大阪杯(G1)は、阪神芝2000mで行われる4歳上のG1。
2016年まではG2として行われていたが、その後、G1に昇格し現在に至る。
実力上位馬が集うレースなので、基本的には上位人気馬での決着が多く見られるのだが、着順が難しい。
では、過去10年の傾向データを見ていこう。
●人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 2-2-3-3 20.0% 40.0% 70.0%
2番人気 4-1-1-4 40.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
4番人気 2-1-3-4 20.0% 30.0% 60.0%
5番人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
6番人気 0-3-1-6 0.0% 30.0% 40.0%
7番人気 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
8番人気 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
9番人気 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
10番人気 0-0-1-8 0.0% 0.0% 11.1%
11番人気 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
17番人気 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
18番人気 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
●開催年 3着内人気
2023年 2-1-10
2022年 8-3-7
2021年 4-6-1
2020年 2-4-1
2019年 9-2-4
2018年 1-6-2
2017年 1-7-4
2016年 2-5-4
2015年 4-1-6
2014年 2-6-1
1番人気は、勝率20%、連対率40%、複勝率70%で、3連軸としては機能している程度。
中心は1~4番人気。
連軸率は100%で、この4頭がまとめて連から外れるような事は発生していない。
また、2023年、2022年、2019年以外の全てが7番人気以内で決着しており、基本的には上位人気決着が濃厚。
2桁人気は、2023年3着に10番人気が来ているのみで割引き。
●所属 成績 勝率 連対率 複勝率
関東馬 0-1-1-31 0.0% 3.0% 6.1%
関西馬 10-9-9-73 9.9% 18.8% 27.7%
その他 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
圧倒的に関西馬が優勢で、関東馬、その他は割引き。
●馬齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳馬 4-4-6-27 9.8% 19.5% 34.1%
5歳馬 6-4-3-31 13.6% 22.7% 29.5%
6歳馬 0-1-1-25 0.0% 3.7% 7.4%
7歳~ 0-1-0-21 0.0% 4.5% 4.5%
5歳>4歳>6歳>7歳以上の順。
4,5歳馬が中心で、勝ち馬の100%、2着馬の80%、3着馬の90%が該当。6歳以上は苦戦。
●枠順 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 0-1-0-12 0.0% 7.7% 7.7%
2枠 0-0-1-12 0.0% 0.0% 7.7%
3枠 2-3-1-10 12.5% 31.3% 37.5%
4枠 2-1-2-12 11.8% 17.6% 29.4%
5枠 2-1-2-13 11.1% 16.7% 27.8%
6枠 1-2-1-15 5.3% 15.8% 21.1%
7枠 2-1-2-14 10.5% 15.8% 26.3%
8枠 1-1-1-16 5.3% 10.5% 15.8%
内側の1,2枠が不振だが、3枠から8枠までは特に割り引く必要はない。
●脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
先行 4-5-3-21 12.1% 27.3% 36.4%
差し 1-3-5-46 1.8% 7.3% 16.4%
追込 2-1-0-29 6.3% 9.4% 9.4%
捲り 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
先行>逃げ>差し>追込>捲りの順。
先行~差しが中心で、速い上りがあると尚良。
ただし、スパッと切れる脚で勝負というよりは、先行しての粘り込みのような形が基本。
●前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
金鯱賞 3-2-1-21 11.1% 18.5% 22.2%
有馬記念 2-2-0-6 20.0% 40.0% 40.0%
中山記念 2-1-2-16 9.5% 14.3% 23.8%
香港C 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
凱旋門賞 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
チャレンジ 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
京都記念 0-3-1-16 0.0% 15.0% 20.0%
中日新聞杯 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
秋華賞 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
ジャパンC 0-0-2-3 0.0% 0.0% 40.0%
小倉大賞典 0-0-1-10 0.0% 0.0% 9.1%
AJCC 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
神戸新聞杯 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
