ジャパンカップ2022外国馬
Broome【ブルーム】(Australia×Sweepstake by Acclamation)牡・16生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:3 結:7 土:3 弱:3 影:3 集:4 質:5 再:5 SP:3 ST:4 特:0
合計:(40/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C 〇 L □
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め
〇 短評
主導は不明瞭な配合で、前面でクロスしたNorthern Dancerは中間断絶であり、Ahonooraは単一クロスの為、6代目においてクロスしたBuckpasser-Tom Fool.Court Martial.Nasrullah-Nearcoが主導と考えられる。この部分が当馬の血統構成上の限界点を端的に示している。とは言うものの、Ahonoora.Northern Dancer.Tudor Minstrel.Buckpasserを軸に、それぞれのクロスがしっかりと連動したのは長所であり、血統全体の再現性はかなり高く、特にスタミナ系の血をきめ細かく生かした配合である。土台構造は平均的だが、影響度バランスが(6-6-5-2)と安定感のある血統構成。開花率は高いとは言い難いが、質の高い血を生かした、これぞ欧州馬と言える配合である。本質は芝向きの中~長距離タイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。
Grand Glory【グランドグローリー】(Olympic Glory×Madonna Lily by Daylami)牝・16生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:7 結:7 土:2 弱:3 影:2 集:5 質:4 再:6 SP:4 ST:4 特:0
合計:(44/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C 〇 L ×
ダ:S × M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め
〇 短評
主導は、Alzao(=Light of Hope)3×3を呼び水にしたNorthern Dancer6・5×5の系列クロス。次いで、Buckpasser7×6、Court Martial8・6×6の系列クロスで血統を構成。また、Mill Reef5×4の中間断絶の影響も強い。前述のクロスはCourt Martialは主導傘下のクロスであり、Buckpasser.Mill Reefが結合をアシストしながら、Nearco.Phararisを通じ主導と連動。こまかく見ていくと、米系のWar Admiral-Man o’WarがBuckpassserを介して、Princequillo.DjbelはMill Reefを介して、それぞれ主導と連動している。これほど見事な呼び水の効果はなかなか見られない点を指摘しておきたい。この、呼び水の有効性から来る結合力が、この配合の最大の武器である事は言うまでも無いが、8代目以降においてもMieuxce.Crarissimusを生かし、母の父Daylamiのスタミナを再現するなど、きめ細かく血を生かし、妙味ある配合だと言える。本質は芝向きの中距離タイプだが、距離適性の幅は広いタイプ。ダート、重馬場はこなせる程度だが、底力ある良配合だと言えるだろうか。
Magjical Lagoon【マジカルラグーン】(Galileo×Night Lagoon by Lagunas)牝・19生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:5 結:6 土:3 弱:2 影:2 集:4 質:4 再:4 SP:3 ST:4 特:1(産駒複数活躍繁殖牝馬)
合計:(37+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I 〇 C □ L ×
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低い 成長型:遅め
〇 短評
ノヴェリスト(1A)半妹。主導は不明瞭な配合で、前面でクロスした、Northern Dancer3×4・5の中間断絶を呼び水としたNearco5・8・8・8・8×6・7・9・9・9の系列クロス。ただし、その仔であるNasrullahも7・7・7×8とクロスした上に、Birkhahn6×5・7・8の系列クロスの影響も強い。従って主導としては不明瞭な配合で、Literat4×4を明確な主導とした兄と比較して、非常に劣る部分であると言える。また、きめ細かく血を生かした配合ではあるものの、7代目以降のそれらクロスの連動性も低く、ここも兄に劣ると言わざるを得ない。とは言うものの、兄の中では眠っていたNasrullahを位置の悪さがあるとは言え、クロスさせ主導と連動させた為、わずかながらも兄よりもスピードに良さがある配合とはなっている。また、これと言った弱点も無く安定した血統構成。本質は、芝向きの中~クラシックタイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。決して悪い配合では無いが、兄程の迫力がないのは確かであり、牝馬である点も踏まえると、開花には相当の鍛錬が必要な血統構成。脚質は先行押切タイプで、そうした競馬ができるようになるのが開花の兆し。
Onesto【オネスト】(Frankel×Onshore by Sea The Stars)牡・19生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:4 結:7 土:4 弱:1 影:1 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C × L ×
