今回の血統研究所は、種牡馬考察と銘うって、これから産駒がデビューする種牡馬の考察を行いたいと思います。まず、種牡馬となったサラブレッドの血統構成を簡単に説明した上で、必要な血(これをキーホースと言います)がどういったものなのか、どういった配合が好ましいのか。更には、アトランダムな配合において想定される産駒の傾向を考察していきたいと思います。また、自身の目からみて血統構成上、面白いと思われる配合(優秀な配合という訳ではありません)をピックアップし、簡易考察をしてみたいと思います。
距離適性は、ミオスタチン遺伝子をC/T型と想定して算出しております。当該のサラブレッドのミオスタチン遺伝子が、C/C型であれば一項目左へ、T/T型であれば一項目右へずらして、ご閲覧頂ければ幸いに思います。
では、今回は、バンドワゴンです。
バンドワゴン(ホワイトマズル×ピラミマ by Unbridled’s Song)牡・11生
有効世代数:10代目
Ⅰ 主:5 結:7 土:2 弱:2 影:1 集:4 質:3 再:3 SP:4 ST:3 特:0
合計:(34/60)点 クラス:2B
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C △ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め
〇 短評
前面でクロスしたNorthern Dancer4×7は、世代ズレとなる為、主導は、Nasrullah-Nearcoと継続させたBold Ruler5×7の系列クロス。次いで、Turn-to6×8、Tom Fool6×8の系列クロスや、Princequilloを伴うRound Table5×7、Djbelを伴うMy Babu6×8で血統を構成。従って主導としてはやや不明瞭な血統構成となり、Northern Dancerが世代ズレをした事により、Hyprion系をはじめとした全体の連動性に弱さがあり、この部分が当馬の血統構成の限界点を端的に示している。とは言うものの、父のイメージとは異なり、スピードには恵まれた血統構成となっており、米系の連動を主導たるBold Ruler内Fair Play.Spearmintによりはかった点は見るべき部分である。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場もこなす全天候型。有効世代数が10代目となった為、大きな弱点や欠陥が派生しなかった点は幸運だが、影響度バランス(4-9-0-1)からもわかるように、父母の世代があっておらず安定感に欠ける可能性や、強調された父の母Fair of the Furze内への血の集合に弱さがあり、詰めの甘い競馬を見せる可能性を指摘しておきたい。
以上が、バンドワゴンの血統評価となります。これが種牡馬となった際にどのような産駒を輩出するかを、ここから考察していきたいと思います。まずは、当馬の血統を構成する際に必要な血(キーホース)とはどのようなものか、上げてみましょう。
・スピード系
Bold Ruler-Nasrullah.Tom Fool.Turn-to.My Babu.Count Fleet
・スタミナ系
Hyperion.Round Table-Princequillo
・バランス系
無し
これらを踏まえて、繁殖牝馬側に求める条件を考えてみたいと思います。
・自身は主導が不明瞭な血統構成であるが、この補正は必要。具体的には、自身の主導であったBold Rulerを一歩進め、My Babuを内包したTyrantが候補にあがるが、かなり希少な血である為に、現代の血統プールを踏まえると難しいと言える。
・母ピラミマが持つものの、自身ではクロスにならなかったRaise a Native-Native Dancerを継続させMr.Prospectorを主導とする事は悪くない。ただし、欧州系の離反を招きやすい点や、産駒においてMr.Prospectorが6代目に位置する点は注意で、明確な主導とする為には、6×4程度の配置を考える必要があり、Alyderも同様である。
・また、父の父ダンシングブレーヴに注目しLyphard4×4を主導とする事も有用。この場合Court Martial-Fair Trial.Hurry Onを自動的にクロスできる点は利点である。ただし、自身でもそうだがNorthern Dancerの世代ズレを補正する必要があり、このNorthern Dancerの世代補正は必須であると言える。
・米系の連動性を確保するのが有用なHail to Reasonを内包しているものの、産駒においては8代目に位置する為に非常に難しい点は考慮にいれる必要がある。その為、産駒においては欧州系を優先で組み立てたいと考えられるものの、母内においては米系が非常に強い血統構成であり、仮にHail to Reasonを8×6で作った場合においても米系の離反は避けられない点は、種牡馬としては非常に不利な部分である。
・スピードの確保の為にTom Fool.Turn-to.Bold Ruler-Nasrullahの継続は積極的に狙っていきたい。
・スタミナの確保の為にRound Table-Princequilloは必要だが、産駒においては非常に孤立しやすく、この解決の為にSir Gaylordを6×6程度にクロスさせる事を狙いたい。Riverman.Seattle Slewクロスも同様に有効になりやすい。また、自身では眠っているもののHigh Hatをクロスさせるのは有用な選択肢であると言える。
・自身では辛うじて弱点や欠陥の派生を防いでいるものの、産駒においてはPago Pagoをはじめとして、かなりの確率で弱点を派生させる可能性が高い点は留意が必要。
このような種牡馬としての特徴を持つ、バンドワゴンですが、アトランダムな配合においては、主導が不明瞭になりやすく、かつ欧州系の連動性も弱くなりがちな血統構成であり、更に弱点を派生させやすい点や、Northern Dancer.Hail to Reasonをはじめとして、世代のバランスに悪さを残しやすい為、安定感や成長力に欠け、主導が不明瞭になりやすい点を踏まえると、詰めの甘い産駒が多数派になると考えられます。救いは、スピード要素であるBold Ruler-Nasrullah.Tom Fool.Turn-toの継続が国内の繁殖牝馬の血統プールを踏まえると容易く、最低限のスピードを確保しやすい点で、多くの産駒はダート向きのスプリンター~マイラーになると想定されます。
現状苦戦を強いられているバンドワゴンですが、80年代欧州最強馬と名高かったダンシングブレーヴ直系の種牡馬であり、スワーヴリチャード(2B)の半兄でもある、貴重な種牡馬であると言えます。そこで、こうした配合なら、という仮想配合を考えてみましたので、皆様の参考になれば幸いであります。
(バンドワゴン×ハーズシャドウ by オルフェーヴル)-・-生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:8 結:6 土:2 弱:1 影:2 集:5 質:3 再:5 SP:4 ST:3 特:1(主導牡牝を通じたクロス)
合計:(39/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:〇 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I 〇 C □ L ×
ダ:S × M 〇 I □ C × L ×
芝適性:〇 ダート適性:〇 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め
〇 短評
主導は、Ksarの落失は惜しまれるが、Northern Dancer5・8×5・6・6・7・7を伴い、Hurry Onを生かしたCourt Martialの系列クロスを内包した、Lyphard4×4で明確。次いで、Mr.Prospector6×5、Bold Ruler6・8×7・9、Hail to Reason8×6・8・9の系列クロスや、Round Tableは世代ズレを派生させたものの、Princequilloを内包したSeattle Slew5×6の単一クロスで血統を構成。米系の離反や、複数の弱点の派生は惜しまれるものの、Wild RiskをRabelaisにより、Lyphardと直接毛統合させ、Princequillo.My Babuを間接的にでも連動させた点に妙味がある。本質は、芝・ダート兼用のマイル~中距離タイプで、重馬場は慣れればこなせる程度。9代目までにクロス種が58とかなり多く、開花には時間がかかると想定されるが、難しい父としては配合の方向性はあっている。
最後になりましたが、これがバンドワゴンの、種牡馬としての考察となります。あくまでも紙面上の考察ですが、面白く見て頂ければこれに勝る嬉しさはありません。今後とも競馬総合サイトG-ZEROと、血統研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
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