今回の血統研究所は、種牡馬考察と銘うって、今年度に産駒がデビューする種牡馬の考察を行いたいと思います。まず、種牡馬となったサラブレッドの血統構成を簡単に説明した上で、必要な血(これをキーホースと言います)がどういったものなのか、どういった配合が好ましいのか。更には、アトランダムな配合において想定される産駒の傾向を考察していきたいと思います。また、自身の目からみて血統構成上、面白いと思われる産駒(優秀な配合という訳ではありません)をピックアップし、簡易考察をしてみたいと思います。
では、今回は、ドレフォンです。
ドレフォン(Gio Ponti×Eltimaas by Ghostzaper)牡・13生
有効世代数:9代目
Ⅰ 主:6 結:6 土:3 弱:2 影:2 集:5 質:3 再:4 SP:4 ST:3 特:0
合計:(38/60)点 クラス:3B
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:□
Ⅲ 距離適性
芝:S □ M △ I × C × L ×
ダ:S 〇 M 〇 I △ C × L ×
芝適性:□ ダート適性:〇 重馬場適性:〇
Ⅳ 開花率:低め 成長型:普通
〇 短評
主導は、Mr.Propector.Northren Dancerを呼び水にした、Polynesianを伴うNative Dancer。次いで、Nasrullah.Somethingroyalの系列クロスで血統を構成。母の世代が父に比べて新しくRaise a Nativeが世代ズレを起こしており、配合としてはやや不満が残るのは確かであるが、Nasrullah.Somethingroyalのスピード・スタミナをMr.Propectorを通じ生かしたのは当配合の長所。本質はダート向きのスプリント~マイルタイプで芝は不得手。重馬場はこなせるタイプ。
以上が、ドレフォンの血統評価になります。これが種牡馬となった際にどのような産駒を輩出するかを、ここから考察していきたいと思います。まずは、当馬の血統を構成する際に必要な血(キーホース)とはどのようなものか、まず上げていきましょう。
・スピード系
Mr.Prospector-Raise a Native.Nasrullah
・スタミナ系
Somethingroyal
・バランス系
Northern Dancer.Native Dancer
これらを踏まえて、繁殖牝馬側に求める条件を考えてみたいと思います。
・主導は、父の傾向を引き継ぐ為にNative Dancerの系譜につらなるクロスが良いと考えられる。ただし、自身の血統においてRaise a Nativeが世代ズレをおこしている為、この部分の補正は必要。
・産駒の血統において、Native Dancer系列を用いる場合、Mr.Prospectorが国内に浸透している点は、種牡馬として有利な部分で、産駒の大多数がMr.Prospectorを主導とする可能性が高い。
・ただし、その場合においてMr.Prospectorが5・7×となる上、Alydar傘下のRaise a Nativeが5代目に存在する点はマイナスで、上位の配合を狙うならば、この位置の補正は必要。
・これを逆にとらえて、Mr.Prospectorと比較して浸透度はひくいもののAlydarを主導に据えることは、非常に有効で質も高くなる。
・母母であるNajecamはForli.Habitat等、欧州系主体の血統を持ち、上級配合を望むならこの部分へのフォローは必要。
・欧州系の結合アシストとしてNorthern Dancerは必要不可欠なクロスだが、その仔であるヴァイスリーガル(=Vice Regent)は母方の生かし方が難しい為、無駄なクロスとなりやすく、Nijinskyが産駒の7代目に位置する点は注意が必要。
・上記の意味において、Mr.Prospectorを持ち、同じようにNijinskyの位置の難しさを持つキングカメハメハとは相性が良く、BMSにキングカメハメハを配した場合、世代ズレを生じMr.Prospectorを一連無駄にするものの、Mr.Prospectorのスピードを前面に出す事は可能。
このような種牡馬としての特徴を持つ、ドレフォンですが、アトランダムな配合においては、位置の悪さを抱えながら、クロスさせるだけで、自動で系列クロスを形成できるMr.Prospector主導の配合が大多数となる事が予想されます。この場合、産駒はダート向きに出やすく、父のイメージ通りの産駒が多いと言える種牡馬でしょうか。また、どのような配合をしても欧米系の結合に弱さがでるタイプの種牡馬ではある為に、中堅級のダートマイラーが産駒の基本タイプとなると想定されます。
注目の産駒
モスカートローザの19(ドレフォン×モスカートローザ by ディープインパクト)牡・19生
クラス:3B 適性:ダートマイル~中距離
主導は、Alydar4×4の系列クロス。次いで、Tom Rolfeの系列クロス。本来結合が難しい、Princequillo系をしっかりと主導と連動させ、Northern Dancerが欧州系の結合をアシスト。主導・結合は極めて強固とは言い難いものの、父母の持つ血の質の高い血の再現性が高く、更に主導内の充足率はかなり高い。弱点を一か所派生させた点と、影響度バランスの悪さから、好不調の波が激しいタイプであると想定されるものの、本質は、底力あるダートマイル~中距離タイプ。芝は慣れればこなせる程度。完全開花した場合、ダート戦線の主役を張れる程の器を秘めた配合。
最後になりましたが、これがドレフォンの、種牡馬としての考察となります。あくまでも紙面上の考察ですが、面白く見て頂ければこれに勝る嬉しさはありません。今後とも競馬総合サイトG-ZEROと、血統研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。
(taku.O)
1日1クリック!皆さん、応援よろしくお願いしますm(__)m