重賞勝ち馬評価 ニュージーランドトロフィー【エエヤン】 阪神牝馬ステークス【サウンドビバーチェ】 桜花賞【リバティアイランド】

重賞勝ち馬評価 ニュージーランドトロフィー【エエヤン】 阪神牝馬ステークス【サウンドビバーチェ】 桜花賞【リバティアイランド】

ニュージーランドトロフィー
エエヤン(シルバーステート×シルクヴィーナス by ティンバーカントリー)牡・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:8 結:4 土:3 弱:3 影:3 集:5 質:5 再:2 SP:5 ST:3 特:1(産駒複数活躍繁殖牝馬)
合計:(41+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M 〇 I △ C × L ×
ダ:S 〇 M □ I × C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高い 成長型:早め

〇 短評

プレイアンドリアル(3B+)半弟。主導は兄同様に、その父Nearcticから継続するNorthern Dancer6・6×4の系列クロス。他に強い影響をもったクロスも無く、このシンプルさが、当馬の最大の長所であると言える。反面、兄、プレイアンドリアルはNorthern Dancer4×4を主導にAlmahmoudが5代目から影響をもった為、ある程度の米系の連動性がはかられていたものの、当馬は、父方の1代後退によりサンデーサイレンス内のAlmahmoudが6代目からクロスした為、米系を取りまとめられず、父の主導であったHail to Reason-Turn-toや、母の主導であったRaise a Nativeの落失により、7代目以降においてきめ細かく生かされたBull Lea.RomanといったTeddy系や、Blue Larkspur.Man o’Warといった米系、Hurry Onといった欧州系の連動が図られておらず、ここが当馬の配合の限界点である。言い換えればNorthern Dancerを主導とし、結合のアシスト役を得られなかった、配合の限界点であると言える。仮に、母がHail to Reasonを、父がBuckpasser.Rais a Nativeをたった一連でも保持していればと思わせる血統構成である。更に、父母の主導の落失に加え、父母の血統で強い影響を持ったクロスや、隠し味的に生きたクロスである、Lavendula-Sweet Lavender.Birbi.Fastnet.Tourbillon-Ksar.Clarissimus.Pocahontas.Princequillo.Gold Bridge.Crafty Adiral.War Admiral.Case Ace.Son-in-Law.SwapsLa Troienneを落失している。従って、父母の再現度も高いとは言い難い。とは言うものの、6代目以降に整然と並ぶ、Nashua6×6、Khaled8×6・7、Petition8×6の系列クロスが、しっかりと主導のNorthern Dancerと連動し、欧米系のスピードのアシストを豊富に受けた配合であり、ここが当馬の能力の源泉である。加えて(2-3-4-11)という、影響度バランスや、これといった弱点の無い血統構成。更にPharos(=Fairway)20連で土台構造を形成する等、安定感のある血統構成であると言える。本質は、芝・ダート兼用のマイルタイプで、重馬場はこなせる程度。また43という少ないクロス馬で血統を十全に構築し、反応の良さが見込める血統構成。開花は比較的早く、早期のスピード対応が可能。更に、強調された母の母へとある程度の血の集合が見られる為に、仕上がった際には多種のスピードを生かした点も踏まえると、器用な競馬を見せる可能性は指摘しておきたい。ただし、前述の通り欧米系の結合の弱さから、思った程の成長を見せない可能性も指摘しておきたい所である。

 
阪神牝馬ステークス
サウンドビバーチェ(ドゥラメンテ×スクービドゥー by Johan Cruyff)牝・19生
有効世代数:10代目

Ⅰ 主:5 結:8 土:2 弱:2 影:3 集:5 質:5 再:5 SP:3 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(42+1/60)点 クラス:3B+(1A)
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I ◎ C 〇 L □
ダ:S × M □ I ◎ C □ L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低い 成長型:晩成

