凱旋門賞2024出走馬全頭血統診断

凱旋門賞2024出走馬全頭血統診断

今回の血統研究所は、間近にせまった凱旋門賞の出走馬の評価をおこなってみたいと思います。
※並びはゲート順となっております。

距離適性は、ミオスタチン遺伝子をC/T型と想定して算出しております。当該のサラブレッドのミオスタチン遺伝子が、C/C型であれば一項目左へ、T/T型であれば一項目右へずらして、ご閲覧頂ければ幸いに思います。

 

Zarakem【ザラケム】(Zarak×Harem Mistress by Mastecraftsman)牡・20生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:8 土:5 弱:3 影:2 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I ◎ C 〇 L △
ダ:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、Mr.Prospector5・5×6・7の系列クロス。次いで、Lyphard6×5・7の系列クロス。この両者の影響力が拮抗した点が、当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とはいうものの、Mill Reef6・6×7、Buckpasser6×7・7・8・8・8の系列クロスや、Blushing Groom6×5の中間断絶が欧米系の結合をアシストしながら、強靭なスタミナを主導勢力へと連動しており、Mr.Prospector主導の血統構成としてはスタミナ優位の内容となっており、ここが当馬の能力の源泉。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプで、重馬場もこなす全天候型。開花率はお世辞にも高いとは言い難いものの、Native Dancer19連、Nearco20連の土台構造から来る血の流れにはかなりの良さがあり、加えて強調された父の父Dubawiへと血の集合が見られるため、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性を秘める点は指摘しておきたい事実である。無事な開花を望みたい一頭。

 

Fantastic Moon【ファンタスティックムーン】(Sea The Moon×Frangipani by Jukebox Jury)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:8 土:4 弱:1 影:2 集:4 質:4 再:6 SP:4 ST:5 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:× 成長力:◎
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C 〇 L ◎
ダ:S × M × I △ C △ L △
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通

〇 短評

主導は、Northern Dancerを伴う、Sadler’s Wells5×4。その父Northern Danceを血統の4ブロック全てに配し、明確に血統をリードしている。次いで、Lalun-*-Djbel-Tourbillon.Blue Larkspurを生かしたNever Bend7×5・7で血統を構成。また、孤立しがちな独系統をSurumu5×5の中間断絶が見事にとりまとめ、系列クロスを形成したBirkhahnや、Tantiemeを、Hyperionを介して主導と連動させる様は見事であるとしか言いようが無い。また、Cockade(=High Top)5×6の単一クロスが、Court Martal-Fair Traal.Owen Tudor.Rialto.Black Devl.Dasterといった細かいクロスを、Nearcoを介して、これも辛うじて主導と連動。扱いの難しいオールドヴィックの血を見事に生かし能力参加させている。従って、サラブレッドの血統の背骨を形成する、主導・結合といった評価はかなり高い。また、Gold Brdge.Nasrullahを生かした、Ridan(=Song)5・8×7・7が、強烈なスピードを補給。これぞ欧州馬の重厚なスタミナに裏打ちされたスピードといった内容であり、非常に隙の少ない血統構成である。惜しむらくは、母の父内Skelda内に欠陥に近い弱点を派生させた点や、米系のクロスが確認できない点で、やや安定感に欠ける可能性を秘めると考えられる部分か。それでも総合的には非常に優秀な内容で、非常に鍛えがいのある血統構成である。本質は、芝向きの中~長距離タイプで、ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。無事な開花を望みたい一頭である。

 

Bluestocking【ブルーストッキング】(Camelot×Emulous by Dansili)牝・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:6 土:3 弱:3 影:2 集:2 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、前面でクロスしたデインヒル3×4の中間断絶を呼び水とし、Natalma-Native Dancerと継続させた、Northern Dancer4・6・6×5・7・7の系列クロス。かなり明瞭な主導に見えるが、Mr.Prospector4×4の中間断絶の影響もかなり強く、そこまで明瞭な主導とならなかった点は惜しまれる部分である。出来ることならMr.Prospectorのクロスは無いほうがシンプルとなり良かったと考えられる。とは言うものの、主導傘下であるHis Majesty(=Graustark)6・7×5・4が、Hyprion.Tracery等をしっかりと生かし、スタミナの核を形成。しっかりと能力参加できた点は見るべき部分である。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場は慣れればこなせる程度。これと言った弱点の派生は無い為、安定感は感じられるものの、血の集合にかなり甘さがあり、詰めの甘さを見せる可能性を指摘しておきたい。

