東京に競馬が戻ってきた。
今年初の開催。
例年なら間違いなく土曜から参戦なのだが…
どうにも気持ちがのってこない。
どうしてもあの一件が頭から離れない。
茅原悠紀のターンのようにスカッと競馬に向かいたいものだが…
今はそうじゃない。
このままなのか、また戻ってくるのかわからないが、今はこの距離なのだろう。
そんなこんなで、ボートレース多摩川は準優勝戦日だったし、まったく競馬に行く気はなかったのだが…
血統研究所takuさんの一口愛馬、ストラスブールが出走するというので急遽参戦となった。
久しぶりの競馬場。
といっても、ちょこちょこと馬券は買いに来てたけど。
先週もオカンと競馬博物館行ったじゃん!
ぜんぜん久しぶりじゃないじゃん!
まあとにかく、目の前で競馬を見るのはジャパンカップ以来。
自分がどんな反応を示すのか楽しみだった。
ストラスブールが終わったら多摩川へ行く気だったので、そんなに馬券勝負って気もないし、早くストラスブールの時間にならないかな?くらいだった。
競馬場に着くと、ちょうど編集長が来たところだった。
今年初日、早く着いたので外と内の馬頭観音に無事を祈る。
続いてウオッカ像へ。
東京競馬場だよウオッカさん!
2月に入り寒さが厳しくなった。
懐中は温かくなるだろうか?
パドックへ行くと人が少なくゆったり見えた。
土曜の午前中、こんな感じでないとね。
なんてったって馬券を買いにきとるのだから、最後の最後まで様子が見たい。
写真を撮るのではない、馬券を取るのだ!
やる気はあまりないとはいえ、金がかかれば熱くなるもの。
だがしかし、ちゃんと狙って取りたい。
テキトーに買って当たるなんてのは愚の骨頂だ。
パンツの中に隠した勝新…違った確信を持って打つ。
それじゃなきゃ気持ち良くなれない。
編集長に数字を聞きながら、パドックを穴が開くほど見る。
穴狙いだからね。
外し続けて迎えた4レース。
パドックですごく良く見えた馬がいた。
東京は初、左回りも初。
いけるか?能力があればこなせるはず…
多摩川が控えてる…ここが勝負所か?
3連単までは無理。
3連複フォーメーションを組んでみる。
悪くない。
一頭軸で手広く手堅くだ。
ここで俺の中のキムタクが言った。
「ちょ待てよ。それだけで大丈夫?」
ヒムロックまで出てきて言う。
「ここは東京ダート1,600だぜ?」
そうか、なら…
ヘニーヒューズだな?
2-4-8で掛算になるし…
ポチッ!
前残り想定で買ったが、買い目の馬は後ろにいる…
ダメなのか…
諦めるのはまだ早いが…
府中の直線は長いとはいえ…
外れたか…
1番人気ヘニーガイストが抜け出す。
やっぱそれかあ…
俺の狙い4番人気バタールは?
届かないか…
外れたか…
ん?なんかきたな。
へー、前残りじゃないんだ…
ん?8でしょ?
ん?ん?4と2が来たあ!
欲張って3連単も入れてたけど、2頭しかない!
だが3連複はあるぅー!
「東京ダートはヘニーヒューズ!」
「おっ!当たったの?おめでとう!」
「いや、安いのよ。まあ昼飯代くらいにはなるかな?」
「そうなの?わりとつくんじゃない?」
「1番人気からだよ。30倍くらいだったと思う。」
「そうなんだ。」
「欲張りせずに3連複3枚だったかなあ…」
「3連単は万券じゃないだろ?」
「たぶんね。1番安いとこやろうけぇね。」
「まあでもおめでとう!」
「あざーす!ん?3連複45倍?まぢ?」
「けっこうついたな。」
「おっしゃ、なら昼飯代はわしが出そうて。」
「いいの?ありがとう。」
「たまにゃあえかろうて。」
「ごちでーす。」
カレー味噌ラーメン予定だったが、寒いし早いので梅屋のそばにすることに。
「おいさんどれんする?卵つけてもええよ。」
「えー、卵入れたら冷たくなるじゃん!」
「ほうかね。まあなんでも好きなもんにしんさい。」
「んぢゃ、天ぷらにしよかな。」
「すんません、天ぷらそばと肉なんください。」
広島の人間がすべてコテで鉄板からお好み焼きを食うわけではないし、東京の人間がみな蕎麦を啜れるわけではないが…
編集長は実に美味い音を立てて啜る。
横で食うてて聞き惚れる。
関東にいるな、蕎麦の国にいるなと感じる。
蕎麦はもぞもぞ食うても美味くない。
ずっ、ずずっと啜ってなんぼ。
女子供じゃねぇんだ!
男は黙って啜れ!
てなことを考えると…
やっぱ、かけかせいろなんだろな。
賭けか正論か?なんてね。
声に出して読みたい編集長語なんてのがあれば…
「海苔のかかった蕎麦なんか食えるか!」
ベスト3には入るな。
かっこよかったけど、酔っぱらいで間違えてざる蕎麦頼んで、俺のせいろに海苔をのせようとしてたからなあ…
車の運転が上手いとか、女の扱いが上手いとか、男の条件てのがいろいろあると思うが、麺を啜れるてのも入れといて欲しいね。
蕎麦を啜るとこだけなら編集長はかなり男前だよ。
あっ!今思い出した!
せっかくストラスブールのパドック撮ったのにtakuさんに見せてないや!
それはもうtheハービンパクト!て感じで、デーモンヒルよりデインヒル!
