皐月賞2021過去10年の傾向データ

皐月賞2021過去10年の傾向データ

皐月賞(G1)は、中山芝2000mで行われる3歳限定の別定G1。
クラシック三冠の第一関門で、昔から「スピードの皐月賞」と言われる。
昨年は、コントレイルが、一昨年のサートゥルナーリアに続き、ホープフルS(G1)からの直行で、ここを勝っている。
では、過去10年の傾向データを見ていこう。

●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 4-1-1-4 40.0% 50.0% 60.0%
2番人気 1-3-0-6 10.0% 40.0% 40.0%
3番人気 1-2-3-4 10.0% 30.0% 60.0%
4番人気 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
5番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7番人気 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8番人気 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
9番人気 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
10番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
12番人気 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
13番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
17番人気 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
18番人気 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%

●開催年 3着内人気
2020年 1-3-8
2019年 1-4-3
2018年 7-9-8
2017年 9-4-12
2016年 8-3-1
2015年 3-2-4
2014年 2-1-8
2013年 1-2-3
2012年 4-2-3
2011年 1-6-11

1番人気は、勝率40%、連対率50%、複勝率60%と、軸としては、ギリギリ機能していると言える。
連対は、1番人気中心も、最大で9番人気まで見る必要があり、少々難解。
2桁人気は3着が最高で、2011年の11番人気、2017年の12番人気の2頭のみ。割引きと見て良い。
全体的には、9番人気以内で実質、9頭立て。

 

●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 4-1-4-53 6.5% 8.1% 14.5%
栗東 6-9-6-92 5.3% 13.3% 18.6%
その他 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%

頭数、率ともに関西馬が優勢。
勝ち馬に関しては、東西、差は無い。

 

●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 2-0-0-17 10.5% 10.5% 10.5%
2枠 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
3枠 0-1-1-18 0.0% 5.0% 10.0%
4枠 2-3-1-14 10.0% 25.0% 30.0%
5枠 0-1-2-17 0.0% 5.0% 15.0%
6枠 2-0-3-15 10.0% 10.0% 25.0%
7枠 2-2-0-24 7.1% 14.3% 14.3%
8枠 1-2-2-23 3.6% 10.7% 17.9%

1、2着に関しては、内外の差は無く、3着になると、やや外が優勢。

 

●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-0-1-12 0.0% 0.0% 7.7%
先行 2-5-4-24 5.7% 20.0% 31.4%
差し 8-3-5-62 10.3% 14.1% 20.5%
追込 0-2-0-47 0.0% 4.1% 4.1%

差し>先行>追込>逃げの順。
ゴール前の急坂下からのスタートで、これを2回登るタフなコース。
加えて、コーナー4回と器用さも求められる。
2コーナー付近からは、割とペースが落ち着き、最後の直線で上り勝負になる傾向。
速い上りが無い馬は、勝負にならない。

 

●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
共同通信杯 4-0-1-9 28.6% 28.6% 35.7%
スプリングS 2-1-3-34 5.0% 7.5% 15.0%
ホープフルS 2-0-0-1 66.7% 66.7% 66.7%
弥生賞 1-4-2-33 2.5% 12.5% 17.5%
毎日杯 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%
若葉S 0-3-1-19 0.0% 13.0% 17.4%
アーリントンC 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
朝日杯FS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
京成杯 0-0-2-2 0.0% 0.0% 50.0%
きさらぎ賞 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
その他 0-0-0-29 0.0% 0.0% 0.0%

共同通信杯、スプリングS、ホープフルS、弥生賞、毎日杯から勝ち馬が出ている。
2、3着を見ても、若葉S以外は全て重賞で、それ以外からは馬券になっていない。

 

●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 6-8-5-28 12.8% 29.8% 40.4%
前走2人気 2-1-1-23 7.4% 11.1% 14.8%
前走3人気 1-0-1-17 5.3% 5.3% 10.5%
前走4人気 0-0-0-20 0.0% 0.0% 0.0%
前走5人気 0-1-2-15 0.0% 5.6% 16.7%
前走6~9人 1-0-1-36 2.6% 2.6% 5.3%
前走10人~ 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%

前走1~3番人気が中心。
勝ち馬の90%、2着馬の90%、3着馬の70%がこれに該当。

 

●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 8-6-6-51 11.3% 19.7% 28.2%
前走2着 2-2-2-28 5.9% 11.8% 17.6%
前走3着 0-0-2-21 0.0% 0.0% 8.7%
前走4着 0-2-0-12 0.0% 14.3% 14.3%
前走5着 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
前走6~9着 0-0-0-21 0.0% 0.0% 0.0%
前走10着~ 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%

前走1~2着が中心。
勝ち馬の100%、2、3着馬の80%がこれに該当。
負けた馬の巻き返しは、0.5秒差がボーダーラインで、0.6秒差以上負けからは、馬券になっていない。

 