 

Aventure【アヴァンチュール】(Sea The Stars×Baadeuse by Singspiel)牝・21生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:4 結:7 土:2 弱:3 影:3 集:4 質:3 再:5 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(39+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、不明瞭な配合で、ひとまずNative Dancerを伴うRaise a Native5×6。次いで、Almahmoud7×6・7・7、Never Bend6×7、Court Martial8×6の系列クロスや、Northern Dancer5×5・5の中間断絶で血統を構成。この主導の不明瞭さが当馬の能力の限界点を端的に示している。とは言うものの、これらクロスは、前面でクロスしたNorthern Dancerの中間断絶がうまく連動させており、Turn-toの中間断絶のスピードや、Herbagerを伴うシーホークのスタミナを生かした点は見るべき部分であり、生かされたスピード・スタミナの質は高く、ここが当馬の能力の源泉。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。明瞭な主導が作れなかった為、一息もどかしいタイプに育つ可能性は否定できないが、底力勝負に対応可能な血統構成である。

 

Sosie【ソジー】(Sea The Stars×Sosia by Shamardal)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:2 弱:1 影:3 集:3 質:5 再:7 SP:3 ST:5 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C 〇 L □
ダ:S × M × I □ C □ L △
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率: 成長型:

〇 短評

前面でクロスした、Mr.Prospector4×5は中間断絶の為、主導は、Natalma-Almahmoudと継続させた、Northern Dancer5×6・6の系列クロス。次いで、Never Bend6×7、Birkhahn6×6・7、Acropolis(=Alycidon)6×8の系列クロスで血統を構成。これらクロスは、Nearco.Hyperion.Phalarisで主導と密接に連動しており、更にMr.Prospectorクロスにより主導の明瞭性に影を差した点だが、Teddy系を連動する役割を果たしており、この連動性が当馬の能力の源泉である。本質は、芝向きの中~長距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。惜しむらくは、弱点を派生させた点や、強調された父の母Urban Seaが主導勢力であるNorthern Dancerを含まない点で、安定感には欠ける可能性を秘める点か。とは言え、生かされた血の質は高く、扱いが難しい、独系統を存分に生かし、血統全体の再現度が非常に高く、底力勝負に向く血統構成である点は指摘しておきたい事実である

 

Surivie【シュルヴィー】(Churchill×Sotteville by Le Haver)牝・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:4 結:8 土:3 弱:1 影:1 集:3 質:3 再:5 SP:3 ST:3 特:1(主導簿品を通じたクロス)
合計:(34+1/60)点 クラス:2B+
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Northern Dancer4・5・7・8×5・6・7・7・8・9は、その仔Nijinskyが7・8×6とクロスするものの中間断絶に近く、主導は、Mr.Prospector5×6及び、Secetariat5×7・7(母の母内8代目Secretariatは世代ズレと判定)の系列クロス。また、Hail to Reason6×7の系列クロスや、Crimson Saint5×6の中間断絶で血統を構成。従って主導が非常に不明瞭な血統構成となっており、ここが当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、孤立しがちなPrincequillo系を、Secretariatを介し能力参加させた点は見るべき部分であり、全体の連動性に良さがある血統構成となり、ここが当馬の能力の源泉。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。また、血の集合にかなりの甘さがあり、詰めの甘さを見せる可能性を指摘しておきたい。

 

Delius【デリウス】(Frankel×Whatami by Daylami)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:5 結:7 土:3 弱:1 影:1 集:7 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(40/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め