若い頃の苦労よりは、若い頃からグロースターク!
あのラインの感じ好きだなあ。
レース内容も良かった。
確実に前進してる気がするね。
レース後の陣営のコメントからしても、速い脚はないんだろうけど、それは逆に言えば鍛え甲斐のある馬ということだろうしね。
かかり気味とは言うが、走ることに前向きな感じがして良い。
俺たちはストラスブールの無事を見届けると府中を後にした。
多摩川は1つも当たらなかった。
競艇は難しい。
6艇しかいないけど当たらない。
当たっても競馬ほどの配当は少ない。
だけど当たった時の喜びは大きい。
推理し、読み切ってのものだから。
それだけなのか?
競馬との違いはなんだろう…
今俺が感じ思ってることは…
競馬ファンは馬券を買わない人も多い気がする。
他の公営競技のファンは買わない人は少ないだろう。
もちろん、全くいないというわけではない。
府中だってかばちを垂れずに黙々と馬券を買ってる人もいるし、多摩川にだって選手のグッズを身につけ声援だけをおくる人たちもいる。
競艇選手はインタビューなどで、舟券を買ってくれる人に対してのメッセージが多い気がする。
ファンの夢より金を背負ってる感が強い。
買ってもらわないと存続できない感も強い。
主催者側も魅力的な番組作りに熱心な気もする。
どんな選手を集めるか?
どんな枠組みにするか?
企画レースとかね。
ほんと、いやらしいくらいよく考えてるなあと思う。
八百長もやってるやつは即クビくらいの感じ。
関係者だけしか操作できないとなるとね。
ファンが離れていっちゃうからね。
こう書いていくと、わりと競馬は逆な気がする。
じゃなきゃ、抗議ズボンとかせんよな。
舐めとるとしか言いようがない。
舐めとるという言葉が不適切なら、ファンを蔑ろにしとるとしか思えん。
そんな競馬買う気にならん。
「うちの若いもんがつまらんことをしました。アレにはようゆーて聞かせましたから、お客さん勘弁してやってください。アレの賞金は生きてける分だけわしが渡して、あとは被災地に寄付させてもらいますけ。」
くらいのことがあってもええと思うとる。
しかし、やめたら追求なしとかどうなっとんかの。
それは競艇もかもしれんが…
去年はいろいろあったが開催中止にはならんもんね。
さすが親方日の丸や。
関係者はいろいろとわかっとるんやろうけどね。
まあパワハラじゃ恫喝じゃやっても免許無くならん世界じゃけんのう。
わしらが同じことしたら大事になるで。
ついでに書くが、なんかサラブレッドを言い訳にしとらんか?
関係者も尊重せんような歴史と文化で着飾ってよ、競馬はスポーツですなんて澄まし顔。
あれらあ何で飯食うとるの?
馬券買うもんの金じゃろ?
馬券は誰が買うんね?
たいがい馬券買うのは貧乏人じゃ。
一所懸命働いて、わずかばかりのお小遣いで夢を買うんよ。
金持ちは馬買うよ。
ほいじゃが、金持ち喧嘩せずじゃけのう…
馬を作るんも、売るんも…
あそこまできたら好き勝手にやれるよのう。
ほいでも馬券買うもんがおらんにゃ競馬は出来んので?
競馬会ゆーのは、馬産振興に金が必要じゃけ、お上に頼んでなんとか馬券を売らせてもろうたんじゃろ?
はあ戦争は終わったで?
軍馬も農耕馬もいらん時代ど?
この一年で180度考え方が変わったかもしれん。
泡銭が欲しくて馬券買っとったわけじゃないんと思う。
銭が欲しけりゃ働くか、税金のかからん宝籤でも買うた方がええ。
競馬じゃなけりゃんにゃいけん理由はサラブレッドがレースするってだけじゃ。
買わんでも楽しい気がしてきた。
たぶん完全に興味をなくすことはないと思うけど、毎日弾いてたギターも今じゃ思いついた時に触るくらいやし、そんな感じになっていくんやろ。
ここに書くこともなくなるかもしれん。
競馬見てないし、打ってないし…とかね。
大きなレースだけ見て、感じたことがあればその時だけ書くとかね。
俺をこんな俺にした奴らにがっかりしとる。
ギター始めた頃にそばにあったもの、F-1だったり、サッカーだったり、いろいろあるけど、とうの昔に距離が空いた。
競馬もそうなってしまうのか…
まあそれも時の流れで致し方ないことなのかもな。
時は流れるし、止める力はないし。
ここ数年、府中在住で、競馬がない時に競艇に行ってた。
ランチ食べてチラッと覗いて帰るとか。
今は競艇やってない時に競馬を…メインだけ買う。
競艇はどこかしらで面白そうなのを見つけて場外の指定席で打つ。
競馬はもう本場でなくてもええ。
俺と競馬の間にノイズが多すぎる。
振り返ると、どうしようもない気持ちで追いかけたのは、ウオッカとフィリアプーラだけだったかもしれない。
ホクトスルタンもかな…
もうあんな気持ちになることはないのかもしれない。
それでも思い出と生きていける。
それくらいに、たくさんのものをもらったと思う。
それぞれの人生があり、それぞれの競馬がある。
それぞれの競馬の前に人生がある。
俺の生きる道の上に競馬はなくなるかもしれない。
でも、今まで歩いてきた道は消えることはない。
風来坊は、風一つでどこへでも飛んでいく。
彷徨うために生きているから。
彷徨いたくて生きているから。
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