レース後、福永祐一騎手は「スタートは5分。長い距離を使ってきた。思ったよりペースが流れてあの位置から。自分から動かないといけない馬なので、ああいった競馬になった。グランアレグリアには先着している。馬場もそんなに気にはしてなかったが、最後は脚が上がった。勝った馬は強い。」そんなふうに話していたという。
ルメール騎手は「4コーナーまで上手く行った。良馬場なら2,000メートル持つのではないか?」とのこと。
これは秋天でウオッカばりのパフォーマンスを見せるフラグかな?
良馬場ならありエールエールは広島駅前のデパートだ。
サリオス松山弘平もがんばった。
まったく重馬場の適性はないと思っていたが、内内を進み直線も最内をついてワンチャン狙った。
距離もマイルが良いだろうし、まだまだ見限れない。
安田記念で先行してグランアレグリアと互角の勝負ができるのではないか?
しかし、今年の大阪杯はなんといっても勝馬レイパパレと川田将雅だろう。
去年の本番でヌルヌルとパフォーマンスを下げていた男と同じ男とは思えない。
素晴らしい騎乗だった。
そしてなによりも馬が強かった。
パドックで1番良く見えたし、関係者の仕上げも最高だったのだろう。
ゲートは悪い方から2番目くらいだったが、隣のコントレイルが出ていかなかったし、するすると先団にとりつき自然に先頭に。
そこから緩めなかったのがえらい!
レースとがっぷり四つに組んだ。
コントレイル、グランアレグリア、サリオスらライバルと四つに組んだのではない。
レースと組んで、レースを飲み込みにいった。
「来るなら来い!無敗の3冠馬だろうがなんだろうが、同じ馬だろ?勝てると思うならついて来い!」
そんな声が聞こえてくるようだった。
3角過ぎに3冠馬が意地を見せる。
捲っていき、4角でグランアレグリアの外に並ぶ。
ルメールはまず内、そして外と振り向き、コントレイルに合わせて動いた。
このまま、馬場の良さそうな外を2頭が突き抜けるのか?
3角から4角にかけて引き絞った川田は並ばれる前に仕掛け外を目指す。
後ろにいたサリオスと松山弘平は最内へ切れ込む。
内から真っ直ぐに外を目指した川田。
外外を回りながら、さらに外を選択させられたルメールと福永祐一。
川田は外に出してから、内にもたれかけたら右ムチでさらに外へ。
道中は距離、ポジションロスをなくし、直線はより馬場の良い所へ。
「あっぱれ!」
別に俺は3000本もヒットを打ったことはないが、思わずいってしまうね。
重馬場への適性はそんなに高くない気もするけど、とにかく勝負にいって勝ったのが川田とレイパパレ。
そんな中で1番の利を得たのが池添謙一かな?
混乱が起きるとなぜか良いところにいる。
もちろん、上手い、勘が良いということなのだろう。
良い意味でいやらしい騎手になってきたんじゃないか?
もし良馬場だったら…
レイパパレ、コントレイル、グランアレグリアは並んでゴールしたのではないか?
皆が皆、それぞれの仕事をした。
だが天は雨を降らせた。
その中で無敗の3冠馬は勝ちに行き3着となり、ルメールは未知への挑戦を前目でタフな競馬をし4着と敗れた。
良馬場なら最内をついた松山弘平とサリオスが2着だったかもしれない。
それでも今年の大阪杯勝馬は、どんな馬場であれレイパパレだったのではないかと思う。
「馬が強いのはわかってんだ。誰もいかねぇなら俺がレースを作る。相手に合わせて競馬しねぇ。勝つために競馬するんだ!」
今日の川田将雅は
「いつ何時、誰の挑戦でも受ける。」
ではなく
「いつ何時、誰への挑戦でも攻める。」
馬場が味方した?
馬場はみんなに等しい。
猪木スピリットで勝ちきったのだ!
棚からぼた餅でも、ラッキーパンチが入った訳でもない。
川田の攻めにレイパパレが応え、見事なレースをしたということだろう。
迷いなく、スタートで後手を踏んでも慌てることなく、真っ直ぐゴールだけを見ていたのだろう。
レースはタイムトライアルではないが、ゴールの近くにいた方がゴールに近い。
前に馬がいなければ、不利を受けることもない。
ルメールも福永祐一も、今日は相手が悪かった。
最後にサイト予想で印を打った、ワグネリアンの吉田隼人騎手のレース後のコメントを。
「出して行って勝馬を見ながら運べました。勝つには急かしてもポジションを取らなければと動きました。」
ワグネリアンはダービー馬。
最後はバタバタになってしまったが、ダービー馬らしい勝ちにいって敗れた良い競馬だったと思う。
とにかく、良馬場でも川田とレイパパレが凌ぎきるレースになったんじゃないかと思う。
そう思わされるくらい見事だった。
番狂わせでもなんでもない。
天は雨を望み、川田は誰よりも勝利を望んだ。
それだけだ。
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