伝わらない思いとスプリンターズS

伝わらない思いとスプリンターズS

三浦皇成騎手、おめでとう!
素晴らしい判断だった。
ウインカーネリアンも強かった!

パドックを見て、ジューンブレアとウインカーネリアンから、ママコチャ、ナムラクレア、サトノレーヴに流そうと考えてやめた。
前日までに考えた馬券は、サトノレーヴとママコチャ軸だった。
パドックを見ても、ママコチャ、ナムラクレア、サトノレーヴの出来は素晴らしく見えたし、強い馬たちが強い競馬をして…そこに、邪智を持ち込むのは競馬への冒涜に思われた。
俺は良いレースが見たいというのが第一義だから。
買う金も残っていたし、買っていれば、照れ隠ししながら生活が楽になった、俺はついてる、さすがピロ理論パドックだと、調子こいてただろう。
だが、果たしてそんなふうにして得た金に何の価値があるのか?
それで救われる俺に何の意味があるのか?
そんなふうに感じてしまった。

多摩川でイン逃げ万舟を拾い、秋初めてのG1ということで、余裕を持った資金で週末を迎えた。
土曜は展開読みが外れ続けた。
こいつら勝つ気あるのか?
銭が賭けられとるのわかってんのか?
しらけ気味に終わった。
真夜中に目覚め、スプリンターズSだけに集中するべきじゃないか?と思い、いろいろな方向から考え直してみた。
本筋の馬券はもう買ってあったし、それで決着でかまわないとおもいながら…

ナムラクレアは高松宮記念、3年連続2着。
スプリンターズSはここ2年連続3着。
ナムラクレア3着固定が良いんじゃないか?
それなら、軸にはサトノレーヴよりナムラクレアなんじゃないか?
相手はどうなるだろう…
前を買いたいが、前に行きそうなのは外枠に固まってる。
人気の有力馬は中から内、大崩れはないかな?
外を3列目、2列目に入れるには、外から内というフォーメーションになってしまうし、点数が多すぎる。
13-14-15-16→13-14-15-16→4-6-7で18点。
これは俺のスタイルではない。

まず、外のどれが逃げるのか?
内で速そうなピューロマジックは抑える宣言…
ママコチャは2列目、サトノレーヴはその後ろ、その後ろにナムラクレア…
外には去年の覇者ルガルがいる。
ペース耐性もあり、去年の勝ち方はインパクトがあった…
内から武豊、戸崎、川田、三浦…
三浦は大外だし、すぐ内に川田とルガル…絶望的な並びだろう。
ひょっとしたら、武豊が行くかもしれない…
武豊が行き、戸崎次第だが川田はポジションを譲らないだろう。
そうなると、武豊の平均的なペースの逃げにしても、すぐ後ろにママコチャより1列前で競馬できる川田とルガル…
ペースより厳しい競馬になると、後ろにチャンスが出てくるはず…

こんな思考で迎えたスプリンターズSのパドック。
人気3頭を見て、すごいレースが見れるんじゃないかと思った。
余計なことをせずにレースを見て、最終で勝負すれば良いと…
パドック、輪乗りとルガルの発汗が気になった。
杞憂に終わるだろうと思っていた。
去年の覇者、厳しいペースを踏ん張れる強い馬、鞍上は鬼川田。
ゲートが開き、川田とルガルが出遅れる。
すべてが終わった瞬間だった。

どこの方面からも馬券の正解はあった。
ナムラクレア3着、武豊の逃げ残りから…
頭の隅に、ナムラクレア悲願のG1制覇という、1番ない展開もあった。
香港で、欧州で結果を出し続けるサトノレーヴの情けない姿など見たくない。
適性が…血統が…そんなのを聞きたくない。
負けたのなら弱い。
だが、負けて強しというところが見たい。
いまだに、俺の中のスプリンターは冬枯れの中山で、序盤から死闘。
短距離は先を取れなければ負け。
後の先は次善の策、事前の策では負け。
息を止め、リング中央で殴り合うボクサーのような勝負。
苦しいと、先に顔を上げたものが這いつくばることになる。
ヤマニンゼファー、サクラバクシンオー、エイシンワシントン、フラワーパーク。
本当はそうじゃないのかもしれないが、俺の記憶の中ではみな、勝ちに行くために前に食らいつく。
喰らいついたら、力尽きるまで離さない。
スプリンターズは、旅の風下にたったら負け。
魂を揺さぶる勝負がそこにはあったと思う。
人の及ばぬ、力、パワーを感じ、魂が震えたと…

