配合である。

 

今回は、キャロットクラブの1歳馬のピックをおこなってみました。あくまでも自分なりの目線でのピックですが、これ以外にも、勿論キラリと光る部分を持つ配合馬は含まれております。このような記事でも、一口馬主の皆様の参考や楽しみになれば幸いです。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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