●圧勝実績
クラシックで活躍する馬の共通点の一つに、過去0.5秒差以上の圧勝があること。というのがある。
対象は、以下の馬達。

アサマノイタズラ 未勝利 0.6秒差
アドマイヤハダル 若葉S 0.5秒差
ステラヴェローチェ サウジアラビアRC 0.5秒差
ダノンザキッド 新馬 0.5秒差
ボーデン 未勝利 1.0秒差
ルーパステソーロ 未勝利 1.4秒差
レッドベルオーブ 未勝利 0.6秒差

 

●注目馬
エフフォーリア
予想オッズ1番人気◎ 美浦○ 先行○ 上り時計○ 前走・共同通信杯◎ 4番人気× 1着◎ 圧勝歴×
総合点21/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1348.html
新馬、百日草特別(1勝クラス)、共同通信杯(G3)と、3連勝で重賞制覇。
3~4番手を進み、上り1、2番時計で抜け出す王道の競馬スタイル。
現状の予想オッズは、近年、最も関わりの深い共同通信杯(G3)を0.4秒差で勝ったことを評価されてのものだろうが、自身は、長く良い脚を使うタイプで、中山よりは東京向き。
初の中山、S指数がG1レベルに達していない点など、不安はあるが、大きく凡走は無いだろう。

ダノンザキッド
予想オッズ2番人気○ 栗東◎ 先行◎ 上り時計◎ 前走・弥生賞△ 1番人気◎ 3着× 圧勝歴◎
総合点24/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1221.html
2018年のセレクトセールで、1億800万円という高額で落札された注目馬。
新馬、東京スポーツ杯2歳S(G3)、ホープフルS(G1)を3連勝。無敗のG1馬となり、2020年・最優秀2歳牡馬に選出された。
年明け初戦となった前走の弥生賞(G2)では、上り1番時計34.2秒を繰り出すも、0.3秒差3着と初黒星。
超スローだった事もあるが、上手く手前を変えられないなど、器用さに欠ける部分を露呈した。
課題は明白なので、今度は、調整してくると思われるが、勝ち馬の100%条件である前走連対を満たしておらず、傾向からは2、3着か。

ディープモンスター
予想オッズ3番人気▲ 栗東◎ 差し◎ 上り時計◎ 前走・すみれS× 1番人気◎ 1着◎ 圧勝歴×
総合点22/32
新馬勝ちの後、エリカ賞(1勝クラス)こそ、0.2秒差2着と負けたが、梅花賞(1勝クラス)、すみれS(L)を連勝し、ここへコマを進めてきた。
前走のすみれS(L)では、ゲート入り直前に落鉄し、蹄鉄を打ち換えたことが影響してか、スタート直後にヨレるマイナス。
しかし、立て直し、上り1番時計34.6秒を繰り出し、0.4秒差1着と快勝だった。
傾向に該当点も多く、S指数も重賞レベルに達していることから、チャンスもありそうだが、前走レースに該当しておらず、悩ましい。

ヴィクティファルス
予想オッズ4番人気△ 栗東◎ 差し◎ 上り時計▲ 前走・スプリングS○ 3番人気▲ 1着◎ 圧勝歴×
総合点20/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1445.html
新馬勝ちの後、共同通信杯(G3)0.4秒差2着とし、前走のスプリングS(G2)では、重馬場の中、上り1番時計36.1秒を繰り出し、タイム差無しの差し切り勝ち。重賞初制覇となった。
血統配合でもそうだが、高速決着よりは、時計の掛かる馬場の方が良いタイプ。
距離も伸びた方が良いので、一雨あるようだと、大いにプラスとなる。

ステラヴェローチェ
予想オッズ5番人気△ 栗東◎ 差し◎ 上り時計○ 前走・共同通信杯◎ 1番人気◎ 5着× 圧勝歴◎
総合点24/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1046.html
稍重の新馬、不良のサウジアラビアRC(G3)を連勝し、初の良馬場となった朝日杯FS(G1)でも、上り1番時計33.5秒を繰り出し、0.1秒差2着と惜敗。スピード対応可能なところを示した。
前走の共同通信杯(G3)では、1番人気に支持されるも、0.5秒差5着と惨敗。
他馬より1kg重い57kgを背負ってというのが影響したという見方もあるが、500kg級の馬体に1kgが影響するとは考え辛く、やはり、距離に壁があるように思える。
血統からも2Bマイラー血統で、前走着順が5着という点からは、あっても2、3着という評価が妥当。

アドマイヤハダル
予想オッズ6番人気△ 栗東◎ 先行○ 上り時計◎ 前走・若葉S△ 2番人気○ 1着◎ 圧勝歴◎
総合点26/32
新馬勝ちの後のアイビーS(L)は、0.4秒差4着と負けたが、続く、エリカ賞(1勝クラス)、若葉S(L)を連勝し、出走権を得た。
年明け初戦となった、前走の若葉S(L)では、+8kgという馬体で、上り1番時計33.7秒を繰り出し、2着に0.5秒差を付ける圧勝。
S指数も重賞レベルに達しており、何より、傾向の全てに該当している点に好感が持てる。要注意。