〇 短評

主導は、Northern Dancer-Natalma-Almahmoudと継続するNijinsky7×5。ただし、その父であるNorthern Dancerが6・6・6・8×5・6とクロスし、Nijinskyと同位置に存在した為、主導の明瞭性に不備をきたした点が非常に惜しまれる配合である。次いで、Mill Reef6×6、Graustark(=His Majesty)7×5、Buckpasser7×6の中間断絶や、かなり珍しくあるがCharlottesville7×6の系列クロスの影響が強い。従ってシンプルな血統構成であるのは確かであり、裏を返せばNijinsky7×5のクロスはなかった方が良かったと考えられる血統構成である。とは言うものの、主導勢力であるNijinsky-Northern Dancerと前述のMill Reef. Graustark(=His Majesty). Buckpasserの連動性は高く、本来孤立しがちなPrincequillo系であるCharlottesvilleが母方に抱えるNearcoにより、直接主導勢力と結合した点は見るべき部分であり、血統全体の結合力はかなり高い。ここが当馬の能力の源泉であるのは間違いない所であり、全体で18連存在するHyperionや、19連存在するNearcoの血の流れにかなりの良さがある。また8代目以降であるものの、Niccolo Dell’ArcaやDjebelをクロスさせ、有効世代数が10代目である点もあるが、主導と直接・間接的に結合させる等、血の質も良好。惜しむらくは、母の母が抱える独系統の生かし方に難があり、弱点の派生こそ防いでいるものの、この部分の能力参加が弱い点にある。また、スタミナ勢力に比して、スピード勢力がやや弱く、Natalma-Almahmoudこそ6代目でクロスしているものの、以降は7代目Lady Angela.Grey Sovereign.Royal Charger(Nasrullahとの呼応によりスピード勢力に変化)程度であり、牝馬としてはかなり重厚な配合である。本質は、芝・ダート兼用の中~クラシックタイプ。重馬場もこなせる全天候型。主導のNijinsky内の生かし方はかなり良好で、その充足率の高さや、強調された母の父Johan Cruyffへ、血の集合が見られる点から、その確率は高いとは言い難いものの、開花した際には力強い競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。また、ゆっくりと成長する晩成型であり、血の質の高さから、自力勝負が可能な血統構成。是非無事な開花を望みたい好配合である。

 
桜花賞
リバティアイランド(ドゥラメンテ×ヤンキーローズ by All American)牝・20生
有効世代数:9代目

Ⅰ 主:6 結:7 土:3 弱:2 影:2 集:3 質:5 再:5 SP:4 ST:4 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(41+1/60)点 クラス:3B+
Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C □ L ×
ダ:S × M △ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め

〇 短評

前面でクロスした、Mr.Prospector4×5・6は、中間断絶の為、主導は、Northern Dancer-Nearcticと継続する、トライマイベスト(=El Gran Senor)5×4の系列クロス(この評価はトライマイベスト(=El Gran Senor)の同血クロスが効果を発揮していると見て評価をしている)。次いで、Turn-toを伴うHail to Reason5×5・7の影響も強く、これらクロスが25連で土台構造を形成したNearcoで強固に連動しており、主導としてはやや不明瞭にはなったものの、この結合力の強固さが当馬の能力の源泉である。更に、主導内の充足率は高く、Buckpasserこそ落失するものの、Best In Show7×5・6を内包し、Tom Foolの系列クロスからスピードを、Alibhai.War Admiralからスタミナを直接補給しており、しっかりと血統全体をリードしている。この充足率の高さをもってすれば、仕上がった際には迫力ある競馬を見せる事が可能なタイプ。惜しむらくは、8代目以降においてきめ細かく生かしたDjbel-Tourbillon.Princequillo等の連動が図られていない点や、血の集合がやや甘い点で、詰めの甘い競馬を見せる可能性を秘めるタイプ。本質は、芝向きの中距離タイプ。ダートはこなせる程度だが、重馬場は得意なタイプ。決して国内向きのキレのある脚を使えるタイプでは無いが、長く脚を使える可能性は指摘しておきたい。また、完全開花には相当の鍛錬が必要なタイプ。牝馬としては重厚だが、無事な開花を望みたい好配合である。

 

(taku.O)
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