新馬・未勝利戦勝ち馬より ースマートプレシャスー

新馬・未勝利戦勝ち馬より ースマートプレシャスー

スマートプレシャス(24/02/25、1回阪神2日1R、ダ1800m未勝利)3番人気1着

シャンハイボビー×スマートブローラbyスマートファルコン

 

先週の中央競馬で勝ち上がったスマートプレシャスとレヴィテーション。この2頭は共に母母父がタップダンスシチーなのですが、2021年産登録馬の中でこの位置にタップダンスシチーを持つのはこの2頭のみ。そんな2頭が同じ週で共に勝ち上がるのですから、相変わらず血統の世界は不思議に満ち溢れています。

 

スマートプレシャスは、母スマートブローラの3番仔。半兄スマートプレジール(父キンシャサノキセキ)、全兄スマートハンターも共にJRAダートで勝ち上がっており、これで産駒全てが勝ち上がり。母スマートブローラ自身は3戦未勝利でしたが、産駒は確実に勝利を収めてくれています。

 

スマートプレシャスの牝系を辿っていくと、まず6代母がマルゼンスキーの母でもあるシル。5代母クイルメーカーは父がNorthern Dancerの全弟ノーザンネイティヴで、クイルメーカー自身はマルゼンスキーと3/4同血馬。

4代母ミヤマバイオレットはJRA4戦1勝。デビュー戦が2歳7月、同歳8月に3戦目となる芝1200mで勝ち上がり。同歳同月に4戦目となるクローバー賞で11着だったのを最後に引退という、非常に短い競走生活を送りました。その父ロイヤルスキーは、3代母がNijinskyの母母でもあるFlaring Topで、自身が持つクロスはNasrullah≒PerfumeⅡ 3*4×4。本馬ミヤマバイオレットは、Mumtaz Begum≒Budruddin≒Mahmoud 5・6*6×5 の継続クロスと、Flaring Top≒Buckpasser 4×3 。この2つのクロスが、ミヤマバイオレットの早熟性あるスピードと機動力の根源かと考えられます。

3代母ミレニアムクイーンは父ブライアンズタイムで、Royal Charger≒Nasrullahを継続しつつ米血とTeddyを増幅。2代母ドリームピーチは父タップダンスシチーで、Northern Dancer=ノーザンネイティヴ 3×4、His Majesty=Graustark 4×4、Bold Ruler 5×5、Nasrullah 7・6*6・7×6*6・7、Princequillo 7・6×6 という父母相似交配。そして母スマートブローラが、Northern Dancer=ノーザンネイティヴ 5・7×4*5、クラウンドプリンス≒Kelley’s Day 4×4。

 

スマートプレシャスは父シャンハイボビーの持つNorthern Danceクロスが5×7で、非クロスではないものの母スマートブローラが持つNorthern Dancer=ノーザンネイティヴのクロスに対して薄い点と、4代父Storm Catがタップタンスシチーの母All Danceとニアリーな関係なので、スマートプレシャスがStorm Cat≒All Dance 4×4 を組成する点が好印象的です。

 

と、このように血統を辿る旅というものは非常に面白いものなのですが、何より一番素敵なのは、スマートファルコンとタップダンスシチーという2頭の芝ダG1級逃げ馬の血を繋ぎ続けてくれる存在がいる。その一言に尽きるのではないでしょうか。

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