閲覧者の皆様こんにちは。今回の血統研究所は、私的名馬選と銘打って、個人的に面白い配合だと思える名馬達を、成績にとらわれず、皆様に紹介をしていきたいと思います。
では、今回は、10戦10勝無敗の二冠馬でありながら、日本ダービー制覇後破傷風を発症し、わずか13日後にその一生を閉じた、まさに幻の名馬、トキノミノルについてです。
(セフト×第弐タイランツクヰーン by Soldennis)牡・48生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:8 結:10 土:5 弱:3 影:2 集:7 質:5 再:7 SP:5 ST:3 特:0
合計:(55/60)点 クラス:3A
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S △ M ◎ I ◎ C 〇 L ×
ダ:S □ M □ I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め
〇 短評
前面でクロスした、The Tetrarch3×4は、中間断絶クロスの為、主導はBona Vista5×6・6の系列クロス。次いで、Hermit7・7・7・8×5・6・7・8・9、St.Simon6・6×5・6・6・6、Sierra(=Sainfoin)5×5の系列クロスの影響が強い。一見すると、主導が不明瞭な配合に見えるものの、これらクロスは、最前面でクロスした、The Tetrachへとそれぞれ連動している。細かく見ていくと、HermintはNew Minsterで、St.SimonはGalopinで、Sierra(=Sainfoin)はStockwellで、しっかりとThe Tetrach傘下に吸収されており、実質的な主導は、The Tetrach3×4を呼び水とした、これらクロスの連合勢力と見る事ができる。この主導の明瞭さと、各系統の連動性が当馬の最大の長所であり、本来スピード型のThe Tetrach.Bona Vistaへと、十分なスタミナを補給しているのを見て取る事ができ、これが当馬の圧倒来なスピードと、それをしっかりと支えたスタミナを再現し、The Tetrachはスピード・スタミナ兼備のそれへと能力変換をおこしていると考えて良い。惜しむらくは、やはりスタミナ勢力にやや弱さがあり、本質的にはスピードタイプの配合であり長距離レースでの適性には疑問符が付く点と、影響度バランスが(11-7-15-11)となり、強い影響をもった母の父Soldennisの質がやや劣る点だが、これといった弱点も無く、安定感のある血統構成。本質は、芝向きの中距離タイプで、ダートや重馬場はこなせる程度。The Tetrachを呼び水とした、当時の日本競馬としては、正にエポックメーキングなスピードを再現した配合で、その戦績に違わないまさに名馬の血統構成と言えるだろう。仮に、芝の10F程度であれば、世界中どこに出しても恥ずかしくない、血統構成である。
当時の日本競馬としては、圧倒的なスピードをもった血統構成であるトキノミノルですが、残念ながらその血を残す事はかないませんでした(ただし、全妹ダーリングを通じて、グリーングラスの能力形成に大きく寄与している。もっとも、その血は現代においてこそ重要なものの、その血が途絶えているのが非常に惜しまれる)。仮に、種牡馬入りした場合、当時の日本競馬において専有的な地位を占めていたのは、Ganinborough.Blandford系であり、トキノミノルとの間においては、決して相性が良いとは言えず、アトランダムな配合では、そのスピードがスポイルされる事が想定されます。そこで、そのスピードの継続を第一義として、仮想配合を考えてみました。トキノミノルへの餞にもならないと思いますが、ご閲覧頂ければ幸いです。
(トキノミノル×レツドグロー by Mazarin)-・-生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:10 結:9 土:5 弱:3 影:1 集:6 質:4 再:7 SP:5 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(50+1/60)点 クラス:2A+
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M ◎ I 〇 C △ L ×
ダ:S □ M □ I △ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:高め 成長型:早め
〇 短評
主導は、現代競馬においても、スピード・切れ味の源となり得る血であり、父の呼び水となったThe Tetrarchを伴うTetratema3×4。途中Vahrenこそ落失するものの、父のスピードの源となったBona Vistaの系列クロスや、Hamptonの仔であり、スタミナを補給するAhrshireの系列クロスを内包するだけでなく、The Tetraceを4・5×5・5と、血統の4ブロック全てに配し、血の濃さはあるものの明確な主導勢力として機能している。また、Volta4×5単一クロスや、Sierra(=Sainfoin)6・6×6・7や、11連存在するHermitや、16連存在するSt.Simonの系列クロスがスタミナの核を形成。また、Kendal(=Golden Agnes)5×7の系列クロスが、スピードの核を形成しており、生かされたスピード・スタミナは、非常に良好である。また、各系統の連動性をやや冗長になるが目をやると、6代目までにクロスした、St.Simon.Bona Vista.Syrshireは主導傘下であり、Voltaは、Bend Or.Vista.Galopinで、Sierra(=Sainfoin)は、Stockwellで、Kendal(=Golden Agnes)は、Bend Orで、Hermitは、New Minsterで、CarbineはStockwell.New Minseterで、PhararisはSt.Simonで、FlorizelはSt.Simonで、CylleneはBona Vistaで、それぞれ連動しており、7代目以降の連動性も極めて高い。更に、これと言った弱点も無く、安定感のある血統構成。この連動性が当馬の能力の源泉であると言える。惜しむらくは、やはり圧倒的なスピード勢力に比してスタミナ勢力が弱い点と、影響度バランスが(14-14-5-9)と若干崩れた点だが、強調された、父の父セフトへの血の集合にはかなりの良さがあり、決め手を秘めた血統構成であると言える。本質は、芝向きのマイル~中距離タイプで、ダート・重馬場はこなせる程度。父のスピード再現が非常に良好な配合となっており、仮に、この配合が試されたならば、当時の日本競馬において、異次元のスピードを見せる可能性を秘めている点は指摘しておきたい。
最後になりましたが、今回は正に幻の名馬であるトキノミノルについて解説を行ってみました。彼がもし無事であったなら、そして多くの産駒を残せていたなら、現代競馬に欠かせないスピード源の一つとなったことでしょう。今回の血統研究所はこの辺りで筆を置きたいと思います。このような記事でも閲覧者の皆様の喜びになれば幸いに思います。今後とも競馬総合サイトG-ZERO及び、血統研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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