菊花賞 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
その他 0-0-0-18 0.0% 0.0% 0.0%
金鯱賞、有馬記念、中山記念、香港C、凱旋門賞、チャレンジCの6つのレースから勝ち馬が出ている。
●前走人気 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 2-3-4-12 9.5% 23.8% 42.9%
前走2人気 2-3-4-21 6.7% 16.7% 30.0%
前走3人気 1-1-1-16 5.3% 10.5% 15.8%
前走4人気 2-1-1-8 16.7% 25.0% 33.3%
前走5人気 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
前走6~9人 0-0-0-21 0.0% 0.0% 0.0%
前走10人~ 1-1-0-13 6.7% 13.3% 13.3%
前走1~5番人気が中心。
勝ち馬の90%、2着馬の90%、3着馬の100%が該当しており、本レースの最重要ファクターとなる。
●前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 2-1-6-22 6.5% 9.7% 29.0%
前走2着 3-1-2-14 15.0% 20.0% 30.0%
前走3着 0-3-1-14 0.0% 16.7% 22.2%
前走4着 2-0-0-7 22.2% 22.2% 22.2%
前走5着 1-3-0-9 7.7% 30.8% 30.8%
前走6~9着 2-2-0-20 8.3% 16.7% 16.7%
前走10着~ 0-0-1-18 0.0% 0.0% 5.3%
前走1~5着が中心。
勝ち馬の80%、2着馬の80%、3着馬の90%が該当。
着差では、0.9秒差以内負けがボーダーラインで、1.0秒差以上負けからは1着と3着が1頭ずつで割引き。
●まとめ
・連軸は当日1~4番人気
・7番人気以内決着率70%
・圧倒的に関西馬優勢
・4,5歳馬中心で6歳上は割引き
・1,2枠が不振
・上りの速い先行~差しだが、逃げ馬にも注意
・前走金鯱賞、有馬記念、中山記念、香港C、凱旋門賞、チャレンジC組が優勢
・前走1~5番人気(最重要ファクター)
・前走1~5着
・着差0.9秒差以内負けがボーダーライン
今年は、全項目をクリアできた馬が一頭もおらず、傾向からは少々難解なレースとなった。
従って、減点の少ない順に評価してみる。
( )内は、割引き内容。
【勝ち馬候補】
プラダリア(前走・京都記念)
べラジオオペラ(前走・京都記念)
【2,3着候補】
ソールオリエンス(予想オッズ5番人気、関東馬)
タスティエーラ(関東馬、前走・6着)
ミッキーゴージャス(予想オッズ7番人気、前走・愛知杯)
ローシャムパーク(関東馬、前走・8着)
【3着候補】
エプファニー(関東馬、前走・小倉大賞典)
ジオグリフ(予想オッズ14番人気、関東馬)
リカンカブール(予想オッズ12番人気、前走・中山金杯)
プラダリアは、前走の京都記念を3番人気1着。
上り2番時計34.8秒を繰り出し、5番手から突き抜けた。
これで、青葉賞、京都大賞典に続いてG2を3勝。実績は問題無い。
べラジオオペラも、あと一歩及ばなかったが、プラダリアとの着差は0.1秒差。
上り時計は、こちらの1番時計で年明け初戦としては上々の内容。
スプリングS、チャレンジCと中距離重賞を2勝しており、日本ダービーではタイム差無しの4着がある実力馬。
前走京都記念という部分のみが減点材料。
ソールオリエンスは、中山記念を1番人気に支持されるも0.5秒差の4着と惜敗。
予想オッズが5番人気という点と関東馬という2つが減点材料となりこの評価だが、人気が4番人気以内に成長すれば勝ち馬候補とできる。
今回から横山武史騎手に手が戻るのと、ブリンカーを着用する(かも)との情報もあり、中間の気配に注意が必要だ。
昨年の日本ダービー馬タスティエーラは、有馬記念を5番人気0.6秒差6着。
直線の不利もあってのものだが、勝ち馬を交わすまでのパフォーマンスがあったわけでは無く、やはり適性距離ではないと見える。
ソールオリエンス同様、3冠レースの全てで馬券に絡んでおり、自力の高さは上位。
ミッキーゴージャスは、愛知杯を1番人気で1着。
ハンデ戦の54kgでの勝利なだけに高評価は難しいが、前走レース以外の全てをクリアしており、馬券に絡む候補としては上がってくる。
ローシャムパークは、函館記念、オールカマーを連勝し、香港Cへ挑戦。
結果は3番人気に支持されるも8着と大敗したが、初の海外遠征という事もあり、着順のみでは計り辛い。
11戦して6-2-1-2 掲示板を外したのは前走のみとなれば、見直す手も十分。
エプファニーは、小倉大賞典を3番人気で1着。
上り2番時計34.6秒を繰り出して差し切った。
関東馬と前走レースが引っ掛かるが、チャレンジCではべラジオオペラの0.2秒差4着もあり、馬券に絡んできてもおかしくない。
ポイントはリラックスして走れるか?という部分。
イクイノックスを負かした2頭の内の1頭ジオグリフは、前走の中山記念に復調の気配が見える。
4番人気0.4秒差3着は、傾向からは上位争いできる内容。
関東馬という点と予想オッズ14番人気という2点が減点材料だが、上積みあるようなら恐い一頭だ。
リカンカブールは、中山金杯を5番人気1着。
予想オッズ12番人気という点と、前走レースが中山金杯という2点が減点材料。
これまでの実績やS指数等を見ると、さすがに恵まれないと難しそうだが、一応、印は付く。
一番の問題は、0-1-1-31 0.0% 3.0% 6.1% で、複勝率が6.1%しかない「関東馬」というカテゴリをどう扱うか?だ。
仮に、「では、消し!」とした場合、上記の中から5頭が消え、4頭のみが馬券対象という極端な形になる。
逆に「前走レースは何でも良い」という事にすると、これまた別の5頭の評価が上り、連対対象となる。
また、現4歳馬のレベルにも少々疑問がある。
今年、これまでの4歳以上の芝重賞は19戦行われており、この中の5つが4歳馬の勝利。
ただし、内4勝がハンデ戦で、別定戦を勝ったのは京都牝馬Sのソーダズリングのみという状況。
タイトルの大きさや印象に捕らわれず、具体的な数値を再確認した方が良さそうだ。
(編集長・katsu)