グラティアス
予想オッズ7番人気△ 美浦○ 先行○ 上り時計◎ 前走・京成杯△ 1番人気◎ 1着◎ 圧勝歴×
総合点20/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1269.html
2019年の阪神JF(G1)を勝ち、同年の最優秀2歳牝馬に選出されたレシステンシアの半弟という血統。
2019年のセレクトセールでは、2億4,840万円という高額で落札された。
1番人気の新馬戦を楽に逃げ切った後、前走の京成杯(G3)でも1番人気に支持され、3番手から上り1番時計34.9秒を繰り出し、2着に0.4秒差の完勝。重賞初制覇とした。
まだ、キャリア2戦と比較が難しいが、前走のS指数は重賞レベルに達しており、軽視は禁物。
圧勝歴以外は、全ての傾向に該当しており、好走の可能性は十分あると思われる。
レシステンシアの下という事で、かなりの金額が積まれたが、血統評価は、2Bの中距離馬と決して高くは無い。

ラーゴム
予想オッズ8番人気△ 栗東◎ 先行○ 上り時計▲ 前走・きさらぎ賞△ 3番人気▲ 1着◎ 圧勝歴×
総合点17/32
血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1327.html
新馬勝ちの後、アイビーS(L)タイム差無し2着、京都2歳S(G3)0.1秒差2着とし、前走のきさらぎ賞(G3)では、上り3番時計35.4秒を繰り出し、タイム差無しの1着。初重賞制覇とした。
速い上りがあるタイプではなく、先行から抜け出し、粘り込む競馬。
前走も、まさにその通りの内容で、S指数も高い。
脚質から展開の助けがあれば台頭もある。

ヨーホーレイク
予想オッズ9番人気△ 栗東◎ 差し◎ 上り時計◎ 前走・きさらぎ賞△ 2番人気○ 2着○ 圧勝歴×
総合点20/32
新馬、紫菊賞(1勝クラス)を連勝し、ホープフルS(G1)では、上り1番時計36.4秒を繰り出し0.3秒差3着と好走。
前走のきさらぎ賞(G3)でも、上り1番時計34.9秒、タイム差無しの2着としている。
G1を含む全4戦で上り1番時計を記録しているように、速さ、安定度の高さに定評がある。
が、4戦中3回の出遅れと、ここに難があり、中々差し切れない。
しかし、圧勝歴以外の傾向に該当点が多く、穴で注意が必要。

 

●まとめ
無敗で2歳王者となったダノンザキッドが、よもやの弥生賞(G2)3着となったことで、一気に混戦ムードになったクラシック牡馬路線。
勝ち馬が出ている1~9番人気を注目馬としたが、総合点順では以下の通り。

①総合点順
1位 アドマイヤハダル 26点
2位 ダノンザキッド 24点
2位 ステラヴェローチェ 24点
4位 ディープモンスター 22点
5位 エフフォーリア 21点
6位 ヴィクティファルス 20点
6位 グラティアス 20点
6位 ヨーホーレイク 20点
9位 ラーゴム 17点

平均点は、21.56点。
傾向から、勝ち馬の条件となる100%の項目は、前走着順で、前走連対が必要。
これに該当しているのは、以下の通り。

②前走着順
アドマイヤハダル 若葉S 1着
ディープモンスター すみれS 1着
エフフォーリア 共同通信杯 1着
ヴィクティファルス スプリングS 1着
グラティアス 京成杯 1着
ヨーホーレイク きさらぎ賞 2着
ラーゴム きさらぎ賞 1着

この段階で、2歳王者ダノンザキッド、朝日杯FS(G1)2着ステラヴェローチェが消える。
この中で、勝ち馬、2着馬の90%が該当する、前走1~3番人気に該当しているのは、以下の通り。

③前走人気
アドマイヤハダル 若葉S 1番人気
ディープモンスター すみれS 1番人気
ヴィクティファルス スプリングS 3番人気
グラティアス 京成杯 1番人気
ヨーホーレイク きさらぎ賞 2番人気
ラーゴム きさらぎ賞 3番人気

更に、勝ち馬が出ている前走レースで絞ると、ヴィクティファルスのみが該当となり、傾向からは1頭が残る事になる。
流石にこれは極端だろうが、今年は、こういった具体で混戦であるという事は分かる。
近2年の皐月賞(G1)や、先週の桜花賞(G1)もそうだったが、管理・調教技術の向上により、前走レースというファクターは、徐々に軽視の時代に来ているのかも知れない。
いずれにせよ、②の7頭の中に勝ち馬がいると考えて良さそうだ。
また、人気になっていないが、弥生賞を勝ったタイトルホルダーは、中長距離の1A評価で、メンバー中最高。
血統的な裏付けはダントツで、こちらも無視はし辛い。
タイトルホルダー血統評価:https://gzero.jp/institute/evaluation/post-1414.html

(編集長・katsu)

 

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