〇 短評

主導は、ややバランスが悪いものの、Natalma-Native Dancerと継続させた、Northern Dancer4・5×6の系列クロス。次いで、Miswaki4×4の中間断絶や、Hail to Reason6×7の単一クロスで血統を構成。Miswakiクロスにより主導の明瞭性に影を落とした点は惜しまれる部分だが、そのMiswakiが、Blue Larkspur.War Admiral.Count Fleet.Princequilloと言った各系統を主導と連動させており、この連動性が当馬の能力の源泉。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。前述の通りバランスの悪さはあるが、それを逆手にとって強調された、父の父Galileoへと血の集合をはかっており、仕上がった際には決め手を秘めた血統構成である点を指摘しておきたい。

 

Look de Vega【ルックドゥヴェガ】(Lope de Vega×Lucelle by High Chaparral)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:7 土:3 弱:1 影:2 集:3 質:5 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(41/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C 〇 L □
ダ:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、その仔であるNijinsky6×6との位置関係がちぐはぐになっているものの、Natalma-Almahmoudと継続させたNorthern Dancer6・7×4・6・7の系列クロス。次いで、Sir Ivor5×6の系列クロスや、Mr.Prospector5・5×5の中間断絶で血統を構成。Nijisnky-Northern Dancerの位置関係が、崩れた点が惜しまれるものの、孤立しがちなPrincequillo系をMahmoud.Nearcoを介し、しっかりと主導と連動させた点は見るべき部分であり、この連動性が当馬の能力の源泉。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。血の集合にやや甘さがあり、詰めの甘さを見せる可能性や、軽微ながらも弱点の派生から来る不安定さは否定できないが、生かされた血の質は高く、底力勝負に対応可能な血統構成である。

 

Al Riffa【アルリファー】(Wootton Bassett×Love On My Mind by Galileo)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:2 結:6 土:5 弱:1 影:2 集:5 質:4 再:4 SP:4 ST:3 特:0
合計:(36/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は不明瞭な配合で、前面でクロスした、Northern Dancer5・6・6×4・7や、Mr.Prospector5×5、Derinng-Do5×6は中間断絶であり、Special5×5は単一クロスとなっている。従って実質的主導は、土台構造を形成し、当馬の土台構造を23連で形成したと考えられるNearcoの仔である、Nasrullah7・8・8・8・8・8×7・8・8・8・9。この血の流れの良さが当馬の能力の源泉であると考えられる。惜しむらくは、前述の主導の不明瞭さに加え、軽微ながらも弱点を派生させた点か。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダートや重馬場はこなせる程度。前述の血の流れの良さから、仕上がった際には決め手を秘める血統構成であると言える。

 

Los Angeless【ロスアンゼルス】(Camelot×Frequential by Dansili)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:5 土:2 弱:1 影:3 集:5 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:○ ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は、前面でクロスしたKingmambo3×3の単一クロス及び、デインヒル4×3の中間断絶を呼び水とした、Natalma-Native Dancerと継続させた、Northern Dancer4・6・6×5・6・7の系列クロス。血の濃さがあるものの、明確に血統をリードしている。次いで、Gold Bridgeを生かしたSpecial5・6×6の単一クロスや、Nashua6・8×6の系列クロスで血統を構成。これらクロスは、Kingmambo傘下のクロスで、His Majesty(=Graustark)6・7×5・7を傘下に収めたデインヒルと共に、血の濃さがあるものの、当馬の血統構成上の能力形成の基盤となっている。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場は慣れればこなせる程度。繰り返しになるが、これと言った弱点の派生は無いものの、血の濃さが目立つ血統構成であり、突然の不調や安定感に欠ける競馬を見せる可能性は指摘しておきたい事実である。

 

シンエンペラー(Siyouni×Starlet’s Sister by Galileo)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:6 土:3 弱:3 影:2 集:6 質:5 再:5 SP:4 ST:4 特:4(産駒複数活躍繫殖牝馬 母・伴性血縁牝馬 Miswaki/Buckpasser)
合計:(47+4/60)点 クラス:1A+(2A)
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:◎
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C ◎ L 〇
ダ:S × M × I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