ダ:S × M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通
〇 短評
前面でクロスしたUrban Sea3×3は単一クロスの為、主導はDanzig4×5の系列クロス。一見、明瞭な主導に見えるが、Urban Seaの影響の強さや、Danzigの父Northern Dancerも4代目でクロスしている為、さほど明確な主導となり得なかった点は惜しまれる部分である。とは言うものの、前述のUrban SeaがHail to Reasonと共に欧米系の血を纏め、主導へと連動させた点はこの配合の最大の長所。また、Blushing Groom5×5のスピードは妙味がある配合だと言える。加えて、特殊な仏系であるDjbel-TourbillonもLalun内Blue Larkspurを介し、間接的にではあるが主導と連動させたのは見るべき部分である。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプ。ダートはこなせる程度だが、重馬場は比較的得意なタイプ。また、多種のスピード・スタミナを生かした配合で、血統全体での再現性が高く、器用な競馬をみせられるタイプ。
Simca Mille【シムカミル】(Tamayuz×Swerita by Pivotal)牡・19生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:7 結:6 土:2 弱:2 影:2 集:5 質:6 再:5 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(43+1/60)点 クラス:1A+
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I ◎ C 〇 L ×
ダ:S × M △ I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:普通
〇 短評
主導は、かなり血が濃いもののNorthern Dancer4×5・5を伴うNureyev3×4で明確。また、前面でクロスしたBustino4×5は単一クロスの為、影響はやや弱い。次いで、影響が強いのはNever Bend5×7、Prince John6×6の系列クロス。これらクロスは、前述のBustinoを介し強固に連動している。従って、Bustinoクロスは有効であり、その内部において、Donatello.Prince Chevalier.Fairway.Petitionを系列クロスとするだけでなく、Mieuxce.Red Sunset.Black Devill.Feola.Rose Redをクロスさせ、きめ細かく生かした質の高い欧州系の血をしっかりと主導と連動させている。また、主導たるNureyev内においてもGold Bridge.Abbots Traceをしっかりとクロスさせ、Papyrusを通じPrincequillo系を、Nearcoを通じNever Bendを直接連動させており、Almahmoudこそ落失するものの、小気味よいスピードを再現している。ここが当馬の能力の源泉であり、血は濃いものの、理にかなった配合となっている。更に、血が濃い為そこまで評価できるものでも無いが、これといった弱点も無く安定感のある配合となっている。惜しむらくは、母方の血統がやや世代後退している点で、世代ズレこそ発生していないものの、ある意味では幸運な配合であると言える点か。本質は、芝向きのマイル~クラシックタイプ。ダートは不得手で、重馬場はこなせる程度。比較的距離適性の幅は広いタイプ。開花率は高いと想定されるが、ややゆっくり成長するタイプで、生かされたスピード・スタミナの良さから、器用な競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。是非とも無事な開花を望みたい好配合である。
Tunnes【テュネス】(Guiiani×Tijuana by Toylsome)牡・19生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:3 結:7 土:2 弱:1 影:2 集:4 質:6 再:5 SP:2 ST:5 特:0
合計:(37/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:× 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M × I □ C 〇 L □
ダ:S × M × I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:普通
〇 短評
主導は非常に不明瞭な配合で、最前面でクロスしたTurbaine3×3は、途中Sharpen Upが5×5・5とクロスするものの、ほぼ単一クロスであり、同様にBuckpasser5×7、Northern Dancer5・7×5・7・7、Riverman5×6、Tamerlane6×7は、全て中間断絶クロスとなっている。同様に、前面でクロスしたSurumu5×4も中間断絶クロスであるが、その父の父であるBirkhahn6×5が系列クロスを形成しており、これがひとまず主導と言える。この主導の不明瞭さが、この配合の限界点であり、何を強調したいのかがわかりにくい配合となっている。反面、全体の結合力は、前述のクロスによって血統全体が見事に連動しており、8代目までに連動していないクロスは、Kalmia(=Rosetta)9×8のみであり、前面で多種のクロスを作成した為、極めて高い評価を与えるものでは無いものの、近年の配合としては、非常に高い連動性をはかっており、各クロスの充足率も高い点は見るべき部分である。本質は、芝向きの中~長距離タイプ。ダートは不得手だが、重馬場は比較的得意なタイプ。これと言ったスピード要素が無く、開花には相当の鍛錬が必要だが、質の高い血を存分に生かした配合であり、底力はあるタイプ。脚質は先行タイプ。
(taku.O)
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