四位とダービーの女王

四位とダービーの女王

今週末、ダービーを2度制覇したジョッキーが鞭を置く。

四位洋文…

別に私は彼のファンではない。

ただ、ウオッカがダービーのゴール板を1番に駆け抜けた時、その上には四位洋文がいた。

失礼になるかもしれないが、私は私が感じ思ったことを書く。ありのままを。

かつて、柴田政人騎手はウイニングチケットでダービーを制覇した時、これで日本のダービージョッキーの柴田政人です。と名乗れると言ったとか…

かつて、岡部幸雄は、手を動かしてもルドルフは動きませんでした、ただ勝負所になると、自分から動いていきました。ダービーの勝ち方を教えてくれたのはシンボリルドルフです。と言ったとか…

もし、岡部幸雄騎手が言ったようなことがあるとすれば、私が見た中では2レースだ。ライスシャワーの最後の春の天皇賞と、ウオッカのダービーだ。

ウオッカのダービーは現地で観戦してた。興奮のせいか、ほぼ記憶がない。ただ、4角で…ああ、本当にきたと思い、終わった後でkatsuさんに、ウオッカで万馬券取れるのはコレが最後だろうねと言ったこと。ウオッカは自分でレースを作り、一番先にゴール板を駆け抜けた。それは決まっていたことのようだった。

私が、四位洋文すごい!と思ったのは、ディープスカイとのコンビだ。秋の天皇賞で、ダイワスカーレットとウオッカという、牝馬というカテゴリーに収まらない相手に、真っ向勝負で迫った。翌年?の安田記念も最高だった。ウオッカ武豊を徹底してマーク、豊さんのもダービー馬、こちらもダービー馬だと、4角一瞬の隙を割って入り、ウオッカを閉じ込めることに成功。素晴らしい!すごい!ディープスカイ勝った!四位洋文上手い!武豊下手くそ!と、思っていたら、迷子の迷子のイヤイヤしてたウオッカさんは、ゴール板には先についてた。

この時の四位洋文の気持ちを察すると、最高だったのではないか?二頭とも自分の騎乗でダービー馬になった馬、相手の鞍上には日本の武豊。相手に不足はない勝負。レースに勝って、ウオッカに負けた。そんな気持ち、うまく言えたことがない…トランジスタラジオ忌野清志郎状態だったのでは。

四位洋文騎手、お疲れ様でした。私はたった3つのレースで、あなたの事を忘れないでしょう。

コロナウィルスの影響で、無観客で行われる今週の開催。

寂しい気もするが、本来の、ありのままの競馬が見られるのではないか?そんな気がする。

興行でも、博打でもない、そんなことはないのだけれど…

「お?あなたの馬は速そうだね?よかったら、あの丘の上まで、私の馬と競争してみないか?」

そんな、混じりっ気のない、ありのままの競馬が。

シンプルなものは、良く機能し、良く機能するものは美しいという。ちょうど新車が出揃う時期なので、私が好きなF-1に例えさせてもらうと…大きくレギュレーション、ルールが変わった後というのは、見慣れない不自然に見えるデザインの車が出てきたりする。だけど、これが不思議なもので、シーズンが終盤に差しかかり、そのマシンが勝ち続け、今年のチャンピオンマシンはこれかなというところまでくると、カッコよく見えてくるのだ。まさに機能美だろう。強く速いものは美しく見えるのだ。

今週末、私達が見るのは寂しい競馬か?

それとも、本来のありのままの美しさで、駆ける駿馬達か?

こんな時だからこそ、美しいものを見て、心地良い気分に浸ろうよ。

最後にもう一度、四位洋文騎手、長い間お疲れ様でした。次は、調教師として、ダービー制覇ですね。

時は流れ、馬は走り続ける。

馬が走ることで、私は勇気と元気をもらう。

競馬は博打?はあ?なんばいいよっとね?

競馬は愛たい!夢が走り回りよるけんね!

(pirocks)

 

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