Sottsass(1A+(2A))全弟。主導は、その父系であるNearctic-Nearcoと継続させるだけでなく、その母系であるNatalma-Native Dancerを伴った、Northern Dancer5・5×4・6・7・7の系列クロス。次いで、Buckpasser6×6・6の系列クロスや、Mr.Prospector5×5・5・5の中間断絶で血統を構成。この主導は、血統の4ブロック全てに配されただけでなく。前述のMr,Prospector.Buckpasserのアシストにより、Sir Gallahad(=Bull Dog)/Case Ace-Teddy.Count Fleet.Discovery.Nasrullah.War Admiral.Blue Larkspur.La Troienneといった欧米系の血統を連動させており、血統全体を明確にリードしている。惜しむらくは、重箱の隅をつつくレベルではあるが、きめ細かく生かしたPrincequillo/Prince Chevalier-Prince Rose.Djbel-Tourbillonの結合がはかられておらず、能力参加が弱くなった点で、仮に母がRibotを一連でも抱えていれば解決できただけに、ここが当馬の唯一と言っていい不満点である。また、6代目にNorthern Dancerを配しているものの、やや母の母方の世代後退が見られ、若干ではあるが、安定感には欠ける可能性を秘める点も指摘しておきたい。とは言うものの、NureyevとSadler’s Wellsの呼応により、Specialを5×5とクロスさせ、単一クロスでこそあるものの、Hyperion-Gainsborough.Mierxce.Nasrullah-Nearco.Flares.Gold Bridge.Blandfordとクロス。その質の高いスピード・スタミナを存分に再現し、主導と強固に連動させており、土台構造をNearco21連で形成。これと言った弱点も無く、影響度バランスは(6-9-14-6)と、やや崩れているものの、強調された、母の父Galileo内に血を集合させ、破壊力のある血統構成となっている。本質は、芝向きの中~クラシックタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。決して国内向きのスピード配合では無いものの、質の高い血を存分に生かした内容であり、距離適性の幅は広いタイプに育つ可能性を秘めており、前述のMr.Prospectorや、隠し味的に生きたTurn-toからキレのあるスピードを補給しており、器用な競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。全兄同様、是非とも無事な開花を望みたい一頭である。

 

セヴェナズナイト【Sevenna’s Knight】(Camelot×Sevenna by Galileo)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:7 結:5 土:3 弱:1 影:1 集:6 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:0
合計:(39/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C 〇 L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

主導は、血の濃さがあるものの、Northern Dancer-Natalmaと継続させた、Sadler’s Wells3×3の系列クロス。次いで、Mr.Prospector4×5、Buckpasser7×6の中間断絶で血統を構成。主導内は、Gold Bridgeを生かしたSpecialや、Lalun.Djbelなどを生かし、その充足率が高く、ここが当馬の能力の源泉。また、連動こそはかられていないものの、独系統であるTicinoをクロスさせるなど、全体の生かし方も悪くない。本質は、芝向きの中~クラシックタイプで、ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。また、強調された母の父Galileoへと血の集合が見られるために、安定感には欠けるが、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。

 

Haya Zark【アヤザーク】(Zarak×Haya City by Elusive City)牡・19生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:8 土:3 弱:1 影:2 集:4 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(43/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M 〇 I ◎ C □ L ×
ダ:S 〇 M ◎ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:普通

〇 短評

主導は、最前面でクロスしたGone West4×4の系列クロス。その父、Mr.Prospectorを血統の3ブロックに配し、かなり明確に血統をリードしている。この主導は、系列クロスを形成するだけでなく、Nashua.Somethingroyal.Tim Tam.Count Fleet.Tudor Minstrelとクロスさせ、非常に充足率が高い。次いで、Sir Ivor7×6の系列クロスや、Busted7×5・7の系列クロス。Northern Dancerの中間断絶で血統を構成。惜しむらくは、強調された母の父Cult内において、非常に軽微ながらも弱点を派生させた点や、母の母Haya Sammerが全体の傾向から離反した点か。とは言うものの、その母の母内において、Busted.CharlotesvilleRed Godをクロスさせ、そのスピード・スタミナを底支えしている点は見るべき部分であり、当馬の能力の源泉の一端を担っていると言えるだろう。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場はこなせる程度。クロス馬の位置関係が非常にしっかりとした配合であり、安定して能力の発揮をする可能性は指摘しておきたい事実である。加えて言うのならば多種のスピード・スタミナ要素を生かしており、器用な競馬を見せる可能性や、距離適性の幅は広いタイプに育つ可能性も、重ねて指摘しておきたい。是非とも無事な開花を望みたい一頭である。