嫌な言い方になるが、それを行うのも大変だと思うが、武豊が作った道を三浦皇成はついていった。
ウインカーネリアンはそれによく応えた。
素晴らしい勝利だった。
馬券を買っていたら、こんな伝わらない思いを持つことはなかったのか?
今の俺にはわかる。
これは性分なのだ。
生まれ持った性分なのだ。
スプリンターズSは誕生日だった。
俺の性分では買えない当たり馬券だった。
かつて取った十万級の馬券は、ほとんどが平場。
言っちゃ悪いが、何がどうなってもいいレース。
狙って取ったのは、誰が勝ったか忘れるような桜花賞と、キタサンブラックのジャパンカップ。
両方とも厚めに張ってのもの。
単価が10万を超えるものではない。
sorry baby、誰かさんみたいに、俺にそんな馬券買えんから…
そんな俺を許すかね?

スプリンターズSが終わり、チャンネルをボートレース宮島に。
ちょうど、ヤングダービーの優勝戦だった。
この節、インで強さを見せていた1号艇新開航を、3号艇の井上忠政がまくり引波に沈める。
そこに捲り差し、舳先を入れた5号艇の前田滉。
その最内を差し込んできた2号艇の中山翔太。
2マークは内に前田、外で握った井上。
井上が流れ、前田が堪えたが、その内を差した中山。
トップが入れ替わり、まだ誰が勝つかわからない。
2周目1マーク、2マークと必死の差しの前田。
3周目直線で舳先がかかる。
先に回る前田、握る中山…
前田が先に回り、中山が少し流れたところに…
3着だった井上がぶつかり、中山は転覆。
ゴール入線は5→3→1だったが、井上は妨害失格で、確定は5→1→6。
若さ故か、ボートレースの本質か、荒いレースとなったが…
最後までわからない、熱いレースだった。
こんなレースが、今の競艇でも出来るのか…
経験豊富なSG級のレーサーなら、もっとスマートに決着はするだろう。
もし、このレースを買っていたら…
外れても納得だったのではないか?
おそらく買い目は、1-3→1-3-5→1-3-5-6だったと思うが…
何事もなければ、2-3-5の中で決着していたろう。
でも、一旦は捲りを決め、新開航を引波に沈めた井上忠政が、2着競りになったとはいえ、艇間は空いていたとはいえ、あの最終1マークの突っ込みはわかる気がする。
多くの舟券を背負っているからこそ、1つでも上の着順を…
公営競技、金がかかってるからとはいえ、これがレースの本質。
1つでも上を目指し、みなが全力を出し切る。
全力を出すのは当たり前。
全力を出し切るからこそ、公営競技、博打の駒としての役目を果たせる。
彼らは博打の駒して以外に存在価値はない。
もちろん、他人を故意に危険に晒すような行為はなし。
あくまでもルールの中でのことだが。
単純なスポーツというだけではない、公営競技なのだ。

競馬にずっとわくわくしてきた。
それ以外では味わえないものを求めてた。
俺の中にある、それを求める心。
それは競馬の中だけにあるわけではないことに気づいてしまう。
酒を飲んでるのに、覚めていくような…
酔生夢死となろうとも、何かに酔って生きていたい。
何かを成したいわけではないし、何が出来るわけでもないだろう。
だからといって、俺に何もないわけでもなく、価値を見つける者もいる。
書きたいから書くわけじゃない。
ここから出してと胸の中で何かがいうから…
それがあると胸が苦しいから…
しょうがないんだ。

俺は三浦皇成のように、三浦皇成のファンのように、無邪気に喜べない。
sorry baby
だからといって、傷つけたいわけでも、腐したいわけでもないんだ。
ただ、あなたたちの望むようには、おめでとうと言えてないかもしれない。
sorry baby

pirocks

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