新馬・未勝利戦勝ち馬より =イモータルバード=

新馬・未勝利戦勝ち馬より =イモータルバード=

イモータルバード(24/03/30、3回中山3日3R、ダ1800m未勝利)2番人気1着

レイデオロ×アスカビレンbyブラックタイド.

 

3月30日、3回中山3日3R、3歳未勝利というやたら3が並んだレースを勝ち上がったのはイモータルバード。過去4走の芝コースから初ダートへの挑戦は、5馬身差の完勝となりました。

父レイデオロ×母父ブラックタイドという組み合わせの2021年産馬は2頭登録されておりましたが、出走したのはこのイモータルバードのみ。同血の組み合わせである父レイデオロ×母父ディープインパクトの2021年産馬は、現時点で18頭出走して勝ち上がりが4頭となっており、今後の傾向が楽しみでもあります。

 

イモータルバードの母アスカビレンはJRA芝1600~1800mで6勝を挙げた活躍馬で、主な勝鞍は六甲S(OP_阪神芝1600m)。ブラックタイド産駒の中で最も賞金を稼いだ牝馬でもあります。

イモータルバードの血統的特徴は父レイデオロ×母父ブラックタイド(=ディープインパクト)が持つ、ウインドインハーヘア 4×3 のクロスですが、イモータルバード自身においてこのクロスはただ単発的にクロスとなったわけではなく、実は母アスカビレンに至るまで脈々と受け継がれてきた牝馬クロスであることを、今回は見て行きたいと思います。

 

まず母アスカビレンが持つウインドインハーヘアに関するクロスを並べてみると、ウインドインハーヘアの母Burghclereと、母母父Nashwanの母Height of Fashionの3/4同血クロス 3×4 (Burghclereが父Busted×母Highclere、Height of Fashionが父父Busted×母Highclere)、Highclereの3代母Feolaが 7×8・9・8、Feolaの母Aloe(=Foxlaw)の 9*8×9・9 などがあります。では、このクロスの旅は何処から始まったのでしょうか。

 

事の起こりはNashwanの母Height of Fashionが持つFeola 5×4。Height of FashionにBlushing Groomが繋けられ誕生したNashwanは英ダービー1着馬ですが、Feolaについてはアウトクロス。

イモータルバードの3代母となるヴィヴァットレジーナは父がNashwan、母父がCaerleon。Caerleonは母父Round Tableの母母がFeolaなので、ヴィヴァットレジーナはFeola 7・6×6 のクロス持ちに復活。

イモータルバードの2代母スウェプトレジーナは父がスウェプトオーヴァーボードでFeolaについてはアウトクロスですが、Feolaの母Aloeを辛うじて持っており(父エンドスウィープの母父Dance Spellの5代母!)、薄いながらもAloe 9×8・9・8 とクロスを繋ぎ、そして前述のアスカビレンからイモータルバードへと繋がっていきます。

 

クロスはただただ作ればいいのではなく、それまでにどれだけ厳選され選抜され蓄積されてきたか。そのクロスの履歴書たる血統表をきちんと読み取っていかなければ、どんなクロスもただただ血統表の赤いシミとなって終わってしまう。そんなことを、イモータルバードの血統表は教えてくれているように思います。

競馬ファットフィンガーカテゴリの最新記事