 

Continuous【コンティニュアス】(ハーツクライ×Fluff by Galileo)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:7 土:2 弱:1 影:3 集:6 質:3 再:5 SP:3 ST:3 特:0
合計:(41/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C △ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め

〇 短評

主導は、その母系であるNatalama-Almahmoudと継続させたNorthern Dancer5×4・5・6の系列クロスで明確。次いで、Busanda6×7・7の系列クロスで血統を構成。また、Hail to Reaosn4×6の単一クロスが、米系の連動性をはかっており、サラブレッドの血統の背骨を形成する主導・結合といった部分は、比較的高い評価を与えられる。惜しむらくは、父の父サンデーサイレンスのスピード源となった、6代目Pharamondが世代ズレをおこしており、そのスピード再現が完全にならなかった点や、父の母が抱える6代目Court Martialも世代ズレをおこしており、ややバランスが悪い血統構成になった点か。とは言うものの、サンデーサイレンスの強みの一つである、米系の血の連動がはかられている点は見るべき部分であり、仮に国内でデビューしたとしても、強い競馬を見せられる血統構成である。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。前述のバランスの悪さや、弱点を2ヶ所派生させた点から、やや安定感に欠ける可能性はあるものの、総合的にはしっかりとした配合であり、意外性のある血統構成である。また、影響度バランスを(6-5-9-5)とし、強調された母の父Galileoへと集めた為に、仕上がった際には鮮やかな競馬を見せる可能性は指摘しておきたい事実である。

 

Sunway【サンウェイ】(Galiway×Kensea by Kendargent)牡・21生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:4 弱:1 影:1 集:4 質:4 再:4 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M △ I 〇 C □ L △
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:早め

〇 短評

前面でクロスした、Blushing Away3×4は単一クロスのため、主導は、その父母であるNearctic/Natalma共に継続させた、Northern Dancer4×5・6の系列クロス(母の父内及び、母の母内8代目Northern Dancerは世代ズレと判定)。次いで、Gold Bridgeを生かした、Special5×6で血統を構成。母の母方の世代後退が惜しまれるものの、前述のBlushing Awayが主導の明瞭性を乱しながらも、孤立しがちな、Missy Baba-My Babu-Djbelや、Princequillo-Prince Roseといった特殊な血をしっかりと主導と連動させた点は見るべき部分であり、この連動性が当馬の能力の源泉。惜しむらくは、影響度バランス(12-12-0-5)からわかるように、母の父であるKendargentの能力参加がやや乏しく、またその部分に弱点を派生させた点にある。本質は、芝・ダート兼用の中距離タイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。多種のスピード・スタミナを生かした配合である点から、距離適性の幅は広いタイプに育つ可能性を指摘しておきたい。

 

Mque De Sevigne【マルキーズドゥセヴィニエ】(Siyouni×Penne by Sevres Rose)牝・19生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:8 結:5 土:4 弱:3 影:2 集:4 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(42/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S □ M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め

〇 短評

主導は、その父母であるNearctic/Natalma共に継続させた、Northern Dancer5・5×5の系列クロスで明確。次いで
Grey Soverign7×6の系列クロスで血統を構成。惜しむらくは、母の母であるUne Penseeの世代が全体と比較して古く、Crepello.Mieuxce.Blenhimの世代ズレが見られ、ここが当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、実にシンプルな血統構成となっており、このシンプルさから、反応の良さが見込める血統構成となっている。更に、7代目以降においてNasrulla(=Rivaz).Fair Trial.Turn-toと言ったスピードを隠し味的に生かしており、主導としっかりと連動させた為、器用な競馬を見せる可能性を秘める。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場はこなせる程度。開花には時間がかかるタイプ。蛇足だが、繁殖としても有用な血統構成をしている点を付け加えておきたい。

 

今回は、凱旋門賞の出走馬の血統評価をおこなってみました。海外競馬に興味がある方にとって参考になればこれにまさる幸いはありません。

今後とも、総合競馬サイトG-ZEROおよび、血統研究所をよろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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