血統診断基準④主導項目について

血統診断基準④主導項目について

閲覧者の皆様、こんにちは。競馬総合サイトG-ZEROへようこそ。また、血統研究所へもようこそおいで下さいました。今後ひとまずの、血統研究所のコンテンツとして、主要11項目のそれぞれについて、優秀な配合をそれぞれピックアップしていきたいと思います。まずは主導項目についてです。

 

一口に主導と言われても、なんぞやとなるかと思いますので、優秀な主導とは何かとして実馬を例に上げて、説明を行いたいと思います。では、今回はグランプリ三連覇を果たした、グラスワンダーを例にしたいと思いますので、お付き合いの程、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、グラスワンダーの血統構成の説明に入る前に、非常に簡単ではありますが、主導項目について高い評価を得るためのポイントをいくつかあげてみたいと思います。

 

  • 最前面で系列クロスを形成する血が全体で多数派の血を含む事
  • そのクロスが系列クロスを形成する事(自身からはじまり、その父―祖父―曾祖父とクロスを継続させる事を言う)
  • その主導と目される血(ないし系列クロスを形成するその父母)が血統の4ブロック(父父・父母・母父・母母)において影響を行使する事
  • 主導と血の流れが異なるクロスを同位置に作らない事
  • 6代目までに存在するクロスと血の流れを共有し結合を果たす事
  • 7代目以降においても、血統全体でクロスする血の祖先馬を豊富に含む事(前述の項目よりは重視しない部分ではあります)

 

簡単ではありますが、この6項目がしっかりと守られていれば、それだけ主導としての評価が上昇すると、考えて頂いてかまいません。

 

グラスワンダー(Silver Hawk×Ameriflora by Danzig)牡・95生

有効世代数:9代目

 

Ⅰ 主:9 結:6 土:3 弱:2 影:3 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0

合計:(46/60)点 クラス:1A

Ⅱ 日本適性:△ 成長力:〇

Ⅲ 距離適性

芝:S × M □ I ◎ C 〇 L □

ダ:S × M □ I 〇 C △ L ×

芝適性:〇 ダート適性:□ 重馬場適性:□

Ⅳ 開花率:△ 成長型:遅め

 

〇 短評

 

主導はNearco4・6・6×5の系列クロス。この主導は血統の3ブロックに配置され、母母Graceful Touch内には存在しないものの、その父Pharosが7代目に配されており、血統の4ブロックに明確に影響を行使していると言える。また、前面に存在するクロスである、Hyperion.Hurry On.Sir Gallahad(=Bull Dog)としっかりと結合を果たし、その意味でも主導としての機能は明確であると言える。惜しむらくは、Nasrullahの母である、Mumtaz Begum(=Mirza Ⅱ)との結合が9代目までに完了していない点で、この部分の離反や、7代目以降ではあるがMan o’War等の米系の結合も弱く、これが無ければ、もうワンランク上の評価もあり得る配合だと言える。しかしながら、4代目に存在する実質的主導のNearcoが存在する、父の母であるGris Vitesseへの血の集合力もかなりのもので、Hurry On.Hyperion.Clarissims.Rabelais等スタミナの再現に繋がる血や、Sundridgeをしっかりと生かしたスピード等、見るべき点が多い血統構成である。本質的には、スタミナ優位の血統構成で、本領発揮は芝の10F以上。

 

 

これが、グラスワンダーについての血統的な説明になりますが、主導項目の評価についての説明を更に行いたいと思います。短評でもあるように主導はNearco4・6・6×5の系列クロスとなります。このNearcoは父であるPharosから、Phararis-Porymerus-Cylleneと5代連続でクロスしています。また6代目までに存在するクロスは、Nearco内、Sainfoinを通じHurry Onと、Chaucerを通じてHyperionと、Spearmint.Ajaxを通じて、Sir Gallhad(=Bull Dog)と連動しています。前述の通りMumtaz Begum(=Mirza Ⅱ)との結合が9代目までに終わっていない為に、そのスピード発揮にやや安定性を欠くもののの、全体の先導役として十分な役割を果たしていると言えるでしょう。また、血統の4ブロックである父父・父母・母父・母母全てにNearcoが存在しないものの(仮に母方6代目に存在したら更に評価が上がります)、その父Pharosが7代目とやや影響が弱いものの、しっかりとクロスしているのは幸運だと言えるでしょうか。では、これを前記の項目に当てはめて考えてみましょう。

 

  • 最前面でクロスして主導と目されるNearcoは、Simon(14連).Polymerus(13連).Chaucer(12連)を含み、全体の多数派である。
  • 主導であるNearcoは、Pharos-Phararis-Porymerus-Cylleneと5代連続でクロスを継続している。
  • 主導であるNearcoは父父・父母・母父に存在し、母母には存在しないものの、その父Pharosを7代目に配しており全体の連動性は保たれている。
  • 母父内で4代目にクロスするNearcoと、同位置に存在するクロスは皆無で、5代目にも存在しない。
  • 6代目までに存在するクロスは、Nearco内、Sainfoinを通じHurry Onと、Chaucerを通じてHyperionと、Ajaxを通じて、Sir Gallhad(=Bull Dog)と結合を果たしている。強力なスピード源となり得るMumtaz Begum(=Mirza Ⅱ)とは結合を果たしていないのが惜しまれる。
  • 7代目以降に存在するクロスである、Rabelais等スタミナに通じるクロスはしっかりと連動しているが、Mano’War等の米系の結合が果たされていないのは惜しまれる。

 

こうしてみると、ほぼすべての項目で、グラスワンダーは高い評価を与えてよい血統構成をしています。ややマイナスの部分が残りますが、これは重箱の隅をつつくレベルで、過去の幾千・幾万の名馬達と比較しても、こと主導項目に関してはトップレベルの配合であったと言えるでしょう。

簡単ではございますが、主要11項目における主導勢力についての説明を終わりたいと思います。まだまだ分かりにくい部分も多々あると思います(血統表を併記しない点等)。ですので、ご質問等あれば気軽にご連絡頂ければと思います。

 

今後とも競馬総合サイトG-ZERO共々、血統研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

(taku.O)
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